田村大臣閣議後記者会見概要

H25.11.1(金)8:35 ~ 8:52 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。今日は私の方から3件、御報告させていただきます。まずですね、本日副大臣、大臣政務官の人事異動に伴う資産公開がありまして資産公開資料をお配りいたしますので、どうか御覧をいただきたいというふうに思います。これが1点目です。2点目は児童虐待防止推進月間についてでございまして、依然として虐待による子供の命が失われるという案件が見られるわけでございます。非常に痛ましい話でございます。児童虐待の防止を社会全体で進められるようにですね、毎年11月を児童虐待防止推進月間と位置付けておるわけでありまして、今年度も民間団体でありますとか地方公共団体と連携いたしまして、オレンジリボンキャンペーンをさせていただいております。これでございます。今日は閣議でそれぞれの大臣にもオレンジリボンの方を配布をさせていただき付けていただきまして、啓発等々にお力を貸していただくというようなお願いをいたしました。それから3番目でございますけれども、在外被爆者の医療費支給申請訴訟でございますが、10月24日大阪地裁におきまして判決が出たわけでございますが、この判決に対しまして大阪府の方ともいろいろと協議をさせてきていただいております。基本的には判決を重く受け止めなければならないわけでありますけれども、とにかくこの判決の趣旨というものをしっかりと認識をしながら、一方で以前から申し上げておりますとおり、現行の制度をそのまま判決に則って適用していくようなことになりますと、非常に在外被爆者にとって利便性の問題等々で非常に不便になるというようなこともございます。また、医療費自体が日本より高い国においては、日本の保険制度、診療報酬で決められておりますけれども、その日本の制度に準じて対応をするということになりますと、今まで以上に実際問題給付される金額が下がってしまうというようなことがあります。そもそも、レセプト等をお集めいただいて診療内容を確認しなければならないという話になりますが、そうなった時にはそのような手間等もおかけするわけでございまして、そうならないようにしつつも、今般頂いたような判決結果の中身のような、医療費がかかる方々、つまり上限枠を超えて医療費がかかる方々をどう対応していくかということも含めてしっかりと検討をさせていただいて、早急に結論を得たいと思っております。引き続き大阪府の方とは協議をさせていただきながら、何とか御理解をいただけるような方向性を見出していきたいというふうに思っております。この件に関しましては、詳しいことがあれば御質問をお願いしたいと思います。以上でございます。

質疑

記者:
薬のネット販売について調整が進んでいると思うんですが、進捗状況と作業の目途はいかがでしょうか。
大臣:
これはもう御承知のとおり専門家の検討会でという話の中で再興戦略の中でもそういう文面を書いていただいて閣議決定をしておるわけでありますから、それに則って一応報告といいますか、検討の中身、取りまとめられたわけであります。それを基に昨日規制改革会議でも御議論をいただいたようでありますけれども、確か専門家の方々の検討会の方の座長からも文書で頂いておるんですけれども、基本的に安全性を一定程度確保するためには、五感も含めてある程度確認していかなきゃならないということでございまして、その五感で確認する。また、情報の伝達といいますか、そういうものがより広範な形で扱える、そういうような対応の仕方は何であるかと、どういうようなやり方でやるかという議論をさせていただいておるわけでございまして、最終的に法案を提出するということになれば、提出期限というものがあるわけでございますので、なるべく早く結論を喫緊に出してその上で法整備に向かって努力をしてまいりたいというふうに思っております。
記者:
在外被爆者の件ですけれども、それは被爆者の援護法に基づくものではなくて、今の予算事業の中で対応するとか、具体的にもっと、予算事業でも上限を撤廃する、また高額にするとか、どのような検討を進めるかという方向性を聞かせていただきたいんですが。
大臣:
上限というものの見直しは一定程度やらなければならないんだろうというふうに思います。どこまで上限を上げるかというようなことは申せませんが、しかし一方で無制限に上限を撤廃するという話になりますと、本来対象となる医療行為以外のものまで領収書が来る可能性があります。これはまた、国内の被爆者の方々との公平性というものが担保されないという部分もございます。かといって、上限を撤廃しないという話になると本当に医療費がかかった場合、新たに作った上限で足りるのかどうかという問題もございますので、そこはそこでまた個別に対応できる、そういう方々に対しても日本の被爆者の方々がそれぞれ受けておられる医療に対する給付というものに準じた形で対応できるような、敢えて言えばハイブリッド型と言うんでしょうか。そういう方向性の中において、在外の被爆者の方々が、事実上全ての方々の御納得をいただけるような方向性というものを今模索をさせていただいておるということで、これもなるべく早く年内中には方向性を出してというふうに思っております。年内には。
記者:
検討の枠組なんですけれども、省内で議論、あるいは大阪府、自治体とヒアリングですね、新たに専門家検討会とか作るとかそういう悠長なことではないと。
大臣:
そんな検討会というよりかは、これはですね、要は裁判の判決の趣旨に則ってですね、海外で医療を受けられたときにですね、上限というものがある中で本来それ以上の給付を受けなければならない、国内におられれば給付というものは日本の制度に則って受けられるわけであって、そこには上限がないわけでありますから、それとある程度公平性というものが担保できるような制度でありながら、一方で、先ほど言いましたとおり、あまり厳密に全てやりますと今度は利便性という問題でですね、在外被爆者の方々がそれこそレセプトを全部集めたりだとか大変な、それは国によってなかなかですね、集めやすいところと集めにくいところもありますし、そもそも今まではどちらかというとですね、厳格な対応ではなかったものでありますから、比較的ですね、いろんな領収書を出していただいてそこは厳格な対応ではなかった、それからもっと言うと海外の医療制度と日本の医療制度の違いというものもですね、ある程度、予算事業の制度の中においては緩やかに見ておったんですけれども、これがあまり厳格になりますと今まで受けていたサービス以下になってしまうわけでありますから、そこはそこで今までどおりある程度利便性というものを担保しながら、先ほど言いました上限があるということの壁というものも突破できるようなという、だからハイブリッド型というのはそういう意味で言ったんですけれども、そういう制度を是非とも作ってまいりたいなというふうに思ってます。
記者:
そうするとハイブリッドということは、上限的なものもたぶん上げなきゃいけないんだけども、上限を無くすと逆に国内の人に不公正、例えばすごく高額にかかったような場合は個別に相談に応じるとかですね、そういうようなイメージですかね。
大臣:
まだ詳しくですね、申し上げられる状況じゃありません。イメージとして申し上げれば、上限をある程度引き上げることによってある程度のところまで、今までの上限よりかかる方々、かかっておられる方々に対しては利便性をそのままにしてですね、上限を引き上げることによって対応しようと。しかし、上限を超える方々に関しては利便性はある程度今よりも落ちるかもわかりません、もっと言うと厳格に日本の制度に対応できるようなものを集めていただく必要があると思います。それはレセプト等々を含めて。しかし、それに則って上限を超える部分に関してもちゃんと支給できるものは支給していこうと。そこがたぶん司法で判断をされた部分になってくるんだというふうに思います。司法のとおりですと簡易な方々まで、金額が比較的安い方々までそういう厳格な対応をお願いしなきゃいけないということになりますと、これは大変不便をおかけするということになりますから、だからそういう意味では今現状の使いやすさとそれから実際問題かかった費用をちゃんと請求できる制度とこれを両方と合わせたようなそういう制度をこれから考えていきたいと、方向性としてはそういうような考え方ですね。
記者:
年内に取りまとめで施行はどのくらいという、イメージですけれども。
大臣:
それは取りまとめれば予算事業で予算確保できればいいっていう話になりますから。
記者:
新年度からということで。
大臣:
ちょっとそれはこれからの検討ですね。予算全体との絡みになりますから。
記者:
訴訟の控訴するしないのところは、大阪府知事が判断することかも知れませんけれども、それについての御見解を。
大臣:
我々がこれから検討する方向性、これをある程度御理解をいただく中において、府知事が適切に判断をされることだなというふうに思います。それと先ほどの、来年度からですかって話ですけれども、そんなに遅いことは考えておりません。その再来年度だとかそういうようなことを考えているわけはありませんので、なるべく早く対応してまいりたいというふうに思っています。
記者:
そうすると年明けからもあり得ると。
大臣:
それは予算等々の状況を勘案しながらという形になると思います。
記者:
滋賀医大の方でもディオバンの関係でデータ操作をした疑いというのが発表されました。それについての所感とどう対応するかということを。
大臣:
関係者の方々はですね、何か入力するときにミスがあったということで、今までのようにノバルティスの社員の方々が介在したということはないというようなお話であったように我々認識しているんですが、しかしその内容を見るとですね、やはりディオバンに有利な方にデータが置き換わっていたと。本当にそんなことがあり得るのかどうかというような非常に我々としてはですね、疑わしいと思っております。非常に責任の重い立場、当時研究の責任者だった方が今もおられるというような話でありますけれども、私は今回の問題に関してですね、かなり深刻に捉えていただきたいなというふうに改めて思っておりますので、これから検討会の方、次に向かってですね、また御報告をいただくようなことになると思いますけれども、これに関してもしっかりと調査をしていかなきゃならんなと、このように思っております。今までの2大学とは違うような方向での意見が出ておるということでございますから、その点にも非常に我々は今注意をしておるというところでございまして、是非とも厳しい認識をお持ちをいただきながらこれから調査に御協力をいただきたいと、このように思っております。
記者:
ノバルティスに関して薬事法違反で厚労省としても調査を続けると思うんですけれども、その進捗と、そもそも、その製薬会社もやはり意識の問題というか、その辺を改めてお願いします。
大臣:
現在調査しております。もう既に調査をいたしております。立入調査という意味ではなくて調査はやっております。かなりの資料をいただく中において、現状我々分析をいたしておるわけであります。そういう意味では引き続きしっかりと調査をした上で事実が分かってくれば適切な対応をさせていただきたいと思っております。それから製薬会社等々の意識という話でありますが、全ての製薬会社が今回のようなことをやっておったというわけではないわけで、今回はノバルティスとこういう案件であったわけでありますけれども、これからももしこのような案件が出てくるとすればですね、このような疑いがあるものが出てくるとすればそれは製薬会社、それからその研究機関等々も含めてですね、しっかりと調査をしていかなければならんというふうに思っております。
記者:
先日、自民党の方で医療委員会の下に診療報酬のPTを作って社保審と中医協の議論をリードしていくような形にするという話がありました。これに対して大臣の受け止めをもしあればお願いします。
大臣:
党の方でやられることでございますんで、党の方でそのような組織を作ってですね、適正な医療というものが提供できるような、そんな方向性に向かってこれからいろんな御議論をいただくものだというふうに思います。意見をいただければそれは私も重く受け止めてまいりたいというふうに思います。
記者:
同じく診療報酬の関連なんですけども、昨日日本医師会の方が首相と面会して増額を要請されましたが、改めまして厚生労働省の御回答をお聞かせください。
大臣:
増額といいますか、今、医療経済実態調査が出てまいりまして分析をしておるわけであります。医療経済実態調査の内容を踏まえることはまず第一、それからこれからですね、アベノミクス等々で物価が上がってくる、それからやはり人件費、これはある程度医療・介護分野においても給料が上がるように、所得が上がるようにというような要請はですね、これは甘利大臣からも受けておるところであります。さらに申し上げれば、重要なことはですね、国民会議の方から報告書で頂きました医療提供体制の見直しというものを、これ急務であります。これは無駄な医療を削減するとともに医療機能の充実ということもあるわけでございまして、このためにはですね、一つは診療報酬で対応していくということもこれは念頭に置かれているわけでありまして、こういうことを実現するための診療報酬改定をしていかなきゃならんということでございますから、これから議論をさせていただいてですね、適切な判断をしてまいりたいと、このように思っております。
記者:
昨日の園遊会での山本太郎議員の行動について、どのようにお感じになられたかということについてお伺いします。
大臣:
ちょっと私も後から報道でお聞きしまして、驚きました。本来ですね、そのようなことをなされることが適切かどうかということは常識に照らせばお分かりをいただけるのではないのかなというふうに思います。もう二度とそのようなことが行われないということをですね、私としては願っております。

(了)