長妻大臣閣議後記者会見概要

H21.10.16(金)09:33 ~ 10:28 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日閣議は、基本的には補正予算の執行停止の話、概算要求についての話ということが中心でございました。仙谷担当大臣、鳩山総理、財務大臣からも御発言がございまして、補正予算の執行停止については、各大臣の努力の下、一定の金額となった旨の報告がありました。具体的金額の報告はございませんでしたが、そういう発言がありました。そして、更に、概算要求につきましては昨日締め切りということで、労いの言葉とともに、更に行政刷新会議等々で事業仕分けも含めた削減・見直しを不断に続けていくというお話もありました。そういうお話の中で、私も発言を致しましたのは、閣僚懇談会の場でございますが、基本的に厚生労働省の概算要求、そしていわゆる事項要求も含めて、必要不可欠なものでありますので、これについて予算の配慮をしていただきたいということ、引き続いて、今回も一定の削減額は出させていただきましたが、8月の自公政権の時に比べての更なる削減を致したわけでありますが、その削減の努力というのは12月末まで、あるいはそれ以降も引き続き続けるというようなことも申し上げたわけであります。 もう一つのテーマと致しましては、閣議、閣僚懇談会と別でございますが、本日第1回の年金記録回復委員会を開催致します。本日の16時30分から大臣室で開催を致します。メンバーは、以前からのメンバー、舛添大臣の時代の委員になっておられる方もいらっしゃいますが、以前から記録問題等でもアドバイスをいただき、民主党の部会の御協力などもいただいておられる方々も含まれているところで、この委員会も含めて、記録問題、概算要求もしておりますので、全力で取り組んでいきたいと考えているところでございます。そして、本日は足立政務官も来ておりますが、新型インフルエンザにおいて、一部の地域等を中心に外来患者の皆様方が急速に増加をしておりまして、それに対してこれまでの我々の姿勢等をもう一段呼びかけさせていただきたいということでございますので、質疑の前に足立政務官からお話いただこうと思います。

新型インフルエンザ患者の動向等について

足立政務官:
新型インフルエンザの患者さんの動向等について御説明致します。皆さんご案内のように、毎週金曜日のお昼に定点当たりの患者数を御報告しておりますが、本日発表予定の定点あたりの数が、全国の総数で12を超える数になりまして、1週前に比べると、ほぼ倍近い数になっております。中でも、急速にこの1週間増えているのが、北海道や神奈川、愛知、福岡といったところでございます。そのような中で、私共は聞き取り調査を行いました。そこでどういう状態になっているかということを聞きましたところ、例えば北海道あたりは、300人近くが病院・診療所を受診する事態で夜中までかかっているということがございました。その聞き取り調査の中で、「念のために早めに受診をした」という方がかなり多い。それは5歳児の方がお亡くなりになったり、あるいは連休がありましたので、そういった要因も重なっているとは思いますが、念のための早めの受診が多かったという点と、三次救急医療施設を直接受診してしまう方も多いという聞き取り調査の結果もございました。こういうことから、皆様方に正確な情報をお伝えするということとともに、冷静に判断して行動していただきたいという意味で申し上げます。先程申しました定点観測の結果、急速に患者さんが増えているということは認められます。おそらく、この傾向は新型インフルエンザの流行拡大と共に全国的に認められるようになっております。救急外来が混雑することにより、他の重症患者さんへの対応が手薄になったり、遅れたりする可能性が出ております。皆様方に地域の医療体制、特に夜間・救急対応の医師が出来るだけ重症の患者さんの方々の対応に時間を割けるように、今まで行ってきたことではありますが、かかりつけ医の医師と発熱時の対応について予め相談しておいていただきたい。救急外来時間帯における救急以外の外来受診を出来るだけ控えていただきたい。重複致しますが、予め電話をかけてから受診をしていただきたい。それに加えて、夜間・休日時間帯における小児救急電話相談事業、これは♯8000です。これも含めた電話相談窓口を活用していただきたい。こういうことを今までお願いしてきたわけです。それと同時に、別の観点ですが、家族が新型インフルエンザに罹った場合に、本人が感染していないことを勤務先などに証明する、いわゆる「陰性証明」というものですが、その証明を出すために、簡易検査を受けるために受診をしているという声も挙がっております。これは医学的には、本人が感染をしていないことを証明することは困難です。企業等においては、従業員に対して、感染していないことを証明する検査を受けるよう求めているのであれば、それは改めていただくようお願いしたい。そのように思います。合わせて国民の皆様方にも、「念のための簡易検査」という受診は正確に判断することは困難でございますから、「念のための簡易検査」を受けるためだけの受診は出来るだけ控えていただきたい。そういうお願いでございます。また、地方自治体及び医療機関においては、夜間や休日の外来患者数の増加に備えて、地域の診療所における診療時間の延長や、輪番制等による救急医療機関への支援、電話相談体制の充実、電話診療によるファクシミリ処方箋の周知。初診では出来ませんが、再診時は電話による診療で、処方箋をファクシミリによって調剤薬局に送り、処方が出来るというものです。北海道では始まっておりますが、これは可能ですので、こういうことについても周知を図っていただきたいということを改めてお願いしたいと思います。新型インフルエンザワクチンの接種事業ですが、10月19日スタートというところで、かなりの地域で19日から接種出来るようになります。まず医療従事者を対象に始まります。今回のワクチンについては、重症化を防ぐ効果は期待されるものの、感染防止の効果は証明されてはおりません。死亡者や重症者の発生を出来る限り減らし、そのために必要な医療を確保すること。これがワクチン接種の目的。そのように何度も申し上げております。こうした考え方に立って、まずは医療従事者から10月19日より接種を始めます。その後基礎疾患をお持ちの方やお子さんなどへの接種を順次開始する段取りとなっておりますので、そのスケジュールにつきましては、改めて御理解をお願いしたい。詳しい情報はお住まいの市町村などの広報に載せられる予定です。現在、厚生労働省のホームページにもQ&Aの形で載せておりますので、御関心をお持ちの方は御覧いただきたいと思います。また、国内産のワクチンにつきましては、200例の臨床試験という形で、成人健常者に対する臨床試験を行っておりまして、そのデータが本日集まって参ります。それに基づいて有識者による意見交換会が今日開かれます。その結果を受けて厚生労働省としても、その接種体制、スケジュール等判断を加えて、来週にも決断をしたいと思います。最後に、いつものお願いではございますが、新型インフルエンザ対策においては、正確な情報に基づく行動が何よりも重要です。厚生労働省としては正確な情報を迅速に提供していきますので、国や地方自治体の発表する情報に十分ご留意いただいて、冷静な対応をお願いしたい。それが国民の皆様へのメッセージでございます。どうもありがとうございます。

質疑

記者:
昨日概算要求がまとまりましたが、その受け止めと、事項要求がかなりありまして、これをきちんと今後も要求していくのかお伺いします。
大臣:
限られた時間の中で、色々な外部の方の御意見も、与党の皆さんの御意見も、政務三役、そして役所の中の意見も良く聞き、内閣の方針も合わせて提出をさせていただいたわけでございます。この中で、この事項要求というものがございますが、これに関しましては、一つは内閣の方針である工程表の主要マニフェストの部分以外に対しては事項要求、という方針もございまして、それに基づいて事項要求をさせていただいておりますが、もちろんこれに関しましても、従来、自公政権下での事項要求という意味合いとは異なり、きちんと予算も確保をしていくということで、全力で取り組んで理解を求めていきたいと考えております。その前提となるのが優先順位の低い事業、あるいはいわゆる浪費というものを洗い出していく作業でございますけれども、これにつきましても一定のものは出させていただき、この明細につきましても、今集計をして、来週中には遅くとも、どこのいわゆる天下り法人の削減がいくら、システム経費がどれだけどの部分を削減したのか、コストはどの部分が削減出来たのか、というのを当初予算比、あるいは8月の概算要求比でお示しをしようと考えております。まだまだ不十分ではございますが、こういう切り込みにつきましても、行政刷新会議とも連携をしながら見直しをしていくという、ある意味では二つの作業を一定の区切りである12月末まで全力で取り組んでいきたいと考えております。
記者:
新規要求事項の子ども手当の説明資料の中で、「事業主負担や地方公共団体の負担を検討する」とありますが、大臣は「全額国庫で」と主張されたりして、ちょっと揺れているようにも思いますが、今のところどのようなお考えなのでしょうか。
大臣:
明確なのは、厚生労働省としましては、2兆1279億円、これは子ども手当の本体部分も含む、当然若干の事務費もございますが、その経費は全額国費で要求をしております。厚生労働省としては、子ども手当については全額国費という基本的な方針を持っております。ただ、例えば事業主負担につきましては、この一部が学童保育や児童健全育成事業等にも回っておりまして、これが完全になくなると、その部分の差配、手当がどのような考え方なのか等々、考え方を整理する必要があると考えておりまして、こういう付記をさせていただいたという趣旨であります。
記者:
事業主負担に関してはそういう部分に回すことも考えられると思いますが、地方公共団体へ負担を求める可能性があるということですか。
大臣:
地方公共団体につきましては、基本的には今までは、給付に回っていたと承知をしております。我々と致しましては、この事項要求にもございますが、保育所待機児童等の解消等々、子育ての周辺の事業について地方の御理解が、一定のものが得られるのか得られないのか、こういうことも研究をしていきたいという趣旨も含めて書かさせていただいたということであります。
記者:
負担を求める場合はそちらの方に回すという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
厚生労働省と致しましては、マニフェストにも記述がございますように、子ども手当につきましては、全額国費ということで概算要求もさせていただいておりますので、そういう立場で財政当局と交渉をしていくということであります。
記者:
昨日、概算要求がまとまるにあたって、大臣が会見をされなかったことについて記者団の方からも不満が出ているのですが、どうして会見をされなかったのですか。
大臣:
当初から誰が会見するかは特に決めていたわけではございませんで、基本的にはこれまでも補正予算、概算要求で走り回っていただいておった長浜副大臣に会見をしていただこうと、こういうような話になりまして、会見を申し上げたということであります。従来の自公政権での副大臣、あるいは政務官という役割は、大変失礼ながら、政務三役会議等々頻繁に情報交換をしている風には見受けられず、我々の内閣とは役割、重みというのが異なるように感じておりまして、この内閣におきましては政務三役というのは、大臣に匹敵する責任と権限を持つ、そういう位置付けでございますので、今後とも色々な局面で、もちろん定例記者会見は私が致しますし、皆様方の求めによってぶら下がり等々も誠実に対応させていただきますが、副大臣、あるいは政務官がきちんと責任を持って説明をさせていただくと、こういうこともあるということも御理解いただきたいと思います。
記者:
事務方は大臣が会見するものとして動いていたようですが、連絡の不徹底があったのではないでしょうか。
大臣:
会議をずっとしておりまして、特に誰がということは決めておりませんが、私も確認はしておりませんが、事務方がそういうものだと思って動いていた、そしてそれによって皆様方にそういう連絡があったとすれば、これは事務方と我々との連絡が不十分であったということで、皆様方に御迷惑をかけたとすればお詫びを申し上げます。
記者:
就任から1ヶ月経ちましたが、この1ヶ月を振り返っていかがでしょうか。
大臣:
この1ヶ月は、正に、新型インフルエンザのワクチンの問題、当然今も全力で対応申し上げておりますけれども、数々の緊急的対応、そして判断というのが求められておりまして、責任有る立場として間違いがあってはいけないわけでありますので、大変神経を張り詰めて仕事をさせていただきました。ただ、ある意味では非常に濃密な時間であったこと、大変ではありましたがありがたいタイミングで政権交代が起こったと今になっては実感を持っております。例えば、かなり年内の遅い時期に政権交代があった時は、来年度の予算というのも、前の政権の予算を踏襲せざるを得ない時間的タイミングになることも有りうるし、補正予算の執行停止というのも、ほとんどの部分が難しかったということも有りうるわけで、色々な巡り合わせがあるのだと思いますが、ギリギリではありますが、来年度の予算、あるいは補正も含めた一定の見直しが出来るギリギリの時間。ただそれによって御迷惑をおかけした、子育て応援特別手当につきましても、大変申し訳なく、お詫びの文書、あるいは直接お詫びを申し上げているところでございますけれども、そういうギリギリのタイミングで仕事が集中するというのは大変な一面、鳩山内閣の考え方が予算という面で反映されると感じております。いずれにしても今度は臨時国会が始まりまして、与党で、大臣で国会に参加するというのは、民主党の大臣も初めての方が多いのではないかと思います。私も生まれて初めてでございますが、しっかりと説明責任を果たしていく覚悟であります。その反面、きちんと決まっていること以外、生半可な気持ちで答弁をするということもあってはならないことでありますので、その間で、正確に実現可能なもの、決まっているもの、そういうものも含め、実現可能性のあることに関して責任ある答弁をするということも心懸けていきたいと考えております。
記者:
子育て応援特別手当についてですが、自治体からは相当反発があると思いますがそれに対してどのように応えていくかあらためてお聞かせ下さい。
大臣:
子育て応援特別手当につきましては、自治体の皆様、住民の方に広報をしていただいている。コンピュータプログラムの改修も終えられている。議会でも補正予算の議決がある。大変な御苦労をいただき、住民の方についても、この手当を期待されておられる方というのが、日本中にたくさんおられるということも、我々承知をした上で、ただ、この1回限りの手当ではなく、来年度からの恒久的な子ども手当という部分に財源を振り向けていきたいという思いもあり、そういうことも丁寧にお話をして、昨日も地方公共団体の首長の方ともお会い申し上げ、来週もお会い申し上げ、全地方自治体に届くようにお詫びの文書も昨日出させていただいているところであります。住民の方々に対するメッセージも文書で出させていただき、全ての地方自治体に住民の皆様へのメッセージもお配りをし、ホームページ等々でも掲載をし、今後ともお詫びと御理解を求めていくということを丁寧に続けていかなければならないと考えております。
記者:
昨日の概算要求の発表で、先程大臣が会見をされなかった説明があったのですが、事務方からは、正式な案内ではありませんが、我々は大臣が会見をするものと聞いていて、長浜副大臣が会見をされるということは直前になって知らされたわけなのですが、大臣が会見して欲しいという話は事務方から大臣サイドには伝わっていなかったのですか。
大臣:
恐縮でありますが伝わってはいませんでした。
記者:
我々は大臣が会見をされるということで準備をしていたわけで、長浜副大臣であれば当初からそういう案内をアナウンスをしていただかないと困るのですが。
大臣:
もし私が会見を行うという案内が出ていたとすれば、大変申し訳ないことで、私の認識は、ずっとこの間議論をして、記者発表の資料の点検も政務三役で議論をし、ただそこで誰が会見をするかという話しはそこでは全く出ておりませんで、そういう意味では私自身は長浜副大臣に会見していただこうと思っておりましたが、そういう具体的な指示が事務方経由ではございませんでしたので、そこで齟齬があれば今後、見直しをしていきたいと思います。一部週刊誌にも、「貨物用エレベーターで」というような話もありますが、これも全くそういう意図は、他意はございませんで、案内されるままそこに乗りまして、厚生労働省に戻ってきたということで、その後、また、これも他意はありませんが、その日の夜に政務で出かける時に、政務ではタクシーに乗るということでありますが、事務方も公用車も用意していたようでありまして、そちらの方に皆様方がおられ、私自身は政務でタクシーということで正面玄関の方から出たということでありまして、今後皆様方の意向と、私と広報の連携を密にしていきたいと思います。ただ、繰り返しになりますが、この政権では、副大臣、政務官は大臣に匹敵する責任と権限を持って連携をして活動をしておりますので、副大臣や政務官が対応するという場面も、前の政権に比べれば増えてくるということも御理解をいただければ幸いでございます。
記者:
概算要求についてお伺いしますが、大臣が指示された経費の削減がありましたが、今回、一般会見で1千億円減となったわけですが、その額についての率直な御感想をお願いいたします。
大臣:
昨日、削減についても皆様方に概要ペーパーをお配り申し上げたと思います。昨日、提出した概算要求につきましては8月の要求額、つまり、自公政権での要求額に比べると1,868億円削減しまして、これは特別会計と一般会計を併せて重複を除いた数字でございます。天下り法人への補助金等の削除、公共事業関係費の削除、システム関係費の削減ということで、特に社会保険庁のシステムに関しましてはかなり巨額の経費でしたが、短期間でありますが関係各方面の御協力を得て一定の削減が出来たと。これは関係各方面の御努力ももちろん大きかったわけです。そして、その他のコスト削減ということで、この金額が出たわけですが、もちろん厚生労働省がマニフェスト等で増額要求をした金額に比べれば小さい金額です。我々といたしましては、さらに事業仕分け等の手法と連動しながら削る必要があると思いますので、これからも努力をして行きたいと思います。また、この明細につきましては数字を精査した上で、それぞれどこでどういう形で削減をしたのか、天下り団体への削減、5代続いた天下り法人への削減等々については明細を皆様方に御覧いただいて、皆様方からの御指摘も今後いただきながら削減努力もして行きたいと思います。役所にいろいろな資料を渡しましたが、会計検査院の過去の指摘で是正していない分、財務省の行政評価のチェックの資料、あるいは、総務省の行政評価局の資料、マスコミの皆様方が厚生労働省の無駄遣い事例で報道されたものを調べて一覧表にして、これもチェックをしているところでして、さらに続けて行きたいと思います。
記者:
事項要求について先ほど、内閣の方針で主要項目以外は事項要求という話がありましたが、いつ頃どんな方針が出たのか教えてください。
大臣:
基本的には閣僚懇談会、あるいは昨日、官房長官からも御指示がございました。我々としては事項要求というのが、前の自公政権と同じレベルでの要求ではなく、この部分についても必要不可欠なものがたくさんございますので、それについては全力で要求をして、それを付けるということを申し上げた上で、事項要求という形にさせていただきました。
記者:
官房長官の指示は何時頃あったのでしょうか。
大臣:
官房長官からは昨日の夕方頃に御指示がありまして、この御指示は以前、閣僚懇談会で配られたペーパーに基づくものですので、それについて我々も事項要求という形にさせていただいたということです。
記者:
概算要求で「年金記録問題」の対応を約1,800億円盛り込まれましたが、この予算のポイントと、来年度以降の記録問題解決の全体像と、スケジュール感についてお聞かせください。
大臣:
「年金記録問題」につきましては、ご存じのように日本年金機構の中には、これまで記録問題対応という要員も予算もありませんでした。それは別途検討ということでずっと続いてきたわけですが、一番肝心の「年金記録問題」に対する要員の確保、予算の確保、紙台帳の照合のプロジェクト等々をこの中に入れさせていただきました。「年金通帳」についても予算を盛り込ませていただいております。本日、16時30分からの「年金記録回復委員会」でも申し上げようとは思っておりますが、基本的には、今までの年金の名寄せ便等々である程度その方であると推定される方に対する記録の統合を、もう少し迅速に出来る方法があるのではないかという問題意識。あるいは今記録が統合されてもお金が振り込まれるまで、かなり時間が掛かっているものを大幅に短縮出来ないかという問題意識。そして、紙台帳の照合を効率的に実施する何段階かに分けた手法。そして、証拠がない方に対していかにして補償を進めて行くかという考え方を、脱退手当金を含めていろいろなカテゴリーがありますので、そういう問題への取り組み。そして、何よりも実態解明がまだ済んでいないということで、いろいろなサンプル調査の指示もしておりますし、かつて、野党時代の民主党として予備的調査などで提出をさせていただきました回答が、ほとんどゼロ回答だったということで、同じものを示して調査要請もしておりまして全容解明をする。そして、非常に重要なのが日本年金機構や、年金回復のプロジェクトチームはピーク時は万人単位になります。ある意味で国家の大事業と言っても過言でないですから、どう束ねて行くのかその司令塔や、組織論も重要になってくると考えております。いずれにしても、2年間集中的に対策を実施していくという形で予算を組ませていただいているところです。
記者:
それに関連してですが、いろいろ厳しく削られたという中で、敢えて、1千億以上掛けられたということについてと、2年間でどこまでをゴールとするのか、「年金記録回復委員会」のテーマをお聞かせください。
大臣:
1,779億円の意義ということですが、結局この「年金記録問題」につきましては、いずれはやらなければならない国としての責任であります。やらなければならないのであれば短期間でやる。そして、今別の視点から見ると、失業者の方が大変多くおられる。その一方で、介護も含め、年金記録回復も人手が足りない分野もあり、そういう時期に一定の集中的な対応を取って行きたいという思いで、この予算を提出させていただいたということです。 ゴールということですが、やはり、国民の皆様方が今も私のところに「年金記録問題」について、野党時代も今与党になった時代も変わらない水準で相談が多く来ております。そういう意味で、国民の皆様が「年金記録問題」について一定の御理解、信頼が回復されるということが、一つのゴールではないかと考えております。そして、今日の16時30分からの「年金記録回復委員会」のテーマとしては、今申し上げた諸々の論点について一定の方向性を出すということです。そして、もう一つこの委員会で重要な役割として考えておりますのは、具体的な数値目標を掲げていく。5千万件の「宙に浮いた年金記録」が一定の期間後どれだけ減らす目標にするのか、あるいは支払い期間を短縮するにはどれだけの目標を立てるのかということで、出来るだけの実現可能性の高い数値目標を掲げて、それを定期的にチェックをして皆様方に公表していくというスキームを作り、非常に見えやすいような「年金記録問題」の解決の進捗を考えているところです。
記者:
自民党の方が現在厚生労働部会を開いており、事務方が説明に行っているようですが、自民党の部会に対して、省としてどの方が説明に行くのか、政務三役が説明に行くことを検討しないのか、その当たりをお聞かせください。
大臣:
基本的には、今事務方が説明に行っておりまして、今の時点ではそういう対応をして、当然誠意をもって出せる資料はお出しをし、その報告についても、どういう建設的な御意見があったのかということも、私に報告するように指示をしているところです。我々も野党時代にいろいろな提言をして、その中には一部取り入れられた部分もありまして、今回も同じように野党の方々の御意見というのも、本当に貴重な意見もたくさんあると考えておりますので、多くの皆様の御指摘をいただいて、信頼回復をして行きたいと思います。
記者:
政務三役の方が説明に行かれるということは考えておられないのでしょうか。
大臣:
今のところは考えておりません。
記者:
概算要求の事項要求についてですが、大臣としては「事項要求にせよという」官房長官からの指示をどのように受け止められているのでしょうか。数値目標のない予算の要求とは予算の要求ではないように見えるのですが。
大臣:
これについては、例えば、いろいろな交渉の中で、我々としてはその部分を主張する、あるいはマニフェストで、もう一つの工程表というか、一覧表がございまして予算を付けるだけではなくて、次の頁には予算を削減をし財源に充てるというもう一つの一覧表、つまり、国民の皆様へのお約束があるわけでして、その間の中で削減の競争をし、必要な予算を付けていくということです。両方とも真剣勝負でありますので、そういう意味でここに書せていただいたものについては、厚生労働省一省だけではないので、全省あげての削減努力の進捗によってその部分の予算獲得をして行く。ただ、進捗と言っても削減をするというのに時間の掛かる削減部分もございます。厚生労働省としては必要不可欠な部分しかこの中には入れておりませんので、これについて御理解をいただいて必要不可欠な仕事をいただくように努力したいと思います。
記者:
大体マニフェストに入っている項目は、大体事項要求に盛り込まれているのですが、年金記録問題との関連で年金保険料の流用禁止がマニフェストにありますが、これについては盛り込まれていませんが、どういう理由ででしょうか。
大臣:
これにつきましても財源が2千億円ということです。これについて大変財源が限られた中で、いろいろな議論を経て、平成22年度の概算要求には入れないというような結論に達しました。もちろん、4年以内の然るべき時期に実施をしたいと考えております。ただ、年金保険料の流用に関しても、例えば、年金教育にも今も流用されておりますので、流用を効果のない部分については禁止していくことは今後も取り組んで行きたいと思います。
記者:
概算要求の事項要求についてですが、大臣の御説明を伺っていると、夕方官房長官から以前配られたペーパーの指示があり、それで事項要求に切り替えたという理解でいいのかということと、そうであるとすれば、その時点で11項目について大体概算でどれくらいの規模になっていたということを教えていただきたいのですが。
大臣:
過程を申し上げますと、当初議論をして、診療報酬改定ですが当初から事項要求にしていたところですし、新型インフルエンザへの万全の対策も当初から事項要求にしておりました。緊急雇用対策についても当初から事項要求にしておりました。4番目の高齢者医療制度に関わる負担の問題についても、事項要求にしていました。あと、年金国庫負担の繰り延べ等の返済も、事項要求にしておりましたが、それ以外の観点については、他省庁の削減も含め必要不可欠なものだと考えておりますが、これについてはその方針のもと事項要求にさせていただいたということです。当然これらについては、粗々の数字を我々も持っておりまして、それに基づいて事項要求についても要求をして行きたいと考えております。
記者:
その粗々の数字を教えていただくわけにはいかないのでしょうか。
大臣:
粗々の数字ですが、事項要求の1番目ですが、生活保護の母子加算の復活、児童手当の父子家庭への支給ということですが、母子加算の復活については180億円前後の金額を考えております。そして、児童手当の父子家庭への支給については100億円前後を考えております。そして、保育所、待機児童等の解消ということですが、これについては我々の考え方については1期4年の中で待機児童の解消を図るため、従来の整備事業に加えて保育所や、放課後児童クラブの整備等を一層推進するという考え方で、400億円を超える金額を考えております。そして、がん対策の拡充については、40億円弱の予算増を考えているところです。そして、肝炎対策の充実のうちインターフェロン治療の負担軽減につきましては80億円を超える予算、インターフェロン以外の治療に対する支援については20億円前後の予算を考えているところです。そして、障害者自立支援法廃止に関しての利用者負担を軽減する、障害福祉サービス等にかかる利用者負担についてさらなる負担を図るということで、300億円前後の予算を考えているところです。あとの予算についてはまだいろいろな考え方がありますので、確定をしているわけではありません。
記者:
「地域医療再生基金」ですが、これについても我々が取材しますと、戸惑いが拡がっているのですが、これによって地域医療が進まなくなる懸念もあるのですが、それについてどうお考えでしょうか。
大臣:
期待をしていただいていた自治体の皆さん、地域の皆様には大変申し訳なく考えております。この「地域医療再生基金」については、全額停止というわけではございません。基本的には100億円のプロジェクトについて停止するということで、このプロジェクトはまだ場所が決定しておりませんので、コンペ方式で決める形になっております。とは言え、そこに応募するため各都道府県が総力を挙げて100億円のプランを立てていただいているのも事実でございますので、それについても我々は深くお詫びを申し上げ、それ以外のプロジェクトは今後進めていただくわけですが、診療報酬の見直し等々を含めて地域医療により一層来年度の概算要求等を含めて取り組んで行きたいということも御説明しないといけないと考えております。
記者:
インフルエンザの定点観測で12を超えるとおっしゃられたのですが、少数点以下の数字と、推計患者数が分かれば教えてください。
足立政務官:
今日の正午に公表になると思いますが、総数は12.92です。
記者:
推計患者数は出ますか。
足立政務官:
今はでません。
記者:
調査をされたとおっしゃられていたのですが、調査というのは誰に対する調査をいつどのように行ったというのを事務方でも結構ですが教えていただければと思いますが。
足立政務官:
これは聞き取り調査でして、十数カ所ありますが詳しくは後ほど事務方から説明させます。

(了)

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