照会先

労働基準局 監督課
 課長   荒木 祥一
 中央労働基準監察監督官
      岡田 直樹
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       (内線 5426)
(直通電話) 03 (3595) 3202

報道関係者各位

長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します

~4月から12月に対象とした8,530事業場の半数を超える4,790事業場で違法な時間外労働を摘発~

 厚生労働省は、このたび、平成27年4月から12月までに8,530事業場に対して実施した、長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署による監督指導の実施結果を取りまとめましたので、公表します。
 この監督指導は、1か月当たり100時間を超える残業が行われた疑いのある事業場や、長時間労働による過労死などに関する労災請求があった事業場を対象としています。
 この結果、平成27年4月から12月に監督指導を行った8,530事業場のうち、半数を超える 4,790事業場で違法な時間外労働を確認したため、是正・改善に向けた指導を行いました。なお、このうち実際に月100時間を超える残業が認められた事業場は、2,860事業場(59.7%)でした。
 厚生労働省では今後も、月100時間を超える残業が疑われる事業場などに対する監督指導の徹底をはじめ、過重労働の解消に向けた取組を積極的に行っていきます。

【平成27年4月から12月までに実施した監督指導結果のポイント(詳細別紙)】

  1. (1)監督指導の実施事業場:8,530事業場
      このうち、6,501事業場(全体の76.2%)で労働基準法などの法令違反あり。
  2. (2)主な違反内容[(1)のうち、下記1から3の法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場]
    1. 違法な時間外労働があったもの: 4,790事業場(56.2%)
      うち、時間外労働※1の実績が最も長い労働者の時間数が
         1か月当たり100時間を超えるもの:2,860事業場(59.7%)

         1か月当たり150時間を超えるもの:   595事業場(12.4%)
         1か月当たり200時間を超えるもの:   120事業場(  2.5%)    
         1か月当たり250時間を超えるもの:     27事業場(  0.6%)
    2. 賃金不払残業があったもの: 813事業場(9.5%)
      うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が
         1か月当たり100時間を超えるもの: 362事業場(44.5%)
    3. 過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの:1,272事業場(14.9%)
  3. (3)主な健康障害防止に関する指導の状況[(1)のうち、健康障害防止のため指導票を交付した事業場]
    1. 過重労働による健康障害防止措置が不十分なため改善を指導したもの:6,971事業場(81.7%)
      うち、時間外労働を月80時間※2以内に削減するよう指導したもの:5,167事業場(74.1%)
    2. 労働時間の把握方法が不適正なため指導したもの:1,558事業場(18.3%)
      うち、時間外労働の最も長い労働者の時間数が
         1か月当たり100時間を超えるもの: 477事業場(30.6%)

       

※1 法定労働時間を超える労働のほか、法定休日における労働も含む。
※2 脳・心臓疾患の発症前1か月間におおむね100時間または発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いとの医学的知見があるため。

※ すでに公表している監督指導事例に関する報道発表資料は、以下のURLから参照できます。
 「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果を公表します」
  ~4月から6月に対象とした2,362事業場の約6割(1,479事業場)で違法な時間外労働を摘発~ 
  https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000098487.html  (平成27年9月29日公表)  

 「平成27年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表」
  ~重点監督を実施した事業場の約半数にあたる2,311事業場で違法な残業を摘発~
  https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113029.html  (平成28年2月23日公表)