長妻大臣閣議後記者会見概要

H21.10.13(火)11:13 ~ 11:39  省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
本日は、閣議の前に初めての厚生労働省政策会議を午前9時半から参議院の議員会館会議室で開催いたしまして、私から冒頭挨拶をいたしました。副大臣主催の会議です。今日が厚生労働省は第1回でございますが、与党と内閣、政府一元体制で政策を実行していくという、ある意味で政治史上初めての試みのスタートです。与党の皆様方は、何十万、何百万の国民の皆様方から選ばれておられるということで、そういう意味では地域の状況、あるいは、厚生労働行政がどういう結果をもたらしているのかという現状把握等々について、御指導いただきますようにというお願いを申し上げたところです。 そして、本日の閣議ですが、総理から発言がありまして、「拉致問題対策本部」の設置ということがありました。総理を本部長として「拉致問題対策本部」を設置するということです。副本部長には拉致問題担当大臣、そして、内閣官房長官、外務大臣。そして、本部の下に拉致問題担当大臣を議長とし、関係府省の副大臣、または、大臣政務官等を構成員とする「関係府省連絡会議」を置くという形になっております。 そして、藤井財務大臣からその後の閣僚懇談会で、平成22年度の概算要求についてお話がありまして、マニフェストの工程表に掲げられた7.1兆円の主要事項の実現を目指し、要求段階から既存予算の思い切った削減に積極的に取り組んでいただくようお願いしますということです。厚生労働省としても、必要性の低い事業や、いわゆる天下り団体等への資金についても見直すということで今取り組んでいるところですので、厚生労働省としてはマニフェストに掲げられた政策の実行とともに、コストの削減に取り組み、時間もありませんが今週の15日に概算要求の提出をしようということです。補正予算の見直しについても昨日、休日ではございますが、厚生労働省の長浜副大臣が内閣府から呼ばれて、そこで、補正予算についても、さらに執行停止を上積みして欲しいという指示も受けておりますので、本日政務三役をはじめ、厚生労働省としてもどういうことが考えられるのか、考えられないのかを議論をしていくということになりました。

質疑

記者:
補正予算上積みの件ですが、大臣の現在の考えとしてさらに積めるとお考えでしょうか。
大臣:
いろいろ議論をして、補正予算執行停止の一回目は10月2日に提出し、その後上積み分も提出しましたので、基本的にはなかなか難しいということですが、今日もこれから議論をして行きたいと思います。
記者:
保育所の設置基準についてですが、昨日、原口総務大臣が基準緩和について前向きな発言をされております。実際に実行するとなると、厚生労働省の省令改正などが必要になると思うのですが、緩和についての大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
本日、「幼保一元化」に関して仙谷行政刷新担当大臣とお話をするということで、内閣府に13時15分に私がお邪魔をいたします。そこでは、補正予算の執行停止の上積みの話もあるということと、「幼保一元化」の話もしたいということです。その意味で、「幼保一元化」をどうするかというのは、これまでも大きな政治のテーマでしたが、第三次勧告で「地方分権改革推進委員会」から出た保育所の設置基準というのは、関連していると思います。議論をするのであれば一体的な議論が必要だと思いますので、仙谷大臣とも協議をして行きたいと思います。省内には論点の整理をするように、ということは指示をしておりますので、そういう形で今日は仙谷大臣と議論をするということです。
記者:
概算要求の関係ですが、現時点でいろいろな政策、マニフェストに書いてあるものを含めて、藤井財務大臣が求めているような、当初予算と比べて削減というのは。
大臣:
基本的には、マニフェストの主要政策ではないもので、やる必要があるのではないかというものも、当然結論は出ておりませんが、厚生労働省内にはあるのではないかと思います。例えば、後期高齢者医療制度では、前政権もあまりに制度自体に問題があって、いろいろ保険料が前の制度に比べて上がるという事態もありましたので、その優遇措置が続いております。そういう優遇措置というのは議論が必要ですが、一定のものは必要ではないかということも考えますし、そういう諸々の必要不可欠なものもあると思います。当然、コスト削減、軽減、カットするということは、サービスを下げないで実行出来る部分もありますので、それと合わせて15日までに必死にいろいろな角度から、根っこの部分、つまり、本予算の部分のコスト削減も取り組んでおりますので、15日には一定の結論を提出するということになると思います。
記者:
補正予算執行停止のさらなる上積みについてですが、向こう側から要求のあったものは「地域医療再生基金」をさらに削れという指示だったのか、全体的に出して欲しいという指示だったのか。それを受けて厚生労働省としてどうするのかについてお聞かせください。
大臣:
昨日、長浜副大臣にあった指示というのは、個別というよりもさらに全体的に基金などを含めた見直しというお話でしたので、それが出来るのか出来ないのかを含めて議論をしていくということです。
記者:
この後、仙谷大臣に会われる際には、ある程度の削減額も持っていって会われるのか、未定のまま行かれるのか。
大臣:
昨日の今日で、我々もきちんと議論をして出させていただいたわけですので、基本的には仙谷大臣の話を聞くということになると思います。それと、「幼保一元化」など改革、行政刷新の立場からの意見交換をするという趣旨です。
記者:
官房長官が子ども手当について、6月末支給を目指すという発言があったのですが、子ども手当についてはこれまでの児童手当と同じように、年3回支給という形で、もっと細かく支給した方がいいのではないかというような、手当について議論の余地があると思うのですが、その辺についてはどのようにお考えでしょうか。
大臣:
マニフェストでも申し上げているのは、2万6千円の半額を来年の4月分から支給するということです。おっしゃるように、今現在は年3回支給をして、4ヶ月ごとに支給をする手法だと。当然その手法に則って支給をすれば、地方自治体の負担、コンピューターの改修等々は、これも実は金額とか、所得要件がなくなる等々がありますので大変なのですが、あるいはもっと細かく支給をするとどういうコストがさらに発生するのか、どういう問題が発生するのかも検討、研究をする必要があると思います。その意味では、今と同じ手法の支払い方法であれば、6月ということである意味では、前の制度と一番初めは多少混じるということもあると思いますので、いろいろな観点から支給方法については検討して行きたいと思います。いずれにしても来年の通常国会で提出をして、法案が成立すれば間に合うという形ですので、いずれの支払い方法かどうかは検討して行きたいと思います。
記者:
年金記録問題についてですが、紙台帳の全件照合について4年で延べ6万人から、7万人を掛けて行うという報道がありましたが、紙台帳の全件照合についての大臣のお考えと、年金記録問題のチームの発足が今週中くらいになりそうなのか、その辺の目処もお聞かせください。
大臣:
紙台帳については、8.5億件ということが判明しておりますが、その中を精査すると原本で保管されているものと、同じものがマイクロフィルムで保管されているというダブりもありまして、精査をしていくと同じものがその件数に含まれていると。この精査を今進めておりまして、どれだけの紙台帳が現実に一対一対応になるのかということで、いろいろなことも変わってくると思います。 そして、我々は紙台帳の照合と同時に、問い合わせの仕組みなども迅速化して、紙台帳に迅速に当たれるような、例えば、北海道に紙台帳が保管されていて、仮に東京で問い合わせがあっても北海道まで行かなくても、それがオンライン上で紙台帳を照会出来るような仕組みも検討しております。そういう御相談の部分で、個別の照合がどんどん進んで行くような仕組みも考えております。それでも残る部分がありますので、その部分について紙台帳の照合をして行くということです。そういう意味では、前回からも申し上げておりますが、未だに「消えた年金問題」の全容解明を、前政権は完全にしていないと考えておりますので、全容解明をした上でトータルの時期、あるいは人員の見積もりなども考えていこうと思っておりますので、まだ、年数、人数を確定しているわけではありません。ただ、我々はマニフェストで2年間集中的に対応して行く、ということも申し上げておりますので、15日の概算要求の締め切りまでには、一定の予算というものも提出して行こうと検討を続けているところです。 そして、年金についてのチームの話ですが、これも本当にこの間「消えた年金問題」、あるいは「宙に浮いた年金問題」等々の具体的事例のアドバイスをいただき、貴重な提言をいただいた方というのは、民間にも、社会保険労務士の方々もたくさんおられるということで、そういう方のお知恵も借りて、どういう形で全体のスケジュール、対応を取っていくのがいいのかを含めて御議論をしていただく必要があると考えております。今、人選を含めて進めさせていただいているところです。開催されるのは今週か、来週かまだ確定はしておりませんが、そういうスケジュール感で第1回目を開催したいと考えております。
記者:
大臣が今おっしゃられた、紙台帳との照合の問い合わせの仕組みについてですが、全国どこにいても、原本のあるものと瞬時にやりとり出来るという仕組みでしょうか。
大臣:
前政権でも、基盤整備という言い方で一部プランがあったと思いますが、それをさらに改善すべきところは改善して、今、紙台帳はご存じのとおりいろいろなところに分散して保管されておりまして、社会保険事務所300カ所あまりのところでいろいろバインダー形式とか箱に入っているとか、いろいろな形態でその他の施設にもかなり広くあります。ただ、我々が野党時代にすべての数を数えさせ、8.5億件が判明し、それについては「絶対に捨ててはならない」という厳命を下しております。そういう意味では、それを例えば、イメージデータとしてスキャナーで読み込み、そこの下にタグをつけて、その方が相談に来られた時に第三者委員会等々の証拠集めにも、それを叩けば瞬時に画面に表示されるような仕組みも引き続き取り組んでいるところですので、そこと並行してなるべく8.5億件の紙台帳の照合を、コストが掛からず迅速に効果的に出来る手法を御議論いただくのも、先ほど御質問をいただきましたチームの役割であると思います。コストが最小で納まり、期間も最短で出来るような知恵を結集して、国民の皆様の税金ですので、その負担が少ないような形は、どういう方策があるのかということを考えて行きたいと思います。
記者:
雇用対策についてですが、総理が2次補正予算を組むということを言及されましたが、2次補正の中で雇用対策として考えていることがあるのかどうか、あるいは、どのようなものが必要なのか今の考えをお聞かせください。
大臣:
2次補正の中身というのはこれから議論をしますので、まだ予断を持ってお話する段階ではないと思います。雇用対策本部については、厚生労働省の部分も大きいわけでして、内需拡大ということを含めて、例えば、介護従事者、これはありがたいことに前年に比べても従事者数が増えていると言われておりますので、それをさらにスムーズに移行するような方法を検討する。あるいは、ハローワークでいわゆるワンストップサービスというか、いろいろな書類や手続が1カ所でなかなか出来にくい、広報も分かりにくいという問題もありますので、そういう問題も出来る限り解消をして行く等々、厚生労働省だけでもやるべきことはたくさんあると考えております。これらを積み上げて、あとは内閣全体の判断として、更に、雇用対策をして厚生労働省単位ではない広がりのある部分を、どこまで踏み込むかというのは内閣をあげて検討するということです。当然そういう経済というのが懸念されるわけですので、そういう考え方に基づく補正予算になるのではないかと思います。
記者:
母子加算についてですが、11月が近づいて参りまして、自治体の準備のことを考えますと1ヶ月ちょっとは掛かると思うのですが、11月の復活は難しい状況になって来ているのでしょうか。
大臣:
本日も閣議前後に、藤井財務大臣とお話をしました。我々としては年内に支給ということでございます。それについては、藤井財務大臣も基本的には了解をいただいておりますが、その具体的な手法等についてまだ詰めが必要ですので、それは引き続き交渉をしているということです。
記者:
受給者の方は、生活設計もあるので11月が難しいのであれば、「難しい」と大臣がおっしゃた方がいいと思うのですが。
大臣:
これもまだ詳細に詰めをしている段階で、いずれにしても年内ということは私も前々から申し上げておりますので、具体的に年内のいつかという時期の確定については非常に重要な観点だということで、副大臣、政務官、私も含めて財務省の副大臣、政務官、事務方同士でも交渉を続けておりますので、その段階で公表して行きたいと考えております。
記者:
財務省との「交渉内容、具体的手法等々」の中は金額を満額出せないと向こうが言っているということでしょうか。
大臣:
いろいろな交渉をしておりますが、その中で金額というか、考え方についても今交渉をしております。考え方というのはご存じのように、母子加算を削除した代わりに、例えば、一人親の就労支援が入ったということは確かにそうだと思います。そういう意味では母子加算を復活すると、一人親の就労支援はなくしてもいいのではないかと考えております。母子加算を削除したこととは別に、例えば、高校の支援、学習費用の支援等々、母子家庭に限らず全体の生活保護に係っている話ですので、その代替措置をどの範囲で見るかということで見解にずれがあると考えておりまして、その部分について調整をしているということです。
記者:
今日は財務大臣と会われる機会というのは。
大臣:
本日は、先ほどかなり話しましたのでいたしませんが、今後は副大臣同士でそこを詰めて行くことになると思います。

(了)