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平成23年5月20日

労働基準局安全衛生部安全課業務係

(担当・内線) 課長 田中正晴(5480)

         主任中央産業安全専門官 森戸和美(5513)

         補佐 釜石  英雄(5481)

(電話代表) 03(5253)1111

(FAX)    03(3502)1598

報道関係者各位


平成22年における死亡災害・重大災害発生状況等について


 〜平成22年の労働災害による死亡者数は前年に比べて120人増の1,195人(11年ぶりの対前年比増)、重大災害は245件で、前年に比べて17件増〜

1 平成22年の死亡災害発生状況
・平成22年の労働災害による死亡者数は1,195人で、前年比120人増(+11.2%)と、平成11年以来、11年ぶりに増加に転じました。
・業種別にみると、建設業が365人と最も多く、次いで製造業211人、陸上貨物運送事業154人等となっています。平成21年と比較すると、鉱業、建設業、港湾荷役業で減少しましたが、製造業、交通運輸業、陸上貨物運送事業等では増加しています。
・事故の型別にみると、「墜落・転落」が311人と最も多く、次いで「交通事故(道路)」278人、「はさまれ巻き込まれ」171人、「激突され」73人、「崩壊・倒壊」67人等です。平成21年と比較すると、「熱中症」が39人増、「交通事故(道路)」が40人増、「墜落・転落」が22人増等となっています。

2 平成22年の重大災害発生状況
・平成22年の重大災害(一時に3人以上の労働者が業務上死傷又はり病した災害)は245件で、前年比17件増(+7.5%)となりました。
・業種別にみると、建設業が87件と最も多く、次いで製造業49件となっています。平成21年と比較すると、製造業、交通運輸業は減少しましたが、建設業、港湾荷役業、林業で特に増加しています。
・事故の型別にみると、「交通事故」が全体の47.3%を占めています。平成21年と比較すると、「交通事故」が17件増(+17.2%)等となっています。

3 「新成長戦略」との関係
 平成22年6月に閣議決定された「新成長戦略〜「元気な日本復活」のシナリオ〜」では、「2020年までに労働災害発生件数を3割削減する」との目標が掲げられたところですが、その初年である平成22年において死亡災害が大幅に増加している状況です。厚生労働省は労働災害を減少させるために全力で取り組みます。

4 厚生労働省の取組
 平成22年に増加した災害を確実に減少に転じさせるよう、墜落・転落災害、交通労働災害防止対策、熱中症対策等について、労働安全衛生法令の遵守はもとより、労働災害防止対策の徹底を図っていきます。
 また、景気の影響や厳しい企業競争の中で事業場における安全への取組が停滞することがないよう、働く方の安全に取り組んでいる企業をホームページで紹介し、国民や取引先に注目され評価されることを図る等、本年4月に取りまとめられた「安全から元気を起こす戦略」を具体化して実行し、企業における安全活動の活性化を進めていくこととしています。
 今般の東日本大震災の復旧作業では、4月末現在の速報値で、7人が死亡し、113人が負傷(休業4日以上)しています【参考資料2】。被災地が一日も早く安全に復興するために、被災地の復旧・復興作業における労働災害の防止に取り組みます。
 なお、7月1日〜7日の「全国安全週間」(準備期間6月1日〜30日)は、本年で84回目を迎えます。「安全は 家族の願い 企業の礎 創ろう元気な日本!」をスローガンに産業界における自主的な労働災害防止活動を推進するとともに、広く一般の安全意識の高揚と安全活動の定着を図ることとしています。


平成22年における死亡災害・重大災害発生状況等の概要

1 平成22年における死亡災害発生状況【図1,2、表1、2.3参照】
(1)概況

 平成22年の労働災害による死亡者数は1,195人で、前年比120人増(+11.2%)と、平成11年以降、初めて増加に転じた。業種別にみると、鉱業が4人(−44.4%、平成21年:9人→平成22年:5人)、建設業が6人(−1.6%、平成21年:371人→平成22年:365人)、港湾荷役業が5人(−50.0%、平成21年:10人→平成22年:5人)減少しているが、これら以外の業種は、製造業で25人(+13.4%、平成21年:186人→平成22年:211人)、陸上貨物運送事業で32人(+26.2%、平成21年122人→平成22年154人)、林業で16人(+37.2%、平成21年:43人→平成22年:59人)、清掃・と畜業で17人(+37.8%、平成21年:45人→平成22年:62人)、農業で13人(+100.0%、平成21年:13人→平成22年:26人)等で増加している。
 一方、事故の型でみると、昨夏の記録的な猛暑による「熱中症」が47人で平成21年(8人)と比較して39人増加している。その内訳は、製造業で9人(+8人、平成21年:1人)、建設業で17人(+12人、平成21年:5人)、運送業で2人(+1人、平成21年:1人)、農業で6人(+6人、平成21年:0人)、警備業で2人(+1人、平成21年:1人)、林業1人(+1人、平成21年:0人)等である。この他、平成21年と比較して特に増加しているものとして、「交通事故(道路)」が40人(+72.2%、平成21年:238人→平成22年:278人)、「墜落・転落」が22人(+7.6%、平成21年:289人→平成22年:311人)「はさまれ巻き込まれ」で21人(+14.0%、平成21年:150人→平成22年:171人)増加している。

(2)業種別発生状況

イ 製造業
 製造業における死亡者数は211人で、平成21年(186人)と比較して25人増加(+13.4%)した。
 特に、窯業土石製品製造業で11人(+55.0%、平成21年:20人→平成22年:31人)、鉄鋼業で6人(+85.7%、平成21年:7人→平成22:年13人)、一般機械器具製造業で7人(+70.0%、平成21年:10人→平成22年:17人)増加している。
 また、事故の型でみると、「はさまれ巻き込まれ」が68人で、全体の32.2%を占めている。平成21年と比較して増加しているのは、「熱中症」が8人(平成21年:1人→平成22年:9人)、「崩壊・倒壊」が9人(平成21年:5人→平成22年:14人)、「墜落・転落」が8人(平成21年:32人→平成22年:40人)等である。
ロ 建設業
 建設業における死亡者数は365人で、平成21年(371人)と比較して6人減少(−1.6%)した。
 土木・建築等の別でみると、土木工事業で10人(平成21年:150人→平成22年:140人)、設備工事等のその他建設業で4人(平成21年:73人→平成22年:69人)減少したが、建築工事業で8人(平成21年:148人→平成22年:156人)増加している。
 事故の型でみると、「墜落・転落」が159人で、全体の43.6%を占めている。平成21年と比較すると、「墜落・転落」は12人(平成21年:147人→平成22年:159人)増加している。この特徴的な要因としてはつり足場からの墜落・転落が、9人(平成21年:5人→平成22年:14人)増加している。中でも、橋りょうの改修等の際におけるつり足場の組立て・解体作業中によるものが8人増加(平成21年:3人→平成22年:11人)している。また、「熱中症」で12人増加(平成21年:5人→平成22年:17人)している。
ハ 陸上貨物運送事業
 陸上貨物運送事業における死亡者数は154人で、平成21年(122人)と比較して32人増加(+26.2%)した。
 事故の型でみると、「交通事故(道路)」が88人で、全体の57.1%を占めている。 平成21年と比較すると、「交通事故(道路)」で22人(+33.3%、平成21年:66人→平成22年:88人)増加しているが、このうち、深夜時間帯(午後10時から午前5時)における事故が10人(平成21年:31人→平成22年:41人)増加している。また、夏季(7月、8月)におけるものが13人(平成21年:13人→平成22年:26人)増加している。
ニ 林業
 林業における死亡者数は59人で、平成21年(43人)と比較して16人増加した。林業については、建設業等の他業種からの新規参入が増加傾向にある中、経験年数2年未満の労働者の事故が8人(平成21年:5人→平成22年:13人)増加している。
 事故の型別でみると、平成21年と比較して増加しているのは、「崩壊・倒壊」が8人(+266.6%、平成21年:3人→平成22年11人)等である。
ホ 清掃・と畜業
 清掃・と畜業における死亡者数は62人で、平成21年(45人)と比較して17人増加した。このうち、特に、ビルメンテナンス業で6人(+40.0%、平成21年:15人→平成22年:21人)、産業廃棄物処理業で5人(+26.3%、平成21年:19人→平成22年:24人)増加している。
 事故の型別でみると、「墜落・転落」は8人(+50.0%平成21年:16人→平成22年24人)増加しているが、このうち、ビルメンテナンス業で6人(+66.6%、平成21年:9人→平成22年:15人)増加している。
へ 農業
 農業における死亡者数は26人で、平成21年(13人)と比較して13人増加した。事故の型別でみると、「熱中症」で6人(+6人、平成21年:0人)増加している。

2 平成22年における重大災害発生状況【図3、表4、5参照】

 全産業における重大災害発生件数は245件であり、平成21年(228件)と比較すると、17件増加(+7.5%)した。
 平成21年と比較すると、製造業、交通運輸業、陸上貨物運増業を除く業種で増加しており、特に、建設業で12件(+16.0%、平成21年:75件→平成22年:87件)、港湾荷役業で4件(+4件、平成21年:0件)、林業6件(+6件、平成21年:0件)等増加している。
 事故の型別の重大災害は、「交通事故」が116件と全体の47.3%を占めている。また、「交通事故」が17件増(+17.2%、平成21年:99件→平成22年:116件)、「その他」が15件増(+55.6%、平成21年:27件→平成22年:42件)と増加している。

3 厚生労働省の取組

 平成22年は死亡災害が増加していたことから、厚生労働省は、平成22年9月に「死亡災害の増加に対応した労働災害防止緊急対策」(以下、「緊急対策」という。)を策定し、関係事業者の指導を強化した。緊急対策開始後、重点対象としていた建設業における墜落・転落事故、陸上貨物運送事業の交通事故による死亡者数は減少傾向にある等緊急対策の一定の成果は認められるが、平成22年に増加した災害を確実に減少に転じさせるよう、厚生労働省は労働安全衛生法令の遵守はもとより、労働災害防止対策の徹底を図っていくこととしている。
 また、平成22年については、鉱工業生産指数が95.6と平成21年の81.1から回復してきている中で、製造業における死亡者数が増加していること、建築物の着工床面積や新設住宅着工戸数が増加している中で、建築工事における死亡者数が増加していること等、生産量、業務量の増加等に事業場の安全活動が十分に対応しきれていないこと、厳しい経営環境の中で安全への取組が停滞していることも懸念される。昨年6月に閣議決定された「新成長戦略」では「2020年までに労働災害発生件数を3割削減」することが目標とされたところであり、そのためには、組織と個人が安全を最優先する気風や気質である安全文化が企業において醸成されることが不可欠である。このようなことから、厚生労働省は、働く方の安全に取り組んでいる企業をホームページで紹介し、国民や取引先に注目され評価されることを図る等、本年4月に取りまとめられた「安全から元気を起こす戦略」を具体化して実行し、企業における安全活動の活性化を進めていくこととしている。
 さらに、今般の東日本大震災の復旧作業では、4月末現在の速報値で、7人が死亡し、113人が負傷(休業4日以上)している【参考資料2】。被災地が一日も早く安全に復旧・復興するため、工事の状況に応じた対策、安全パトロールの実施を行うとともに、安全衛生に関する諸問題に対応する拠点の開設(岩手、宮城、福島に設置予定)し、安全衛生の専門家による(イ)工事現場への巡回指導、(ロ)安全衛生相談、(ハ)安全衛生教育への支援等を実施する。さらに、厚生労働省のリーダーシップのもと、建設業界に「震災復旧・復興工事安全推進本部」を設置し、官民一体となった安全への取組を推進することとしている。

〈資料〉

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