後藤大臣会見概要

(令和4年4月5日(火)9:31 ~ 9:50 省内会見室)

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
特に冒頭発言はありません。

質疑

記者:
新型コロナの感染状況についてお伺いいたします。先週のアドバイザリーボードで、その後の脇田座長からの説明で、「リバウンドの兆候が見え始めた可能性がある」との話がありましたが、その後、感染者数が増加傾向にある都道府県はさらに増えました。すでにリバウンドは起きているとのご認識でしょうか。また、その場合、第6波とは区別して第7波に入ったとお考えでしょうか。
 二つ目の質問がワクチン接種4回目の接種の対象範囲について、いつまでに何をもとに判断するのか、お聞かせください。また4回目用として1億4,500万回分を確保しましたが、4回目の接種対象や接種率がどうなるのか見通せない中、多くの無駄が生まれる可能性について、国会でも指摘がありました。これまでのワクチンの買い方に課題はなかったのか、費用対効果を検証する必要がないか、大臣の見解をお聞かせください。
 最後の質問なのですが、昨日の深夜出されました、高齢者施設等における医療支援のさらなる強化の事務連絡についてお伺いします。これまで、高齢者施設の感染者はこれまでに入院を原則としていたと思いますが、これからは施設内の治療への方針に転換されるということでしょうか。
大臣:
まず、感染状況についてでありますが、先日アドバイザリーボードにおいて脇田座長から記者ブリーフィングが行われましたが、感染状況を引き続き注視していくという趣旨のものであったと承知しております。
 新規感染者数については、1週間移動平均の推移を見ますと、先週から増加傾向にありますが、先々週の連休による数値への影響に注意が必要であると考えておりまして、この増加傾向がリバウンドにつながるかは、感染力がより強いBA.2への置き換わりの状況も含め、慎重に評価をしていく必要があると考えております。
 政府としては引き続き「最大限の警戒」を保ち、感染者が再び増加に転じた場合にも、昨年11月に取りまとめた「全体像」で準備した保健医療体制をしっかりと稼働させていくことを基本としつつ、オミクロン株の特性に応じた重点化、迅速化を行ってきているわけですが、今後とも、必要であればこれまでの考え方にとらわれることなく、適時果断に対応していきたいと考えております。
 特に先ほども少し3番目の質問でありましたが、高齢者施設等における医療支援体制について、既に都道府県に今月22日までの報告をお願いしていますが、施設からの連絡・要請により、24時間以内に感染制御・業務継続支援チームを派遣できる体制、全ての施設で医師や看護師による往診・派遣ができる医療機関の事前確保について、昨日改めて事務連絡を発出し、目標を明確化しつつ依頼をいたしました。
 こうした形は高齢者施設等における医療支援体制をオミクロン株に対応していくという形で、今高齢者施設における医療支援体制へとっていくという方針に沿ったものであります。
 国民の皆様におかれては、これから、入学式など多くの人が集まる行事が行われるとともに、就職や進学を機会に移動が多くなる季節となるため、感染リスクの高い行動を控えて、マスクの着用、手洗い、三密の回避や換気などの基本的な感染防止策の徹底をお願いしたいと思っております。
 
 それから4回目のワクチン接種についてでございます。新型コロナワクチンの4回目接種について議論いたしました先日3月24日の審議会では、4回目接種の特例臨時接種としての実施に向けて、3回目接種を受けた全ての住民に接種機会を提供することを想定して、自治体が準備を開始することについては、適当とするご意見をいただきました。
 また、委員からは有効性・安全性の議論を十分に行うべきだ、4回目は、よりハイリスクの方や、医療介護従事者等が対象になるのではないか、といった様々なご意見も出されたわけでございます。
 4回目接種につきましては、4回目接種を行うか否か、仮に4回目接種を行う場合の対象者、3回目接種から適切な接種間隔等についてはワクチンの有効性・安全性、効果の持続期間等に関する最新の科学的知見を踏まえて、引き続き検討することが適当ということで審議会は継続的にまた議論をすることになっております。引き続き、専門家のご意見も踏まえつつ、最新の科学的知見や諸外国の対応状況も注視しながら、4回目接種を行うか否かを含めて検討を進めてまいりたいと思っております。
 
 それからワクチンの確保についてでございますが、4回目接種の実施について、いかなる結論になったとしても、しっかりと対応できるように、現在順次輸入されているワクチンに加えまして、本年下半期に輸入されるワクチンとして、ファイザー社から7500万回分、モデルナ社から7000万回分を追加購入いたしました。 ワクチンを確実に確保することは、国民の生命や健康を守る観点から極めて重要でございます。
 世界各国で獲得競争が継続する中で、国民の皆様にワクチンをお届けできるように、あらゆる可能性を視野に入れて取り組んでおりまして、こうしたワクチン確保の取り組みは必要なことと考えております。以上でございます。
記者:
堀内ワクチン担当大臣が退任し、松野官房長官がワクチン担当を引き継ぎました。官房長官は他の仕事も多く抱えていますが、厚労大臣としてどのように連携していくお考えでしょうか。また、厚労省内のワクチン関連業務の人員体制などの確保予定はないかお聞かせください。
大臣:
松野ワクチン接種推進担当大臣は、新型コロナウイルス3回目接種につきまして、「新型コロナの発症予防そして重症予防の要であって、政府の最優先課題の一つであると考えている」「一般の方への接種も本格化する中で、特に若年層がワクチン接種を受けやすい環境を整備していくことが重要と考えている」と話しておられます。
 こうした課題を含めて、引き続き、できるだけ早期にできるだけ多くの希望する方にワクチン接種を受けていただけるように、松野大臣、官房長官と緊密に連携して取り組んでいきたいと考えております。
 なお、今般のワクチン接種推進担当大臣の交代に伴った、厚生労働省内のワクチン関連業務の人員体制の変更はありませんが、従来から大臣直轄で対応するよう総理より指示を受けているワクチンの確保、4回目接種、国産ワクチンの薬事承認と、厚生労働省としての職務に今後とも励むとともに、引き続き、ワクチン接種が円滑に進むように、厚生労働省として尽力してまいりたいと考えています。
記者:
先ほど、現在の感染状況の判断について3連休の影響が見られるということはアドバイザリーボードでも言われていましたし、大臣も仰っていたのですが、そうすると21日、22日が3連休の影響で過小に出ている可能性があるということを示されていると思うのですが、そうすると今日の分からその3連休の影響がない数字が出るということで、リバウンドしているかどうかというのは今週にも、この数字を見れば判断できるというお考えなのか。
 また、非常に春先の人流が増えている中で、もしリバウンドの兆候があった場合、今週中にでも政府として何らかの対応を協議することはお考えなのか。現在の定義、期間についても、その2点について、現在のお考えをお聞かせください。
大臣:
3連休中の影響ということについて言うと、21日までが3連休だったわけで、その後22日以降に検査の数が増えたということもあると思います。また、専門家の中には19日から21日の3日間で、やはり感染に何らかの影響があったと、それがその後少し出てくるというご指摘をされている方もいまして、そういう意味では先々週の3連休、多角的な角度から評価をする必要があると思いますし、一方で先ほども申し上げましたが、BA.2株、亜種がどういう感染の状況になっていくのか、そういうことも踏まえて考えるべきだと思っております。
 少なくとも、今ご指摘のあった3連休についてのいわゆる特殊要因等の見極めについては、少なくともそう長くない期間で見極めをつけていくということだと思いますが、その後BA.2株の状況をしっかりと、そういうことも含めて判断をしていきたいと考えています。
 22日以降はそういう意味で言うと、反動増になりますから、そこをベースにした1週間、次の1週間というのは、本来は数字がさほど高く出なくなるという、そういう面もあります。だからそういうことも含めて、幅広く判断をしながら、少なくとも判断を遅くすることなく、的確に国民に対してメッセージを送れるように対応していくことが必要だと考えています。
記者:
関連して現在の感染状況についてなのですが、岸田総理が昨日自民党の会合で一部の地域でリバウンドが起きているというようなご発言もあったのですが、この増加傾向というものは第6波の延長上にあるものなのか、第7波の入り口に立っているというものなのか、大臣の現状のご認識をお願いいたします。
大臣:
今申し上げたことの繰り返しになりますが、先週から増加傾向に、1週間移動平均の推移を見ると出ているという認識はありますが、先々週の連休による数値への影響に注意をする必要があるということに加えて、この増加傾向がリバウンドに繋がっていくかどうかということについては、これは感染力がより強いBA.2への置き換わりの状況も含めてこれから判断すべきだと思います。
 総理がリバウンドとご指摘されたことは、これは各地域の中にはリバウンドのように見えるところもあるという意味で、今地域の感染の状況等を見ても、確かに地域的にみると新規感染者の状況が、少し上昇傾向のトレンドラインを示しているところがあることは事実だと思います。
 それを全国的なリバウンドと評価していくかどうかということは、今申し上げたようなことで考えていく必要があると思います。ちなみに7日間移動平均感染者数、先週比で増加している都道府県は、3月30日に37、4月3日に44、4月4日に43と4月5日に43ということで(注:それぞれ前日までのデータを基に算出)、結構地域の中でやはり増加傾向を示しているところは多いので、そういう意味では強い警戒感を持って評価をしていくと同時に、評価に従って前倒し、前倒しで国民に対する適確なメッセージを送っていく必要があると考えています。
記者:
新型コロナウイルス感染症の検査についてお伺いします。4月1日の厚労委員会で、検査を行わなくとも、臨床症状で診断する「みなし陽性」について、佐原健康局長は「検査キットの供給状況を踏まえたものではなく、感染者の増加により受診などに一定の時間を要する場合に自治体の判断で実施できる対応」とお答えになりました。
 ですが、例えば熊本県のHPには「PCR検査の試薬や抗原定性検査キットが不足する場合に限り、「みなし陽性」の診断を実施する」と書かれています。第6波がピークアウトした現在でも、全国各地で「みなし陽性」の診断は続いているようですが、政府はPCR検査による流行状況の正確な把握は断念しているという理解でよろしいでしょうか。
大臣:
本年1月24日に、オミクロン株による感染急拡大を踏まえまして、外来医療等のひっ迫を防いで、適切な医療の提供を確保するために、同居家族などの濃厚接触者が有症状となった場合には、医師の判断により、検査を行わなくても臨床症状で診断することもできる旨をお示ししたところです。
 この取扱いについては、同居家族などの濃厚接触者が有症状となった場合には、高い確率で新型コロナウイルスに感染しているという科学的根拠を踏まえたものでありました。この対応により診断された疑似症患者につきましては、自治体の公表において新型コロナウイルスの感染症の新規陽性者数に含めていただくようお願いするとともに、その際には新規陽性者数の内数としてその人数を明確する形で公表するように周知しているところでございます。
 熊本県においては、「同居家族等の陽性者の濃厚接触者が有症状となった場合に、医師の判断によりまして、PCR検査の試薬や抗原定性検査キットが不足する場合に限り、これらの検査を行わなくとも臨床症状等をもって「みなし陽性」と診断することができる」との取り扱いをされていることは承知をしております。
 これは、各医療機関において、検査キット等がなく、直ちに検査ができない場合の取扱いであると承知しておりまして、「検査や受診に一定の時間を要する状況の場合」の取扱いを示した厚生労働省の事務連絡に沿った形の取扱いであると承知をいたしております。
 また、熊本県においても、これにより把握した患者は、疑似症患者として届け出ることとされています。 今後とも感染状況の適切な把握に努めるとともに、「全体像」で準備してきた保健医療体制をしっかりと稼働させていくことを基本として対応を進めて、今後の外来医療等のひっ迫を防ぐために、引き続き、必要な対応を行ってまいります。
 なお、PCR検査と抗原定性検査キットはそれぞれの特徴、特性を活かして状況に応じて利用していただくものと考えております。
 
 

(了)