田村大臣閣議後記者会見概要

H26.4.1(火)8:43 ~ 8:56 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私の方からは1点御報告を申し上げます。本日消費税が8%に引き上げられたわけでありますけれども、この財源分は全て社会保障に使われるということであります。具体的には医療・介護の充実に使われるわけでありますし、また年金は基礎年金の国庫負担2分の1の引上げに使われます。併せて、子ども・子育ての方にも使われるわけでございます。国民の皆様方に、これをしっかり周知をしていかなければならないわけでありますし、若い方々を含めまして納得感をいただけるような、我々は使い方をしていかなければならないということでございまして、プログラム法に沿った不断の改革を進めていかなければならないと。受益と負担、この均衡がとれた持続可能な社会保障制度を維持していくために必要な、そういうような消費税であるということを御理解をいただけますように、我々しっかりと周知をさせていただきたいと思っております。

質疑

記者:
今の消費税の関連ですが、充実に当てられる分は実は一部になっているということもありますし、医療や介護、子育て、今おっしゃったような充実に改めてどのようにつながるのかということを。
大臣:
まず御承知のとおり、子ども・子育ては現状でいきますと、この来年度に向かっては5,000億の充実分があるんですけれども、そのうちの3,000億が子ども・子育てに当てられると。10パーセントになった場合には7,000億円、更に、これは消費税とは関わりはありませんけれども、更に3,000億円超を確保する努力をするということであります。それから医療・介護に関しましては、例えば医療ですと、国民健康保険の所得の低い方々に対する保険料の減額ですね。これの範囲を広げる。それから後期高齢者医療保険制度に関しましても同じようなことをやります。それから、高額療養費に関しましては、比較的所得の低い方々に対して上限額を引き下げるということもやるわけであります。併せて、介護、これは来年の4月からでありますけれども、やはりこれも保険料に関しまして、所得の低い層の方々に対して今まで一定程度の減額をしておりますけれども、それを更に深掘りをするということもございますし、何よりも医療提供体制の見直し、つまり今までのような急性期が多い状況から、それを必要な医療資源の提供に再配分をしていくわけであります。更には地域包括ケアシステムということで介護の方もそのようなことを進めていくわけでございますから、こういうものに使っていくわけでありまして、そもそも医療や介護の提供体制も含めてですね、変わっていくということも、これは充実分がございますから。ただ単に負担が軽くなるというだけではなく、必要な医療や介護の体制を整備をする、こういうところにも使っていくわけでございますので、そのような意味で社会保障の充実という形でしっかりとこの財源を使ってまいりたいと思っております。
記者:
あと充実とは、本来は充実はあるべきですけれども、やはり次世代につけ回しをしないで、なるべく財源を確保するという面もあると思いますが。
大臣:
これは効率化、重点化という意味でですね、これは消費税という部分というよりかはこれは不断の努力としてやっていかなければならないという部分もございます。そういう部分はそういう部分で、負担能力に応じた負担というような流れの中でですね、お願いをしていく部分はあるとは思いますけれども、一方で充実分はしっかりと財源を確保してですね、これをしてまいるということでございますから、そこは十分に御説明をさせていただいて、国民の皆様方に御理解をいただけるような努力をしてまいりたいと思います。
記者:
それから次に原爆訴訟についてうかがいます。大阪地裁の判決のうち、一部について国が控訴ということでしたけれども、その判断、今までは控訴、裁判で争うことは控えるというふうに方針があったと思いますが、いかがでしょうか。
大臣:
これは認定の基準といいますか、方針を見直してきたわけでありまして、昨年夏はその最中でございましたので、そういう意味で控えてきたわけでありますけれども、12月に新しい方針ができました。これは関係者の方々に話し合いをしていただきながら、いろんな御意見がございましたけれども、このような形で方針をお示しをいただいたわけでありまして、ある意味、科学的な観点から、例えば距離の基準というものを明確化したりなんかをしておるわけでありまして、新しい方針に沿ってまた司法でも判断をいただけるものというふうに思っておりまして、そのような観点から、我々としてこれは更に上で争う必要があるというものに関しては、そのような形で対応をさせていただくということでございます。
記者:
先ほど原爆症の話が出ましたけれども、大阪に続いて熊本地裁でも原告5人が勝訴する判決が出まして、熊本の原告の中にはこれまで原爆症では認められなかった、若しくはあまり認められてこなかった疾患の方もいます。となると、厳格な行政の審査に対して司法がより柔軟な姿勢を示しているというふうにもとれるんですけれども、大臣の受け止めをお願いします。
大臣:
先ほど申し上げましたけれども、新しい方針が出る前に結審をされておるわけであります。以前の基準の中で結審をされた案件であるということが1点、その後新しい方針が出たわけでありまして、新しい基準ができました。新しい基準、これはもう先ほど言いましたとおり、科学的な観点から新しい基準を示していただいたわけでありまして、それに則って司法の判断をいただくということが必要であろうというのが1点、それからもう一つは入市等々に関して、市に入った時期に関して、これは事実認定が我々と違う部分がございますから、これも我々としてはそのような形で理解・納得していない部分があるので、それに関してもどうするかということも含めて検討しなきゃならんということであろうと思います。
記者:
消費税の話でちょっと関連してくるんですけれども、今日いよいよ医療・介護法案がですね、趣旨説明があって審議が進められていくんですけれども、これちょっと最初にお話になった部分と重なるかも知れないんですが、この法案の意義を一つ伺いたいのと、あと出てくるまでに党内でもそうだったんですが、野党もですね、今大臣はいいところの方をおっしゃったと思うんですが、いろいろと負担というのも介護を中心に増えてくる部分があると思います。それをどういうふうに説明をして納得を得てもらうのかということがもう一つとですね、それに対案というよりも関連法案として民主党等野党が共同提出で介護人材の確保法案というのを提出してきています。その処遇改善とかという部分に関してはですね、大臣もその必要性っていうのをお認めになっているかとは思うんですけれども、この法案への対処方針というか考え方というのをお聞かせいただけますでしょうか。
大臣:
法律に関して申し上げればですね、確かにボリュームのある法案になっておりますが、やはり医療と介護というものが超高齢社会の中においてやはり一体で改革をしていかなければならないという部分がございます。例えば地域包括ケアシステムという考え方に関しましても、当然、医療と介護の両方ともに関わってくる問題でありますから、そういう意味では一体としての整備という意味ではですね、介護も医療も法律の中に入れさせていただかなければならない部分、それからそれ以外にも例えばチーム医療等々、看護師の認定行為等々の問題がございますが、こういう問題に関してもまたさらにですね、事故調査に関しましてもですね、ある意味医療法の範疇(はんちゅう)ということもございます。そういう意味ではですね、やはり法律を改正する中において同じ法律の中で議論をいただく。一つの国会の中でございますので、本来はそうあるべきであろうという部分もございますから、ちょっとボリュームが拡がったわけでありますけれども、医療・介護の重要なポイントでございますから、この国会でこの法律の中で御議論いただきたいという思いでございます。これは元々は3党合意に基づいてですね、その上で国民会議を開くと。国民会議はメンバーは民主党の政権時代にお選びをいただいた、これは3党で議論をしてこういう人がいいですねという議論もあったわけでありますけれども、その中で民主党政権にお選びをいただいて、そしてその後法的な措置をするということでプログラム法、これ御理解いただかなかった部分もあるんですけれども、法律に則ってプログラム法を成立をさせたわけでありまして、それに沿った、言うなれば今回の法律であるということでございますから、御議論をいただきながら、いろんな御議論はそれぞれ野党の方々にもあられようと思いますけれども、御審議をいただきたいと。党内でもいろんな御意見がありました。しかし、そういういろんな御意見がある中で一定の合意を得てですね、今般の法律の提出、そしていよいよ国会の審議となってきたわけでございますので、そこは党としては意見の集約はしていただいたというふうに理解をいたしております。なお、大半ではないんですけれども、介護人材の処遇改善に関する法律をお出しになられたということでございます。我々も介護従事者の方々、これは障害福祉に従事する方々も含めてでありますけれども、もちろんこれ処遇改善は必要なことであろうというふうに思っております。ただこれは議員立法という形でお出しになられてきておられますので、与党の方には事前にお話はなかったというに私はお聞きをいたしておりますけれども、詳細は与党に聞いていただければいいと思いますが、いずれにいたしましても、国会の中でどういう御議論をされるかというようなことで、我々としては見守らさせていただきたいというふうに思います。いずれにいたしましても、来年度介護報酬の改定があるわけでございますので、この中においては以前から私も国会答弁でさせていただいておりますとおりですね、介護従事者の方々の処遇改善に向かった努力はしてまいりたいというふうに思っておりますので、そちらはそちらでこの法律如何に関わらずですね、我々としては努力はしてまいりたいというふうに考えております。
記者:
ハーグ条約が今日発効されましたけれども、子どもを元の居住国に連れ戻すことで新たなトラブルが起きる恐れがある等と指摘されますが、厚生労働省としての受け止めをお願いします。
大臣:
本来といいますか、外務省が所管でありますけれども、当然厚生労働省も関わってくる話になります。例えば、外国から子どもの情報に対して依頼があれば、厚生労働省として協力をさせていただきたいと思っておりますし、また連れ去られた子どもが日本で虐待を受けているのではないかというような、そのような訴えが向こうからあればそれに対応して、児童虐待防止法に則って、我々としても確認して、対応してまいりたいというふうに思います。また、日本から連れ去られるという場合もあるわけでありまして、この場合は所管は向こうの裁判所になるわけでありますけれども、それに関しても情報提供、こういうものが必要があれば我が方から情報提供をさせていただきたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、これはやはり子どもの立場を最優先に考えながら、我々としては対応をしていかなければならないというふうに思っております。いずれにいたしましても、重要な条約でございますので、我々厚生労働省として協力できる部分はしっかりと協力してまいりたいというふうに考えております。

(了)