加藤大臣会見概要

H30.1.16(火)10:47 ~ 10:56 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。冒頭申し上げることは特段ございません。

質疑

記者:
感染症対策について伺います。犬や猫等からヒトにうつるウルセランス感染症による死亡事例が国内で初めて確認されました。厚生労働省として感染症対策にどのように取り組むか、注意喚起も併せてお願いします。
大臣:
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症について、平成28年に1例死亡例がありましたけれども、これについては日本医療研究開発機構(AMED)からの補助金で研究が行われておりまして、その中で、症状等について最新の知見が判明し取りまとめられたということで、それを踏まえて、今般、厚生労働省として情報共有の徹底等必要な対応を図ったわけであります。1月10日付けでQ&Aを公表させていただいたところです。ただ、この感染症については、まれに動物からヒトへ感染する感染症であって、国内においては、ヒトからヒトへの感染事例は確認されておらず、また、治療法も存在していると承知しております。今般、厚生労働省としては、本件のみならず感染予防等を国民に対して周知するとともに、医療機関で迅速な診断が行われるよう、医療の現場に対し、周知及び協力を依頼したところでございます。いずれにいたしましても、国民の皆様におかれては、通常の動物由来感染症と同様、動物との過剰な触れ合いは控えていただき、動物にさわったら必ず手洗いを徹底していただくことをお願いしたいと思います。仮に、感染が疑われる場合には、速やかに医療機関を受診していただくことをお願いしたいと思います。
記者:
医師の働き方についてお伺いします。先日、東京都内の日赤医療センターで、残業時間について、過労死ラインの2倍にあたる月200時間までとする36協定が結ばれていることがわかりました。昨日の厚生労働省の医師の働き方改革に関する検討会でも緊急対策が示されて、その中で36協定の自己点検も盛り込まれておりますが、その点も踏まえて、改めてこの200時間という時間についての大臣のご見解をお伺いできればと思います。
大臣:
まず、個別についてのコメントは差し控えさせていただきます。医療機関に限らず働き方に関する一般論としては、労働基準法違反等の事実が認められた場合には、必要な監督指導を行っているところであります。例えば、36協定で締結された協定時間を超えて時間外・休日労働をさせている場合には、是正勧告を行っております。そして、その遵守の徹底を図っているところであります。また、そこまで至らなくても、36協定の内容、特に特別条項による延長時間をできるだけ短くということで指導を行っています。また、今お話のありました、昨日の医師の働き方改革に関する検討会におきまして、昨年8月以降の議論において明らかとなった医師の長時間労働の実態を踏まえ、その改善のために直ちに取り組むべき事項、緊急対策の骨子案を提示して議論していただきました。2月を目途に緊急対策を取りまとめていきたいと思っております。この緊急的な取組の中にも、36協定の自己点検を盛り込むこととしておりまして、医師を雇用する全ての医療機関において、しっかりと取り組んでいただけるよう、厚生労働省としても指導等を促していきたいと思います。
記者:
人獣共通感染症の件で、先ほど大臣は「過剰な触れ合いを避けてもらい」ですとか「動物をさわったら手洗いをする」という形の広報をされましたけれども、「ペットとの接し方がよくわからない」という声が出てきていて、不安をあおらない形での情報提供のあり方をどうしていくのか、お伺いします。
大臣:
今の申し上げ方は、従前からこうした感染症に関しては申し上げている言い回しであります。もちろん、過度に懸念をあおってはいけないわけでありますけれども、しかし、必要な情報はしっかり提供していかなければならないので、申し上げ方には十分配慮しながらも、特に、そうした感染症が疑われる場合には、早期に受診していただくということをしっかり申し上げていきたいと思います。
記者:
20歳の献血についてお聞きいたします。先日、大臣も出席したオープニングのイベントがございましたが、一方で10代や20代の献血者数が減少しているわけでございますが、そのような若者への献血、特に10代の献血をどのようにしていくのか教えて下さい。
大臣:
先日、献血キャンペーンの時に申し上げたところでありますけれども、献血が可能な年齢が16歳から69歳までとなっておりまして、残念ながらその年齢の人口が減少しています。他方で、特に若い方の献血率が低下していることを申し上げたわけでありまして、特に若い方々の献血に対する理解を深めていただき、また献血に是非協力をいただきたいと申し上げたわけであります。若い方への啓発について、日赤においては学校を訪問して献血の必要性、重要性を啓発する献血セミナーを開催していただいております。また、厚生労働省としても文部科学省と協力して、中学校の段階から献血の普及ポスターを、また、全ての高校3年生を対象に啓発普及パンフレットの配布を行うとともに、学校献血や献血セミナーといった献血に触れ合う機会を積極的に受け入れてもらえるよう高等学校などにも働きかけをしているところでありまして、そのような働きかけや、また、今回は広瀬すずさんにキャンペーンの中核を担っていただきたいとお願いしたところでありますけれども、そのようなキャンペーンを通じて、更に若い方からの関心を高め、協力をお願いしていきたいと思っております。なお、本件については、「『はたちの献血』という名称そのものがはたちにフォーカスしすぎているのではないか」というご意見があり、一方で、「『はたちの献血』はかなりの皆様が知っている」という両方の意見がございますが、ネーミングをどうするのかということについて、先般、薬事・食品衛生審議会の下にあります献血推進調査会においても議論が行われておりますので、キャンペーンそのものはしっかりとやっていくにしても、ネーミングのあり方等はしっかり議論していきたいと思っております。

(了)