田村大臣閣議後記者会見概要

H26.7.18(金)10:55 ~ 11:13 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は冒頭4点ほど御報告がございますので、まずは私の方から申し上げたいと思います。一つ目は、二つの臨時給付金についてでございまして、消費税率引上げに際し、低所得の方々や子育て世帯の方の負担を緩和するために支給される二つの臨時給付金についてすでに約1,200の市町村で申請受付が開始されております。二つの臨時給付金の支給を更に促進していくため、昨日第2回の関係省庁連絡会議が開催されましたが、関係省庁や団体等の御協力を得て、1,300万部のチラシを配布するなど周知徹底、広報の徹底をしてまいりたいと考えております。続きまして、水循環政策本部会合の開催についてでございます。本日閣議前に官邸で第1回の水循環政策本部会合が開催されました。水循環政策本部の運営方針、幹事会設置を決定するとともに、水循環を巡る現状と課題や水循環基本計画策定に向けたスケジュール等について議論をいたしました。私からは、国民の皆様にとって水道はかけがえのないライフラインであるということ、そして水道が持続して機能するためには豊富で良質な河川や、地下水の水源を確保していくことが必要であるということを申し上げました。水循環の健全性が確保できるよう、全省庁が水循環基本計画の作成に協力し、様々な政策課題に取り組んでいくべきであり、厚生労働省も水道を所管する省庁といたしまして、しっかりと取り組んでまいりたいということであります。続きまして、薬物乱用対策推進会議の開催についてでございますけれども、本日閣議後にいわゆる脱法ドラッグ対策について官邸で、薬物乱用対策推進会議が開催をされました。第4次薬物乱用防止5か年戦略及び、内閣総理大臣の指示を踏まえて、いわゆる脱法ドラッグの乱用の根絶のための緊急対策を決定いたしました。緊急対策を受けまして、政府一体となりまして、いわゆる脱法ドラッグの実態把握の徹底と、その啓発強化、更に指定薬物の迅速な指定と、いわゆる脱法ドラッグに係る犯罪の取締りの徹底、更にはいわゆる脱法ドラッグの規制のあり方の見直しについての対策を強力に推進してまいります。厚生労働省といたしましては、今週15日に指定手続の特例を適用いたしまして、先般の池袋の事件、あの事件で容疑者が使用されたと見られる2物質につきまして、指定薬物に緊急に指定したところでありますが、今後とも関係省庁と緊密に連絡しながら、これまで以上に踏み込んだ対策を推進していきたいと考えております。会議の中で、薬事法76条の6、ここに検査命令。これは指定薬物の疑いが見られるものに関しましては、検査命令を掛けることができます。検査命令を掛けるものに関して、これは販売等々の停止の命令もできるわけでありまして、検査をすると。これは疑いがあるから検査をするということで命令を掛けた上で、販売停止の命令を掛ければ売れないと。もちろん、指定薬物になるか、これから検査するというものに関して、売れなくできるというようなことが、この薬事法に書かれておりますので、こういう手法も含めて、警察当局とも相談をしながら、連携しながら、しっかりと対応をして、この脱法ドラッグの根絶に向けて対応をしてまいりたいと考えております。それから最後に、地方創生関係でございます。本日の閣僚懇談会において、安倍総理より人口急減、超高齢化という我が国が直面する大きな課題に政府一丸となって取り組むと、そのために司令塔となる全閣僚参加の本部を立ち上げる旨の御発言がありまして、各閣僚に対して本課題に立ち向かうための政策について、思い切ったアイデアを検討するとともに、積極的に参画するよう御要請、御指示がありました。閣僚懇談会のおいても、発言をさせていただきましたけれども、厚生労働省においても、これまで待機児童解消加速化プランの推進でありますとか、子ども子育ての支援の充実等々を進めてきたわけでありますし、また医療・介護が必要になっても、住み慣れた地域で暮らしを継続をできるというような地域包括ケアシステムの構築を進めてまいってきておるわけであります。自治体の創意工夫の下、産業政策と連携した効果的な雇用創出の取組を支援等々、地域雇用対策等々も実施してきておるわけでございまして、今般立ち上げる本部に対しましても積極的に、そのような部分から協力をしてまいりたいというふうに考えております。私からは以上でございます。それでは御質問を頂きたいと思います。

質疑

記者:
下村文部科学大臣が今週保育園、幼稚園の5歳児に対して一部無償化する御意見を表明されました。これは課題としては、財源の確保というような課題としてあるんだろうと思います。一方、子ども子育て支援制度を巡りましては、1兆円を超える財源が必要だという中で、まだ7,000億円程度しか確保できていないという状況があり、こちらも財源が厳しい状況にあると思います。このような中で、下村大臣の無償化案に対してどのようなお考えをお持ちかという点と、概算要求への対応についてどのようにやっていくのか。この2点をお願いします。
大臣:
幼児教育の無償化は自民党の公約の一部であると理解しております。昨年もこの議論の中で一部環境整備をしてきたわけでありまして、幼稚園と保育園の間の格差を埋めるというというような形で、昨年度は対応をしていたわけであります。環境整備、それから財源確保は大変重要なことでありまして、段階的に幼児教育の無償化に取り組んでいくといくことでありますが、環境整備という意味からいたしますと、まだ保育園にも幼稚園にも行ってない5歳児の方々、認可保育園ですね。3パーセントぐらいおられると思うんですけれども、その方々に対する環境整備ということも考えていかなければならない部分もあります。そういう意味では待機児童の解消ということにもなるのかも分かりません。認可保育所の待機児童の解消ということになるのかも分かりません。そういうものも含めて進めていかなければなりませんが、いずれにいたしましても、段階的に進める中においての下村大臣からの御発言であったんだろうなというふうに思います。我々といたしましては、自民党の中での一つの政策でありますから、その部分はその部分として重く受け止めながら、3大臣協力して対応する部分は対応してまいりたいと思いますが、まだ具体的に何を対象にするかだとか、どれだけの予算を確保するだとかは、我々3大臣の間で決定しているわけではないのと、それからもう一つ、3大臣の間で認識を共通しておりますのは、これは子ども子育て新制度に向かっての7,000億円プラスアルファの部分の予算とは一緒ではないと。これは別であるということで、そういう意味では、二つの予算を一緒に考えて、こっちはこれだから、こっちが減るみたいなものではないということはしっかりと3大臣共通認識として持っておりますので、そういう形の中において概算要求では要求をしてまいるということになろうと思います。
記者:
脱法ドラッグに関係してなんですけれども、先ほども今までとは違った踏み込んだ取締についての御発言がありましたけれども、池袋の事件以降、後を絶つような気配もないんですけれども、政府として取り組む決意というのを改めてお聞かせいただきたいのと、それから緊急対策の中にはこの夏休みを前に、若者が手を出さないような啓発とかパトロールの強化も入っていたかと思うんですが、そういった点に厚労省としてどう対応をしていくのかという点も併せてお願いします。
大臣:
やはり非常に危険性が高いということを啓発するということは大変重要であります。そういう意味で今、脱法ハーブと言ったり、合法ハーブだったり、いろんな話がありますが、基本的にはハーブという名前は各メディアの皆様方にもなるべくお使いをいただかないとお願いしようと。脱法とハーブが一緒にくっつくと、ハーブって何か身体に良いものだというようなイメージがあって、それに脱法で法律違反じゃないから非常に使いやすいと勘違いしちゃうというような部分がありますので、基本的にはハーブという言葉はお使いいただきたくないとお願いをさせていただきたいということと、それから脱法ドラッグといっても、脱法なら良いのかというようなイメージになりますから名前を募集させていただきました。今日まで期限ということでありますから、頂いたものから明日以降どういう名前にするかということを関係省庁と協力しながら決定をさせていただき、そして非常に危ない有害な危険なものであるということをしっかりとお若い方々にも周知をさせていただきたいと思いますし、あわせて一斉取締りをやりました。全国的に特に都市部が中心になるんだと思いますが、全国的に一斉取締りが良いのか、他にも方法があるのか。これはそれぞれ、その地域に適した取締り、対応の方法があると思いますが、とにかくそのようないわゆる脱法ドラッグを売っているような店、特に繁華街なんかで普通にショーウインドウに置きながら、ちょっとおしゃれな雰囲気で売っているところもあるという話も聞くわけで、そういうのが店構えて、普通に店でやっていることが自体が、やはり若い人たちにしてみたら入りやすいというイメージにもなるわけなので、そういうものに対して徹底的な対応、取締りというものを全国的に関係府省、機関と協力しながら対応をいただくということで、今検討をいただいておる最中でございます。今、夏休みという話もございました。若い方々中心でありますけれども、最近若い方々だけではなくて、結構ご年配というか、40代の方、場合によっては50代の方々も手を出されているというような話もございますので、本当に危ないものだということを、これは何度も申し上げますが、本人の体も破壊していくんですよ。人格も含めて。あわせて、それによって家族も不幸になれば、事故なんか、事件なんか起これば、関係のない方々まで不幸に陥れる話になってしまうので、そういうような非常に危ない薬物であるということを御認識をいただけるように、我々も周知をしてまいりたいと考えております。
記者:
先ほど薬事法の76条を使ってという話がありましたけれども、逆に言うと、今までそれを使って厳しく取り締まってこなかったことはどうしてかというのが1点と、もう1点が、お店をどんどん閉鎖させていけば、今度はインターネット販売であったり、そういうものが出てくる、その取締はどのように考えておられますでしょうか。
大臣:
この76条の6は、あくまで普通法律というものは、法律の内容というものを見て、これを適正に使用していくわけであります。その中にはもちろん、この脱法ドラッグを売っているような、あえて言えば悪意の店というような反社会的に近い店というものもあれば、そうじゃないものもこの薬事法の76条の6では想定をしているわけで、その時に法律に書いてあることを全てそのまま強行に使用していけば、いろんなものに影響が出ることもあります。つまり、これは脱法ドラッグ用に作っている、元々法律の条項ではないわけですよね。その中に、脱法ドラッグのようなものが出てきた。この法律の中で、その時に厳しく対応すれば、これは対応できるようにも読める条文になっているわけです。であるならば、反社会的な商法といいますかね、そういうことをやられておられる恐れ、疑いのあるものに対してならば、このような法律の条文を使って、厳しく対応をすることも可能であるということでございますので、現在のこの脱法ドラッグを売っている、それぞれの店舗等々の社会的な影響、こういうものを考えると早急に対応しないと、特に今まで以上に昨今若い方を中心に、この脱法ドラッグを使って、健康被害を起こしたりでありますとか、交通事故を起こしたりでありますとか、そういう問題が増えてきておりますので、これはもう対応をするということで、我々判断をさせていただいたということであります。それから今おっしゃられた、じゃあインターネットはどうと。それはインターネットの方もネットでお店等々が、どこでどのような形でやられているかということが我々として確認できるものは対応を当然していくわけでありますが、多分どんどん地下に潜っていく可能性はあると思います。それは覚醒剤だって、ネットを使って売っている方々が反社会団体がいるわけでありますから、だけど少なくともまずは店頭で売っているものを徹底的に根絶するということになれば、やっぱり店頭で売っているのが一番買いやすいのは間違いないわけでありまして、一般の無垢な若者たちが軽い気持ちで手を出すというようなことは、それで防げる。その次は、ネットというものを。一般的にネットであからさまに売っているものをしっかりと対処していく。ネット上でもあからさまに売っているものに関しては、なかなかこれ商売できないぞという話になれば、そういうのがなくなっていく。更に地下に潜っていけば、それはもう継続的に覚醒剤と同じであります、もしそのような形であれば継続的にこれを叩いていくということでありまして、まずは買いやすいというようなものを始め叩いていくといいますか、そういう形においてなるべく一般社会の皆様方の目に触れないような、購入意欲が涌かないような、そういうような対策を取っていくのが重要であると考えております。
記者:
76条については、基本的にこの検査命令とか、その上での販売停止というのは大臣としては実行していくお考えなのか。まだ検討の段階なのか。
大臣:
これはもう実行します。実行するに当たっては、警察とも協力しなきゃなりませんので、そういう意味では実行しますが、その対応方法は警察もしっかりと調整をさせていただきたいというふうに思っております。
記者:
先ほど、これは脱法ドラッグのための法律ではないのでというところは、もちろんそうだと思うんですけれども、今後国会の中で、たとえば法律を一部改正して、もう少し処罰を、ドラッグ用に厳しくする可能性ですとか、そういうことは今後考えていくんでしょうか。
大臣:
これからの話になると思いますが、まずはこの法律の枠の中においてやってみると。かなりのことを私はやれると思います。それで、この脱法ドラッグの問題が沈静化といいますか。そういうものが普通のように売れない環境になれば、それは新法を整備する必要もないわけでありますから、まずは今あるこの法律等々、制度に則って、徹底的に対応をするということであろうというふうに思います。もしそれで、どうしてもというようなことがあれば、その次の段階の中においていろんな検討はあろうというふうに思いますが、今ある制度の中でしっかりとまずやって、これを根絶するということが一番重要だというふうに思います。本当に緊急性を要する問題だと思いますから。

(了)