加藤大臣会見概要

H29.9.12(火)9:49 ~ 10:00 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣議での発言は特にありません。まず、臍帯血プライベートバンクの実態調査結果が取りまとまりました。詳細については、事務方から説明させていただきますが、臍帯血の品質や安全性の確保、契約者の意思に基づかない臍帯血の提供の可能性もある点などから課題が明らかになりました。こうした調査結果を踏まえて、臍帯血が再生医療に用いられる場合には引き続きトレーサビリティの確実な確認を行う、民民の契約を前提としたプライベートバンクにおいては契約者の意に沿わない臍帯血の提供が行われないようにすること、契約者であるお母さん方に正確で分かりやすい情報提供をすること、そういった観点から対応可能な措置を速やかに講ずることとしたいと思います。こうした対処によって、再生医療の信頼の回復に努めていきたいと思います。私のほうからは以上です。

質疑

記者:
臍帯血について、プライベートバンクの業務内容を把握するための対応案を示されましたが、こちらは法律に基づく規制ではないわけですから、原則としてどのように実効性を確保していくとお考えでしょうか。
大臣:
いま申しあげた対応措置について通知を速やかに発出することにしていますけれども、私どもが調査した限りでは臍帯血のプライベートバンクとして活動しているところは7社と承知をしておりまして、数が限られております。今回、こういう措置を講じるわけですが、まずは個別に丁寧に対応していきたいと思います。その上で、再生医療等評価部会と造血幹細胞移植委員会の合同の会議を開催していただきまして、今回のこうした事案の概要と調査結果、私どもが対応しようとする措置の内容をご報告をしたうえで、ご議論いただきたいと思います。
記者:
働き方改革について、8日に労政審の分科会で働き方改革関連法案の要綱を示されました。いま分科会のほうで議論が行われているわけですが、改めて労政審の議論に期待したいことをお聞かせ下さい。
大臣:
8月30日以降の労政審で、公労使の三者で議論いただいたわけですが、それを踏まえて9月8日付で時間外労働の上限規制あるいは継続審議中の労働基準法改正案、同一労働同一賃金について、働き方改革の重要政策を一本化する形での法律案要綱を示させていただいて、8日にもご議論いただきました。このときにも、連合から総理に要請があった中身について説明してほしいということで、現場でも説明したと承知をしています。基本的にはご指摘があった点については、それを踏まえて修正をした法律案要綱を出させていただきました。いずれにしても、労政審において公労使で更にご議論いただきながら取りまとめをしていただきたいと期待しております。
記者:
昨日、国連の安保理の方で核実験をした北朝鮮に対して新たな制裁決議が採択されました。3日の核実験から非常に短期間で中国・ロシアも賛成するかたちで採択が出来たという結果について、どういうふうに評価しておられるでしょうか。
大臣:
北朝鮮がこの9月3日に6回目となる核実験を強行したわけでありまして、それを踏まえて、日本時間でいうと今日の朝になるでしょうか。北朝鮮に対して格段に厳しい制裁措置を課す強力な安保理決議第2375号が全会一致で採択されたということであります。そのことを高く評価したいと思います。先ほど総理からもコメントが出されていると承知をしております。今回の決議は北朝鮮に対する圧力を従来にない新たな段階まで強化し、北朝鮮に政策を変えさせなければならないという、こうした国際社会の意思を全体で明確に示したものだと思います。また、決議では北朝鮮にいる人々が受けている深刻な苦難に対し、深い懸念を改めて表明等との言及が盛り込まれているわけでありまして、当然その中には北朝鮮に拉致された方々も含まれているということであります。いずれにしても、私どもとしては、こうした安全保障上の脅威に対して断固たる対応を取りつつ、ある意味ではそうした圧力をテコにしながら、この拉致問題が埋没しないように、すべての拉致被害者の方々の一日も早い帰国の実現に向けて、しっかり北朝鮮からそうした帰国に向けての動きを引き出すべく全力で取り組んでまいりたいと思っております。
記者:
臍帯血の関連でお伺いします。冒頭、大臣が再生医療の信頼回復にも努めていきたいというお言葉がありましたが、具体的に厚労省として通知を出した後どのような活動を行って信頼回復をしたいとお考えでしょうか。
大臣:
まずは通知を出して、通知の中身が各社において適切に対応がなされていくように対処していきたいと思います。そのうえで合同の会議を開くと申しあげましたが、事案の状況、調査結果、そして対応すべき中身、実際その中身がどのようなものになるか、実効性が確保されているかなどをご議論をいただき、必要があれば議論の中で更なる対策をすることになるかと思います。これらは、議論のこれからの推移ですので、私のほうから断定的には申しあげられません。
記者:
昨日から人づくり革命の議論がされておりますけれども、大臣は副議長として参加されておりますが、どのように厚生労働省として関わっていこうとお考えでしょうか。
大臣:
昨日、第1回人生100年時代構想会議が開催されまして、リンダ・グラットンさんをはじめとして、有識者から様々な非常に具体的な話を含めてお話をいただきました。中身につきましては、茂木大臣から説明がなされたと思いますけれども、その時にも申し上げさせていただきましたが、働き方改革に関しては一人ひとりの意志や能力に応じて多様で柔軟な働き方を可能にするため、働き方改革実行計画で整理した多くの課題の実現に取り組んでいるわけでありますけれども、加えてリンダ・グラットンさんの話にもありましたけれども、マルチステージの人生といった概念を提示をされていたわけでありますが、そのようなことを踏まえて、働き方の将来を展望した課題についても我々としても考えていきたいと思っております。二つ目は、いわゆる全世代型社会保障ということでありますけれども、現役期を含めた人生全体を通じた困難やリスクを現役世代も高齢世代も含め、国民全体で支える制度ということで考えていく必要があるのではないかと思います。併せて、健康寿命の延伸という健康で長く活躍していただける環境をつくっていくということも必要だと思います。年度末までの宿題となっている幼児教育や保育の無償化の拡大、待機児童対策の財源問題についてもしっかりと検討させていただきたいと思います。
記者:
先日、東京都が受動喫煙の条例をまとめました。これは、以前の厚労省案と言われるものとほぼ似た構造となっておりますけれども、いま現在、法案作成に向けて省内で検討進めていると思いますが、条例が与える影響についてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
報道等でしか承知しておりませんが、東京都の発表された中身というものは3月の厚生労働省の基本的な考え方の案とかなりダブっているのかなと認識をしております。また、東京都がオリンピック・パラリンピックのホストシティ、主催する立場ということでありますから、そのような立場に立って今回の案を取りまとめられるものと承知しております。いずれにしても、私どもは前から申し上げているように、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙対策を徹底するため、必要な法案を国会に提出するという総理からの指示がございます。その指示を踏まえて、これから関係する自治体、あるいは団体等からの御意見を伺いながら、東京都は東京都の中のお話でありますが、厚生労働省としてはオールジャパンの話であり、全国レベルの対策について成案に向けて取り組んでいきたいと思います。

(了)