加藤大臣会見概要

(令和元年9月20日(金)11:10 ~ 11:26 省内会見室)

【広報室】

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まず最初に3点申し上げます。本日、台風15号に関する閣僚懇が開催され、私は、厚生労働省のこれまでの取組と、昨日19日に千葉県鋸南町と館山市を視察いたしましたので、その内容を報告をいたしました。台風による住宅被害や停電、断水等で心身にストレスを抱えている地域住民の方が多くおられることから、今後は健康管理や心のケアなどの支援がより重要になってくるということで、市町村・千葉県と連携して保健師等の被災者支援に携わる者の派遣による人的支援をさらに実施していく考えであります。なお、あわせて昨日の視察の印象としては被災した方々が「これから」ということを強く言っておられたことがたいへん印象に残っております。それから今後台風と雨が予想されることから、ブルーシート張りへの支援についての強い要望があったということは申し上げておきました。なお、現状でありますが、被害状況、今日の7時現在でありますけれども、2,653戸が断水をしております。今、逐次、電源の対応はしておりますけれども、水が上に上がっていかないと高いところの方の断水が解消しないという状況でありました。停電が続いており、また被災された方においてはかなり水を使うことはいろいろあると思いますけれども、どうか節水には協力をお願いしたいというふうに思います。また市町村においてもそうした広報をしていただきたいと思います。それから医療関係でありますけれども、停電しているところが1か所ありますけれども既に電源車を派遣しているところでございます。断水しているところはございません。それから社会福祉施設等については13か所停電しておりますけれども、全て電源車を派遣しております。また水については1か所だけ水の確保が出来ていない、水が通っていないところがありますけれども、これも井戸水を活用しておられるということであります。それから、働き方改革を担当する副大臣、大臣政務官の任命についてということで、本日の閣議で、稲津久厚生労働副大臣及び自見はなこ厚生労働大臣政務官に、働き方改革を担当する大臣としての私の補佐をするよう、指示した旨をご報告をいたしました。稲津副大臣、自見大臣政務官とともに、働き方改革をさらに進めるべく努めていきたいと考えております。明日から25日までの日程で、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する国連ハイレベル会合への出席及び現地の研究施設の視察を行うため、米国のボストン及びニューヨークに出張することにしております。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジに関する国連ハイレベル会合は、我が国が共同提案した国連決議に基づき、今回初めて開催されるものであります。ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成は、国際保健の重要な課題であり、我が国の貢献を明示的に国際社会に示していきたいと思っております。また、ボストン及びニューヨークにおいて、ゲノム編集技術を応用した研究開発を行うスタートアップ企業や最先端のがんゲノム医療を提供する病院等を訪れ、今後の医療政策、特にがんゲノムに関する施策に資する視察を行いたいと考えているところでございます。私の方からは以上でございます。

質疑

記者:
二点お尋ねします。シベリア抑留者の遺骨597人分について、日本人ではない可能性があるとの検証結果が出ましたが、大臣の受け止めと、長年に渡って事実上放置されてきた原因をどう調べるのか、過去の担当者への聴き取りなどを行うのか、お考えをお聞かせください。
大臣:
昨日、遺骨収集に関して計9の埋葬地について、日本人ではない可能性があるということについてご報告をさせていただいたということであります。また今後の確認・検証作業の進め方の整理については鋭意作業をしておりますので、専門家またご遺族の意見、そしてロシア側との意見交換、これを踏まえてまとまり次第これは公表したいと思っております。いずれにしても就任以来申し上げてきましたけれども、遺骨収集に対する遺族の方々の思い、そうしたものを我々もしっかりと共有しながら、遺族の方からは1日も早く遺族にその遺骨を戻して家族の元へという強い思いを持っているわけですけれども、正確で、同時にスピード感を持ちことが非常に求められている。それに十分対応してきたのか、あるいは日本人の遺骨でないものがあればどなたかの遺骨ということになり、相手国の遺骨ということになります。その方にもご親族等もおられるわけでありますから、そういった遺骨収集に取り組む姿勢、これをもう一回しっかりと私たちは反省をして、こうしたことが起こらないようにしていかなければいけない。そのためにも今まず事実をずっと確認する作業を優先をさせていただいておりますけれども、なぜ当時そういう指摘が会議において行われていたにもかかわらず、それがそのままの形に実際なっているわけでありますから、それはどうしてそういうことになってしまったのかということも含めて過去の聴き取り、検証を行い、正すべきところをしっかりと正していかなければいけないと思っております。
記者:
もう一点お尋ねします。北海道の男性がHIV感染を申告していなかったことを理由に病院が採用内定を取り消したのは差別や偏見を助長しかねないとして違法だとの判決が17日に出されました。厚労省は通達でHIV感染を理由とした就業制限や解雇を禁止していますが、大臣の受け止めと今後差別解消に向けた啓発強化などに取り組む考えはありますか。
大臣:
まず個別の事案で民事の話でございますから、一つひとつについては差し控えたいと思いますけれども、ただHIV感染を理由とした差別、これはあってはならない、これは当然の原則であります。厚生労働省としては、労働者の採用選考を行うに当たって、HIV検査等を行ってはならない、また伝染病や業務により病状が著しく悪化するおそれのある疾病にかかった者の就業は禁止はしていますけれどもその対象にHIVの感染は該当しないということ、さらにはHIVへの感染それ自体は、解雇の理由にならないそういったことをまとめたガイドラインを作っておりまして既に周知をしておりますけれども、こうした周知をしっかりと図っていくと同時に、今回の事案をよく聞かせていただきながら必要があればそれについて対応していかなければならないと思います。
記者:
シベリアでの遺骨収集についてでありますけれども、日本人以外の可能性が指摘されたものの中で既にDNA型による分析を行った16柱以外の581柱について、出身国を調べるDNA鑑定をいつまでに実施して、日本人のものかそれ以外かという結果についていつまでに発表するお考えでしょうか。
大臣:
既に16柱については日本人かどうかということのチェックはさせていただいてそうではない可能性が高いということでありました。残るものについても今専門家にお願いをして鑑定作業を進めているところでございますので、今の段階で目途を申し上げるのはなかなか難しいことですけれども、できるだけ速やかにこの作業を進めていきたいと思いますし、また担当していただく方が決して多くないのですけれどももっとさらに多くの方々が協力していただける可能性がないのかどうか、その辺も含めてよりこの作業がスピードアップしていけるように努めていきたいと思っております。
記者:
年度内であるとか来年中とかそういった大臣としてのご希望はありますでしょうか。
大臣:
今の段階で具体的に時間的な設定ができるものを持ち合わせておりません。話を聞くとなかなか一つ一つの鑑定に時間がかかるということですから、間違いのないようにしていただかなければもちろんいけませんし、他方で今こうした日本人ではないという疑いがあるということですから、それに対する答えを早く出していかなければいけない、これらの両方をしっかり見極めながら、いたずらに時間をかけるつもりはございません。先ほど申し上げたようにできるだけ早くできるようにまたさらに何ができるか含めて検討していきたいと思います。
記者:
兵庫県明石市でひとり親の方への養育費の未払いについて、理由なく未払いの場合、氏名を公表するという新しい条例を作ることを検討されているようですけれども、この問題について積極的に自治体が動いているというプラスの評価と、個人情報の問題に留意しないといけないという面と両方あると思いますが、大臣はどのようにご覧になっているかお考えをお教えください。
大臣:
明石市の件は、報道では承知しておりますが、具体的な中身を承知しておりませんので、それに対して今どうだこうだと申し上げることはないですが、養育費の問題については離婚したひとり親家庭の方々の生活を安定させていく、また子どもさんの健やかな成長を確保していくということにおいて、養育支援ということは大事ですし、その中で養育費を確保していくということは大変重要だという認識を、私たちは持っています。今、厚生労働省予算でもこうした自治体における弁護士等による養育費相談の実施への支援、あるいは、養育費相談支援センター事業を展開させていただいておりますので、そういったことで我々としては養育費の確保に向けて必要な対応をしっかり取っていきたいと思います。
記者:
昨日、ゲノム編集技術応用食品について、通知が出されましたときに、対消費者というところでこの10月1日から始まる制度の運用をどのようにされていくというところかご説明をお願いいたします。
大臣:
ゲノム編集技術応用食品の取り扱いについては、薬事・食品衛生審議会食品衛生分科会新開発食品調査部会という専門家が集まったところで議論いただいたところです。具体的には、自然界または従来の品種改良技術でも起こり得る範囲の遺伝子変化のものは、従来の、通常の品種改良と同程度の安全性であることから、開発者から届出は求め、それを公表するという内容です。それを超える遺伝子変化のものは、安全性審査の対象とするという取り扱いを決めて、この10月1日から運用を開始し、その表示については消費者庁で今日新聞に出ておりました。いずれにしても、どちらになるかなかなか生産者というか作っている方が解釈が分かりにくいということがありますから、厚生労働省では事前に相談をしていただける体制をしっかり強化していきたいと思います。また、今お話があったように新しい技術であり安全性に不安、また、予期しない遺伝子の変化が生じる可能性があるのでないかといった懸念もありますから、その辺りはしっかりと、そうした不安や懸念があることを踏まえながら、ホームページを使ったり、パンフレットを使ったり、説明会を開催するなど、ゲノム編集技術応用食品に関する情報を国民の皆様にしっかりと提供していくということをこれからしっかり取り組んでいきたいと思います。
記者:
シベリア抑留者の問題に関して、会議で日本人ではないという指摘が出ていたにもかかわらず放置されてしまっていたということについて、大臣として当時の責任者ですとか担当者の責任についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
まず、私も一年間厚生労働大臣をやっておりましたので、そこに上がっていたかどうかは別として、やはりそうした責任を十分認識しながらこの問題にあたっていかなければいけないということをまず申し上げます。その上で先ほど申し上げましたが、当時そうした指摘が、精査した結果会議において発言があったわけですから、なぜその発言がそのままになってしまったのか、そういったところはしっかりと検証していく、その中でこうしたことが起こらないようにしていく、またそこに大きな落ち度があればそれはそれで対応していくことを考えています。
記者:
遺骨収集ですが、今後のシベリアに限らず事業全体に与える影響についての認識を教えてください。
大臣:
まずロシアとの間においては、こちら側から今回精査したり、今後どう確認していくのかということをまず議論させていただきます。その間において、先方からもよく話を聞きながら、いずれにしても2国間の信頼関係がないと前に進んでいきませんから、やはりこうした事案が起こるということはその信頼関係に当然影響がありますので、その信頼関係をもう一度回復するということを含めて、しっかりコミュニケーションを取っていきたい。我々もしっかり我々が分かっていることについてはよく先方に伝えながら、間違いのない、まだまだロシアの地にも日本人の遺骨も眠っておられるわけですから、その遺骨収集に対してしっかりと取り組んでまいりたいと思います。それ以外の地域、前回フィリピンでもこういう課題がありました。そういったある意味においてはもう少し網羅的に物事を見ていく必要があるかもしれませんので、その辺りは少し専門家の方とご相談しながら進めていきたいと思います。一方で遺骨収集については一日も早くというご遺族の思いもあります。それから、この確認検証あるいは遺骨収集作業に対する思いもありますから、そういった皆さんの思いもしっかり踏まえながらやっていかなければならないと思います。

(了)