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平成24年9月28日

【照会先】

労働基準局 労災補償部

補償課長 若生 正之

職業病認定対策室長 天野 敬

職業病認定対策室長補佐 鈴木 秀博

(代表電話) 03(5253)1111(内線 5569、5573)

(直通電話) 03(3502)6750

報道関係者各位


胃がん・食道がん・結腸がんと放射線被ばくに関する医学的知見の公表

〜労災請求を受け、疫学調査報告を分析・検討して報告書を取りまとめ〜


 厚生労働省の「電離放射線障害の業務上外に関する検討会」(座長:独立行政法人放射線医学総合研究所 米倉義晴理事長)はこのたび、胃がん・食道がん・結腸がんと放射線被ばくとの関連について、現時点の医学的知見を報告書として取りまとめましたので、公表します。
 これは、放射線業務従事者に発症した胃がん・食道がん・結腸がんについて、平成21年12月と平成23年2月に計2件の労災請求があったことを受け、業務が原因かどうかを判断するために、疫学調査報告を分析・検討し、まとめたものです。報告書の概要と、当面の労災補償の考え方は以下のとおりです。
 なお、この報告書は、現時点での医学的知見をまとめたもので、新たな労災請求事案については、それぞれ最新の医学的知見に基づいて判断します。厚生労働省では今後とも医学的知見の収集に努めていきます。


<検討会報告書の概要>

1 被ばく線量と胃がん・食道がん・結腸がんの発症リスクとの関係
(1)胃がん・食道がん・結腸がんに関する個別の文献では、各々のがんの発症リスクは、1Sv以上の被ばく線量から確認されたと報告するものがある。
(2)より統計的に検出力の高い全固形がんに関する調査報告では、原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、被ばく線量が100から200mSv以上において統計的に有意なリスクの上昇が認められるとしている。また、国際放射線防護委員会(ICRP)は、がんリスクの増加について、疫学的研究方法では100mSv未満でのリスクを明らかにすることは困難であるとしている。

2 潜伏期間(放射線被ばくからがん発症までの期間)
  ・胃がん、食道がん、結腸がんの個別の文献での最小潜伏期間は、
   (1)胃がん:10年、 (2)食道がん:5年、 (3)結腸がん:5年 とされている。
  ・ICRPの勧告では、最小潜伏期間は5から10年程度。

3 放射線被ばく以外のリスクファクター
  一般的に、がんの主な発症原因は生活習慣や慢性感染であり、年齢とともにリスクが高まるとされているが、各々のがんに関する代表的なリスクファクターは次のとおり。
   (1)胃がん:ピロリ菌、喫煙  (2)食道がん:喫煙、飲酒  (3)結腸がん:飲酒、肥満 

<当面の労災補償の考え方>

1 放射線業務従事者に発症した胃がん・食道がん・結腸がんの労災補償に当たっては、当面、検討会報告書に基づき、以下の3項目を総合的に判断する。
(1)被ばく線量
   胃がん・食道がん・結腸がんは、被ばく線量が100mSv以上から放射線被ばくとがん発症との関連がうかがわれ、被ばく線量の増加とともに、がん発症との関連が強まること。
(2)潜伏期間
   放射線被ばくからがん発症までの期間が、少なくとも5年以上であること。
(3)リスクファクター
   放射線被ばく以外の要因についても考慮する必要があること。

2 判断に当たっては、上記検討会で個別事案ごとに検討する。

添付資料

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