塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.7.17(金)9:43 ~ 9:54 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方からは特にございません。

質疑

記者:
3点うかがいます。まず1点目は、来年度の予算の概算要求基準についてです。財務省は、社会保障費の伸びについて、概算要求の段階では今年度当初予算に比べて7,000億円程度の増額まで認める方針です。これについての受け止めと、骨太の方針では伸びを5,000億円程度を目安にとしておりますけれども、編成にあたって特に重視していきたいことはどのようなことでしょうか。
大臣:
概算要求の段階での高齢化等に伴う増加、いわゆる「自然増」については、最近の骨太でも随分議論がありましたけれども、最近の経済・雇用情勢の改善等を反映した給付の伸びの実績等を踏まえた、いわゆる「自然体の形」で必要な要求額が確保されるものだというふうに考えておりまして、具体的な金額は今報道ベースの話がございますけれども、今後、これについては概算要求基準の中で示されていくということであり、現在、政府内で最終的な精査をしている状況でありますので、現段階でお答えできるような状態ではないのかなということで、御理解をいただければと思っているところでございます。
記者:
2点目が、昨日、安全保障関連法案が衆議院を通過しました。採決前のNHKの世論調査では、内閣支持率が第2次安倍政権発足以降初めて不支持が多くなりました。大臣もこの前の会見でもおっしゃっていたように、国民の理解がまだまだ進んでいないという認識の中で、今後、この内閣支持率に与える影響というのはどのようにお考えになっているでしょうか。
大臣:
今回の安全保障関連法案は、切れ目の無い安全保障の法制度の整備だというふうに思います。したがって、国民の生命と財産を守るために、変わりゆく安全保障環境の中で、切れ目の無いようにしていく、そして国内外の日本人をしっかりと守っていくために必要な法案だと思っておりますので、昨日あのような形で採決に臨まれない政党があったというのは大変残念なことだと思います。民主主義は、やはりしっかり議論した後には議にかけるというのが基本だというふうに思います。これから参議院に審議の場が移るわけでありますから、国民の理解を得られるように国会議員も、我々もしっかりと説明に努めて、理解を求めていくということが大事だというふうに思っております。
記者:
内閣支持率に与える影響をどのように。
大臣:
それはどのように我々が努力して説明をして理解を求めるか、これにかかると思いますので、徹底的に、この夏は「説明の夏」ということで、汗をかくべきだというふうに思います。
記者:
もう1点が、直接厚生労働行政とは関係ないのですが、ラグビーワールドカップや東京オリンピック・パラリンピックの会場となる新国立競技場を巡って、簡単に言ってしまえば、ごたごたが続いております。内閣の一員として、この状況をどのように受け止めていらっしゃいますか。
大臣:
これは担当の大臣がおられるわけでありますから、そちらがお考えで、私は担当分野ではございませんので、私からコメントはいかがなものかと思いますけれども、私の地元なんかでも、いろいろな御意見が私の方にメールが来たりしております。税金の使い方とオリンピックへの期待というのが交錯しているということではないでしょうか。
記者:
昨日の(経済)財政諮問会議で最低賃金が話題になりまして、民間議員から最低賃金の引上げを求める声が出たほか、甘利経済財政担当大臣からも、3年目も更に上げていきたいという発言がありました。今年の改定の議論はすでに中央最低賃金審議会で始まっているんですが、塩崎大臣としても昨年の上げ幅を上回る上げというのを期待されていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。
大臣:
これは第1次安倍内閣の時も、中小企業などの生産性を上げながら、最低賃金も上げていくことによって、賃金水準全体を底上げしていくということを基本としていました。第2次安倍内閣もそのようなスタンスを取ってきているわけでありまして、政府の方から賃上げの流れを作っていくということは、政府としては極めて重要な問題だということをずっと言ってきたわけであります。今、公労使での審議会、中央最低賃金審議会で、この春の賃金上昇とか、物価の上昇の実態などを踏まえて、実質的に生活水準が向上するかどうかということの見極めをしながら最低賃金の引き上げをどのようにするべきなのかということについて議論をしているところでありまして、まだ結論は出ているわけではないと理解しているところでございまして、昨日議論があったところでありますけれども、更に賃金・物価の動向を踏まえて、そして経済の再生の状況を踏まえて、答えを出して、賃上げの流れはやはり作っていくということは変わりはないと思います。
記者:
関連して、(経済財政)諮問会議の席上で、安倍首相が最低賃金を上げることの経済効果、消費への影響、経営者側の影響が分かると良いというふうにおっしゃったのですけれども、これは厚生労働省で何か調査などを検討されるんでしょうか。
大臣:
これはすでに諮問会議で「影響度」という形で出したことがありました。初めて出したものがありましたが、要するに最低賃金のところでどのくらいの人がおられるかということによって、最低賃金をちょっと上げるだけで大勢の方が影響を受けるか、それともあまり影響を受けない状況になっているのかということはしっかり見ていて、我々としては影響度は大きくなっていると、趨勢(すうせい)的に、したがって最低賃金を上げるということはそれなりに意味があるというふうに考えていて、特に賃上げを推進しようということを安倍内閣として進めている、これは公労使で話し合ってきたところでもあり、また、官邸でも随分な議論が重ねられてきたところであります。
記者:
安保法制についてうかがいたいんですけれども、最終盤で総理からもまだ国民の理解が深まっていないというような話もありましたけれども、どうして国民の理解がまだ深まっていないということになっているのか、またどのようにすれば国民の理解は今後深まっていくと大臣御自身はどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
これはさっき申し上げたように、アンケート調査、世論調査をしてみると、まだ十分御理解をされていないという方がおられるということなのでありますが、やはりこの問題に限らず、国会議員がちゃんと説明を地元に帰ってするということがあんまり十分ではないんじゃないかというふうに思っていて、もっとたくさんの機会を捉えて、あまり普段は議論されない安全保障、国を守るということについて議論し、そして御説明をして、様々な誤解があればそれを解消していくということが大事なんだろというふうに思うので、そういう努力が少しまだまだ求められているんじゃないかということを私はかねがね言ってきたところでございます。
記者:
強行採決だというような野党の声もありますけれども、今回の採決の方法について、安倍内閣の一員として大臣はどのように受け止めてらっしゃいますでしょうか。
大臣:
これは国会がお決めになることで、政府が決めることではないので、国会での扱いは国会で決めていただいているということでありますけれども、しかし、はっきりしていることは116時間の審議を重ねて、これまでにも安全保障の関連法案としては大変時間は使って、審議を深めてきたというふうに私は理解をしています。

(了)