塩崎大臣会見概要

H28.4.12(火)10:52 ~ 11:06 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。特に私からはございません。
記者:
同一労働同一賃金の関連で、自民党と公明党が先週提言案をまとめたと思います。例えば、非正規の方の賃金を、正規の方の賃金の6割からヨーロッパ並みの8割に引き上げようという数値目標なども書かれていますが、この提言案についての受け止めと、最終的に一億総活躍プランを政府としてまとめると思いますけれども、最終的に提言案が出てくれば、どのようにプランの中に盛り込んでいくことになるのか、この2点をお願いいたします。
大臣:
先ほど「まとまった」というお話がありましたが、これは自民党の「同一労働同一賃金問題検証プロジェクトチーム」、公明党の「同一労働同一賃金の実現に向けた検討小委員会」の両方で、それぞれ4月8日と4月7日に議論をしたという段階で、まとまったということではないようであります。私どもは、正式に受け取っておりません。政府としては、3月23日に「同一労働同一賃金の実現に向けた検討会」を柳川座長の下で議論をしていただいているわけでありまして、本格的な議論はまだ始まったばかりであります。こうした論点整理案、提言案をそれぞれ与党が出して、議論をしていただいている最中でございますが、これを参考にしつつ実効性のある策について、我々としては様々な角度から検討を進めていきたいと考えております。したがって、プランにどのように入れ込むかということは、与党からの案、そして私どもが議論をする案、当然、加藤大臣の一億総活躍の事務局とも議論を深めなければならないと思っておりますので、それがどのようになるかはこれから中身をよく議論した結果で決まってくると思います。自民党の案は、報道によれば、ヨーロッパ並みに非正規の方の賃金を上げるというお考えを示されているということでありますが、我々としては当然、非正規の方の賃金のギャップがヨーロッパなどに比べると格段に大きいということを解消しようというのが、安倍総理の問題意識の端緒でありますから、こういう目標を設けてやるという与党の考え方は十分理解できると私は思っておりますが、どういう表現や水準になるかなどの中身はまだこれからだということではないでしょうか。
記者:
一部報道で、千葉県市川市の保育園が、子どもの声がうるさいという住民の声で開園を断念したというものがありましたが、待機児童解消に向けて取り組む中で、こういう問題が起きることについての大臣の受け止めをお願いいたします。
大臣:
本来、子どもは社会、国の宝でもありますから、地域の力で、みんなで育てるという考え方、親御さんだけではなくて、地域も育てるということは大事だと思います。したがって、保育園を新たに作るという、待ったなしのニーズに対して、地域の御理解を得るということは極めて大事であって、私どもとしても防音の施設などについての支援をさらに強めるということもやっているわけであります。今回の様なケースが起きないように、現場の責任を持っている市や保育園を運営される主体が粘り強く地域に御理解をいただけるように御努力を願うということでありますけれども、私どもとしても理解を深められるように何らかの支援ができるならば、いろいろ御相談にあずかっていきたいと思います。
記者:
待機児童の関連でうかがいたいのですが、先日、国がまとめた緊急対策で、国の保育所配置や面積の基準を上回って設定している自治体に対して、そこの余裕分を活用して子どもを一人でも多く受け入れてほしいという項目がありました。これに対して民間の団体から、最低基準を理由に設備や運営を低下させてはならないとしている厚生労働省令の趣旨に違反するのではないかという指摘がありますが、これに対する大臣の受け止めをお願いいたします。
大臣:
御指摘の省令は、昭和23年、最低基準を導入した際に導入された省令です。それまでばらばらだったものに最低基準を導入した際に、それを理由に上回っている所が下げるということはやってはならないということ、つまり、最低基準を口実として個々の施設がサービス水準を低下させてはならないということを規定したものであります。大変古いものでございます。個々の施設におけるサービス水準というのは、最低基準を満たすことを前提とすれば、その施設に置かれた状況を勘案して定めていただくものだということであります。自民党から特に国の基準を上回る部分を活用してということでありましたが、私どもは臨時的な受け入れ強化ということで、待機児童の問題が深刻である状況を鑑みて、一人でも多くの子どもが、質の確保された保育園を利用できるよう臨時的にお願いをするということで、省令に違反をするものではないと考えています。今回、緊急対策でいろいろなものをやらせていただいておりまして、例えば、土地を借りて施設を整備する場合の加算、これは今まで2,100万円だったものを4,200万円まで倍増させておりまして、こういった加算の増額を図ること、この補助の充実を盛り込んでいるわけで、民間保育園等は整備をする、拡張するという時には、こういったものを活用していただく。緊急的かつ臨時的な対応ができて、今の待機児童がいるという状況を解消できるようにということで導入しているわけでございますので、そういったものを活用しながら、それぞれの園がお考えいただくとありがたいということでお願いしたところでございます。
記者:
量をいかに確保するかと質をどう維持するかという話だと思うのですが、今、大臣が質の確保された保育施設とおっしゃいましたけれども、その最低基準はかなり古くに作られたもので、そもそも現場からは「質の維持はこれではできない」という声が上がっている中で、その範囲で子どもの受け入れをお願いするということが子どもの発達を保証する観点から適切とお考えかどうかについて教えていただけますか。
大臣:
今、お話がありましたけれども、保育の質は確保されるということが大事であり、特に最低基準、いろいろ御意見があることはよく分かっております。現場の保育士さん達が大変だということもよく分かっており、それぞれ工夫してやっていただいているわけであります。先ほど申し上げたとおり、様々な緊急的な対応を予算面の運用でも用意しているわけであります。我々としましては、最低基準を維持するということは当然のことながら、質の確保ということについてはいろいろ工夫していただいてお願いしたいということで、100人以上待機児童がおられる市長さん、町長さんとも生の声を聞かせていただこうという機会も作る予定ですけれども、その中でどんな工夫があるのかをお聞きし、一緒に頭をひねっていきたいと思っています。
記者:
先日、病院などで医療事故の調査制度が始まって半年ということで実績が公表されましたが、188件ということで、当初考えられたよりも低調な数字にとどまっているということですが、そのことについてはどうお考えかということと、今後の制度について、各医療団体、支援団体と言われておりますけれども、そういうところがそれぞれガイドラインと呼ばれるものを出していて、それが乱立しているような状況があって混乱を招いているという指摘もあるようですが、そのことについて今後もそのままでよいとお考えなのか、何か修正していく必要があるのかそのあたりをお聞かせください。
大臣:
今回、医療事故の調査制度をスタートさせていただきましたが、かつては医療事故情報等収集事業ということでやってまいりました。今、当初の予想よりも案件数が少ないという御指摘がございましたが、当初の予想は医療事故情報等収集事業を前提としたときの数字でございまして、今回の制度の対象範囲が決定される前に、大学病院とか、国立病院機構の病院、つまり、ハイリスクの高度医療をやっていらっしゃる所の事故について報告を受ける、前の報告制度の死亡事故数を基に試算したものでございました。それが1,300~2,000件という予想であったわけで、医療事故調査制度が対象とする、管理者が予期しなかった死亡以外も含まれていたわけです。かつては、医療に起因する事故ということと、予期しなかったということのどちらかに引っかかったら、カウントしました。しかし、今度の制度は、両方を満たす場合のケースということになりますので、オアとアンドで、かなり狭くなっているということが言えるということが一つと、今申し上げたように、全ての病院ではなくて、ハイリスクな病院を対象としていたということがございました。そうは言いながら、御指摘があったようにガイドラインなどもいろいろ出て、その整合性がどうかということについては、私も時折、医療関係者からお聞きをするところであります。各医療機関において制度がまだまだ十分理解をされていないということもありますので、制度の定着のために医療機関向けの説明会、研修会、そして今御指摘のようなガイドラインなどについての整合性がとうかというようなこともしっかりと見極めながら、制度の定着と適切な運営が行われるようにしていきたいと考えております。

(了)