塩崎大臣会見概要

H27.6.1(月)18:40 ~ 18:49 省内会見室

広報室

会見の詳細

日本年金機構の保有する情報の流出について

大臣:
私の方からまずお話をさせていただきたいと思います。このたび、日本年金機構において、外部からの不正アクセスにより国民の皆様の個人情報が外部に流出した件について、先ほど日本年金機構から公表と謝罪がございました。日本年金機構が悪意を持った攻撃を防げなかったことには、誠に遺憾に存ずる次第でございます。私からはまず日本年金機構に対し、今回の事態に対して深刻に受け止め、事案を早期に解明するとともに国民の年金を守ることを最優先に、情報が不正に利用され、今後の年金支払いへの影響が出ることが万が一にもないように指示をいたしました。日本年金機構を監督する立場の厚生労働大臣としてお詫びするとともに、今回の事案の問題点と、日本年金機構における今後の情報管理のあり方について、第三者からなる検証委員会を厚生労働省に早急に立ち上げ、発生原因を究明し、再発防止に全力かつ可及的速やかに取り組んでまいります。以上、私からのコメントでございます。

質疑

記者:
今回およそ125万件という、過去、例にないような流出が確認されたと思いますけれども、その点についてまず塩崎大臣の御認識をおうかがいいたします。
大臣:
詳細についてはこれからさらに究明をいたすところでありますけれども、このような個人情報が大量に出たということは、悪意ある不正アクセス、攻撃であったとしても、大変残念なことであるところでございます。
記者:
第三者からなる検証委員会を早急に立ち上げるということでしたけれども、時期またはメンバーについておうかがいします。
大臣:
時期については可及的に速やかに立ち上げたいと思っていまして、メンバーについてはこれから詰めるところでありますけれども、当然カバーしなければいけない領域というのは今回の事案に照らして見れば、自ずとカバーすべき分野は決まってくるのだろうと思います。
記者:
5月28日に判明したということだったんですが、5月29日に厚労委員会が開かれていまして、今労働者派遣法改正案の審議が進んでおりますけれども、おそらく野党の追及というのが予想されますが、どういうふうに審議への影響を抑えるかとか、あるいはどういうふうな説明をされるお考えでいらっしゃいますでしょうか。
大臣:
まずは今回の情報漏えいについて実態を究明することが第一であります。仮に厚生労働委員会で御質問があれば、誠意を持ってお答えし、説明するということに尽きると思います。
記者:
先ほど日本年金機構の説明では、流出したファイルのうち55万件についてはパスワードをかけていなかったというお答えがありました。これについて情報管理について大臣としてはどのように御認識を。
大臣:
詳細はまた事務方から後ほどお聞きをいただきたいと思いますけれども、今のような問題点を含めて、私どもとしてしっかり検証していかなければいけないというふうに思っています。
記者:
以前社会保険庁の問題というものがあって、より万全の体制を期すために日本年金機構という組織に改組されています。問題の性質は年金記録問題とは少し違いますけれども、国民の年金情報を適切に管理するという意味で、またこうした大きな問題が起きてしまったということを率直にどう受け止めていますか。
大臣:
先ほど申し上げたとおりで、これだけの個人情報が流出してしまったということは悪意のある不正アクセスだったとしても極めて残念なことであり、その備えが不十分であったということは率直に認めないといけないと思いますし、それは年金機構はよく今回のことで理解したというふうに思っています。我々はそういうことが二度と起きないように再発を防止する施策をしっかりと取っていきたいと思います。
記者:
マイナンバーとの関係でおうかがいしますけれども、政府全体としてマイナンバーというのをかなり重要な政策の一つとして進めていますけれども、一方で情報漏えいにつながるのではないかという国民の懸念があることも事実です。そういった中で、こういう個人情報の漏えいというのが大規模に起きてしまったと。マイナンバー制度への影響についてはどういうふうに見てらっしゃいますでしょうか。
大臣:
今回のことは実態がどういうことで、こういうことになっているのか、こういうことになっていること自体もまだよく分かっていない部分があるんだろうと思います。したがって、それを含めて検討していくのだというふうに私は思っています。
記者:
それを含めてとは何を。
大臣:
これは当然年金番号というのがあるわけですから、それについてどう考えるのか、それがあったからこうなったのかどうなのかということも含めて考えていかなければいけないので、何が本当の原因だったのかということが分からない限りは軽々な判断はできないのではないかと私は思います。
記者:
先ほど、第三者委員会を可及的速やかに設置ということだったのですが、メンバーも決まっていない中で恐縮ですが、だいたい対策はいつ頃までにですね、結論を出す時期の目途というのは、今時点でお考えありますでしょうか。
大臣:
原因究明がまだ完全になされていないままに、今時期を申し上げることはなかなか難しいと思いますが、はっきりしていることは可及的速やかにやり、国民の皆様方の年金はしっかりと守っていくということが最優先だということを繰り返し確認をしておきたいと思います。
記者:
(日本年金)機構への信頼を揺るがす事態だと思うのですが、年金行政への今後の影響はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
今回のウイルスの攻撃というのはかなり高度なものだと聞いております。詳細は私は存じませんが、そういうことを考えますと、相当なレベルの備えもしなければならないと、そのことにおいて守り切れなかった日本年金機構についてはしっかりと考え直してもらわないといけないし、我々としてもしっかり再発防止に向けて中身をよく見ていかないといけないと思います。

(了)