田村大臣閣議後記者会見概要

H26.2.25(火)9:00 ~ 9:12 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私の方から、まず1点。「独立行政法人医薬基盤研究所法の一部を改正する法律案」が本日閣議決定されました。御承知のとおり、2独立行政法人の統合をするということでございまして、医薬品と食品・栄養に関する専門性の融合をするということでございまして、今国会で是非とも成立をさせていただきたいというふうに考えております。私からは以上でございます。御質問をお願いします。

質疑

記者:
子宮頸がんワクチンについてお伺いします。明日もいろいろと予定もありますし、昨日は薬害問題を考える団体が疫学的調査をして、やはりもう少し詳細に追跡したり、調べたりすることが必要ではないかというような意見を出しています。それについて疫学調査についてどうお考えかということと、それから積極勧奨の再開を今後決定するとすると、どういったことが必要だと大臣はお考えでしょうか。
大臣:
まずもう御承知のとおりですね、厚生科学審議会の中におきまして予防接種ワクチン分科会の副反応検討部会というところで、御議論をずっといただいてきております。38症例等々を中心に二つのワクチンに関する比較調査、更には海外のいろんな事例等々も収集をさせていただいて検討をいただいてきておるわけであります。いろんな議論をいただく中で今、科学的・医学的な部分から検証をしていただいておるわけでありますが、本当になかなか難しいのは海外においてこれほど大きな問題化していないというところは確かに事実としてあるわけでありますが、一方でいろんな形で患者の方々の中からいろんな御意見があるということも承知をさせていただいておりますが、いずれにいたしましても、今までのものに関してはかなり時間が経っていますので、なかなか広範にといっても、副反応があるというふうなものに関しては報告が来ておるわけでありますから、それは得られるわけでありますが、副反応以外のものに関して広範囲にといってもなかなか時間的な問題もあって難しいであろうということもございます。ですから、何かあれば副反応報告という形で上がってまいりますので、そのような形でこれからまた上がってくるとすれば、そういうものも含めて検討をしていくということになろうと思いますが、いずれにいたしましても、これからもまだ検討部会を開くわけでありますので、その中においてあくまでも医学的、科学的な立場に立った方向というものを、やはりそれが一番の重要なところでございますので、そういう観点からの結論をいただく中において、最終的に厚生労働省でどうしていくかということの判断をさせていただくということになろうと思います。
記者:
J-ADNIですけれども、東大の調査委員会について、委員の方々の名前を公表をされるおつもりがあるかどうかをお聞きしたいんですけれども。
大臣:
それは厚生労働省が公表をするという話ではないと思います。それは東大の方で公表されるかどうか。ただ、第三者的な、言うなれば、中立的な立場からの検証というような形で調査をされると思いますので、それは東大の方でお考えになられて公表をするのであれば、どこかの時点で公表されるのであろうというふうに思います。
記者:
公表する主体は東京大学なんでしょうけれども、厚労省として名前を公表をしてくださいと。せめて、たとえば委員長名とか、代表者の方の名前を公表してくださいというような要請はされないんでしょうか。
大臣:
これは東大で、中立的なということを仰っておられますし、第三者的なというようなお話をされておられますので、適切に対応をされると思います。公表されるかどうかということは我々は直接は存じませんが、どこかの時点で公表されるということも含めて、そうやって仰っておられるのですから、何らかのこれは中立的な対応ですよというようなことはお示しになられるんだと思います。
記者:
厚労省としては要請されるおつもりはないと。
大臣:
我々は中立的な、そして第三者的な調査をしてくださいと申し上げておりますので、東大はそのような立場から最終的に何らかのそういうことを示せる調査結果というものをお出しをいただけるものだというふうに信じております。
記者:
SFTSウイルスを持つマダニが広く確認されていて、新たに患者が報告されていない関東や東北等で確認されたという話があるのですけれども、これの事実関係と、春にマダニが活発化すると言われていますので、注意喚起も含めてお願いいたします。
大臣:
昨年の夏、8月時点で調査の報告が出ました。その時には、これは西日本・中部圏でですね、このSFTSウイルスを持っていますマダニが存在するという話でありましたが、今般の調査で関東・東北地域に関しましてもこれが拡がっておるであろうということでありますが、今日の2時にですね、感染研のホームページで詳細が公表されるというふうに思います。詳細はそちらの方で御覧をいただければありがたいというふうに思いますが、いずれにしても全国的な拡がりがあると。これはいつからかというのはなかなかわからないわけでありますけれども、当初西日本中心だというふうに思われておりましたが、全国的にこのようなマダニが存在するということでございます。場合によっては今日報告をした県以外にもですね、それはいる可能性だってあるわけでございますから、全国的に皆様方これから春、それこそ行楽シーズンが来ます。そういう山でありますとか、草木の多いところ、こういうところに入られる場合にはですね、肌をなるべく出さないようにしていただいてですね、マダニにかまれること、そして感染を防いでいただきますように御注意をいただきたいというふうに思います。
記者:
3月からですね、労働移動支援助成金の拡充が始まりますけど、政府の成長戦略でも雇用調整助成金の予算を減らしていって労働移動支援助成金を増やしていこうという戦略で、改めてですね、労働移動支援助成金の拡充のねらいについてですね、お話いたただければと。
大臣:
今まで雇用調整助成金をですね、ずっとリーマンショック以降、大きな枠でですね、支給をしてきたわけであります。これはですね、そもそもリーマンショック以降、全ての産業でかなりの影響が出ましたので、そういう意味で雇用を守っていただくというようなことでやってまいりました。ただ一方で、要件をかなり緩和したものでありますから、そういう意味からしますと緊急時の対応から見るとですね、今の経済的ないろんな数字を見るとですね、そろそろ元の状況に戻すという要件をですね、元に戻すという中において当然のごとく放って置いてもですね、これは支給されるそういうような要件に合うところが減ってくるわけでございまして、併せて平常時に戻りつつありますから、そちらというよりかはどちらかというと日本の国は産業構造の転換をしていかなければならないという時期に来ております。当然、成長産業に向かって労働力を供給をいただかないとですね、そちらの方がやはり成長のチャンスを逃してしまうわけでありまして、そのためにスムーズなですね、失業のないような形での労働移動というものを支援をしていくということで今般のような形になったわけでありまして、雇用調整助成金から比べると桁は違いますけれどもそれでも今までから見るとこれはもうかなりの増額でございますので、これをしっかりと皆様方に御理解をいただきながらですね、お使いをいただいてですね、労働移動、成長分野に含めてでですね、そういうところに有能なといいますか、非常に質の高いそういう労働者の方々のみならず、いろんな意味で研修等々も含めてですね、それこそ各般に移動していただけるとありがたいなというふうに思っております。
記者:
これから人材を供給していく成長分野なんですけれども、大臣の中で成長分野というイメージといいますか、例えばこういった産業とかそういうのがあるのかどうかと、あと例えば介護の分野でですね、人手不足でこれから人が入っていかない懸念がある一方で、賃金が低いという問題もあって既存の産業から移る時に賃金が下がってしまうという問題があると思うんですけれども、そこについて御所見はいかがでしょうか。
大臣:
介護に関してはですね、平成21年の介護報酬改定と併せてその後のですね、処遇改善交付金、さらには(平成)24年度のですね、これは民主党政権でございましたけれども、介護報酬改定等々でですね、だいたい月平均3万円ぐらい処遇改善、介護従事者の方々でされているわけでありますが、それでも介護のみならず、実は保育もそうなんですけれども、全般的に福祉職は低いわけでありまして、保育に対しましては今般、処遇改善の補正予算を昨年組まさせていただいてですね、併せて来年度に向かっての予算要望を出させていただいております。併せて介護報酬に関しましても次の報酬、ごめんなさい、介護の方々の処遇に関しましても次の介護報酬改定に向かってですね、財政的ないろんな制約はありますけれども、これは検討してまいりたいというふうには考えております。そういう流れの中においてですね、介護も人手が足らない分野でございますので、そういうところにも移動していただければありがたいというふうに思いますし、建設業、これも今人手不足でございますので、建設業等々に関しましても労働者が移動していただければありがたいというふうには思います。それだけではなくって成長分野はいろいろございますので、それぞれの成長分野に向かってですね、それこそ、それぞれが職業能力を高めていただきながら移動していただければありがたいわけでありまして、成長に資するこれも一つの戦略の中においての施策として位置付けていただければありがたいというふうに思います。

(了)