田村大臣閣議後記者会見概要

H26.5.27(火)9:05 ~ 9:26 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。私の方から冒頭1つ御報告をさせていただきます。毎年5月31日でありますけれども、世界禁煙デーということでございまして、一週間でありますけれども、6月3日まで禁煙週間ということに定めております。5月31日でありますが、14時から東京ミッドタウンで「世界禁煙デー記念イベント」を開催する予定でございまして、イベントでは禁煙大使ということでございまして、フィギアスケートの安藤美姫さんにお越しいただいて、「禁煙大使の意気込みと今後の活動について」というテーマでミニトークショーを開催させていただきます。このイベントでですね、喫煙でありますとか、受動喫煙についてしっかりと考えて、改めて禁煙に向かっての取組に皆様方が御参加をいただければということでございまして、多くの方々の御来場、心から御期待を申し上げております。よろしくお願いいたします。私からは以上でございます。

質疑

記者:
ブラック企業についてなんですけれども、政府が問題企業の社名公表等、取締強化を決めたと報道されていますが、これに関しての事実関係を。
大臣:
何か新しい方針を出したということではありません。ただ、もう昨年から、これはずっと継続しておりまして、例えば若者の使い捨てが疑われる企業にはしっかり指導をしてまいりたいと考えておりますし、あわせて、労働条件相談ダイヤルというような形で、何かあった場合にはダイヤルを回していただければいろんな御相談に乗るというような取組もいたしております。これも予算化している話でございますので、しっかりとブラック企業には対応していきたいと思っております。若者を使い捨てをする話ではありませんから、その点は継続して取組を進めてまいりたいと考えております。
記者:
J-ADNIについてなんですけれども、担当の岩坪教授がデータ保全後にデータを書き換えたことを認めるメールを他の研究者に送っていたんですけれども、保全後のデータ書き換えについての御認識を教えてください。
大臣:
研究代表者の方からヒアリングを早急にしたいと考えています。データを書き換えているかどうか、改ざんをしているかどうかと言った方がいいのかも分かりません。それに関しては、まだ我々は確証を持っておりませんが、書き換えたものは、実際問題書き換えが行われていて、それが仮に改ざんでなかったとしても、データ保全をするようにと、こちらからお願いをして了承をしていただいているんです。にもかかわらず、データの書き換えが行われているとすれば、それは仮に改ざんでなくても、我々としては認められない話でございまして、本来何かのデータ修正をする必要があるとすれば、こちらに御報告を頂いてからやられるのが筋だと思います。非常に憤りを感じております。これに関しましては厳正に対処をしてまいりたいというふうに思います。ただ、書き換えているかどうかという事実をまず確認しなければいけませんので、ヒアリングをいたしますし、我々も何もやっていないわけでございませんでして、経産省にお願いしてですね、その情報へのアクセス、ログ等々調べればいつどのようなデータが書き換えられたか、これが分かるらしいので、それも以前からお願いをしております。これはNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の方にお願いをいたしておりまして、NEDOが管理をされておられるということでございまして、それを確認していけば、いつどのような種類のデータが書き換えられたかが判明すると思います。そのような事実も含めて、我々はどういう状況になっているのかということを確認した上で、対応をしてまいりたいと。もし、改ざんなんてことがあれば、それこそ許されない話でございますので、その時には厳しい対応をしてまいりたいと考えております。
記者:
ちなみに、データが保全後に変わっているということは、当時は450何カ所という表現だったと思うんですけれども、3月末に川田議員が国会の方で質問をしてですね、今、5月に入ってきています。その間、岩坪教授に直接、厚労省として問い合わせもしていなかったと。その辺りの厚労省についての責任をどうお考えですか。
大臣:
我々は、先ほども言いました。もうすでに4月ぐらいからNEDOにお願いして、書き換えが行われているかどうかということは今調査中でございますので、何もしていなかったわけではございません。そういうものも含めて、とにかく書き換えられていれば、我々がお願いしたデータ保全というものをしておられないと。だから、それが改ざんであろうとなかろうと、何かを書き換えるのであれば、それはこちらに御報告を頂くのが当たり前でございますので、確認次第対応はしてまいりたいと思いますが、今報道で具体的な内容が出されました。朝日新聞の報道で。そこには口止めというようなこともございましたので、口止めということになれば、それは大変な問題でございますから、そういうことに関しては研究代表者からしっかりとヒアリングといいますか、どのような状況であったのかということで、状況報告を頂きたいというふうに思います。
記者:
もし、書き換えが、データ保全されていないということが分かった場合にですね、一応東大の調査委員会はデータを保全されていることを前提にこれまで調査をされていたと思うんですけれども、東大の調査に対する影響と、厚労省はですね、仮にデータ保全が出来ていないということが分かった場合に、自ら東大に代わって調査をするという考えは。
大臣:
厚生労働省が直接調査をするということは、今までも基本的には薬事法違反等々で製薬メーカーに入るとか、そういうこと以外はやっていないわけでありまして、そういう意味では我々には権限が基本的にはありません。ただ、東京大学を介して我々が調査をするということは可能であろうと思いますので、これから東京大学の調査結果も出てこようと思います。出てきた内容で我々が納得が出来ない、なかなか判明出来ないということであれば、東大を介して我々が調査をするということはあり得ると思います。ただし、東大を介さないことには、直接我々が大学に入っていくには何かの権限がなければ、それは調査出来ませんので、やはり大学自治という問題がございますから、そこも含めて調整をさせていただいて、その上で我々が調査に入るということもないとは言いません。
記者:
予算が、これまでまだ凍結されているわけでありますけど、大体どれぐらいまでの時期に調査結果を出されて、予算凍結を左右するか、それともそのまま止めてしまうのかという判断をしたりとか。
大臣:
それは信頼される状況にないと、それは凍結を解くということにはなりませんので、調査の結果、研究等々が信頼出来るかどうかというところだと思います。これは今調査をしている最中でございますので、まずはやがて出るであろう東大の調査結果を拝見させていただくと同時に、研究代表者にヒアリングをやりますので、本当に報道のような内容であれば、これは直接研究代表者からいろんなことを仰られるという話になってくると思いますので、それも我々はヒアリングを並行してやる中において、どのような形で対応をしていくか。これは検討してまいりたいというふうに思います。
記者:
岩坪さんを呼ぶのは今日ですか。
大臣:
それはまだちょっと申し上げられませんが、近いうちです。
記者:
一部の報道で、大臣が人材派遣会社の幹部の方と会食というかパーティーというかをされていたという報道があったかと思います。それについて、一応労働法制を所管される大臣ですので、事実関係と大臣規範との絡み、御見解をお願いいたします。
大臣:
これは会合に招かれました、ゲストスピーカーとして。私の方から30分程度講演と、それから質疑応答をさせていただいて、その上で簡単な食事といいますか、それ相応の食事が出たと。もっとも私は出た食事もほとんど食べられない状況で、次から次へと来られてきた方々と話をしておりました。怪しい会合ではありません。ここにもおられる報道関係の方々が入っておられたりだとか、それから大使館の方もおられました。あと大学の先生でありますとか、30人程度だったと思います。はっきりとは覚えておりませんが。そういう会合でございます。ちなみに何か報道の中ではお車代がというように書いてまして、数十万(円)お車代が出たこともあったみたいなことが書いてあったものでありますから、誤解を招くような話でありましたけれども、お車代というか、私の場合はたぶん講演料という話になるんだと思いますが、講演料も私はいただいた記憶がございませんから貰っていないと思います。ということでございまして、よくゲストスピーカーとして呼ばれて、そこでお話をさせていただくという会合でございますので、決して怪しいものではないということであります。
記者:
いつ頃の話かということだけ確認させてください。
大臣:
その内容では1年以内と書いてありましたが、たぶん去年の2月ですから1年以上前の話だと思います。
記者:
先日の社保審(社会保障審議会)の生活保護基準部会で、財務省の試算として有子世帯、子どものいる世帯の生活保護の扶助だとか、加算を含めた水準が一般低所得世帯の消費水準をかなり上回っているので、見直した方がいいのではというペーパーが示されました。子どもの貧困対策を政府で一体となってやっていたりする時期でもあるんですけど、かなり委員の方からも批判が相次いだんですけども、大臣このあたり御所感など。要は、困窮世帯が今でも進学率が低いのに、更に削るのかとかですね。
大臣:
ちょっとデータ等々の事実関係は我々調べなきゃいけないと思いますけれども、生活保護、生活扶助に関しては、昨年度から見直しをやっておるわけでございまして、そういう意味では対応をすべきことは対応してきたわけでございますので、次の見直しがあるのかどうかということも含めて、それは我々としては議論はしなきゃならんと思いますけれども、即座にどうだというような話ではないと思います。それよりかは今、子どもの貧困、言われたとおりですね、これの法律が通ってですね、議員立法でありましたけれども、今動きが出てきておるわけなので、貧困対策をしっかりやっていくということが重要だと思いますから、こういう方向で力を入れてまいりたいというふうに思います。
記者:
政府が一丸となってというイメージが、子どもの貧困対策にはあったかと思うので、かなり意外な感じで受け止められていたんですけれども、そのあたりは何かございますか。
大臣:
いろんな意見はあるでしょうけれども、子どもの貧困対策という意味合いでですね、我々としてはそれを強化していこうということでございますから、それは政府一丸となって対応していくのは当たり前の話だと思います。
記者:
政府一丸というところで別に齟齬(そご)はないと。
大臣:
別にないんじゃないですか、はい。もちろん。
記者:
労働時間の適用除外のことで、金曜日の会見で、大臣は職務をはっきりさせた方が検討対象になるんじゃないかというお話がありましたけれども、所得をどのように、例えば年収基準などで幅広い人に拡がるんじゃないかという懸念も一方であります。
大臣:
幅広いといいますか、私は講演でも何回かやったんですけれども、よくそのワーキングプアの方々が、ワーキングプアの方々と言うのがいいのかどうかわかりませんが、非常に、そういう働き方よりも更に生活できなくなると言われます。そういう方はもちろん対象にするわけではないので、何かプアーエグゼンプションみたいな話はあり得ないんで、そういうことはないということではっきりと。これは甘利大臣とも、そこのところは認識を統一いたしております。その上で私が申し上げたのは、総理もおっしゃられておりますとおり、その成果を評価する働き方ということでありました。成果を評価するということになれば、成果自体がある程度しっかりとわかる働き方でないと対象にならないわけでありまして、そういう意味では非常に専門的な仕事をされて、それをやられておられるという方々が対象になるであろうと。いろんな仕事をやっていて成果を測れないような働き方の方々は、それは成果を測れないのですから難しいのではないかという話をこの間させていただいたわけであります。その上で年収要件はどうかというのはこれは今議論をこれからしていくところでありまして、要は、ある程度労働者の方々が使用者の方々に対して交渉力のある水準の方になってくるんだと思うんです。そこはそういうことを勘案しながら、これからいろんな議論をさせていただきたいというふうに思いますが、とにかく成果を測れなければそもそも成果で評価できないわけですから、それは総理がおっしゃったことを我々としてはしっかりと認識しながら、これから産業競争力会議の方で議論をさせていただきたいというふうに思います。
記者:
7年前にですね、第一次安倍政権では厚労省として年収900万円以上というのを一つのラインに適用除外を検討されたと思うんですが、現時点で年収、今でしたら例えば、ある程度自立的な労働者、年収どれくらいの方々が適正だというふうにお考えでしょうか。
大臣:
まず、総理もおっしゃっておられるとおり、第一次安倍内閣でのホワイトカラーエグゼンプションなるものとは違うものをやりますということでございますので、そこはよろしくお願いいたしますという話でございますので、その上で今の900万(円)だとか1,000万(円)だとかといういろんな話がありますが、それを含めて議論をしていかないとその時に応じて年収は変わってくるわけですし、景気が良くなれば平均収入が増えるわけでありますし、そこはいろいろとこれからアベノミクスで所得が増えるということも勘案しながら、どこらへんなのかということを検討しなきゃなりませんので、これからの議論になってこようというふうに思います。
記者:
関連で、今でも年俸制の会社があると思いますし、契約上、そういう評価制度を入れて年俸でやっていくということが可能だと思うんですけれども、この新しい何か仕組みにすることで誰にとってどういったメリットというか、何を目指してこれを入れようとしていると。
大臣:
適用除外という話になるとちょっと今の働き方の中ではないのかもわかりません。適用除外というのは労働基準法の適用除外ですね、労働時間の部分が。そういう働き方は請負なんかならあるかもわかりませんけれども、年俸制は年俸制であると思いますが、年俸制でやってもやっぱり労働時間は管理しなきゃいけないところはあるので、それが適用除外になると全く時間は関係なしで成果だけで評価するということなんじゃないですか。
記者:
誰にとって何のメリットがあると。
大臣:
誰にとって。働く方にとってみれば、フレキシブルに働けるという話なんじゃないですか、それは。
記者:
今でも労働時間内であればフレキシブルに働けるわけですよね。
大臣:
一応労働時間の管理はしていますでしょうから、裁量労働制以外は。裁量労働制も全く管理しないわけじゃないですから、管理してますけれども。それが基本的に休みを何日取るだとかというのは何か提案の中にありましたけれども、そういうもの以外は管理をしないというか、除外という話なんで、今の年俸制と比べて更にフレシキブルな働き方になるんじゃないですか。例えばもう働かなくてもその日は1時間でもいいとかという働き方になるわけですよね。
記者:
労働者にとってメリットがあると。
大臣:
労働者にとっても企業にとってもメリットがある、いうなれば成果を出せば生産性が上がるわけですから、早くやって生産性を上げて成果を出すということができればそれは企業にとってもメリットがあるのかもわかりませんから、お互いにメリットがあるという趣旨で御提案をいただいておられるんだろうというふうに思います。こちらから提案しているわけではございませんので。
記者:
関連なんですけれども、これ成長戦略の一環ということなんですが、今の質問とかぶってしまうんですけれども、これを進めることによってどの辺りが成長につながると。
大臣:
生産性が上がれば成長につながるという話なんでしょうね。
記者:
それは今あるフレックスを進めていくことではできないんでしょうか。
大臣:
フレックス制というのは時間ですから、フレックス制だから会社に来なくてもいいというわけじゃないので、フレックス制は労働時間が例えば1日8時間ならば1日8時間をコアタイムは出なきゃいけないけれども、あとに関しては自由に移せるという話から、フレックス制は時間というものに着目していますけれども、このエグゼンプションというのは時間という概念が基本的にはないと、成果に対して。みなし制度は例えば8時間働くならばこれくらいの仕事量ということを示して、その仕事をその方の自由な生活パターンといいますか、その中において実現していくということでありますから、やっぱり時間で測っていますよね。エグゼンプションは時間という概念がないというのが基本的な違いですね。
記者:
混合診療に関係してなんですけれども、今日一部報道でも出ていたんですけれども、診療できる医療機関というのを限定してやってみてはどうかという案が出てくるというような報道もありましたが、大臣として改めてですね、限定してやることの是非と、あと最終的にこれは医療機関を絞って選択療養の幅を拡げたとしても保険収載できるかどうかという問題も、また新たに、それに見合うだけのデータが得られるかどうかという課題も出てくるかと思うんですけれども、これに対する大臣の御所見をお聞かせください。
大臣:
前から言っておりますとおり、やっぱりこれは一定の安全性とそれから有効性というものが必要になってくるのは、これは基本です。有効性があるかないかわからないというような怪しいものは対象にできない。必要性からいえばそれでも今やはり数か月かかっていくわけですよね、半年ぐらいかかると。それをもっと早められないかと。これは利用される患者の皆さんにとってみればもちろん有効性、安全性はそうでありますけれども、早く使いたいと。そこは併用療養という形で使えるようなことを選択療養と言うのかどうかは別にして、その道は我々もしっかり作っていきたいというふうに思います。今言われた保険収載という意味からすれば、保険収載を目指さなければ使われる方ももしかしたらずっと高い薬を使い続けなきゃいけないということもあり得るわけでありますので、やっぱり御本人らにしてみても保険収載を望むわけですよね、それは。安くなりますから、併用療養よりも。そういうようなルートに向かってのやっぱり一定の治験というものにおけるデータは必要であるということで、そのデータがどの程度の精度のものか、どの程度保険収載に向かっての治験に有効なものかというもの、そこの議論をしっかりとやっておるということだというふうに思います。我々としてはこれからも引き続き今言ったような方向で規制改革会議の方と議論をさせていただきたいというふうに思ってます。

(了)