塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.10.16(金)11:28 ~ 11:46 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から2点ございます。まず、10月13日に当省の職員が収賄容疑で逮捕されました。極めて遺憾であり、国民の皆様方にお詫びを申し上げたいというふうに思います。厚生労働省としては、今後の捜査に全面的に協力をするとともに、今回の事案を受けて、21日の水曜日に私が本部長でございます「厚生労働省監察本部」を開催することとしておりまして、監察本部において、徹底した事実の検証と再発防止策の検討を進めてまいる覚悟でございます。2点目は、少子高齢化の流れに歯止めをかけて、誰もが活躍できる「一億総活躍」社会を創り上げるため、厚生労働省において、私を本部長といたします「一億総活躍社会実現本部」を立ち上げてまいりたいと思います。前回の会見で、その趣旨を申し上げましたけれども、本日18時より第1回目の会合を開催したいというふうに思います。国民一人一人、子どもや高齢者も含めた誰もが、家庭で、あるいは職場で、地域で、活躍する場があって、将来の夢や希望に向けて取り組む社会を実現するために、厚生労働省を挙げて政策を総動員して、担当大臣でございます加藤大臣と協力、連携して取り組んでまいりたいというふうに思います。既に、加藤大臣とも話し合いを一昨日当省において行ったところでございまして、しっかりとスクラムを組んでいこうということで合意をしているところでございます。以上、私からでございました。

質疑

記者:
2点おうかがいしたいと思います。収賄容疑で逮捕された事件についてなのですが、21日に監察本部を開催するということですけれども、これまでの報道などで、出勤が週の半分程度しかなかったりとか、8年間同じ部署に勤務していたなど、癒着の構造を生みやすいような部分もあったと思うのですが、現在考えている再発防止策についておうかがいしたいのと、午前中の民主党の会合で、贈賄企業の側とまだ契約中の案件があるということで、それについて解除の指示をしたということですけれども、理由と具体的な指示の内容をお教えください。
大臣:
まず、後者でありますけれども、契約についてどうするのかということについては、この事案の業者への委託事業の解除に向けて事業者と協議を進めていくように、私の方から指示をすでに出しているところでございます。それから、勤務実態などについて、いろいろと報道されているところでございますが、正確な勤務実態については現在調査をしております。内勤だけではなくて、外勤もあったということでございますので、どういうことなのかは調査の結果を受けて御報告したいと思いますけれども、被疑者の勤務実態の管理に問題があったかどうかも含めて監察本部でしっかりと見ていかなければならないというふうに思います。いずれにしても、監督をしっかりとしながら、業務を適正にしていくということが大事でございますので、そういった観点から監察本部でしっかりと見ていきたいというふうに思っております。
記者:
もう1点おうかがいします。話題は変わりますが、明日から靖国神社の秋季例大祭が始まります。例年、参拝されていないかもしれませんが、今回の対応についてお教えください。
大臣:
これは議員会館の事務所の方で扱っているので、私は、まだ最終的な結論で話し合っているわけではありませんので、今後検討ということでございます。
記者:
冒頭の発言にあった総活躍の実現本部の方なんですけれども、この中の「三本の矢」の子育て支援に関連して、以前、諮問会議の場で子育て支援の財源に保険料増収分を充てることを含めて検討というお話をされていたと思いますが、この考えに現時点で変わりがないかという点と、変わりがなければ今後どのように進めていくことを考えていらっしゃるかお願いします。
大臣:
子育ての支援策については、今回、消費税の引上げが2パーセント分先送りになったといえども、消費税の財源を元に、予定どおり、子育て支援策、特に子ども・子育て支援新制度について、この4月から予定どおりの施行をいたしました。すなわち、今回の第二の矢であります「夢を紡ぐ子育て支援」、このことについては、すでに国民の皆様方に消費税を通じてご負担をお願いをしてきているわけでございまして、さらに中身を充実をしていかなければならないというふうに考えてまいりました。この子育ての支援策というのは、家族の支援という意味で大変大事であると同時に、この社会保障を支える成長、経済活動の下支えというか、そのためにも必要な働く力を確保するという意味においても、大変重要なことであるわけでございまして、さらに子育て支援策を充実をしていくためには、企業の皆様方にも御協力をお願いをしたいと考えております。今お話があったように、すでに諮問会議の場で、社会保険制度におけるアベノミクスの成果、これを活用するということについて触れてまいりましたけれども、このアベノミクスの成果による保険料の増収の一部を子育て支援に充てることを含めて、幅広く関係者の皆様方と御議論をさせていただければというふうに思っています。本日、諮問会議が、私も参りますが、私のところの議題ではないかも分かりませんけれども、子育て支援を含む「新三本の矢」について議論が行われる予定でございますけれども、私自身も関係者の皆様方と新たな三本の矢の中で重要な柱であります子育て支援について、しっかり議論を深めて結論を出していきたいというふうに思います。
記者:
職員逮捕事案に関連しまして、マイナンバーに関連するという報道がありましたけれども、マイナンバー制度についてまた国民の不安が拡がっていることも事実だと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
今回の事案については捜査中で、本当の真実というのはよくまだ分かりませんので、あまり詳しいことは申し上げられませんけれども、元々、マイナンバー法でも医療機関等の医療情報に関しては、マイナンバーは使わないということになっていますし、今回の問題となっている贈収賄の事案は、平成23年度の企業に関わるものでございまして、この事業自体はマイナンバー法の内容とか、あるいはマイナンバー法の施行のために進めているシステム整備に関連するものではないというふうに思っております。いずれにしても医療番号はこのマイナンバーにはひもづけしないということで今回もスタートしておりますので、少なくとも23年度の事業については必ずしも関連があるわけではないということでございます。
記者:
2点ございまして、逮捕された職員についてなのですが、1点目は、複数のNPO団体等で兼業をしていたというようなことがあるのですけれども、厚労省に報告が無かったと聞いておりますが、それについてどのように感じられますか。もう1点は、冒頭に国民への謝罪がありましたが、13日の逮捕から謝罪が今日になったことについておうかがいしたいと思います。
大臣:
NPO法人の顧問の件でございますけれども、御指摘のように、元々厚労省のルールでは報酬を得ないで兼業を行う場合は、所属部局長への届出を行うということになっております。この案件で、被疑者は無報酬で三つの大学の非常勤講師を兼業しておりまして、これらに係る届出はされていたわけでありますけれども、NPO法人については、顧問という兼業の届出は確認できていないということでございます。この事案が発生してから、遅れた理由は何かということでありますが、記者会見そのものが今日になるということでございましたので、事務方が皆様方に御報告申し上げたということでございます。
記者:
障害年金についておうかがいできればと思います。障害年金で、複数の障害が重なった人の判定で差し引き認定という仕組みがあり、障害がどんなに重くても軽くしか判定されないという矛盾がありまして、ある障害者の方が大阪地裁に提訴するに至ったということで、そちらの方も報道されているのですが、(日本)年金機構の職員のアンケートでも見直しを求める声が上がっています。見直しについて大臣のお考えがあればおうかがいできればと思います。
大臣:
ちょっと具体的に、今回の御指摘の事案については承知をしておりませんので、改めて調べてお答えしたいと思います。
記者:
年金機構に関連して、約400人の年金支給に支払ミスがあったという一部報道がありましたけれども、この事実関係と、事実であるとするならば、いろいろ問題があった上で改善を進めていく中で広報体制自体どのようにお感じになられるかというのをお願いします。
大臣:
今回(日本年金)機構で情報流出事案の2次被害が起きないように、基礎年金番号を変更させていただきました。それを進めてきている中で、退職される、あるいは就職をさせる、報酬額の変更に伴う給付額の増減というのが今回システム上、10月15日の支払日に反映されるというふうになっていなかった、ですからシステム上の不十分さがあったということだと私どもは理解をしております。したがって、これに対しては機構が対象者全員に説明を直接行った上で、払うべきものが払われていないケースと、そうでない逆のケースというのがありますが、いずれにしても10月15日に支払うべきものだったものについては、これは10月中に支払っていくということで対応していこうというふうに方針を立てているわけでございます。いずれにしても、厚労省としてこの対応が機構によって適切になされるように監督をしっかりしていかなければならないというふうに思っております。現在、中身についてより正確なところを精査しておりますので、その精査内容がしかるべき形で分かった上で公表していきたいと思っております。
記者:
引き続き日本年金機構の件で、会計検査院の方から日本年金機構の宿舎が遊休化していると。3年間一度も使っていない宿舎があると。使わないんだったら国に返すべきだという御指摘のようなんですけれども、厚労省としてどのように御対応されるか、あとこの件について厚労省はいつ知っていたのか、どういう対応を今後されるのか、2点お願いします。
大臣:
今回、年金機構の保有する財産について会計検査院から指摘がございました。年金事業の運営のために資産、特に国から現物出資した資産について有効活用されるというのは当然のことでありまして、今回この老朽化している、これは読売で報道していただいたケースの写真に写っているのは昭和44年に建てたもので、築46年ということで古くなって、入る人がいないという状況でありまして、老朽化したものを放置していたという実態が明らかになったわけであります。これは厚労省としては正式には会計検査院からこの春から指摘を受けて、議論を重ねてまいっているところでございまして、現在機構において機構保有の宿舎について見直しを行っておりまして、存続するもの、あるいは活用する宿舎、廃止、処分を行う宿舎の選定などをこの保有財産の見直し作業を今やっております。会計検査院からはまた別途正式に指摘が行われると聞いておりますが、厚労省でも機構の保有財産の国庫納付にかかる法的な対応、これは独法については法律改正が行われて、最初は返納するという仕組みがなかったのですが、平成22年に法改正を独法についてはやっています。その時に特殊法人である、この年金機構について同じような法律改正をしていなかったというところが問題であると私は思っておりますので、法的な対応について関係省庁とも相談して、検討しなければならないと思っていますし、いずれにしても、この年金機構の保有する財産見直しを徹底的に行って、財産処分も含めて適切な活用をしっかりと検討していきたいと思っていますし、年金局においてしっかり監督するように指示したところでございます。

(了)