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平成25年9月20日

【照会先】

労働基準局 安全衛生部 労働衛生課

電離放射線労働者健康対策室

室   長 得津 馨

室長補佐 安井 省侍郎 (内線2181)

(代表) 03 (5253) 1111

(直通) 03 (3502) 6755

報道関係者各位


福島県内の放射線業務従事者等に対する健康診断の実施状況を公表します


1 厚生労働省では、法令(注1)に基づき、事業者に、放射線業務や除染等業務に従事する労働者に対する健康診断の実施、所轄労働基準監督署への実施状況の報告を求めています。

  今般、各事業者からの報告などをもとにデータを整理し、富岡労働基準監督署管内(注2)を含む福島労働局管内(注3)における放射線業務従事者等の健康診断の実施状況をとりまとめました。(詳細は別添参照)

(注1)「電離放射線障害防止規則」(電離則)、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(除染電離則)

(注2)東電福島第一原発、東電福島第二原発を所管する労働基準監督署。平成24年の電離健診受診者のほぼ全数が原発関連又は除染関連の従事者。

(注3)平成 24年の電離健診受診者の約8割は、原発関連又は除染関連従事者。約2割は、保健医療、教育研究従事者など。

ポイント

● 電離健診の有所見率(注4)

・平成24年の電離健診の有所見率は、全国平均で 6.90% 、福島労働局管内で 6.26 、富岡労働基準監督署管内で 4.21% となっており、震災前の平成22年と比較すると3〜4ポイント上昇(表1)。

・各項目(富岡署管内抽出調査)では、最も有所見率が高かった「白血球数」で、 2.2% であり、平成22年と比較して 1.5 ポイントの上昇(表2)。

( 注4)「有所見」とは、医師により、「要精密検査」「要治療」「要経過観察」などの所見が記載されているものをいう。なお臨床検査の基準値は、一般的に、一定の基準を満たした自覚的にも他覚的にも健常な人(基準個体)の約95%が含まれるように設定される。なお、「白血球数」は、喫煙、感染症等、放射線以外の要因でも変動する。

● 除染等健診(注5)の有所見率

・平成24年の除染等健診の有所見率は、全国平均で 5.48% 、福島局管内で 5.48% (表1)

( 注5)除染電離則が平成24年1月に施行されたため、平成24年以降の実施状況のみ。

● 一般健診の有所見率

 ・平成24年の一般健診の有所見率は、福島局管内は53.11%であり、平成22年と比較して1ポイント上昇した。署別でみると、いくつかの署で有所見率が上昇し、富岡署管内は63.86%であり、9.8ポイント上昇した。最も有所見率が高かった「血中脂質」で48.42%であり、11.50ポイント上昇した(表4、表5)。

● 被ばく実効線量及び報告事業場の入れ替わり

・福島局管内の電離健診では平成 23 年の被ばく実効線量が 5 ミリシーベルト を超える割合は 32.5% だが、除染等健診では 1.9 %。各区分の中央値を使った推定加重平均は、 電離健診が 10.26 ミリシーベルト 、除染等健診が 2.80 ミリシーベルトと約 3.7倍の開きがある (表3)。

・富岡署管内の電離健診での平成 24 年と平成 22 年の報告事業場を比較したところ、平成24年の報告のあった 545 事業場中 382 事業場( 70.1% )は入れ替わっていた

● 考察

(1)   平成24年の報告のあった富岡署管内事業場のうち 70%は平成22年の報告事業場から入れ替わっており、同一集団ではないため単純な比較は困難である。このため、平成22年と平成24年の有所見率の比較により健康状況の変化を評価するためには、年齢構成、喫煙・飲酒等の生活習慣、既往歴などの情報が必要であるが、報告事項に含まれていない。

(2)   電離健診と除染等健診での有所見率と被ばく実効線量の分布を比較したところ、被ばく線量分布が大幅に違う(表3)にもかかわらず、有所見率の差は、0.78ポイントにとどまっており(表1)、放射線被ばくと有所見率の上昇の関係は明らかではない

なお、一般健診については、労働基準監督署の所在地から東電福島第一原発までの距離と、有所見率の推移には特段の関連性は見られない(表4)。

(3)   平成24年の電離健診の有所見率に関し、各検査の実施率が約20ポイント上昇していることが影響(注6)していることも考えられた。このため、項目別に有所見率を抽出調査したところ、有所見率は最大の「白血球数」で2.2%であり、上昇幅も1.5ポイント程度であった(表2)。

なお、健康障害が発生している者のみならず、「健常人」でも、検査値が基準範囲外となる可能性が5%あるとされており、 2.2%の有所見率は、この範囲に含まれる (注4)

( 注6) 電離放射線障害防止規則や除染電離則では、前年の被ばく線量などに応じ、医師の判断により、問診以外の項目(血液、眼、皮膚の検査)の省略が認められている。事故後、東電福島第一原発での作業従事者については、被ばく線量にかかわらず、検査を省略しないように指導している。
 従って、平成22年は、問診のみを受診し、血液検査を省略した者は、有所見率の分母(受診者数)に入るが分子(有所見者数)には入らないため、その分、有所見率が低くなっている可能性がある。

2 厚生労働省の対応

(1) 東京電力と元請事業者に対し、有所見者に対する事後措置を適切に実施するよう、以下の事項について指導します。

   事後措置指針(注7)に基づいた適切な事後措置を実施すること

   元請による関係請負人に対する指導援助を実施すること

   関係請負人に対し、福島産業保健推進センター、福島県地域産業保健センターの活用を促すこと

(2) 放射線による健康影響の評価には、年齢構成・喫煙・飲酒・既往歴などの調査を含めた厳格な疫学的研究を実施することが必要不可欠です。このため、必要な疫学的研究を着実に実施していきます。

   平成25年度:白内障に関する研究、甲状腺に関する研究

   平成26年度以降:平成25年度実施研究に加え、必要な研究を着実に実施。

 (注7)「健康診断結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」(平成8年10月1日健康診断 結果措置指針第1号)。ポイントは、(1)二次健康診断の受診勧奨、(2)健診結果についての医師等からの意見聴取、(3)就業上の措置の決定、(4)健診結果の通知、(5)保健指導等。

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