加藤大臣会見概要

(令和5年7月14日(金)10:56~11:08 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
 冒頭は特にございません。

質疑

記者:
宮崎県で起きた療育手帳の情報とマイナンバーの紐付けの誤りについて伺います。宮崎県は12日、療育手帳の情報とマイナンバーの紐付けが誤った事例が2,336件あったと発表しました。この件についての受け止めとこのようなミスを防ぐために厚生労働省としてどのように取り組んでいくのかお聞かせください。また今回の件に限らずこうした手作業による紐付けのミスを今後根絶することができると考えているのかについてもお考えをお聞かせください。
大臣:
6月20日に厚生労働省から各自治体に対して障害者手帳情報とマイナンバーの紐付けについて点検するよう依頼したところですが、宮崎県においてその点検中に療育手帳情報とマイナンバーの紐付けに誤りのある事案が判明し、県がその旨公表したところです。この事案については、マイナンバーと療育手帳情報の紐付け作業をするにあたって療育手帳情報の転記の誤りがあり、当該誤りを訂正する際に当初の転記を誤ったデータを削除しなかった、二重に入っていたということです。厚生労働省としては引き続き6月20日付けの通知を踏まえ、各自治体において障害者手帳情報とマイナンバーの紐付けの点検を行っていただきたいと考えています。またマイナンバーの紐付け誤り事案を踏まえて、6月21日にデジタル庁にマイナンバー情報総点検本部が設置され、マイナポータルで閲覧可能な情報を有する全ての制度について、個人情報とマイナンバーの紐付けが正確に行われているか、政府全体として必要な点検を行うこととされたところです。厚生労働省としてもそれを受けて省内全体の取組を横串で統括して点検を行う体制を構築し、7月7日には各自治体や関係団体に対して、各制度の現場におけるマイナンバーの紐付け作業の実態把握のための調査を依頼したところです。その状況については定期的に公表していきたいと考えているところです。その上でこうした今後の作業におけるミスが根絶できるかというご指摘ですが、手による作業がどうしても入るということですから、それをどうチェックしていくのか、それぞれの情報によって異なるところですので、今回の事案、またこれから全体については7月7日に通知を発表してそれを踏まえて作業の在り方に問題がなかったかどうか、そしてそれを踏まえた点検作業を行うこととしていただいておりますので、そうした結果を踏まえた上で、今後においてそうした手作業におけるミスが出ることを前提とした上でそれをどうやって防ぐのか、具体的に検討していきたいと考えています。
  
記者:
健康保険証とマイナンバーカードの一体化に関してお尋ねします。現行の保険証は来年秋以降も1年間の猶予期間が設けられますが、国民健康保険や後期高齢者医療制度の保険証については再来年秋よりも前に有効期限を迎えるケースが想定されます。こうした場合への対策について現状の検討状況を教えてください。
大臣:
まず先日成立したマイナンバー法等の一部改正法においては、円滑な制度の移行を図るという観点から、発行済みの健康保険証については来年秋の改正法の施行後も最大1年間、したがって2025年秋までということですが、当該保険証を使えることにするという経過措置が設けてられているところです。現在の有効期間の定め方ですが、国民健康保険では法律上有効期限が何年とは決められておりません。有効期限を決めることができるとされているだけです。その上で実務上は1年又は2年の有効期間が設定されており、また有効期間や発行期日は保険者ごとに様々であると承知しています。したがって施行後の有効期間も異なってくるわけですが、保険者から今後の対応についても既に照会いただいているところです。法律上、2024年の秋、最も遅い場合の施行の場合は12月8日ということになるわけですが、具体的な施行時期はこれから決めますが、そのような施行時期となっていること、また経過措置の概要、こうしたことを踏まえた上でご対応いただきたいと考えています。また後期高齢者医療制度も同様に法律上定めはありませんが、多くの制度においては原則有効期限は1年とされていると承知しています。これは自己負担割合の変更時期に合わせてということで、8月に保険証を交付する、したがって令和7年7月までの有効となっている事例が多いものと承知しています。被用者保険については元々有効期限はありませんので、今回の法律で施行後1年間有効とされているところです。改正法の施行後、有効期限が切れた場合には発行済の健康保険証はもちろん使えなくなる、いわゆる失効するということになりますが、そのときにマイナ保険証を取得していない方などについては必要な保険診療が受けられるよう、本人の申請に基づき発行される資格確認書により受診していただくこととしています。この資格確認書の発行については申請手続きの失念によって保険診療を受けることができないといった事態は防ぐ必要があります。そのため保険者から被保険者に対し、現行の保険証からマイナ保険証や資格確認書への切替えも含めて周知するということ、また申請が難しいと想定される方については代理申請を含め、きめ細かな対応を行うこと、それでもなお資格確認書の申請が期待できないと判断された場合には、本人からの申請によらず職権で交付するといった柔軟な対応を想定しており、これは従前からご説明してきたとおりです。具体的な対応については今後保険者の意見も聞きながら検討していきたいと考えていますが、例えば健康保険証としての利用登録がされたマイナンバーカードを保有していない方、これをまず把握した上で、職権交付の規定なども踏まえてその運用を検討し、全ての被保険者が必要な保険診療を受けられるよう適切な対応を図っていきたいと考えています。
  
記者:
新型コロナウイルスに関して伺います。感染状況は全国的に緩やかな増加傾向が続いています。新型コロナは毎年夏に感染拡大を繰り返しており7月、8月は夏休みになると人の移動も活発化しますが、厚生労働省としてはどのような対応を検討するのか大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
まず全国の新型コロナウイルスの感染動向については、全国の定点医療機関の報告を1週間ごとに発表しているところです。6月26日からの1週間は7.24、その前週比1.18となっております。また本日の午後、この直近の1週間を公表することとしておりますが、既に各都道府県の発表している数字を見ても緩やかな増加傾向にあると認識しております。過去の状況等を踏まえると、夏の間に一定の感染拡大が生じる可能性があるということはこれまでも申し上げているところです。手洗いや換気、マスクの効果的な場面での着用など基本的な感染対策の周知、また夏休みで旅行や帰省等の機会が増えるため、夏の感染対策のポイントとして、高齢者に会う時や大人数で集まる時の事前の体調管理の必要性などについて厚生労働省のホームページやSNS等で積極的に周知を図っているところです。また今回沖縄県において感染がかなり増えております。感染が拡大している沖縄県とは密接に連携を図り、例えば酸素濃縮器を確保するにあたっての調整など必要な対応を行ってきているところですが、今回の沖縄県への対応も踏まえ、全国の都道府県に対して今夏の感染拡大に備えるため、例えば入院対象者の考え方を統一する、入院先決定の優先順位、いわゆる重症患者を優先するということ、また地域での医療機関の特性に応じた役割分担の明確化など移行計画の下で感染拡大局面においても必要な入院体制が稼働するよう前もって関係者間で合意してほしいといった留意事項をまとめて、早ければ本日中に事務連絡のかたちで発出し、それぞれの都道府県においても更に今後の感染拡大に向けての対応を強めていただきたいと考えております。
  
記者:
マイナンバーの紐付けについてお伺いします。宮崎県での事例に加えて障害者手帳での紐付けミスが静岡県でも6月に少なくとも62件明らかになっています。それぞれ誤登録された原因は異なりますが、自治体での紐付けミスが相次いでいる要因について大臣はどのようにお考えですか。また現在全国で総点検が進められていますが、障害者手帳について同様のミスが他でも起こっている可能性についてどうお考えでしょうか。
大臣:
宮崎県と静岡県におけるそれぞれの誤りの違い、起きた具体的な要因は違っておりますので、それを一概にこうだということはなかなか申し上げにくいと思っております。ただ今後マイナンバーのチェックをしていただいておりますので、当該障害者手帳、またその後においてはそれ以外のマイナンバーに結びつけられている情報においても、そうした事案が出てくる可能性は否定はできないと思っていますが、それについては先ほど申し上げたように、明確になった段階で公表させていただくとともに、それに対する対策をしっかり講じていきたいと思っています。

(了)