長妻大臣閣議後記者会見概要

H21.12.1(火)8:46 ~ 9:20 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議と閣僚懇ですが、ワンストップサービスの話も出まして、昨日全国77カ所のハローワークで2000人以上の方が、そのワンストップサービスの所の利用者の数だけですけれども、来ていただいたということで、分析をして、今後役立てていきたいということと、今日閣僚懇談会で私の方から、たばこ税について、健康の観点から、OECD平均並みに上げるべきではないかという話も申し上げました。 そして、これは閣僚懇とは関係ありませんが、皆様にお配りしていると思いますけれども、就職の決まっていない職員への対応策ということでありまして、これにつきまして、11月16日時点で就職の決まっていない職員が約500人おられるということでございます。実は全体で1100人なのですが、そのうち600人の方は退職の意向を示されておられますので、それ以外の500人の方、内訳としては懲戒処分を受けた方が約300人、懲戒処分を受けていない方が約200人ということでございます。この500人の方々も含めた対応策でありますけれども、日本年金機構におきましては辞退をされた方が180人程度おられるということでございまして、その部分を募集をしなければならないということで170人程度を准職員という形で追加募集を行う。これについては、この懲戒処分を受けた方はもちろん日本年金機構には行くことは出来ませんので、懲戒処分を受けていない方について、170人程度を准職員として追加の募集を行うということ。准職員というのは、契約は1年間、以降更新により最大で7年間の有期雇用ということです。 そして、もう一つでございますけれども、厚生労働省の非常勤職員の募集を致します。こちらは、基本的には2年3ヶ月の有期非常勤職員でございますけれども、こちらについては公募という形になりますので、民間の方も応募いただけるわけでございます。200~250人程度ということでございまして、この公募についてはこの懲戒処分を受けている職員も応募できる。民間人も応募できる。あるいは、懲戒処分を受けていない職員でまだ決まっていない200人の方も応募できる。こういうような形で募集をしていこうと考えている所であります。職務としましては、厚生労働省に採用する非常勤職員でありますけれども、現時点ですが、保険医療関係の仕事であります。保険医療に関するもので、保険医療機関等からの各種申請・届出の受付や事務処理補助、保険医療機関等に対する指導、監査に関する補助等々で職務をしていただくという形で募集をさせていただこうということであります。

質疑

記者:
この対策案でも分限免職を免れない職員が出てくると思いますが。
大臣:
分限処分の回避努力義務というのは厚生労働大臣に課せられているということでありますが、出来る限りの措置をさせていただくということであります。それと、今申し上げました500人とは別に、「分限処分でもかまわない」「分限処分にして欲しい」という御希望の方も100人程度いると聞いておりまして、その回避努力はギリギリまで致しますが、そういうような実態です。
記者:
処分者の中には「ヤミ専従」に関わっていた人もいると思いますが、その人の対応はどうなるのでしょうか。
大臣:
面接をするのは厚生労働省の事務局でございますので、事務局に対しては過去の経歴、民間人の方も面接をすることになりますが、民間人の方ももちろん過去の経歴を見ますが、公務員の方についても過去の経歴で悪質な案件がある場合も当然に勘案して考えて欲しいというようなことを申し上げているところです。
記者:
「悪質な案件」の中には過去に年金ののぞき見で処分された方とかそういった方も含まれるのでしょうか。
大臣:
過去の行動やどういう状況なのかを見て、面接の場で総合的に判断をするということであります。やはり「ヤミ専従」というのはかなり悪質でありますので、そういう部分はきちんと見ていくということです。
記者:
今回一定の救済の道を開くことにもなると思いますが、野党時代にかなり大臣は厳しく追及もされていましたが、国民の理解は得られるとお考えでしょうか。
大臣:
公募をするということで、厚生労働省の非常勤職員という形で、2年という有期採用ということもありまして、これについて民間人と同列の基準の中で選んでいくということでありますので、これから国民の皆様方にも御理解をいただくように説明をしていきたいと考えているところであります。
記者:
分限免職になる可能性のある方の配置先で、保険や医療などの仕事というのは具体的にはレセプトセンターみたいなところでの仕事ということでしょうか。
大臣:
かつて社会保険庁がやっていた、保険に指定した医療機関についてのチェックとか監督というようなことでありますけれども、非常勤職員の方は具体的な権限が正職員に比べて権限がない部分もありますので、その周辺の補助というような仕事になろうかと思います。その部分の仕事をしていただくという形です。
記者:
この2年3ヶ月の期間の後の扱いについてはいかがでしょうか。
大臣:
私どもは年金記録問題で1期4年で信頼回復をすると申し上げ、初めの2年間は「ヒト・モノ・カネ」をかけて集中的に対応をするとかねてより申し上げておりまして、その意味で厚生労働省の職員の方を130人、社会保険庁の経験のある方を日本年金機構に2年間出向していただくと。この方々はある程度ベテランの方が多いわけでありまして、そういう意味では日本年金機構も民間人の方が1000人以上入りますので、そういう方々に対する指導も含めて2年間出向していただく。その空いた穴を非常勤の職員の方も含めた形で対応するということでありますので、2年後には常勤で出向した方が厚生労働省の保険医療の職場に戻りますので、そういう意味では、今回200~250人程度という方はその2年以降は基本的には有期雇用という形になるということであります。
記者:
今回の決定までに平野官房長官が大臣のところに直接訪れたりとか、連合、自治労から要請をされていたと思いますが、そういったことも大臣の中で加味された判断ということでしょうか。
大臣:
これは国会でもかねてより申し上げましたが、判例も含めて大臣、任命権者には分限回避努力義務が課せられているということもございます。その中で必要な仕事ということをピックアップして、必要最小限の形で募集をして、かつ厚生労働省部分については公募という形で、民間の方も応募が可能な形で選ばせていただくと。こういうことが私としてはギリギリの判断であると考えておりまして、今後関係各方面に御理解をいただいていくということです。
記者:
厚生労働省の応募の方は保険の関係ということですが、年金の関係には携わらせないというのは意図的なものというのはあるのでしょうか。
大臣:
今回募集をする非常勤職員の200~250人の方々というのは基本的には年金の職務ではありません。今申し上げました、保険指定の医療機関に対する指導の補助をするなど、こういうことです。
記者:
そこは処分ということがあるからということでしょうか。
大臣:
そういうところもありますが、先程も申し上げたように、その部分で社会保険庁におられた方が出向で穴があきますので、そこを埋めるという趣旨もありますので、その部分の仕事をしていただくということです。
記者:
日本年金機構に出向される130人の中に懲戒処分を受けられた方というのは含まれるのでしょうか。
大臣:
これはいません。
記者:
官邸や自治労への報告、調整はこれからでしょうか。
大臣:
正式にはこれから御理解をいただいていくということになろうかと思います。
記者:
官房長官、総理にはお話はされているのでしょうか。
大臣:
官房長官には報告を致しましたが、詳細はまた報告をするという形になると思います。
記者:
報告というのは今日の閣議後の懇談でしょうか。
大臣:
昨日、「こういうような形でやらせていただきます」ということを官房長官と院内で会いましたので申し上げまして、詳細は御報告をしますという形にしております。
記者:
官房長官からはその際にどのような話があったのでしょうか。
大臣:
基本的には私に任せているというような話でありましたので、私としては私の判断でこういうような案をまとめ、政務三役とも議論をして今日発表をさせていただくということで、関係各方面、そして国民の皆様の御理解を得るべく今後お話を申し上げるということです。
記者:
就職が決まっていない人が500人いて、非常勤職員200~250人で准職員が170人ということですと100人以上の人が余ると思いますが、その人達はどうなるのでしょうか。
大臣:
今の計算も民間人の方も200~250人のところに応募されるわけでありますので、そういう方は当然これだけではございませんで、かねてから申し上げているように「官民人材交流センター」これは官房長官がトップを兼ねておられますので、そこでも民間企業等への就職情報の提供などを致しますので、そういう色々なチャネルを使うと、これは厚生労働省の範囲で発表させていただいていますが、そういう意味では官民人材交流センターなどでそういう情報提供をするなどを併せてやっていくということであります。
記者:
非常勤職員についてですが、2年後は首をきるということで良いのかということと、非常勤の方の待遇というのは正規の職員よりも給与面等で落ちるということになるのでしょうか。
大臣:
先程も申し上げたように、出向者の方が戻ってきますので、そういう意味では2年3ヶ月という期限の有期雇用という形です。待遇面につきましては、正規職員の方よりも給料水準というのは下がるということであります。
記者:
2年3ヶ月後は雇わないということでよろしいですか。
大臣:
基本的にはそういう前提で公募をしようと考えております。
記者:
民間人の公募もあるとおっしゃいましたが、想定される人数はどれくらいでしょうか。
大臣:
公募してみないと民間人の方が何人応募していただくのかということはわからないわけでありますが、当然、補助的業務といえどもレセプトを扱ったことのある、医療事務経験のある民間人の方というのも多くおられると思いますので、そういう方々がどこまで応募していただくか、応募の際には詳細な募集要項というのを作って広くお示しをするわけでありますので、今のところ民間人を何人想定するかというのはまだわからないところはあります。
記者:
500人のうち何人くらいが分限免職に最終的になりそうかという見通しはいかがでしょうか。
大臣:
分限回避努力義務がありますので、このスキームは厚生労働省のスキームを申し上げておりますので、基本的には、官民人材交流センターや、あるいは官房長官が他省庁にどれだけ採用してもらう枠があるかどうかも含めて色々な話合いもすると聞いておりますので、これはまだ見込みというのはわかりません。
記者:
大臣の中では今回の決定というのは一貫されていたのでしょうか。それとも相当迷ったポイントがあったとしたらどんな点でしょうか。
大臣:
色々検討を重ねまして、一貫した形で発表させていただいたと考えております。これは裁判になった場合、私も責任ある立場でありますので、負けて結局は雇わざるを得ないということになるというのは問題でありますので、判例で要請されている分限回避努力義務、あるいは専門家にも詳細にお話をお聞きしまして、そういう中で義務を果たすギリギリの判断で厚生労働省としての対応を政務三役も含めて、かなり議論をしてこういう形ということで今日発表するということです。
記者:
今後も就職あっせん等続けていかれると思いますが、採用に関する政治的判断というのはこれが最後ということでしょうか。
大臣:
来年1月から日本年金機構が発足しますので、この決定は基本的にはこれで最後になるのではないかと考えております。
記者:
確認ですが、年金機構の准職員、厚生労働省の非常勤職員の採用は1月からということでしょうか。
大臣:
そうですね。1月からです。
記者:
公募としてはいつぐらいから。
大臣:
これは早急に、出来る限り事務手続きを急ピッチで進めてそれが整えば直ちにという形になると思います。
記者:
いつごろ決まるのでしょうか。
大臣:
1月から日本年金機構が発足しますので、遅くとも12月中には決めるということであります。
記者:
上・中・下旬とかは。
大臣:
速やかにということですが、タイムリミットとしてギリギリのタイミングだとも聞いておりますので、それは早めに決めていくということです。
記者:
事業仕分けの漢方の件ですが、反対署名が25万件以上集まっているということですが、その辺の受け止めをお願いします。
大臣:
以前もおたずねがあって申し上げましたが、事業仕分けの中でも漢方薬というのはお医者さんでも処方をしているものでもあり、それを保険をいきなり外すということについては、私自身も直ちに外すということには疑問がありますので、そういう署名やたくさんの要望が来ておりますので、それを良く見て判断をしていきたいと考えております。
記者:
建設関係の国保組合が、入院時や通院時の負担を実質無料ですとか、非常に低く抑えていると、それで国庫負担は4割から6割入っているという実態が明らかになったわけですが、こういう国庫負担が非常に多く入っている国保組合が、手厚い上乗せ給付をすることについて大臣はどうお考えでしょうか。
大臣:
これについては今担当部署に調査、分析依頼をしておりまして、他の保険者との兼ね合いを含めてまず現状把握をするということで、私も直接報告を聞いてどういう判断が出来るのか考えて行きたいと思います。
記者:
場合によっては国庫負担を削減するということも検討されるということでしょうか。
大臣:
まずは、他の保険者との見合いで実態がどういう状況がなっているのか、その水準が適当なのかどうか判断して行きたいと思いますので、まだ、予断を持って話せる状況ではないと思いますが、きちんと調査はしていきたいと思います。
記者:
建設関係に限らず、国保組合については非常に高収入の医師の国保組合に、国庫負担が3割くらい入っているということで、以前から批判がかなり多かったと思うのですが、これが事業仕分けの対象になっていない理由をお聞かせください。
大臣:
事業仕分けは私が事業を選定するわけではありません。行政刷新会議が単独で事業設定をしますので、その事業設定の基準等はどういう理由で選んだのか、選ばないのか私は承知はしておりません。やはり、一度こういう問題提起がマスコミからもありましたので、すべての保険について国庫負担と、どういうサービスがなされているのか、また、それが適正なのかどうかということについて現状把握をしたいと考えておりまして、それについても担当課に指示をしているところですので、出そろったところで現状を詳細に把握したいと思います。
記者:
場合によっては10年度の予算で国庫負担を見直すという、厚生労働省独自の判断で見直す可能性はあるのでしょうか。
大臣:
まだ予断を持って言える段階ではありませんが、いずれにしてもきちんと把握をすることが先決です。そして、何か変更をする必要があれば変更するし、その必要がなければいろいろな指導のレベルで収まる場合はそうかもしれませんし、あるいは変更がないのかどうか、他との見合いをきちんと把握することが前提になると思います。
記者:
10年度の予算編成の時期が迫ってきていると思うのですが、大臣としてはいつ頃までに実態把握したいとお考えでしょうか。
大臣:
実態把握が来年度の概算要求に間に合うかどうか、これは遅くとも12月中ですから出来る限り間に合うように把握したいと思いますが、非常に短い時間の中でどこまで正確に把握していけるかということもあります。まだ、昨日指示を出した段階ですので今後中間報告も受けて考えて行きたいと思います。
記者:
事業仕分け全般についてですが、厚生労働省の50くらいの事業の内、対処方針は決められているのでしょうか。決められているのであればどういった内容なのかお聞かせください。
大臣:
これについても粗々そういう方針の案が事務局から出てきましたが、それに加えて議論のポイントはたくさんあります。まず一つは、政務三役が現地に視察に言ったり、若手中心にAチーム、Bチームというのを作って、事業仕分けの現場に行って、さらに何か削れるものがあるのか前向きな形の検証チームを作って、今日か、明日に私が報告を受ける予定にしております。それと同時に事業仕分けの考え方に基づいて、今回俎上に載っていない事業も、厚生労働省単独で事業仕分け的なことを行っております。それもお金が出てきておりますので、そことトータルで結び付けて発表出来る段階になれば発表させていただきたいと思っておりますが、まだ、生煮えの段階ですので、それをきちんと精査をして「事業仕分けについてこういう立場です」ということを、先ほどの漢方薬の話もありますので、政策的判断が求められるものを含めて明らかにして行きたいと思います。まだ、今日は発表出来る段階ではありません。
記者:
母子加算が今月復活するということですが、これについてのお受け止めをお願いいたします。
大臣:
母子加算が復活したということで、大変我々としても一つの公約が果たせたと考えております。ただ、生活保護を含めたナショナル・ミニマムについて、どういう哲学を持って考えればいいのかということについては、今後研究会を発足させて、中長期の話ですが、その指標を含めて、どういう手法がナショナル・ミニマムを考える上でいいのか研究していきます。今回の母子加算の復活は非常に消費支出の統計についても、完全だと思っておりませんので、それを見て一方的に乱暴に削減したということで復活しました。ただ、トータルの最低限度の生活、ナショナル・ミニマムというのはやはり、整理する必要がありますので、そういう研究も続けて行きたいと思います。
記者:
漢方薬についてですが、保険適用を除外することに疑問を持たれている理由をお聞かせください。
大臣:
やはり、漢方薬というのはお医者さんが処方するものと全く同じものが市販で手に入るのかどうか、これは処方するわけですので、本当にお医者さんが処方したものがすぐ手軽に薬局に行って同じ成分や、同じ効能が手軽に手に入るのかということについて疑問があるということが一点です。それとやはり、患者さんの御負担が増える話を非常に短い間で、しかも、2年に1回の診療報酬の改定が目前に迫っているところで拙速に決めることについては疑問があるということです。
記者:
湿布薬とか、うがい薬との違いはどうお考えでしょうか。
大臣:
湿布薬、うがい薬についても効能や、中身の精査しており、まだ対応を違えるとも決めておりませんので、これも診療報酬、あるいは概算要求の締め切りまでにきちんと議論を省内で行い、専門家の意見も聞いて行きたいと思います。
記者:
先ほど閣僚懇談会で、たばこ税の発言をされたとおっしゃいましたが、他の閣僚、あるいは総理からそれについての言及があったのかということと、財務省の方では副大臣からなかなか難しいという見解が出て、今後説得されて行くと思いますが、それの手応えをお聞かせください。
大臣:
今日の閣僚懇談会は、9時から委員会のある方もいらっしゃり、行政刷新会議からの報告もかなり多くありましたので、私から申し上げて、各閣僚の報告が一方的にあったということで終わりました。厚生労働省は長浜副大臣が税制改正の担当ですので、長浜副大臣がかねてより税制調査会の場でもそれを主張しておりますので、今後とも主張を続けていくということです。
記者:
原爆症についてですが、今日訴訟解決のための基金法案が成立見込みですが、それに関連して被爆者側が大臣との定期協議を年内にも始めたいと要望しておりますが、その対応はどうなりますでしょうか。
大臣:
まさに9時30分から衆議院厚生労働委員会で採決があるということですが、この定期協議は私も参加させていただきたいと考えておりまして、年内か来年早々かは別にして、その日程を設定して出席し皆様のお話を聞いて行きたいと思います。
記者:
民主党はマニフェストで認定制度の抜本的な見直しを考えておりますが、それも定期協議の中で話し合って行くということでしょうか。
大臣:
認定というのは非常に大きな問題でもありますが、そのテーマは限定せずに基金の話、あるいは認定の話も御意見を承って行きたいと思います。

(了)