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平成22年5月14日

労働基準局安全衛生部安全課業務係

(担当・内線) 課長 田中正晴(5480)

         主任中央産業安全専門官 森戸和美(5513)

         補佐 釜石  英雄(5481)

(電話代表) 03(5253)1111

(FAX)    03(3502)1598

報道関係者各位


平成21年における死亡災害・重大災害発生状況等について


         〜平成21年の労働災害による死亡者数は過去最少の1,075人
              重大災害は228件で、前年に比べて53件減少〜


1 平成21年の死亡災害発生状況

・平成21年の労働災害による死亡者数は1,075人で、前年比193人減(−15.2%)と初めて1,100人を下回り過去最少となった。
・業種別にみると、建設業が371人と最も多く、次いで製造業186人、陸上貨物運送事業122人等となっている。平成20年と比較すると、製造業、建設業、交通運輸業、陸上貨物運送事業等で減少したが、鉱業、港湾荷役業では増加した。
 ・事故の型別にみると、「墜落・転落」が289人と最も多く、次いで「交通事故(道路)」238人、「はさまれ巻き込まれ」150人、「激突され」74人、「崩壊・倒壊」67人等である。平成20年と比較すると、「交通事故(道路)」が前年比49人減、「はさまれ巻き込まれ」が前年比42人減と大幅に減少、「墜落・転落」も前年比22人減と前年に引き続き減少したが、「火災」及び「転倒」は増加した。

2 平成21年の重大災害発生状況
・平成21年の重大災害(一時に3人以上の労働者が業務上死傷又はり病した災害)は228件で、前年比53件減(−18.9%)となった。
・業種別にみると、建設業が75件と最も多く、次いで製造業55件となっている。平成20年と比較すると、いずれの業種も減少(鉱業は前年と同じで0件)しており、特に建設業が大幅に減少(前年比18件減(−19.4%))している。また、鉱業、港湾荷役業及び林業は0件であった。
・事故の型別にみると、「交通事故」が全体の43.4%を占めている。平成20年と比較すると「交通事故」、「中毒・薬傷」等は減少したが、「爆発」、「墜落」、「クレーン等」等は増加した。
3 厚生労働省の取組
労働安全衛生法令の遵守を徹底することはもとより、墜落・転落災害対策、機械設備等に係る対策の徹底、職場の危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)及びこれに基づく措置の実施促進、新規労働者への雇入れ時等の安全衛生教育の徹底等を図ることとしている。
また、7月1日〜7日の「全国安全週間」(準備期間6月1日〜30日)は、本年で83回目を迎えるが、労働者が安全・安心して仕事に打ち込むことのできる労働災害のない職場を目指し、労働災害を一層減少させていくには、職業生活全般を通じた各段階における安全教育の徹底を図るとともに、労使が一体となって職場のリスクアセスメント等を実施していくことにより、機械設備、作業等による危険をなくし、安全を先取りしていくことが不可欠であることから、「みんなで進めようリスクアセスメント めざそう職場の安全・安心」をスローガンに同週間の活動を展開する予定である。


平成21年における死亡災害・重大災害発生状況等の概要

1 平成21年における死亡災害・重大災害等発生状況
(1)労働災害による死亡者数【図1、表1参照】

 平成21年の労働災害による死亡者数は1,075人となり、平成20年の1,268人から193人(15.2%)減少し、初めて1,100人を下回り過去最少となった。

(2)死亡災害の業種別発生状況【図2、表2参照】

イ 概況
 業種別の死亡者数は、平成20年と比較すると、鉱業及び港湾荷役業が1名ずつ増加したのを除き、いずれの業種も減少した。以下、主な業種について分析する。
ロ 製造業
 製造業における死亡者数は186人で、平成20年(260人)と比較して74人減(−28.5%)した。全産業に占める割合は17.3%であり、3.2ポイント低下した。そのうち、自動車・同附属品製造業における死亡者数は5人で、平成20年(21人)と比較して16人減少(−76.2%)した。また、造船業における死亡者数は13人で、平成20年(21人)と比較して8人減少(−38.1%)した。
鉱工業生産指数と比較すると、鉱工業生産指数は平成21年が平成20年に比べ21.3%減少しているのに対して、製造業の死亡者数は28.5%減少している。
ハ 建設業
 建設業における死亡者数は371人で、平成20年(430人)と比較して59人減少(−13.7%)した。全産業に占める割合は34.5%であり、0.6ポイント上昇し、依然として最も高い。
これを建設投資と比較すると、建設投資は平成20年の見込みと平成21年の見通しがほぼ横ばいで推移しているのに対して死亡者数は13%以上の減少を見ているが、全産業の平均減少率15.2%よりは低くなっている。
ニ 陸上貨物運送事業
 陸上貨物運送事業における死亡者数は122人で、平成20年(148人)と比較して26人減少(−17.6%)した。全産業に占める割合は11.3%と、0.4ポイント低下した。
ホ 商業
 商業における死亡者数は115人で、平成20年(118人)と比較して3人減少(−2.5%)した。全産業に占める割合は10.7%であり、1.4ポイント上昇した。

(3)死亡災害の事故の型別発生状況【表3参照】

イ 概況
 事故の型別の死亡者数は、平成20年と比較すると、「交通事故(道路)」が49人減(−17.1%、平成20年:287人→平成21年:238人)、「はさまれ巻き込まれ」が42人減(−21.9%、平成20年:192人→平成21年:150人)と大幅に減少し、「墜落・転落」も22人減(−7.1%、平成20年:311人→平成21年:289人)と前年に引き続き減少した。一方、「火災」が9人増(+100.0%、平成20年:9人→平成21年:18人)、「転倒」が4人増(+16.7%、平成20年:24人→平成21年:28人)となった。
「墜落・転落」の占める割合は26.9%(全産業合計の1,075人中289人)、「交通事故(道路)」の占める割合は22.1%(全産業合計の1,075人中238人)であり、この2つの災害で死亡災害全体の50%近くを占めている。以下、主な業種について分析する。
ロ 製造業
 製造業では「はさまれ巻き込まれ」の占める割合が高く、34.9%(製造業全体の186人中65人)となっているが、平成20年と比較すると18人減(−21.7%)となっている。平成20年と比較して減少率が大きいのは「崩壊・倒壊」−75%(15人減)「激突され」−47.4%(9人減)「飛来・落下」−38.5%(10人減)である。
ハ 建設業
 建設業では「墜落・転落」の占める割合が高く、39.6%(建設業全体の371人中147人)となっているが、平成20年(172人)と比較すると25人減(−14.5%)となっている。中でも足場、梁、母屋、屋根等からの墜落・転落災害は、平成21年が55人で平成20年の80人から31.3%減少している。
ニ 陸上貨物運送事業
 陸上貨物運送事業では「交通事故(道路)」の占める割合が高く、54.1%(陸上貨物運送事業全体の122人中66人)となっているが、平成20年(82人)と比較すると16人減(−19.5%)となっている。平成20年と比較して減少率が大きいのは「はさまれ巻き込まれ」の−72.2%(13人減、平成20年:18人→平成21年:5人)である。

(4)重大災害の発生状況【図3、表4、5参照】

 全産業における重大災害発生件数は228件であり、平成20年(281件)と比較すると、53件減少(−18.9%)した。
業種別にみると、その他の事業が77件(前年比27件減(−26.0%))、建設業75件(前年比18件減(−19.4%))、製造業55件(前年比3件減(−5.2%))となっている。また、前年同様0件であった鉱業を除くすべての事業で減少しており、鉱業、港湾荷役業、林業における発生件数は0件であった。
事故の型別の重大災害は、「交通事故」が99件と全体の43.4%を占めている。また、平成20年と比較すると「交通事故」26件減(−20.8%、平成20年は125件)「中毒・薬傷」17件減(−24.6%、平成20年:69件→平成21年:52件)などと減少したが、「墜落」が3件増(平成20年:0件→平成21年:3件)、「クレーン等」が2件増(平成20年:1件→平成21年:3件)と増加している。

2 労働災害の中長期的な動向と各業界における安全衛生活動
(1)概論

 労働災害による死亡者数は、昭和36年の6,712人をピークに長期的には減少してきており、平成に入ってからは、平成元年2,419人に対し平成21年1,075人55.6%減少している(図1参照)。特に、平成21年については、いわゆるリーマンショックに始まる経済活動の停滞も影響していると思われるが、平成20年の1,268人から15.2%の大幅な減少となった。
このようなことから、厚生労働省では、労働災害防止団体の協力も得て、各業種の事業者団体に対し、各業界で行っている安全衛生活動の取組や労働災害が長期的に減少している要因をどう考えるか等についてアンケート、ヒアリングを行った。
調査結果からは、ヒヤリハットやKY(危険予知)活動といった現場における安全衛生活動、リスクアセスメントや労働安全衛生マネジメントシステムといった先取り型の安全衛生対策への展開が功を奏していることが伺える。
しかしながら、監督指導時等における労働安全衛生法令違反等は依然後を絶たない状況であり、こういった安全衛生活動のレベルアップが全ての事業場において展開されるよう、厚生労働省としては引き続き指導等を行っていくこととしている。以下、業種別に分析するとともに、調査結果を紹介する。

(2)製造業

 平成11年を基準とした場合の鉱工業生産指数及び死亡者数の推移は、平成11年から平成17年にかけては、鉱工業生産指数がほぼ横ばいであるのに対し死亡者数は25.6%減少(平成11年:344人→平成17年:256人)しており、事業場における全般的な安全衛生水準の向上を反映しているものと考えられる(図4参照)。
 主な事故の型について、平成11年と平成21年の死亡者数を比較すると、はさまれ巻き込まれが104人から65人と39人減少(−37.5%)しており、墜落・転落が54人から32人と22人減少(−40.7%)している。また、交通事故(道路)は、50人から15人と35人減少(−70.0%)となっている。
 この間、厚生労働省においては関係労働安全衛生法令の周知・徹底はもとより「労働安全衛生マネジメントシステムに関する指針」を策定(平成11年4月30日労働省告示第53号、平成18年3月10日厚生労働省告示第113号により改正)し、計画、実施、評価、改善(いわゆるPDCA)の取組を体系的かつ継続的に実施する仕組みである労働安全衛生マネジメントシステムの普及を図っている。また、「機械の包括的な安全基準に関する指針」を策定(平成13年6月1日付け基発第501号、平成19年7月31日基発第0731001号により改正)し、設計、製造等の段階におけるリスクアセスメント等の実施による機械設備の本質安全化の促進を図っている。
 更に、平成17年の労働安全衛生法の改正によりリスクアセスメント等の実施が努力義務化(平成18年4月1日施行)されている。
 製造業の事業者団体27団体へのアンケートによると、10年前(平成11年)と比べて労働災害が減少したとする団体は18団体であり、その要因として、リスクアセスメント労働安全衛生マネジメントシステムの取組が12件と最も多くなっており、以下機械・設備の改善等6件、経営者や事業場の意識の向上とするものが5件であった。一方、事業量等の減少6件であったが、それのみを要因とする団体は1団体のみであった(図5参照)。
 また、今後注力して取り組むこととしている安全衛生活動としては、リスクアセスメント労働安全衛生マネジメントシステムの取組が15件災害事例の分析、周知12件安全衛生教育6件であった。また、メンタルヘルス対策6件であった(図6参照)。

(3)建設業

 平成元年と比較すると、平成21年(年度)は建設業就業者数、建設投資、死亡者数のいずれも減少してきているが、建設業就業者数10.6%建設投資(平成19年、20年は見込み、平成21年は見通し)が35.4%減少しているのに対し、死亡者数63.5%減少(平成元年:1,017人→平成21年:371人)しており、建設現場における全般的な安全衛生水準の向上を反映しているものと考えられる(図7参照)。
 特に、昭和60年頃から平成8年まで年間1,000人前後で増減を繰り返していた死亡災害は、平成8年以降、逐年減少し、平成21年には371人と平成8年(1,001人)に比べ630人の減(−62.9%)と大幅に減少している。
 また、墜落・転落による死亡災害は、平成21年は147人で、平成8年(418人)に比べ271人の減(−64.8%)と大幅に減少している。
 この間の厚生労働省の取組状況は次のとおりである。
・平成4年に労働安全衛生法改正(小規模建設現場における安全衛生管理の充実等)
・改正法令に基づく総合的な労働災害防止対策を展開
・平成8年に、木造家屋等低層住宅建築工事における墜落災害を防止するため、足場先行工法に関するガイドラインを策定、その普及・啓発事業を実施
・平成15年に、足場の組立中等における墜落・転落災害を防止するため、手すり先行工法等に関するガイドラインを策定、その普及推進事業を実施
・中小地場総合工事業者の統括安全衛生管理能力の向上のための事業や実際に危険・有害業務を請け負って行う専門工事業者の安全衛生管理能力を向上させるための事業を実施
(平成6年度より事業規模を拡大)
 建設業の専門工事業者の事業者団体28団体へのアンケートによると、20年前(平成元年)と比べて労働災害が減少したとする団体は19団体であった。その要因として、作業手順の徹底安全衛生計画の運用11件リスクアセスメント労働安全衛生マネジメントシステムの取組が9件ヒヤリハット、KY(危険予知)活動の取組が5件、経営者や事業場における安全意識の向上4件であった。工事量等の減少14件であったが、それのみを要因とする団体は3団体であった(図8参照)。
今後注力して取り組むこととしている安全衛生対策としては、職長、労働者の安全衛生教育12件リスクアセスメント労働安全衛生マネジメントシステムの取組が8件災害事例の分析、周知5件であった(図9参照)。

(4)陸上貨物運送事業

 平成元年と比較すると、平成20年の国内貨物輸送量(トラック)は31.8%増加しているのに対して陸上貨物運送事業における死亡者数51.8%減少(−159人、平成元年:307人→平成20年:148人)している。また、陸上貨物運送事業における交通事故(道路)による死亡者数は平成18年から大きく減少している(平成17年が170人、平成21年は66人、104人の減小(−61.2%))。陸上貨物運送事業における死亡者数の減少は、陸上貨物運送事業における安全衛生管理水準の全般的な向上を反映しているものと考えられるが、近年大幅に交通事故による死亡者数が減少しているのは交通関係法令の改正強化等を反映している面もあると考えられる(図10参照)。
 行政においては、平成6年に「交通労働災害防止のためのガイドライン」を策定(平成6年2月18日付け基発第83号、平成20年4月3日付け基発第0403001号により改正)するとともに、ガイドラインの普及定着を図るための指導事業を実施してきたところである。
 陸上貨物運送事業労働災害防止協会は、事業者及び労働者の安全意識の向上、リスクアセスメント等の取組、安全衛生教育、走行管理機器等の普及等が、災害が減少してきている要因と考えられるとしている。また、平成20年と平成21年を比較した場合については、これらの安全衛生対策に加えて、荷の輸送量の減少等も要因であるとしている。

〈参考資料〉

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厚生労働省携帯サイト

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