塩崎大臣会見概要

H27.9.18(金)15:59 ~ 16:11 省内会見室

広報室

会見の詳細

厚生労働省「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革」について

大臣:
「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革」につきまして、会見をさせていただきたいと思います。厚生労働省は、日本年金機構への不正アクセスによる情報流出事案について、8月の検証委員会報告書や、9月のサイバーセキュリティ戦略本部長からの勧告、つまり官房長官からの勧告等の指摘を真摯に受け止め、今回の事案を総括し、再発防止策をとりまとめて、お手元に届いているかと思います。いわゆる標的型攻撃に対する備えが(日本年金)機構及び厚生労働省において、極めて脆弱であって、政府管掌年金事業において大量の個人情報が流出したことは、年金制度に対する国民の信頼を損なうものでございまして、事業を所管する厚生労働省として深くお詫びを申し上げるところでございます。今回の事案を総括いたしますと、厚生労働省としての主な反省点は、次の3点が欠如していたことではないかというふうに考えております。まず第一に、情報セキュリティの重要性に関する意識、それから第二に、組織的な危機管理対応、そして第三に、組織横断的有機的な連携、いずれも欠如していたということだと思っております。これらの反省点を踏まえて、今回のような事態を二度と引き起こさないように、年金局や(日本年金)機構だけではなくて、所管法人等も含めた厚生労働行政全体について、特に情報セキュリティの観点からガバナンス、組織内・組織間の連携、それからリスク認識の強化に取り組んでまいりたいと考えております。より具体的には、厚生労働省において司令塔機能の強化、高度な標的型攻撃に対する多重防御対策など、組織的人的業務運営、技術的な観点から情報セキュリティ対策を強化します。そして、厚生労働省と(日本年金)機構との関係については、(日本年金)機構の改革の取組が着実に進むように、(日本年金)機構に対する本省の指導監督を強化するとともに、年金局の体制を強化してまいりたいと思っております。また、(日本年金)機構以外の本省所管法人等についても、情報セキュリティ対策の更なる改善に取り組んでまいります。このため、厚生労働省において「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革推進本部」、この名称は仮称でございますけれども、この推進本部を設置いたしまして、これらの具体的な取組を着実に進めてまいりたいというふうに思います。厚生労働省としては、今回の事案を厚生労働行政に従事するすべての職員が教訓として心に刻み、国民の皆様の信頼を回復するために再発防止に向けて全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。同時に、この「情報セキュリティ強化等に向けた組織・業務改革」の公表にあわせまして、私自身のけじめをつけるとともに、関係職員の処分を行ったところでございます。まず、私をはじめ、政務三役のけじめといたしまして、就任時、去年の9月でありますが、その就任時から本年の9月分までの政務三役としての給与及び賞与の全額をそれぞれ国庫に返納をすることにいたしました。これは、就任時からの給与及び賞与のすべてを返納するものでございまして、法律上できる限りの対応を行ったものと考えております。また、職員につきましては、担当職員及び担当課長相当職の職員4名を戒告、その他組織管理上の責任を有する幹部職員等9名を訓告といたしました。さらに、官房長ほか4名の幹部職員につきましては、訓告処分に加えて、情報セキュリティまたは日本年金機構を監督所管する責任者のけじめとして、俸給月額の20パーセント、2か月分を自主返納することといたしました。日本年金機構においても処分が行われておりまして、その内容はすでにお手元に配付をされたとおりでございます。以上、冒頭私からの御報告でございますので、よろしくお願いいたします。

質疑

記者:
処分の話が最後にありましたけれども、繰り返し今まで質問があったかと思いますが、しかるべき時期にという点でこの時期になった理由と、あと日本年金機構の役職員の制裁、これは(日本)年金機構が決めたことと思いますけれども、水島理事長戒告という、この度合いについて妥当かどうかという大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
まず第一に、なぜ今の時期かということでありますが、これは少なくても今日お手元にお届けをしております、この改革案とけじめはセットの話であることがまず第1点でございます。ではなぜ、この再発防止策がこのタイミングなのかということでありますけれども、一つはすでに8月に検証委員会から報告書が出ました。さらに、その前には情報セキュリティの戦略本部、そこからも報告が出て、もちろん(日本年金)機構からも出ておりますが、それらを受けて先週官房長官から、つまり情報セキュリティの戦略本部長から勧告が法律に基づいて先週の金曜日に出されたところでございます。したがいまして、それらを受けて、この再発防止策の勧告を受けて、最後に詰めをして、そして今日のタイミングになったということでございます。今この処分とけじめについて話がありましたが、タイミングは今言ったとおりでございますし、中身については今申し上げたように、この年金という国民生活にとって本当に基本中の基本の、その個人情報が流出した重みを重く受け止めて、9月、昨年の就任時から今日に至るまでの俸給及び賞与について全て返納するということにしたところでございます。
記者:
(日本)年金機構の部分は。
大臣:
(日本)年金機構は、中に制裁審査委員会がございまして、そこで審議をするということを水島理事長も以前からおっしゃっていたと思いますが、そこにおいて審議をしてお決めになったということだと私たちは理解をしているわけでございます。
記者:
(日本)年金機構の水島理事長なんですけれども、水島理事長の責任と、今後理事長の職を続けられるべきかどうか、大臣のお考えをお聞かせください。
大臣:
もちろん、水島理事長の任期というのがございますから、その任期が来れば、どうするかということは私ども決めなければいけない時が来ると思いますが、少なくても今は(日本)年金機構の報告書を見て、再生本部を作って、再生を図るということに関しては水島理事長が自らがそれを組み立てる責任を負っているというふうに思いますので、当面それに全力を捧げていかれるものだというふうに私は理解をしております。改革の道筋をまずつけるというのが、水島さんの一番大きな、組織をあずかる者としてのけじめであり、責任であるというふうに思っています。
記者:
職員の処分で、訓告と戒告に分かれていて、戒告は一段重くて懲戒に当たる処分だと思うんですけれども、ここの違いというか、どういう形で選んだのかということをちょっと教えていただけますか。
大臣:
これにつきましては、今回やはり法律に触れているという部分が大きな要素だったと思います。すなわち、国家公務員法第82条に「職務を怠った場合」というのが、懲戒処分に当たるというふうに明記をされております。今回、上司に報告を上げなかったというのは、明らかに職務を怠ったということになろうかと思いますので、このような形になったということでございまして、あとは矯正措置の一番厳しい訓告ということでやり、さらに、自主返納を、責任ある立場の者、情報処理と日本年金機構の監督をする立場にある者、それについては自主返納も更に上乗せでしているというふうに御理解をいただけるというふうに思っています。

(了)