加藤大臣会見概要

H30.6.1(金)8:42 ~ 8:49 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣僚懇での発言でありますけれども、放課後児童対策の充実について、発言いたしました。2014年に策定した「放課後子ども総合プラン」に代わる新たな放課後児童対策のプランを今夏に策定する旨を本日の閣僚懇談会で発言いたしました。新たなプランにおいては、昨今の女性就業率の上昇やそれに伴う保育ニーズの高まりを踏まえ、2023年度末までに放課後児童クラブの約30万人分の更なる受け皿整備を図ることといたします。あわせて、子どもの自主性、社会性等を育み健全な育成を図る放課後児童クラブの役割の徹底を図るなど、育成支援の内容の質の向上を図った上で、引き続き文部科学省と協力しながら放課後児童クラブと放課後子供教室の連携を進めます。現在、社会保障審議会の下、「放課後児童対策に関する専門委員会」において、放課後児童クラブの質のあり方について議論いただいておりますので、新たな放課後児童対策プランに、この議論の内容を反映させていきたいと考えております。

質疑

記者:
過労死等防止対策大綱についてお伺いします。昨日、見直し案が明らかになりましたけれども、この中で勤務間インターバル制度について、導入企業を2020年までに10%以上にするという目標が盛り込まれました。具体的な数字を入れ込んだことの意義と、それからこれを今後どのように実行、達成していくのかという道筋についてお聞かせください。
大臣:
昨日、過労死で亡くなられた方々のご遺族も委員として参加していただいております「過労死等防止対策推進協議会」において、過労死等防止対策大綱改定案をベースに議論をいただいて、概ね了承いただいたと承知をしております。今の勤務間インターバル制度についても、導入企業割合を2020年までに10%以上とするなどの数値目標が設定をされているところでございます。改定案については、これからパブリックコメント等を経て、速やかに新たな大綱を閣議決定するように手続きを進めているところでございます。それに基づいて過労死ゼロの実現に向けて更なる取り組みを進めていきたいと思っております。勤務間インターバルでありますけれども、実際勤務間インターバルを実施している企業は、現状平成29年の就労条件総合調査では1.4%ということでありますから、これを10%以上にしていくということ。それから、勤務間インターバル制度を知らないという企業、これが同じ調査で37.3%、約4割であります。これは、半減をしていくということで20%未満ということを目標に設定したということであります。それに向けて努力をしていきたいと思いますけれども、今インターバル制度の導入については、助成金制度を設けているところでございます。そういったものを活用するとともに、今回の働き方改革法案でもインターバル規制につき努力義務規定を設けているわけでありますから、この法案を成立をさせていただいた上に、それに沿って施策を進めていきたい。そして、その実現を図っていきたいと思います。
記者:
働き方改革関連で、裁量労働制の比較データをめぐる経緯について、監察チームなどを設けて調査を進めていると思います。衆院は可決をしまして、衆院の委員会でも求められていたと思います。調査の進捗状況はどうか、参院の審議中には提出される予定なのかお願いいたします。
大臣:
裁量労働制に関して、比較すべきでない形で比較をした、その資料の作成に関して、そうした意味での責任をどう考えるのか、こういうお話がありました。加えて、それを調べるにあたっては、厚労省の人間だけではなく外部の専門家もというお話も委員会の議論の中で頂戴しておりますから、今、厚労省に監察チームというものがありまして、そこの中には外部の弁護士さんにも入っていただいております。そういった方々のご意見を聞きながら、鋭意検討をしていくところでございまして、いつまでにという時期を申し上げる状況にはありませんけれども、処分についても、いつまでもだらだらと延ばしてやるべきものではないというふうに思います。
記者:
冒頭にありました放課後児童対策の件ですが、大臣の思いをお伺いできますでしょうか。
大臣:
まずこれから保育園とこども園、幼稚園を含めて、そこの待機児童の解消に向けて、新たなプランを作っているわけでありますけれども、その試算の前提でも、就業率が上がる、利用率が上がるということを前提に議論してきたわけでありますから、それが小学校の段階になれば、当然そうした動きがそちらの方に波及するのは当然だというふうに思います。それも踏まえて、今回30万人分の受け皿を設置したわけでございます。そういった意味で、小1の壁、あるいは、先ほども申し上げた待機児童、これをまずしっかりと解消していきたいと思いますし、同時にやはり放課後児童クラブということ自体が子どもの社会性等を育む大事な場所でもありますから、そういった意味でも、そこにおける質、教育と言っていいかどうかわかりませんけれども、提供されるサービス等の質というものを今後もしっかりと図っていきたい。そういう観点から先ほど申し上げましたけれども、「放課後児童対策に関する専門委員会」において、その質について議論いただいておりますので、そこでいただいた議論も、放課後子どもプランの作成にあたって、しっかり反映していきたい。そういった意味で、量と質と、これをしっかりと公表してそれに繋げていきたいというふうに思います。
記者:
今日、最高裁で非正規労働者と正社員の待遇格差をめぐる判決が言い渡されますが、この結果の判決ですが、前で恐縮ですけれども、働き方改革関連法案の審議に与える影響、どのように今認識しておられますか。
大臣:
審議そのものっていうことはどうかっていうのはあれですけれども、当然判決、労働契約の場合は基本的に判決の積み重ねというものが、一つの制度になっているわけであります。この法案の中には、同一労働、同一賃金という観点において、今回の判決の中で議論されているというのが絡むという話は当然出ているわけでありますけれども、法律そのものに直接反映するというものではなく、実際の運用等々においてそれで考えていくということは当然あるのだろうと思いますが、いずれにしても判決を見ないことには何とも申し上げられないなというのが今の私の思いです。

(了)