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平成27年6月18日

【照会先】

労働基準局 安全衛生部 労働衛生課

電離放射線労働者健康対策室長 前田 光哉

室長補佐 安井 省侍郎 (内線5523)

室長補佐 長山 隆志 (内線2181)

(代表電話) 03(5253)1111

(直通電話) 03(3502)6755

報道関係者各位


「電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令案要綱」について労働政策審議会から妥当との答申がありました

 厚生労働大臣は、本日、労働政策審議会(会長 樋口 美雄 慶應義塾大学商学部教授)に対して、「電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令案要綱」について諮問を行いました。
 この諮問を受け、本日、同審議会安全衛生分科会(分科会長 土橋 律 東京大学大学院工学系研究科教授)で審議が行われ、同審議会から妥当であるとの答申がありました。
 厚生労働省は、この答申を踏まえ、今後、放射線審議会に対する諮問を行うとともに、同審議会の答申を踏まえた省令等の改正作業を進めます。

<電離放射線障害防止規則の一部を改正する省令案>

   平成27年8月公布、平成28年4月1日施行予定

1.特例緊急被ばく限度の設定

・ 厚生労働大臣は、緊急作業に係る事故の状況などを勘案し、100mSv(ミリシーベルト)の被ばく限度によることが困難であると認めるときは、250mSvを超えない範囲内で、被ばく限度(特例緊急被ばく限度)を別に定め、またはこれを変更することができる。

・ 原子力緊急事態またはそれに至るおそれの高い事態が発生した場合は、厚生労働大臣は、直ちに250mSvを特例緊急被ばく限度として定める。

・ 厚生労働大臣は、特例緊急作業従事者の受けた線量、事故の収束のために必要となる作業の内容などを勘案し、特例緊急被ばく限度をできるだけ速やかに廃止する。

2.特例緊急作業従事者の限定

   事業者は、特例緊急作業従事者については、原子力災害対策特別措置法に規定する原子力防災要員のうちから選任する。

3.特例緊急作業中の被ばく線量管理の最適化

   事業者は、特例緊急作業従事者の受ける線量が、特例緊急被ばく限度を超えないようにしなければならない。また、事業者は、事故の状況に応じ、特例緊急作業従事者が放射線を受けることをできるだけ少なくするように努めなければならない。

4.特例緊急作業従事者に係る記録等の提出等

事業者は、特例緊急作業従事者について、個々の従事者の健康診断結果の記録や被ばく線量などを、厚生労働大臣に提出しなければならない。

5.緊急作業従事者の線量の測定及びその結果の確認、記録、報告等

  ・ 事業者は、緊急作業従事者に対する内部被ばく測定を、1月以内ごとに1回行わなければならない。また、測定した線量について、1月ごと、1年ごと、5年ごとの実効線量の合計を遅滞なく算定・記録し、30年間保存しなければならない。

・ 事業者は、緊急作業従事者についてその実効線量の区分ごとの人数などを定期的に厚生労働大臣に報告しなければならない。

6.特例緊急作業従事者に対する特別教育の実施

   事業者は、特例緊急作業に労働者を就かせるときは、当該者に対し、特例緊急作業の方法などについて、特別の教育を行わなければならない。

7.緊急時電離放射線健康診断の実施

   事業者は、緊急作業従事者に対し、(1)1月以内ごとに1回定期に、(2)他の業務への配置換えまたは離職の際、白血球数や白血球百分率の検査などの項目について医師による健康診断を実施しなければならない。また、事業者は、健康診断の結果の記録、医師からの意見聴取、労働者などへの結果の通知、所轄の労働基準監督署長への結果報告と必要な事後措置を行わなければならない。

(備考)
同分科会の資料や議事録は、厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp)の「審議会・研究会等→労働政策審議会→安全衛生分科会」に掲載しています。

<参考>

電離放射線障害防止規則の改正に併せて、緊急作業従事者の長期健康管理に関する大臣指針を改正する予定です。

「東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針」(平成231011日東京電力福島第一原子力発電所における緊急作業従事者等の保持健康の増進のための指針公示第5号)

【大臣指針改正のポイント】

1 名称の変更
    指針の名称を「原子力施設における緊急作業従事者等の健康の保持増進のための指針」に改める。
 
2 緊急作業従事後の健康管理
  ・ 緊急作業時の被ばく線量が100mSvを超えた者に対するがん検診等の項目に、胸部CT検査等を加えるとともに、感染症検査、慢性腎臓病の検査、禁煙指導を追加する。
  ・ 可能な限り全員にストレスチェックを実施する。
 
3 通常被ばく限度を超えた者の事故発生時の次の線量管理期間以降の線量管理
    事業者は、通常被ばく限度(5年100mSvかつ1年50mSv)を超えず、かつ、緊急被ばく線量と通常被ばく線量の合算が、生涯で1Sv(シーベルト)を超えないように管理する。
 
4 事故発生時を含む線量管理期間内での通常被ばく適用作業での線量管理
    事業者は、緊急被ばく線量と通常被ばく線量を合算した線量が100mSvを超える者について、原子力施設の安全な運転などを担保するために必要不可欠な要員に限り、追加的に、年間5mSvを超えない範囲で通常の放射線業務に従事させることができる。

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