長妻大臣閣議後記者会見概要

H21.10.01(木)16:20 ~ 17:15 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日、内閣総理大臣を本部長とする新型インフルエンザ対策本部を官邸で先程開いて参りました。その後の閣議、閣僚懇等々が今終わって戻ってきたところでございます。まずは、この新型インフルエンザ対策本部において、新型インフルエンザワクチン接種の基本方針が決定されました。これは、国民の皆様方にも政府としてお願いをしなければならないことですので、私からパワーポイントを使って御説明させていただきたいと思います。 まずは、新型インフルエンザの特徴についてということで、これにつきましては、季節性インフルエンザと類似した点が多い。感染力は強いが、多くの感染者は軽症のまま回復をされておられる。治療薬、タミフル、リレンザが有効である。しかしながら、糖尿病、ぜん息等基礎疾患を有する方、妊婦の皆様方などは重症化する可能性が高い。国民の大多数に免疫がなく、感染が拡大するおそれが大きいということでございます。 次に、今回のワクチン接種の目的でございます。重症化等の防止については、一定の効果が期待できる。感染防止の効果は、今の時点では保証されていない。今回のワクチン接種の目的は、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすというのが目的でございます。もう一つは、患者さんが集中発生することによる医療機関の混乱を極力防ぎ、必要な医療提供体制を確保するということでございます。こういう観点、目的に基づいて、優先的に接種をする対象者の方々を、多くの皆様の御意見、パブリックコメント、あるいは公聴会なども含め御意見をいただき、海外の例も参考にし、専門家の方の御意見もお伺いをして、この目的に沿った優先接種対象者ということを、我々の方で発表をさせていただきます。 今般のワクチンにつきましては、当面の生産量が限定的であることから、より必要性が高い方に接種の機会が提供されるよう、事業の実施主体たる国が接種の優先順位を設けることとしております。そういう慎重に御議論いただいた過程で、ここにございますような優先接種対象ということを発表させていただきたいと思います。まずは、新型インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者、救急隊員の方々も含みます。人数でいうと約100万人の方々。二番目と致しましては、妊婦さん、基礎疾患を有する方々、三番目と致しましては、1歳から小学校3年生に相当する年齢のお子様ということでございます。四番目と致しましては、1歳未満のお子様の保護者、優先接種対象者のうち身体上の理由により予防接種が受けられない方の保護者等。そして、「その他」と致しまして、優先接種対象者の次の優先という意味合いでございますが、小学校4年生から6年生、中学生、高校生に相当する年齢の方、高齢者、65歳以上の方でございますが基礎疾患を有する方を除きます。基礎疾患を有する方は、優先接種対象者の二に入ってございますので、こういう考え方でございます。この方以外に対する接種については、これら優先接種対象者、その他の方への接種状況を踏まえて対応をしていくということでございます。 次にワクチンの確保についてでございます。年度内に国内産ワクチン・輸入ワクチンを合わせて約7,700万人程度、これは2回接種の場合ですが、約7,700万人分程度確保の見込みでございます。国内産のワクチンにつきましては、今月の10月19日の週から順次接種開始見込みでございます。年度内に国内産ワクチンを2,700万人分程度を確保予定、これも2回接種の人数のカウントでございます。輸入ワクチンにつきましては、今年の12月末から来年の1月に輸入開始の見込みを立てております。年度内に5,000万人分程度確保の予定となっております。輸入ワクチンの確保に関しましては、必要な立法措置を速やかに講じて参りたいと考えております。参考として、下に書いておりますが、ワクチンの接種回数については、現時点では2回接種を前提としております。今後の臨床試験の結果等を踏まえて、10月下旬以降見直す可能性もございます。輸入ワクチンについては、特例承認時に判断をする予定でございます。 次でございますが、国民の皆様方に取っては、「自分はだいたいいつごろの時期に接種が出来るのだろう」とお考えになられる方が多いわけでございますので、これはあくまで目安でございます。地方自治体、医療機関等々によっても、あるいは優先接種者の方々の接種率等々に関して、あくまで目安ということで、地域地域によって異なる場合もございますので、目安をお示しをしているところでございますが、一番下には国内産ワクチン、輸入ワクチンということでございますが、まず10月19日の週から接種を国内産ワクチンで始めさせていただくということで、医療従事者の方々、11月前後以降、妊婦の方々、基礎疾患の中でも最優先の方々、そして、12月前後以降、基礎疾患でも次の基礎疾患の方々、その次の段階では、幼児、小学校低学年、1歳未満児等の保護者の方々と続き、小学校高学年、中学生、高校生、高齢者の皆様方に順次接種というスケジュールになっておりますが、あくまでこれは目安としてお考えをいただきたいということを国民の皆様には申し上げたいところでございます。そして、ワクチンの接種についてどういう仕組みで実施するのかということは、国民の皆様方にも知っておいていただいた方が良いわけでございまして、簡単にお示しをしている図でございます。国と受託医療機関で委託契約をさせていただく。国はワクチンの確保、接種の優先順位の設定、医療機関との契約締結ということでございます。具体的には、製造販売業者・販売業者から受託医療機関はワクチンを購入をしていただく。医療機関等につきましては、これは原則でございますが、予約制により接種を順次実施をしていただくということでございます。具体的なスケジュール等はかかりつけの医療機関や市町村にお問い合わせ下さいと書いてございます。これは、10月19日の週から接種を致しますので、これについて、準備をそのスケジュールで各方面にお願いをしておりますので、この問い合わせにつきましても、その接種の近くになりましたら、ある程度の問い合わせの確認が出来るのではないかと考えているところでございます。 次でございますが、費用負担についてはどのような考え方になるのか。自己負担はいくらになるのかということを御説明申し上げます。費用負担については、接種費用が1回、2回打っていただくということで、合わせて6,150円が自己負担となります。自己負担をお願いするわけでございます。1回目が3,600円、2回目が2,550円ということでお願いを申し上げたいと考えております。1回目と異なる医療機関で接種する場合は、2回目は3,600円になります。と言いますのも、基本的な健康状態等の確認が再度必要なため、こういう考え方をお願いさせていただきたいということでございます。そして、所得の少ない世帯の負担軽減でございますが、基本的には、具体的な内容については、今後市町村において御決定をいただくということで、市町村独自のお考えもございます。国と致しましては、市町村民税の非課税世帯。これは約3割程度いらっしゃると認識しておりますが、この方々について軽減が出来る、免除が出来る財源を措置しております。市長村はこれを踏まえて、軽減措置の内容を今後決定いただくということになるわけでございます。 そして、次でございますが、ワクチンの有効性、安全性についてでございます。インフルエンザワクチンについては、先程も申し上げましたが、感染防止、感染流行阻止の効果は保証されていない。つまり、ワクチンを打って感染をしてしまうことは防げるということは今の時点では保証されていないということで、この新型インフルエンザワクチンについては、新型インフルエンザに罹った方が重症化、死亡の防止をするということについて一定の効果が期待出来る。こういうものでございます。そしてもう一つ、稀ではございますが、重篤な副作用が起こりうるということも申し上げます。国内産のワクチンにつきましては、安全性は季節性インフルエンザワクチンと同程度と考えられる。この季節性インフルエンザワクチンの副作用に関しましては、これまでも広く公表をさせていただいているところでございます。そして、輸入ワクチンにつきましては、国内産ワクチンと製造法、成分、接種方法等が違い、有効性・安全性が異なる可能性があるということで、これは十分我々も精査をして、輸入ワクチン開始の際には、皆様方に更に詳細な情報を公表していくという取り組みを考えているところでございます。国内産ワクチン、輸入ワクチンとも副反応を迅速に把握し、当該情報を専門家により評価する仕組みを構築し、速やかに今後も対応をしていく。予防接種法に準じた救済制度の創設を、早い段階で法的な整備を考えて準備をしているところでございます。 最後に、国民の皆様方に申し上げたいことは、今回新型インフルエンザということで、我々がこれまで直面したことのない新型インフルエンザでございます。その意味で、ワクチンの数が限られた中、優先接種という考え方を取らせていただいているところで、何とぞ国民の皆様方の御協力、御理解をいただきたいということをお願いを申し上げるところでございます。そして、この新型インフルエンザワクチンは一定の効果が期待される一方、リスクも存在する。国民お一人お一人がワクチン接種の効果とリスクを御理解いただいた上で、接種を受けていただけるよう、得られる限りの情報を、迅速に提供して参ります。明日でございますが、都道府県の御担当の方に東京に来ていただきまして、今、申し上げた中身についての詳細な資料、詳細な手順を、具体的な手順も含めまして、十分に誠意を持って各方面に御説明をして、御理解をいただこうと。こういう姿勢で取り組んで参ります。何卒よろしくお願い申し上げます。

質疑

記者:
政権交替から時間もない中で、今回、新型インフルエンザ対策をまとめられましたが、それの率直な感想とどういったところに調整がかかったかがあれば教えてください。
大臣:
政権交代が起こり、私も就任後2週間あまりという中で、非常に神経を配って対応をしてきたつもりです。その中で前大臣の舛添さんが、ある程度道筋を付けておられたということと、引き継ぎも十分にさせていただいたということもありがたいことだと感謝をしているところです。いろいろな方面については、日本の最高頭脳の専門家の方々の御助言、御指導もいただいて今日対策本部で御了解をいただいたところでして、財務当局の御理解をいただく、あるいは、ワクチン接種に関する費用も少しでも国民の皆様に御納得いただけるような形にしたい、何しろワクチンの量が確保をきちんとする必要があるなどなど、優先順位を付けるというこれまでにない我々の対応になっているところでして、各方面の方の御助言をいただいてこれを作りあげたということです。
記者:
新型インフルエンザのワクチンとしては日本で初めて輸入に踏み切ったわけですが、一方で副作用被害の懸念もあると思うのですが、それについてどう取り組んで行くお考えでしょうか。
大臣:
輸入ワクチンにつきましては、特例承認という審査が待っておりまして、この審査の枠組の中で御専門の方を含めてきちんと御議論をしていただき、安全性や副作用がどの程度のものなのか、きちんと見極めた上で国民の皆様に情報開示をする。その上で使用をするという、慎重な手順を取って行きたいと考えております。
記者:
政務三役会議で、法的整備を考えているとおっしゃっておりましたが、副作用被害の救済法案など臨時国会に提出するお考えについてはいかがでしょうか。
大臣:
臨時国会の会期、あるいは時期等がまだ不透明でございますが、今、申し上げたワクチン接種のスケジュールを考えますと、やはり、臨時国会での法案提出ということが必要であると考えておりますので、関係各方面にもお願いをし、御協力いただいた上でその目的を達して行きたいと考えております。
記者:
今回の新型インフルエンザ対策の決定の経緯ですが、政務三役会議での議論が中心になったと思うのですが、その後、会合の度に政務官ブリーフィングがあったと思うのですが、そこの中では「検討中」という発言が相次いで、途中経過が全く見えなかったのですが、その中で今後も政策が決定するまでの間に、方針を大臣が発信することがないというおつもりなのでしょうか。
大臣:
今回の件につきましては、厚生労働省の中にも新型インフルエンザ対策推進室がございますし、専門家の尾身先生をトップとする会議もございますし、あらゆる方からの御協力、お知恵をいただき判断をさせていただいたわけです。その中でこの新型インフルエンザ対策につきましては、いろいろな議論の途中経過、いろいろなことを想定して議論をしておりまして、その経緯というのは私はある程度はお話をしたつもりでしたが、逆にその情報が固定として国民の皆様に伝わるということは、混乱を招く可能性もあるのではないかと。このテーマに関してはそういう一つの配慮もございまして、いろいろな交渉の中で今回速やかに新型インフルエンザ対策本部を開いて決定をして、整った形での御報告ということを申し上げたところです。
記者:
新型インフルエンザ以外のことですが、先ほど社会保険庁が年金記録問題拡大作業委員会の報告書を公表しましたが、これは大臣が公表するように指示したのでしょうか。
大臣:
これは、年金記録問題拡大作業委員会委員長の磯村さんの委員会ですので、これについて私も就任直後に公表するよう指示をいたしましたところ、いろいろな事務方の了解事項も本日の午前中の段階で整いましたので、速やかに公表をさせていただいたということです。今後はうしろの頁にございますが「歴代幹部、退職者に対しても当時の努力不足に対する釈明ないし、現時点での見解の提出を求めよ」という御提言もいただいておりますので、こういう問題についても議論をして行きたいと思っております。
記者:
公表をしなかった前政権の判断についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
私も公表をしなかった理由というのを、いろいろ聞きましたがなかなか判然としないところがありますので、前政権がどういう御判断で公表しなかったかというのは私はコメント出来ないわけですが、私どもといたしましては基本的にこの資料については公表するべき資料であると判断をして、事務方もその判断に従うということで公表させていただいたところです。
記者:
子ども手当についてですが、民主党内で法案を臨時国会に提出することを求める案が出ておりますが、それについては大臣はどうお考えでしょうか。
大臣:
我々はいろいろな検討をしておりますが、まだどの段階での提出というのは決定しておりません。いろいろな御意見もお伺いしながら決定をしていきたいと考えております。
記者:
生活保護の母子加算についての復活の見通し、時期についてはどうお考えでしょうか。
大臣:
年内ということを申し上げまして、その過程で財務省を含めた財政当局と交渉をして、今それに向けて動いているというところです。
記者:
子ども手当については、昨日副大臣と政務官に初めてレクが行われたという状況の中で、臨時国会への提出は間に合うのでしょうか。
大臣:
それも含めて我々はこれからも検討をして行き、適切な判断をして行きたいと考えております。
記者:
日本年金機構の移行が、予定どおりになるかどうかの判断についてどうお考えでしょうか。
大臣:
これについても、速やかに判断をしなければならないということはもちろんですが、なるべく早い時期に判断をして行きたいです。やはり、年金記録問題というのは大変国民の皆様に、これまで社会保険庁として御迷惑を掛けた問題ですので、この解決に最も効果のある組織ということを考えて、今判断をしている途中です。
記者:
天下りの問題ですが、天下り先としては独立行政法人だけではなくて、公益法人ですとか、独立行政法人でも役員以外のポストもあると思うのですが、それらに対する今後のお考えは。
大臣:
まずは、10月1日に人事がある時期でして、政権交代したので非常に間際でもございました。そういう意味では一時的な措置として、今日官房長官が午前中に発表されたと思いますが、独立行政法人については所管の大臣が理事長について任命権があるということで決めさせていただきましたが、今後大きな枠組を作ってこの天下り、それに伴う随意契約など、税金の不透明な使用についてきちんと取り組んで行きたいと思います。この厚生労働省につきましては、9月末に任期満了を迎えた独立行政法人の役員人事につきましては、OBが改選を迎える段階に非常に時間がない中精査をさせていただいて、法人の役員数を削減いたしました。一つは独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構の理事がこれまで5人いましたが、今日付で4人と、必要性に乏しいと判断し、1ポスト削減いたしました。もう一つ独立行政法人労働政策研究・研修機構の理事もこれまで3人いましたが2人にして、1ポスト必要性が低いと判断いたしまして削減いたしました。しかし、今回は非常に限られた時間の中ですが、まだまだ今回の対象となっていない独立行政法人についてもきちんと精査をする必要性を感じておりますので、引き続き取り組んで行きたいと思います。この公募による役員選考を12月末まできちんと公募するということですが、この厚生労働省所管の対象の公募ポストは9つでございます。理事ポスト7つ、監事が2つということです。その監事2つについては9月末に退任いただいても大きな支障がないということで、12月末まで空席にしようと判断いたしましたが、理事7つについては9月末退任予定、そのまま自動的に行けばまたOBの方が再任されるという状況でございましたが、今回公募という方針を決めましたので理事の方につきましては7ポストは引き続き重要なポストであるという今の時点では認識をして、12月末までということを御了解いただいた上でこの7人については延長をして、公募の過程で速やかに人事を発令する。基本的に理事のポストは理事長の任命権ですが、そういうことで御協力いただいたところです。
記者:
補正予算の執行停止などの対応についてお聞かせください。
大臣:
これについては,明日10月2日が提出の締め切りということで、まだ、いろいろ議論がございますが、その議論の整理をして明日提出をして行きたいと考えておりまして、まだ具体的な中身が固まっていない部分もございますので、その議論を続けて行きたいと思っております。
記者:
明日には公表していただけると。
大臣:
これも2日の提出ということで、総理に提出いたしますのでその後の扱いについては、総理等々と私も協議をしたいと思います。その場でどういう扱いかやりとりがあって、いろいろな各省庁との再協議等々があるのか、まだ承知をしておりませんので確認をして行きたいと思います。
記者:
新型インフルエンザワクチン接種費用についてですが、6,150円ということですが、どのような経緯で決められたのでしょうか。1回目と2回目の費用負担の問題とか、全国一律ということで拘束力とかを考えていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
先ほども御説明いたしましたが、6,150円を2回打つ自己負担ですが、基本的には低所得者への減免措置等々、国として地方の御協力もいただいてそういう財源も確保しております。それぞれ地方自治体におかれまして御判断いただく部分もあると思います。この金額に関しては関係各方面の皆様方の御努力もございまして、なるべく国民の皆様に接種をしていただこうということで、この価格を伏してお願いしたということで設定させていただきました。
記者:
拘束力は厚生労働省として6,150円の接種をお願いする形になるのでしょうか。
大臣:
6,150円を接種として超えることはないと考えておりますが、あとは地方独自のお考えでその価格を一定の方々に対して減免する措置をする地方もあると我々は想定しておりますが、そういう考え方です。
記者:
緊急雇用対策についてですが、なかなか新しいメニューを打ち出すのは難しいのではないかというのがあるのですが、現在の検討状況を教えてください。
大臣:
明日、失業率や有効求人倍率が発表されますので、いずれにしても厳しいものであることは変わりはないと思いまして、これについても私や細川副大臣やあるいは内閣の中でも御相談をして基本的に雇用を作りだすということが何よりも重要ですので、このテーマについて鋭意検討している段階です。
記者:
この厳しい雇用情勢の中でも、特に大学4年生でこの時期に就職先が決まっていない方がいると思いますが、この方達についてどのように考えていらっしゃいますか。
大臣:
大変厳しい状況でして、やはり、日本の場合は初めなかなか就職が出来ないと、その後もそのことが影響してしまうということもあり、これは何しろ雇用をきちんと生み出すような政策、これは厚生労働省のみならず関係各省庁とも御協力をいただいて、国を挙げて取り組む課題だと思っております。私もいろいろな場面で申し上げておりますが、社会保障については本当に人手がいる、そして、今社会保障の部分で人手が必要な分野もございますので、そういう分野に人を移動をして来ていただいて、そこで生き甲斐をもって働けるような仕事創出をする意味での社会保障の側面もあるのではないかと考えておりまして、これについても菅国家戦略担当大臣にそういうことを含めたプランについて、御協議を申し上げたいと考えているところです。
記者:
新型インフルエンザ輸入ワクチンについては、安全性などについて議論がありますが、「必要な立法措置」の「必要な」ことについて具体的に教えてください。
大臣:
必要な立法措置ですが、大きくは2つございます。一つは輸入ワクチンの場合免責条項というのが契約の中にございますので、企業が副作用等で被った損害を国が補填していく、交渉の中でこの条項がどうしても必要であるということになりまして、その部分が一点です。そして、先ほど申し上げましたことですが、副作用が出た場合に補償する枠組を作るという二点が、大きな法律をということで今作成を進めているところです。
記者:
年金記録の改ざんの報告書の話ですが、非公表とした理由が判然としないということですが、事務方からどのようなことが報告としてあったのでしょうか。
大臣:
私が就任した直後にこれを公表しようと言ったら、「そうしましょう」という答えが返って来まして、いろいろな委員の先生もおられるということですので、それでは必要なことをやってくださいと指示をいたしました。私に対しては出さないということを言っておりませんで、前の大臣がどういう言い方で「出さない」と言ったのかというのもちょっと彼等に聞くと曖昧でして、おそらく政権交替をして多少の覚悟を決めていただいたのかどうか分かりませんが、出すということはある程度スムーズに出せました。ただ、就任直後から2週間経っておりますので、もう少し早く出す手立てはなかったのかということも考えているところです。
記者:
先ほど議論をしたいとおっしゃられていましたが、この提言に沿って幹部の責任等を聞き取りして、その公表に向けて議論するということでよろしいのでしょうか。
大臣:
いわゆる「消えた年金問題」については、いろいろ論点が膨大なものがございます。それについて、解決をして原因究明をして、二度と起こらない再発防止などなど一連の対策の中でどういう形が出来るのか、それを考えて行きたいと思います。
記者:
補正予算の見直しで、7,000億円の基金の一部凍結が言われておりますが、新しい支援の具体策についてお願いいたします。
大臣:
我々は求職者支援ということを恒久措置として実行させていただくということは、マニフェストでも書かせていただいているところでして、その措置がより効果が高いと我々は考えておりますので、その措置にスムーズに移行出来るような算段を考えているところです。
記者:
新型インフルエンザの関係ですが、先ほど大臣がおっしゃった必要な立法措置で免責条項について触れられましたが、すべて国が補填するという方向で検討されるのかという点と、政権発足から2週間あまりで枠組を決められたわけですが、その間かなりスピードが求められたと思うのですが、この1ヶ月あまりのうちにワクチンの供給が始まる中で、現場ではようやく体制が決まったということもあると思いますが、その点についてどうお考えでしょう。
大臣:
国産ワクチンの供給量を含めて、10月19日の週に接種を初めさせていただくことを含めて、関係各方面の皆様方には期間が短いということについて私からもお詫びを申し上げます。我々としても慎重に判断をすると同時にスピードも重要だということで、本当に関係各方面、専門家の方の御意見を聞いて出来る限り早く、しかし、慎重に正確に間違いのないようにということを心がけて作らせていだだき、本日発表する運びとなったわけです。御理解をいただければと申し上げます。この法律ですが、この輸入ワクチンの契約の交渉の過程で、この会社とは各国も交渉しているということも聞いておりますが、この免責条項があるということで基本的にはその企業のワクチンの副作用等で生じたものについては、国が責任を負うという考え方に立った法案です。
記者:
確認ですが、これは複数の法案になるのか、一つの法案になるのか、いずれにしても臨時国会に提出すると。(大臣)これは二つにするのか、一つにするのかいろいろ法技術の問題でして検討しておりますが、先ほど申し上げましたように臨時国会に提出をしたいと考えておりまして、関係各方面に御理解をいただいてそれを実行するように努力をしていくということです。
記者:
海外から輸入するワクチンの企業名を明らかにしていただきたいのですが、日本の企業が免責されないのに不平等だと思うのですが。
高井医薬食品局長:
二社ございまして、グラクソ・スミスクラインと、ノバルティスファーマの二社でございます。
記者:
それぞれ何万くらい輸入するのでしょうか。
高井医薬食品局長:
グラクソ・スミスクラインは3,700万人分、ノバルティスファーマは1,250万人分ということで今交渉しているところです。
記者:
交渉は、立法措置が速やかに講じられた段階で契約という形になるのでしょうか。
高井医薬食品局長:
契約交渉中ですので、基本的に大臣が先ほど5,000万人分確保すると言われておりますので、契約は近々結びたいと考えております。
記者:
立法を前提にということでしょうか。
高井医薬食品局長:
契約交渉中ですので、詳しくは申し上げられませんが、立法措置がなされたあと、必要な契約についても手当が必要と考えております。
記者:
そのワクチンの調達費用の総額と、低所得者向けの軽減措置に掛かる費用の総額を教えてください。
高井医薬食品局長:
私からワクチンの調達費用を申し上げさせていただきますが、総費用は1,385億円、国内分は259億円、海外品で1,126億円です。
上田健康局長:
低所得者向けの軽減措置ですが、全体で900億円、その内国費が450億円、地方分が450億円分ですが、これは都道府県と市町村の折半ですので225億円ずつです。
記者:
免責についてはグラクソ・スミスクラインもノバルティスファーマも双方ともに言ってきているということでよろしいでしょうか。
高井医薬食品局長:
交渉中ですので、その辺は御容赦いただきたいと思います。
記者:
輸入については高齢者とか、小中高生に使うというのが当初の話だったのですが、その方針は変わっていないのでしょうか。国内産をどこに使って、海外をどこに使うかということについては。
上田健康局長:
先ほど大臣が御説明いたしました、最も優先される妊婦さんですとか、医療従事者については、供給の手順からいたしますと国内産から使われていくと思います。そういうことになりますと、国内産の量を勘案しますと中学生、あるいは高校生以上、あるいは高齢者の方については海外産になるのではないかと思っております。
記者:
副反応を迅速に把握し、専門家により評価するということを、もう少し具体的に分かれば教えてください。
上田健康局長:
これは接種が始まったあと、十分いろいろな観察を行い、万が一副作用があれば迅速にそこに調査チームを派遣をして状況を把握し、必要な判断を行うということを行いたいと思います。
記者:
調査チームは何人で、どのようなものでしょうか。
上田健康局長:
それはまだ設計中ですが、数名程度で、疫学とか感染症、ワクチンの専門家、公務員を入れたチームを作りたいと考えております。
記者:
初めて作るという理解でよろしいでしょうか。
上田健康局長:
こういうものについて前例はないと思います。

(了)