塩崎大臣閣議後記者会見概要

H27.4.28(火)10:56 ~ 11:07 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。特に私からはありません。

質疑

記者:
神戸のメディカルセンターで、手術後に複数の患者が亡くなった問題ですが、先日、日本肝移植研究会が報告書をまとめました。これに対して病院側が一部反論をする会見を開きましたが、厚労省にも同じ報告書が提出されていると思いますが、これに対してどのように対応していくか教えてください。
大臣:
神戸国際フロンティアメディカルセンターに対して立入検査の権限を持っているのは神戸市の保健所であるわけでして、日本肝移植研究会の報告書の内容を神戸の保健所が確認して、市民に対する安全・安心な医療提供という観点から改めて病院の医療安全体制とか、あるいは医療の供給体制、これについて確認のための立入検査を神戸の保健所がやるということを聞いております。我々としては、引き続き、神戸市と連携して、まずは保健所がしっかりと立入検査をして実態を調べるということで、(神戸国際フロンティア)メディカルセンターの言っていることと、(日本肝移植)研究会の主張とを踏まえた上で、保健所は徹底的に検査をするということだと思っていますし、それを注視していきたいと思っております。
記者:
大阪市が5月1日から生活保護費の一部を希望者に対してプリペイドカードで支給するという取組を始めるのですが、この件に対しての受止めと、橋下市長がこの取組について発表する時の記者会見で、生活保護受給者には一定の負担をしてもらってしかるべきということをおっしゃってまして、将来的には受給者全員にプリペイドカード支給を義務づけるという方針を示していたのですが、このことに関してもどのようにお考えかをお聞かせください。
大臣:
今回の大阪市の取組というのは、プリペイドカードによる扶助の渡し方ですが、家計管理の支援を目的として受給者の自立の助長の一助となるものということ、現金の必要性を考慮した上で、プリペイドカードへの入金は生活扶助費の一部に限っているということ、生活保護受給者の承諾を得た場合に限った扱いということになっていることなどから、生活保護法に照らして法令上の問題はなく、生活保護受給者の生活にも配慮されているのではないかと考えております。生活保護法において、保護の目的を達するために必要があるときには生活扶助の現物給付が可能とされており、全ての世帯へ一律にこの取組を拡大するということは困難であると思っております。いずれにしても、大阪市の取組は、大阪市の独自の取組であるので、家計管理の支援の方策として今後注視をしていくということにしていきたいと思っております。この問題については予算委員会の分科会でも取り上げられたところでもあります。
記者:
高度プロフェッショナル制度に関連してお尋ねします。先日、日本経済研究センターの朝食会で、塩崎大臣が御講演されて、その中で1,075万円という年収要件について、「ぐっと我慢していただいて、とりあえず通すということだ」ということを発言されたということなんですけれども、受け取りようによっては、1,075万円という基準を一回通ったら、引き下げるんじゃないかという懸念を持たれかねない御発言なんじゃないかなと思うんですが、この真意について改めてお聞かせいただければと思います。
大臣:
全くそのようなことはありませんし、国会でも私は一切そのようなことは言っていないと明言をしています。山井議員が衆議院の厚労委員会でも御質問されましたけれども、それも明言をして私はそれを否定しました。これは、本来オフレコの会合です。なぜか、テープとか議事録が出回っているように漏れ伝え聞いておりますが、そこに明確に、「小さく産んで大きく育てるという発想を変えて」と書いてありまして、私は元々小さく産んで大きく育てるなどということは、国会審議をやっている時に言うこと自体、私は不快に思っておりましたから、そういう考えは違うのではないかという意味で申し上げているので、今のままの法律を通すということを私としてはやるのみということであります。
記者:
今の件に関連して、今日の朝の民主党の部門会議で、このテープが公開されまして、私が聞く限り大臣のお声だったんですけれども、確かに、「小さく産んで大きく育てるという発想を変えて」とおっしゃる一方で、「ものすごく小さいところでスタートする」とか、「とりあえず入っていく」とか、「ぐっと我慢していただいて、とりあえず通す」とおっしゃっていて、当然経済界はこれの拡大を要求しているので、考え方として拡大するという考えはあってもいいと思うんですけれども、どっちなのかというのがよく分からないんですけれども。
大臣:
これは明らかで、国語をやっていればだいたい、他に取りようがないと私は思っていますが、「小さく産んで大きく育てるという発想は変えてもらわないと困る」ということを言っているわけで、ものすごく小さくというのは、言っているように、1,000万円以上もらっている人というのは4パーセントしかいなくて、そのうちの1.5パーセントは役員で、これは高度プロフェッショナル制度の対象外でありますから、そうすると2.5パーセント、なおかつ今回は本人が希望した場合に限られるし、仕事も定義があるわけですから、相当限られた問題であります。我々はそれを通すということを言っているので、そこから先は国会が将来どうするかの問題であって、私の今の頭の中には、今の法律をそのまま通すということしかないってことは国会で明言を先週もしているところでありますので、他に取りようがないというふうに思います。
記者:
それはもちろん分かるんですけれども。
大臣:
分かったら、それで終わりですよ。
記者:
考え方に対して大臣はどういうふうにお考えですか。
大臣:
今の法律を通すだけだということを何度も明確に言っていますから。あまりこだわっても何も出てきません。
記者:
昨日、財政審(財政制度等審議会)がありまして、そこで社会保障の自然増について、5年で2.5兆円程度に抑えるようにというふうな提起がありました。今後、経済財政諮問会議や、党の方での議論ということになるとは思うんですけれども、この財政審の提案についての御所見をお願いします。
大臣:
財政審というのは、財政の立場から様々な問題を審議するわけで、その角度からいろいろな御提言をいつもされているというふうに理解しております。私どもの社会保障審議会であれば、社会保障という観点からいろんな議論をしていただいているのと同じことであります。財政、つまり皆さんの家庭でも、財布を握っていらっしゃるのは奥さんであることが多いわけですけれども、この家庭の大蔵大臣がどうするかというのは、やはり厳しいことを言うのは、だいたいその財布を握ってらっしゃる方が言うことであることが一般的でありますから、どちらかというと、そこを心配されて、いろんなことをおっしゃることはあるんだろうと思います。しかし、それと最終的に社会保障をどうするのかという問題とは、それを踏まえた上で、私たちは社会保障として物事を決めていかないといけないということで、もちろん財政を無視してやるわけにはいかないということはもちろんですけれども、財政審には財政審のお立場でいろいろなことをおっしゃっているというふうに思いますし、それはそれで、そこの責務ですから、いろいろ私たちも耳は傾けていかなければいけないというふうに思っています。
記者:
年間自然増が1兆円程度と言われておりますけれども、これを5,000億にするということは5,000億円減らすということだと思いますけれども、この実現可能性についてはどのように思われますか。
大臣:
それはどういうことを本当は言っているのかということは、よくまた聞いた上で、議論しないといけないので、私たちにはまだ直接ぶつけられているわけではございませんので、仮定の話はなかなか答えられないというのが今の段階の議論だと思います。

(了)