田村大臣閣議後記者会見概要

H26.1.21(火)11:04 ~ 11:25 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
それでは、今日は私の方から1点御報告をさせていただきます。平成26年3月卒業予定者の就職内定状況に関してでありますけれども、本日今春の高校・大学等の卒業予定者の就職内定状況。これは高校が11月末、大学が12月1日時点でありますけれども、これを発表いたしました。依然として厳しい就職環境が続いておりますが、高校・大学共に前年同時期の内定率を上回っておるということでございます。高校が3.4ポイント、大学が1.6ポイント増ということになっております。一方、大学生の就職希望率でありますけれども、現時点では過去最も高い水準となっておりまして、多くの学生が厳しい状況の中にあってもですね、諦めずに就職活動をしていただいておるということでございます。厚生労働省といたしましては、文部科学省、経済産業省と協力しながら、また民間の就職支援サイトとも御協力いただきながら、ジョブサポーターによる徹底した個別支援でありますとか、集中的な就職面接会の開催、これを通じまして担い手、就活生への集中支援に本日から取り組んでまいりたいというふうに考えております。卒業までに一人でも多くの方が就職していただけるように全力で支援をしてまいりたいと思いますので、どうか担い手の就活生の方々も諦めずに、御努力をいただきたいなと思っております。私の方からは以上でございます。それでは、御質問をよろしくお願いします。

質疑

記者:
子宮頸がんのワクチンについてですが、昨日の検討会で心身の反応で慢性化という考えで一致しました。今後ですね、接種勧奨をするかどうか判断の局面になってくると思いますが、大臣の御所感あればお聞かせください。
大臣:
今仰られましたとおり、一定の合意が得られたということであります。内容的には海外においても同様の症例があるもののですね、ワクチンの安全性の懸念とは捉えられていないでありますとか、それから今回の症状のメカニズムとしましては、今お話がありましたとおり、心身の反応によるものが考えられるということでありますとか、接種後の局所の疼痛(とうつう)や不安等が心身の反応を惹起(じゃっき)したきっかけとなったことは否定できないということ。さらにはリハビリなど身体的アプローチと心理的アプローチ、双方を用いて集学的な治療により重症化・長期化を防ぎ、何とかこれを軽くしていくというようなことが重要であるというようなことが、大体意見の一致が見られたということであります。これからの接種勧奨を積極的にやるかどうかということに関してはですね、次回の会合の中で御議論をいただきながら、最終的な御決定といいますか、御判断をしていただくということになろうと。それをもってして、我が方として対応していきたいというふうに思っております。
記者:
ノバルティスの社員が白血病の治療薬の臨床研究で、データ改修に関与していたと。ディオバン事件以降も関与していたということ。これについて大臣はどのような御所感をお持ちか、更に調査を進めておられるということですね、どのような姿勢で臨まれているのかということをまずお伺いしたいと。
大臣:
まだ我々としては事実関係を確認しなければならないというふうに思っております。そのような報道があったわけでありまして、東京大学、ノバルティス等々に接触を始めたところでありまして、しっかりと事実確認をさせていただきたいというふうに思います。報道をお聞きしていますと、MRがデータを直接運んだというような話でございまして、これはノバルティスの方が再発防止策の中で一切研究には関与しないと、職員がという話でございましたから、それが事実であれば、再発防止策等々に対して守られていなかった。発表された後も、そのような形で関与といいますか、改ざんかどうかということとは別でありますけれども、そういう研究に対して職員が関わったわけでありますから、これはもう大変遺憾な話だと思います。ただ、今事実関係を確認しておる最中でございますので、確認をさせていただいた上でですね、しっかりと我が方としては対応を図ってまいりたいというふうに思います。
記者:
臨床研究の信頼性の確保という観点からなんですけれども、大臣はディオバン事件を受けて、不正行為を防ぐために法規制、法整備が必要かどうかも含めて検討しているというお考えを示されていました。今回事実関係を確認ということですが、一応ノバルティス社はこういう事実があったというふうに発表しております。その上でですけれども、再発防止の観点から、改めてどういうお考えをお持ちか。
大臣:
今回のノバルティス社が自分の所の再発防止策の中で、一切関与しないという話だったようで、それでもちろん関与しない方が当然いろんな疑われるような行為というものが起こる可能性も低いわけでありまして、そういう意味からすればですね、やはりどれだけいろんな防止策等々を自発的に取られてもですね、それを実行していただかなければ意味がないということでございます。法改正を含めて検討を今しております。いろいろと法改正に関しては法改正をすることによって得られるメリット、法改正の中身によっては今度は研究に対する制約がかかったデメリットというものもあるわけでありまして、そこを十分に検討した上で、どうするということを対応させていただきたいというふうに思います。
記者:
成長戦略の検討方針案の中でですね、ベビーシッター等の家事・育児支援サービスの利用者負担軽減策を検討するとあるんですが、改めてこのねらいとですね、具体的に税制の優遇措置など、どういったものを検討されているのか教えていただければと思いますが。
大臣:
ねらいというのはやはりそのベビーシッターでありますとか、ハウスキーパー等々、日本はなかなか利用が比較的少ない、欧米と比べてというようなことがある、そんな中において欧米にはそれぞれ税制の優遇策があったりなんかしてですね、使いやすくなっているという部分があるんだろうというような中でこのような検討方針というものに今回載ったわけであります。党の方からもそのような御意見も頂いております、自民党の方からでありますけれども。当然のごとく両立支援ということを考えればですね、そのようなベビーシッターやハウスキーパーのようなものを利用しながら仕事と家庭をうまく両立していくというような形というものは一つの方策であろうというふうに思っておりますので、これは検討という意味では前向きに検討していくべきものであろうとは思いますが、一方でその税の体系は各国また別個でございますので、果たして日本の中でこのようなものに対して、例えば控除みたいなことが考えられるのかどうかということはですね、これはもう我が省だけで考えられる話ではございませんから、関係する各省とこれは広範にですね、議論をさせていただかなければならない課題だと思います。もちろん財源の問題も当然税にかかってくる部分であるわけでございますので、いずれにいたしましても、検討方針の中に今回載っておるということでございますから、しっかりと我々も関係省庁としてですね、御議論はさせていただきたいとこのように思っております。
記者:
先週金曜日に労政審に報告書案を示されました労働者派遣法の見直しの関係でお伺いさせていただきたいんですが、労働側の委員から際限なく派遣労働者が増えるんじゃないかという懸念が示されておりましたが、今回の見直しで正社員で働きたいけれども派遣のままであるっていう労働者が増える可能性はないのかということについて、大臣の御所見をお願いいたします。
大臣:
まずですね、今回労働組合側からまず意見を聴取するということでございますので、その上でこれ派遣というものが導入されるわけであります。そういう意味からしますと、しっかりと意見を聴く場を作るわけでありますし、その中において不利益取扱等々は、例えばそこで意見を言われた労働組合、つまりその代表の方々ですね、労働者の。その方々に対して企業側が不利益扱いをするようなことはあってはならないというようなことを盛り込まさせていただくということでございますので、一定程度、やはりしっかりと労働者を代表する方々の意見を聴いて、それをですね、いろいろと参考にしなきゃいけないということでございますので、対応方針等々を示していくということでは歯止めはあるんだろうと思いますし、それから派遣という意味からしますとね、これ均衡待遇というものを推進していくということ、それからですね、それぞれ派遣元の計画的なですね、派遣労働者に対する教育訓練、これも義務付けるということ、それから今まで特定派遣というような形でですね、届出制の部分があったんですけれどもそれを廃止して許可制にしますので、そういう意味からすると不適切な派遣業者がここで淘汰(とうた)をされていくであろうという、そういうようなことも入れております。ですから、一方的にですね、これによって派遣労働者がですね、何て言うんでありましょう、今までよりも不当な扱いをされるというようなことはない、待遇を受けるというようなことはない、そこはちゃんとした歯止めをさせていただいております。そこで今言われた正規雇用労働になりたいという方々が派遣のまま歯止めをされるんではないか、若しくは正規の方々のいうなれば代替が起こるのではないかというような、そういう御心配もあろうと思います。常用代替という意味からすれば、今、そことの代替が起こるのか、今非正規、つまり例えば会社の期間工であるとか、契約社員であるとか、企業と直接雇用で非正規雇用型の労働、こういうものに従事されている方々との代替が起こるのか、つまり派遣労働ですね、そういうことはちょっと分析をしていかなければならないというふうに思いますので、これから法律を提出をさせていただいて、御議論をいただいて、成立をしてこれが施行されればですね、その後どのような状況が起こるかということも含めて次の見直しまでの間にですね、しっかりと検証できるようなそのような調査をしてまいりたいというふうに思います。
記者:
今の質問に関連してですけども、その先週の労政審でですね、労働側委員から経営側のオブサーバーとしてですね、人材派遣の業者の方が二人入ってらっしゃると。話を聞くとかですね、要するに政策決定に当たって当該利益者の話を聞くというはあると思うんですけれども、政策決定の場に利害当事者が入っていることに強い疑念を感じるという意見が出されました。そのことに関してどう思われますか。
大臣:
それは議論の中で必要性があるということでお招きをされたんだというふうには思いますが、実際問題この中においてはですね、派遣側に対しても御協力をいただかなきゃいけない部分があるんですよね。それは今言いましたような教育訓練をしっかりやってくださいでありますとか、そもそもやはり派遣労働者のスキルのアップも含めて均衡待遇をやっていかなきゃいけないだとか、そういう意味において参加を許されたのではないのかなというふうに推測はいたしますけれども、ちょっと私、直接どういう経緯で入っておるのかということ自体、今ここでは明確にはお答えできないので。
記者:
派遣制度が非常にわかりづらいことですよね、業者がどのような取組をやっているかとか、協力が必要というのもわかるんですけれども、今回の制度の変更によってはですね、派遣業者の売上げとかですね、利益にかなり大きく関わってくる問題ですよね。
大臣:
といいますか、それはその。
記者:
利害当事者が政策決定の場に。
大臣:
政策決定の場で何か決定権があるんですか。
記者:
決定権ではありませんよね。政策決定する場ですよね。
大臣:
オブザーバーで参加されたんですよね。
記者:
はい。
大臣:
オブザーバーがですね、それぞれの立場から任意グループに入られてますよね。
記者:
はい。
大臣:
そこで、意見は言われるけど決定権はないわけですよね、オブザーバーですよね。
記者:
あの労働政策審議会というのは一定の方向を出す場ですよね。
大臣:
はい、そうですね。
記者:
政策の方向を出す場ですよね。
大臣:
そうですね。
記者:
オブザーバーが参加してその議論に参加してるわけですよね。
大臣:
はい。
記者:
その議論に影響を与えるわけですよね。直接的な利害関係者が
大臣:
オブザーバーの御意見としてという話ですよね。
記者:
しかしながら、審議会で経営側として発言されている発言の5割以上はそのオブザーバーであります。ということは審議会をリードしているということですよね、利害当事者が。利害当事者が政策決定する審議会に入ることをどう思われるのかというふうに聞いているんです。
大臣:
ですからオブザーバーで入っていただいておりますので、あくまでもオブザーバーとしての御意見をいただいておるということの整理であろうというふうに思います。
記者:
わかりました。
記者:
J-ADNIの関係なんですけども、先日の報道でですね、改ざんを指摘するメールがですね、厚生労働省に送られてきたそのメールを改ざんを指摘されている当事者に送っていたということが明らかになったんですけども、国家公務員法に違反するんではないかというような指摘もあるんですけども、この問題について大臣の御所感というか、どのような例えば対応を取られることがあれば教えてください。
大臣:
前回の閣議後の記者会見でもその件に触れてですね、適切でない対応があったというふうに申し上げました。併せて昨日ですね、当事者の方のところにお伺いしてですね、お詫びを申し上げたということでございまして、そのまま今の話だとメールを送ったという話でありますが、そのままメールを送ったということ自体もそうなんでしょうけど、それ以前にですね、御本人の許可を得ずにその御本人の名前を出していろんな確認行動を行ったわけですので、それは大変申し訳ない対応であったというふうに思っております。私からもお詫びを申し上げますし、そのような形で昨日御本人のところにお詫びをさせていただきに担当者に行かせたということでございます。
記者:
改めてなんですけども、改ざんそもそもあったのかどうかというところのその調査、東大の方が自発的にされるということだったと思うんですけども、改めてそのやっぱり第三者的な立場っていうのが必要になってくるかと思うんですけども、その辺の大臣のお考えを改めてお伺いできますでしょうか。
大臣:
これ東大だけではなくて、いろいろと関係している研究機関もございますから、そこにもこちらからお願いをさせていただいていろんなデータをですね、提供をいただかなきゃいけないという形になるんだと思います。併せて東大には重ねてですね、第三者的な公平な調査をやっていただくように再度お願いと言いますか、これ研究機関でございますし、大学自治という問題もあるわけで、そこに関しては一定の我々もですね、強制というようなことは今制度的にもないものでありますから、強く依頼をさせていただいていると。逆に言えば、ちゃんと中立的な調査をしていただけなければ、これは逆に研究機関としてのですね、信頼性を失う話でございますから、そこは強い思いを持って東大の方も中立的な調査をしていただけるものというふうに思います。その上で、それを見た上でですね、どのような調査であったのかということも我々も確認をしながら、今言われたようなことがあったのか無かったのかということをですね、しっかり確認してまいりたいというふうに思います。もしあったならこれ大変な話でありますから。はい。
記者:
話戻って申し訳ないんですけども、ノバルティスの件で、先ほど再発防止策が守られてなかったということで、確認した上でしっかり対応したいということなんですが、これはしっかり対応というのは、その行政処分みたいなものができるのかということと、もしできないんであればどのような対応をするのかなというのをちょっと教えていただければ。
大臣:
一方でかなり厳しい対応はもうすでにこのディオバンに関しては我が方としてはさせていただいているわけですよね、これは。厳しいと言うか、言うなればもうこれは法的な措置に入っておるわけでございまして、そちらはそちらで今粛々と手続に則って進んでおるわけでありますが、守られてなければですね、これ何のためにやっていただいた話なのか分からないので、もう一度厳しくですね、なぜ守られなかったのかも含めて、こちらの方から調査を依頼してですね、その上でその原因究明、そしてその後の再発防止策、こういうことをしっかりとお示しをいただくようにこちらの方から申し上げていきたいというふうに思います。再発防止策の再発防止策っていうのも変な話なんですけれども、ただ事実関係を確認している段階でございますので、それが分かった時点でということになろうと思います。
記者:
今朝行われた新型インフルエンザの予防と言うか、対策会議(訓練)がありました。その内容についてと、その結果と言いますか、どんな感じだったかっていうことを教えていただけますでしょうか。
大臣:
第1回の会議ということで、Y国(架空の外国)からですね、鳥インフルエンザが発生しヒト-ヒト感染というような形の中で、拡がりつつあるという中で国内対応どうするんだと。海外から帰国する方々の入国の中においてのですね、対応でありますとか、あと実際問題その後私がシミュレーションに従って本部長の方から御確認いただいたことに対してお答えをさせていただいたりなんかしたわけでありますけれども、その後、報道出ていただいた後にですね、実務的に国内に拡がった場合の国内の対応方針、方法というものに対して議論をさせていただいたということでありますね。

(了)