加藤大臣会見概要

H29.9.29(金)10:27 ~ 10:40 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。まずは閣議発言が4件ございます。平成29年8月の有効求人倍率は、1.52倍となり、43年5か月ぶりの高水準となった前月と同水準となりました。また、正社員の有効求人倍率は1.01倍と3か月連続で1倍を上回りました。完全失業率は前月と同水準の2.8パーセントとなっております。現在の雇用情勢は着実に改善が進んでいると判断しております。独立行政法人の人事について、今日の閣議で了解を得られました。10月1日付けで年金積立金管理運用独立行政法人理事長に高橋則広さんを再任いたします。平成29年版労働経済の分析について、今日の閣議でご報告いたしました。今回の白書では、イノベーションの促進とワーク・ライフ・バランスの実現に向けた課題をテーマとして、我が国の経済成長とイノベーション・雇用との関係、働き方をめぐる環境の変化とワーク・ライフ・バランスの実現についての分析をまとめてあります。4点目でありますが、今年で71回目を迎える「赤い羽根共同募金運動」が10月1日から全国でスタートいたします。今日の閣議において、各大臣に当募金への協力をお願いいたしました。地域共生社会を実現するためにも、今年も国民の皆様のご支援とご協力をお願いいたします。それから、私の方からもう1点ございます。振替加算の支給漏れ事案への対応であります。振替加算専用ダイヤルについては、今週月曜日25日から電話料金を無料とするとともに、40回線から100回線に対応回線数を増加させています。この結果、応答率はこの3日間連続で約90パーセントとなっております。先週金曜日22日の約30パーセントから大幅に改善しています。回線を増加させたことなどによる効果があったものと考えております。また、日本年金機構に設置した「年金給付適正化プロジェクトチーム」において、振替加算以外の年金給付の適正化について検討を開始しております。様々な契機を捉えて改善につなげるという視点から、“事務処理誤りからのアプローチ”“お客様の声からのアプローチ”“事故リスト・警告リストからのアプローチ”といった3つのアプローチで分析・点検を行い、本年12月までに対応方針を決定することとしております。また、閉会中審査でも申しあげましたが、関係職員の処分を行うこととしました。お手元に配布したとおり、日本年金機構においては理事長、副理事長、理事(事業推進部門担当)、中央年金センター長、年金記録企画部長の処分を行うこととしています。また、厚生労働省においては、年金局において組織管理上の責任を有する幹部職員として年金局長及び年金管理審議官の現職及び元職者を厳重注意処分とすることにいたしました。私からは以上です。

質疑

記者:
小池都知事が代表を務めます希望の党と民進党の合流が決まりまして、野党再編の調整が急速に進んでいるようですけれど、自公対希望という構図が鮮明になってきました。このような状況をどのようにご覧になっていますでしょうか。
大臣:
昨日、今回引退される高村副総裁が衆議院選挙は常に政権選択選挙であるということをおっしゃっていました。まさにその通りだと思います。したがって、政権選択を国民にしていただく以上、この政権として誰が中心でおやりになるのか、そしてどういう方々がどういう理念の元に集まって、その政権を構成されるのか、そして具体的な施策としてどういうことをしていくのかということが非常に大事だと思っております。私どもはそうした点をとって、誰をと言われれば安倍総理を先頭に、自民党と公明党が両党連立して、総理が今回のポイントとしておっしゃられた幼児教育や保育の無償化あるいは待機児童の解消、介護職員の処遇改善あるいは高等教育の給付型奨学金などの拡大を含んだ無償化、消費税の使途見直しなどについて、財源をしっかり提示をして具体的に進めていきたいということです。私どもは、国民の皆さんの関心や将来に対する不安や懸念といったことにしっかりと応えていく政策を打ち出して、そして説明をしていくことで、野党に対応していきたいと思います。特に私の関連するところも多々ありますので、そういうことを中心に国民の皆さんの理解とご支援がいただけるように、しっかりと具体的に説明をしていきたいと思います。
記者:
年金の支給漏れについて伺います。改めて今回、このような処分が必要だと判断した理由を教えていただきたいのと、今回の注意処分や訓告といった処分は何段階あるうちの何番目の処分であるのか、それぞれこの処分が相当であるとした理由も教えて下さい。
大臣:
まず、処分をした理由ですが、日本年金機構において振替加算として支払うべき年金が適正に支払われなかったこと、そして実際に支給漏れが判明した年金受給者の皆さんにご迷惑をおかけしたということで処分が行われているわけであります。その処分においては機構の規程の違反の有無、過去の処分事案との比較を踏まえて判断していると承知しています。また、厚生労働省における処分は、そうした処分を踏まえながら、同じような年金に対する信頼を損なった、個々の受けるべき方々が受けられなかったことなどを踏まえ、あるいは閉会中審査においてきちんと政務にあげるべきではなかったかというご指摘もありました。年金局の組織管理上の責任を有する今の職員と当時の職員について処分を行いました。処分のランクについては事務方から説明させていただきます。
記者:
関連して15年のサイバー攻撃で個人情報が漏れた問題のときには、政務や次官も含めていましたが、今回は自主点検で発覚したという経緯もあると思いますが、改めて処分が局長以下となった理由について教えて下さい。
大臣:
これまでの様々な、ご質問のサイバーテロの対応やその前の振替加算がきちんとされていなかった事例などを踏まえて、今回の事案がどういうことなのか、今お話があったようにある意味機構がいくつか誤認するサインは出ていましたがそれを見逃したことは我々の責任でありますが、自発的に取組みがなされていることを踏まえました。省内における対応についても、政務に上げていなかたっという指摘はされましたけれども、それ以外にスピード感をもって取り組んできたことを踏まえて、今回の処分を決めさせていただきました。
記者:
追加でお聞きいたします。先ほど、振替加算以外の支給漏れについても調べられるというお話がありましたが、12月までにと大臣がおっしゃたのは、12月中なのか、あるいは12月に入る前のことなのか教えていただきたいことと、今後このような年金の支給漏れについて大臣としてどういった姿勢で臨んでいくのか併せて教えて下さい。
大臣:
まずは、年金給付適正化プロジェクトチームでありますけれども、閉会中審査でも指摘がありましたけれども、色々な意味での誤認があったのではないか、事務処理誤りというものをもう少しきちんと見れば良かった、あるいはお客さんの声もありまして、それから事故リスト・警告リストが出ているのですがあまりにも大量で対応しきれなかったということでありますので、まずその中をしっかり分析して、今回のこと以外に体系的にシステム的な問題があるのかないのか、あるいはそれ以外のことも含めて徹底的に洗っていきたいと思っております。ただ、物によっては非常にボリューム感が大きいものがありますから、早くいけば12月ではなくてもいいわけでありますけれども、出来るだけ速やかにやっていただきたいと思いますし、中には非常にボリューム感があったり、システムの開発をして分析をしなければならないというものも正直ありますので、そのようなものについては、ある程度その段階における状況報告と、それからその先の見通しといったものをはっきりさせてもらいたいと思っております。その上でこれからの対応ですが、このような支給漏れ等のミスが絶対にあってはならないわけでありますけれども、しかし残念ながら人間がやるということはミスが生じうるということを常に意識しながら、これからもまた事故処理誤り、お客様の声など色々あると思いますけれども、そういったものを総合的に分析していくということが必要だと思います。特に、今回は地域ごとの一件や二件を集めると日本全国でかなりの件数だということがありました。そういった意味では、日本年金機構において全体においてどのようなことが含まれているのか常時しっかり見ていかなければいけないと思います。我々もそういったことを念頭に置いて対応していきたいと思います。
記者:
小池さんの希望の党についてどのように思われるかということと、民進党が公認を出さずに希望者は希望の党にということになりましたけれども、そのやり方についてどう思われたか教えて下さい。
大臣:
個々のことについて、厚生労働大臣としての記者会見なので申し上げることは控えたいと思いますが、いずれにしましても先ほど申し上げた政権選択ということの選挙ということでありますから、国民の皆様方がそうした選択がしっかり出来る情報であり、内容をしっかり示していくことが、私どももそうでありますが、必要なことだと思います。

(了)