長妻大臣閣議後記者会見概要

H22.2.5(金) 18:11 ~ 18:32 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇談会と、その後に自殺総合対策会議がございまして、こちらに参りました。この自殺総合対策会議は、福島大臣を中心に進められているものでありますが、私の方からも昨年1年間で1日あたり90人の方が自殺をされたと、日本国では20代、30代の死因のトップが自殺であると、主要先進国ではそういう国はないということも報告申し上げ、10万人当たりの自殺率も日本はイギリス、イタリアの3倍。アメリカ、カナダの2倍であると、大変由々しき事態であるということで、総合対策というものも発表されましたが、厚生労働省の中でも「自殺・うつ対策プロジェクトチーム」を立ち上げまして、一つはアウトリーチと言いますか、精神疾患・うつ等の方へどういう風に御自宅に訪問する体制を整えていくかという課題。もう一つは、普通の開業医の方々に、初めはうつとは気付かずに相談に行かれる方も多いので、そういう開業医、あるいは第一報が入るであろうところに、うつの症状について周知徹底をする。あるいはお医者様を集めた研修会というのも今後各地で実施をしていただこうと、そういうようなことも含めて、当然第二のセーフティネット、住宅手当や求職者支援というようなことは充実をしていくということであります。そういうことを議論をさせていただいたということです。

質疑

記者:
昨日、小沢幹事長が不起訴となりまして、ぶら下がり会見で幹事長続投の意向を示されました。一方で、秘書や元秘書の方が3人起訴されまして、政治的、道義的責任はあると思いますが、職に留まることについて大臣の御見解をお願いします。
大臣:
色々な観測報道がありましたが、結果的には起訴されないということになったということでありまして、その意味では、幹事長続投と御本人も言われているということでありますので、私もその判断を尊重したいと考えております。
記者:
野党からは、起訴されました石川議員について、議員辞職の勧告決議案が出ています。これについて民主党の国対の方は、採決に応じないという決定をされましたが、「秘書の時の問題だから」ということがその理由のようですが、その決定については大臣はどう受け止めてらっしゃいますか。
大臣:
基本的には国会の判断でどうするかと、あるいは民主党の国対の判断でどうするかということが第一義的にあると思います。後は、御本人も色々考えていると思いますので、適切な判断をされるのではないかということだと思います。
記者:
適切な判断と言いますと、民主党の離党も含めての判断だということでしょうか。
大臣:
これは御本人が最終的に判断されることだと思いますので、御本人も色々なことを考えておられ、どういう判断かということは私が予想するわけにもいきませんが、適切に御判断をされるのではないかと考えております。
記者:
今回の一連の問題で、内閣支持率や今後予定されています参議院選挙について影響があると思われますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
そういうものに影響が出ないように、私の立場は厚生労働行政の責任者ということでありますので、仕事の部分を徹底的に更に推進をして、国民の皆様方にその部分で御評価をいただくという立場だと思っておりますので、その部分で御評価をいただいて、何とか御支持や期待に応えるような活動をしていきたいと思っています。
記者:
話題は変わりますが、先日、全国町村会の山本会長が贈賄容疑で逮捕されました。山本会長は厚生労働省の高齢者医療制度改革会議や、社会保障審議会のメンバーになっていらっしゃいます。このメンバーはどうされるおつもりかお聞かせ下さい。
大臣:
これは私もびっくりしまして、まだそういう意味では裁判で確定的なことが成されたということではありませんが、報道等によると、後期高齢者医療制度に関わる話というのも一部出ているところでありますので、これは色々なルールというのが、非常勤の国家公務員として一度任命をしているということで、どういうような形で対応をするかというのは検討しておりますが、常識的に、国民の皆様方から見て疑われないような対応をしていきたいと思います。
記者:
本日の閣議で、政治主導確立法案が閣議決定されたと思いますが、次官級、局長級の降格等々も含めた人事の在り方が内容に含まれていると思います。内閣、ひいては官邸の主導を強めるという観点だと思いますが、一方で人事権がかなり強力になりますので、政治の恣意的な運用ということも出てきてしまう可能性もありますが、そこら辺はどのようにセーブされるおつもりなのかお聞かせ下さい。
大臣:
これは非常に重要な法案だと思っておりまして、御存知のように、私もこの巨大組織のマネジメントを日々考えているところでありますが、やはり一義的には人事というのが非常に重要で、昨年10月から人事評価基準を変えさせていただき、省内に人事検討委員会ということで、更により良い人事、あるいは厚生労働省として求められる人材というのはどういう人物像なのかというようなことを検討しておりますが、その中にかなり、今までは出来なかったような抜擢人事も可能になる。あるいは、言葉は悪いですが降格ということも可能になるというようなこと。あるいは省庁間の異動というのも可能になるというようなこともありまして、非常に期待をしているところであります。そして、官邸とかなり密に連携して、全省庁の人事を大臣と官邸とが協調して、フレキシブルに動かしていくということが出来るということであります。そして、今言われたように、その一方で恣意的な人事があってはならないわけでありますので、その為にも厚生労働省としては、人事検討委員会を作って、出来る限り客観的な人物像や評価のポイント、評価基準も予め世間にお示しをして、そういう基準で選んでいくのだと、こういうような形で透明性を高めていきたいと考えております。
記者:
石川議員についてですが、議員辞職すべきかどうかということと、民主党としての処分はどういったものが適切であるか、この二点について教えて下さい。
大臣:
石川議員も色々お考えになっておられると思いますので、そういう意味では、色々な御判断をされると思いますので、今の段階で私が「こうすべき」ということは申し上げることは控えさせていただきたいと思います。また、党としても、過去のそういう案件の前例等に従い、適切な対応がなされると考えています。
記者:
新型インフルエンザワクチンについてですが、先日も厚生労働省の調査で国産ワクチンについても各都道府県で余裕があるようで、輸入ワクチンについても6本しか希望がないという現状で、今のワクチンの余剰について大臣の御見解をお願いいたします。
大臣:
今のところ、優先接種対象者でない成人の方も接種出来るということについても、解禁してまだ日がないわけで、まだ、周知徹底されていない部分もあるのではないかと考えております。そして、第2波が来ないにこしたことはないわけですが、その可能性も否定出来ないということで今確定的に「もう需要がない」と判断するのは早いと思っております。前からも申し上げておりますが需要と、備蓄等を差し引いたとしても輸入ワクチンは余るということですので、今、ワクチンメーカー2社と交渉のテーブルについて交渉しているという状況です。
記者:
相手メーカーの幹部が海外メディアに対して、契約解除をした国は今後優先枠から外すと発言されているようなのですが、そういった面でも交渉は難しいと思いますが一部解約の見通しはいかがでしょうか。
大臣:
恐縮ですが、交渉中ですので、交渉の中身というのはすべて完結した時には、元は国民の税金ですので出来る限り当然公表いたしますが、今の段階で私の方から責任者としての立場でお話申し上げるというのは差し控えさせていただきたいと思います。
記者:
今日、千葉法務大臣が法制審議会に親権の制限などについて諮問をしました。虐待などで保護された子どもについて、施設などを所管する厚生労働省としてそういった子ども達の実態把握が十分かどうか、また、保護されている子ども達は4万人くらいおられますが、そういった子ども達に対し厚生労働行政としてどういった実態把握を進めたいかお聞かせください。
大臣:
先日、介護の体験ということでお邪魔した先が複合施設ということで、お母様がいろいろな事情でお子様を育てられなくなったという、母子家庭のお子様が暮らしていらっしゃる施設にもお邪魔しました。厚生労働行政としては、やはり、そういうお子様達が本当にのびのびと成長していただくように、今の施設のあり方というのも部屋の割り振りですとか、一部屋に入っていただく人数等々も出来る限り見直す必要があるということと、今回、国会で申し上げましたが子ども手当も施設に、そういうお子様のためにお支払いするような仕組みも検討しているということです。あとは親権の議論と、厚生労働行政が具体的にどういう関連性があって、それの推移によってこちらの行政を変更したり、強化したりする部分がないかどうか省内でも吟味をしているところです。
記者:
先ほどの山本会長の件ですが、贈賄、収賄、100万円の受領を共に認めているということで、常識的に考えて役職からはやめていただくということを基本に検討しているということでよろしいでしょうか。
大臣:
常識的な判断をしないといけないと思っておりまして、手続の面でいろいろな手続がありますので、ある程度時間を掛けずにいろいろな判断をして行きたいと思います。いずれにしても常識的な判断が必要だと考えております。
記者:
感想で結構なのですが、子ども手当に関して、今、春闘の中で経営側が「子ども手当が配られるのだから、家族手当はいらないのではないか」ということで、諸手当の見直しを進めようとしているのですが、子ども手当を出すということで、そういう動きがあるということについてどう思われますか。
大臣:
基本的に私どもが子ども手当をマニフェストに盛り込んで、今回法案も提出させていただいた意図は、今の現状に加えてそういう手当が日本で必要であるという判断で制度を作っております。あとは、ある意味では労使の交渉の話ですので、具体的に私が「どうする、こうする」というのに立ち入るのは不適当だと思いますが、趣旨としては今の現状に加えて底上げをして行くという趣旨です。
記者:
ナショナルミニマム研究会と、年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方に関する検討会を現在非公開にしている理由を改めてお伺いしたいのですが。
大臣:
ナショナルミニマム研究会については、私としては委員の先生方の了解が得られれば公開にしても差し支えがないと思っておりまして、今、厚生労働省職員の方々に傍聴を募っておりまして、関心が高いのでありがたい話ですが、何十人もの職員の方に勤務に差し支えない状況で傍聴していただいておりますので、そういうふうに考えているところです。そして、年金積立金管理運用独立行政法人の運営の在り方に関する検討会ですが、いろいろ議論をいたしましたが、そこの委員の先生方が自由に発言をしていただくということが、120兆円の資産を運用している団体ですので、そこでの発言が切り取られて表に出たときに、市場に予期しない影響が出る可能性があるということも考えてそれについては今の段階では公開をしていないということです。いずれにしても、国民の皆様方の税金で会議をしておりますので、出来る限り影響が出ないような形で、結論が出ましたら、マスコミの皆様、国民の皆様にお知らせしたいと考えております。
記者:
要望なのですが、委員の皆様は国民の税金で日当を貰って来られており、ナショナルミニマム研究会などは特に非公開にする理由はないと思いますので、出来れば大臣の方から委員の先生方に、是非マスコミに公開するようにお願いをしていだけるとありがたいと思います。国民はどういう議論をしているか興味があると思いますので、私達が伝えないと何をやっているか全く伝わらないと思いますので、是非お願いいたします。
大臣:
税金でやっている会議ですので、再度私の方からも各委員の先生方にそのお願いを多少強くして参りたいと考えております。出来る限り公表したいと思います。

(了)