長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.2.16(火) 08:53 ~ 09:03 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今閣議と閣僚懇談会が終わりました。私からは特にありません。

質疑

記者:
派遣法を巡って、社民党と国民新党が大臣と両党首との会談を求めておりまして、両党とも労働政策審議会の答申の内容と主張に大きな隔たりがあり、法案提出も迫っておりますが大臣はどのように対応されますか。
大臣:
まだ今も精力的に議論が続いておりますので、まだ、私自身のアポイントは入っておりませんが、その状況を見ながら何とか早めに合意を取れるように取り組んで行きたいと思っております。
記者:
両党とも共通しているところとして、製造業への派遣の原則禁止について、例外になっている常用雇用の定義を見直すように求めておりますが、厚生労働省として受け入れ可能でしょうか。
大臣:
基本的にこういう労働法制というのは使用者と、労働者の合意がないときちんと法律としての機能が難しいということもあります。実効性が確保出来ないという問題もありますでしょうから、そこが腹に落ちて納得いただくということで、今回の原案というのはある意味では、労働側、使用者側に我々がお願いした範囲でぎりぎり合意をいただいたというものですので、その部分については非常に難しいと認識しておりますが、いずれにしても各段階で議論をしておりますので、それを見てなるべく早めに合意案を得るように努力して行きたいと思います。
記者:
近く開催される見通しの労働政策審議会では、答申に沿った法案の要綱を出すと言う方針に変わりはないのでしょうか。
大臣:
今日もずっと関係各方面の皆様方が議論しておりますので、その議論で合意出来るように、そして、必要があれば私もその議論に加わるかどうか、また報告を受けますがいずれにしてもそう時間もありませんので、そこで合意出来れば原案をそのままということになるのか、あるいは、原案はそのままでも運用上いろいろ検討を加えるとかいろいろな議論があると思いますので、それは議論の報告を受けて判断して行きたいと思います。
記者:
今日閣議の前後に、両大臣とはそういった会話はしなかったのでしょうか。
大臣:
それはありませんでした。
記者:
菅財務大臣が消費税の増税議論を3月から始めたいという方針を示されましたが、一方の独立行政法人の事業仕分けは4月から行われるのですが、この事業仕分け前に消費税論議が始まることについて、「無駄削減が鈍るのではないか」という指摘もありますが、大臣はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
大前提として私も厚生労働省内で申し上げてますのは、国民の皆様方が払った税金や社会保険料が、社会保障のサービスに一対一で中抜きとか、無駄がなくきちんと対応していると、負担と給付が一対一で結びついている実感をきちんと持っていただくべく、まずは徹底的に取り組むというのが一つの前提だと申し上げております。ただ、民主党としては、かねてより消費税を上げるという判断をする時は国政選挙の前にその上げ幅や、具体的中身を国民の皆様に申し上げて、それから信を問うという手順を申し上げております。そして、全体の議論は妨げないということを選挙期間中も申し上げております。中長期の財政のフレームも議論しなければならないということですので、議論そのものは否定するものではありません。ただ、私の職責としてはまずはこれまで不信感が非常に大きかった保険料などの使われ方について、国民の皆様方から「ほとんど無駄がなくなったのではないか」と実感を持っていただくように中身を徹底的に見直して行くということが私の職責だと思っております。
記者:
中国産の歯科技工物の話ですが、ベリリウムが発見された中国産の歯科技工物の原料となる歯科合金が日本で作られて、それが中国に薬事法の承認を得ないまま輸出されて日本に還流していることが分かったのですが、これについての受け止めと今後の対応についてお願いします。
大臣:
これについては、我々も調査をしようと考えておりますが、まだ、報道ベースでして厚生労働省として具体的な企業名ですとか、事例を把握しておりませんので、まずは実態を把握するというのが大前提ではないかと思います。その上で一般論としてですが、中国にそういうものを輸出する場合は届出が必要になっておりまして、その届出がなされているのか否かということも論点になると思います。また、中国で加工されたものを日本で個人輸入するという段階までですと、なかなか法令違反とまでは言いにくいという現状の法体系があります。それを国内で流通させれば薬事法に引っかかってくるのですが、個人輸入のレベルではなかなか法的な規制が難しいという現状もありますので、御指摘をいただいて事実関係を確認した上で何らかの規制なりが出来るのか、出来ないのかというのも検討課題として事務方にも指示をしているところです。
記者:
昨日のナショナルミニマム研究会で、委員の竹下弁護士が「生活保護基準の国会を通しての決定」というようなことを言われておりましたが、それについての受け止めをお願いいたします。
大臣:
どういう手続きにするかというのは、これから研究しないといけないと思います。かねてより申し上げているのは、ナショナルミニマムということについて、国家として一定の基準を作って広く国民の皆様にも御理解いただくような基準作りが必要だと考えておりますので、直ちに国会が良いのか、具体的なものをどうするのかということはまだ考えているわけではありません。ただ、そういう基準を国として打ち立てるというのが一つ大きな研究会の目的ですので、まずはその部分について取り組みたいと思います。
記者:
臓器の渡航移植の仲介業者の件ですが、昨日出た調査結果を踏まえての御感想をお聞かせください。
大臣:
濃淡はありますが、数件そういう可能性があるような案件が出て来たということで、言わずもがなのことですが、そういう可能性がありそうなものについての書類の提出などには御注意いただきたいということも我々は申し上げるわけですが、これまでにない事例が起こる可能性が今後出てくるわけですので、今後とも新たな事例があればきちんと調査をして行くという姿勢は続けて行こうと思います。

(了)