閣議後記者会見概要

H21.07.14(火)10:44~10:59 省内会見室

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別御報告はございません。
一つ私の方から御報告は、緊急人材育成支援事業についてですが、色々と準備を進めて来まして、7月29日以降訓練を順次開始できるように進めております。訓練受講を希望する方に対しましては、明日以降、全国のハローワークの窓口で、認定された職業訓練の情報を順次提供すると共に、訓練コース、訓練・生活支援給付金に関する相談を開始致しますので是非御利用いただければと思います。これによって、生活保障が必要な訓練受講生に対しましては、早ければ8月10日の週以降給付金の支給が開始されることになります。これは先般の補正で決めた人材育成支援事業であります。

質疑

記者:
幹事社から二点ほど。昨日、総理が解散を決断致しましたが、それをどのように受け止めていられるでしょうか。もう一点、改正臓器移植法が成立しましたが、運用指針の改定など今後の対応を含め大臣のお考えをお願いします。
大臣:
まず第一点目ですが、これはもう決まったことですから、戦の日も決まりましたので戦に勝つことに全力を挙げる、それに尽きます。二点目は、これは議員立法ですが、ああいう形で決まりましたので、後は厚生労働省としては、その法の趣旨に沿うように、施行まで一年ありますから様々な準備を進めていきます。
記者:
解散の判断を巡って、麻生総理自身が当初思い描いていたスケジュールからぶれたのではないかという指摘もありますが、この決定に至るプロセス等については大臣はどのようにお考えでしょうか。
大臣:
解散権は総理の専権事項ですから、どのような形で決めようが、いつ決めようがそれは総理の御自由です。それから、皆さんがどれだけ情報を持っているか、様々な報道もありますけれど、そこは私は一つ一つ見たわけではありません。今は終わったことを言ってもしょうがないので、戦に勝つと、それだけです。
記者:
戦に勝つという中で、民主党との対立軸というものが重要だと思いますが、それはどういったところで強く打ち出していくべきだと思われますか。
大臣:
それは最大の問題である財源です。財源ということと実行可能性。野党で夢物語を言っている場合と、政権を担って現実にやる場合とは違います。それがきちんとできるかどうかということです。例えば母子加算の問題にしても、高校生一人、小学生一人が居て、東京都だったら二十七万円支給している。これはタックスペイヤー、納税者のお金です。これを更に積み増す為には納税者の御理解を得なくてはいけません。そういうことがきちんとできるのかどうなのか。最低賃金を千円に上げる。それは上がった方が良いです。しかしながら、そのことによって中小企業が立ち行かなくなれば、雇用の前提としての企業が無くなる可能性があります。これが現実なのです。だから各地で最低賃金の審議会に、色々な方、労使双方に入ってもらって一円の攻防を行うわけです。こういうことが政権を担う場合には必要なのです。そういうことについて、社会保障政策、外交安全保障政策、憲法、地方自治、一つ一つ詰めていけば隙間だらけです。したがって、関ヶ原の合戦でいけば、刀や槍を持って戦うわけですから、それは遙かにこっちの方が強いですよ。全国に応援に行って敵を倒してきたいと思っております。
記者:
都議選の結果に関して、都議選の結果が出る前の段階では、中央政界に影響が無いとは言えないという御見解を示されていたと思いますが、具体的にどのような影響が出ているとお感じでしょうか。出ていないとすれば、官邸や執行部がダメージコントロールをしたということでしょうか。
大臣:
中央政界に影響が無いなんてことを素面で言える人はいないはずです。当たり前のことであって、何度も私も応援に行って申し上げましたけれども、如何に候補者が良くても「自民党」と付くだけで軽視される。如何に候補者が悪くたって「民主党」と付くだけで選ばれる。政党選挙になっている。それは奈良の市長選挙もそうでしょう。名古屋市の市議会の補選もそうでしょう。各地でそういうことが起こっている。地域特有の問題だけではなくて、国政全体の問題が影響を与えているわけですから、我々の立場から言うと、永田町のごたごたが大変御迷惑をおかけして申し訳ないということでありますので、そのごたごたを鎮めて、戦が目の前ですから、挙党一致で戦うしかないという状況だと思います。
記者:
解散の詔書には署名されるということでよろしいでしょうか。
大臣:
まだ詔書が出ていません。今はもうそんなことを議論する場合ではないと思います。それはもう二日位前にそういう質問をするのなら質問の意味がわかりますが、今そういう質問をするというのは、失礼ですがセンスの無い質問と言わざるを得ないのではないかという思いがします。関ヶ原の日が決まっているわけですから、勝つことを考えないといけないので、そこに集中すべきなので、今はそういう質疑を交わすべき時期は終わったと思っています。
記者:
ごたごたを鎮めて一致結束してとおっしゃりましたが、党内の方では、都議選敗北したことに対する検証というか、麻生総理で本当に戦えるのかという声もありますが、そういう党内の動きについてどのようにお考えでしょうか。
大臣:
それは負けたことは国政に影響がある。これは事実です。私も現場に居ましたから良くわかります。それはきちんと反省をして総括をしないといけない。先程少し政策のことを言いましたが、政策もきちんと決まっていないじゃないですか。党として公約をどうするんだということを早急に決めて戦わないといけない。そういうことを一生懸命やるべきであって、その中で切磋琢磨があるのは良いのです。党内党、党中党のような人がいくつ出てきても構いません。要するに、切磋琢磨すれば良いので、我々は北朝鮮ではないのだから、独裁国家ではないし、独裁政党ではないので、様々な意見があって良い。闊達なる議論をして、まだ四十日ありますから、選挙前までほぼ一月ありますので、その間に党内の議論をやって、「この党は自由で闊達な議論が出来て切磋琢磨しているよ」と、そういうところで落とし込めば良いので、何もかも執行部の言うとおり「黙れ」ということではありません。それは一致団結して戦う。戦の時にこっちで一生懸命やっているのに向こうで足を引っ張る奴がいたら駄目ですから。まだ戦は始まってませんから、それまでの準備、どういう風にして兵糧をどこにやるのかとか、どこの兵隊さんがどこに走っていくのかとか、そういうことをちゃんとやらないといけない。それが我々自民党の強みなので、そういう自由闊達な議論と切磋琢磨ということが無いのならば。昔はこれは派閥がやっていました。派閥がその機能を果たしていたからダーティな首相が駄目ならクリーンな三木がいますよという感じで出てきて、それが擬似政権交代をやってきましたが、今、派閥が機能を失ってしまっているから、派閥でもグループでも何でも良いからやっぱり賑々しく議論をすべきだと思います。最後は一致団結をして、小選挙区ですから、一対一の戦いなので、勝つか負けるか生きるか死ぬか。勝つしかないのです。その戦略を早急に練らんといかん。そういう意味です。
記者:
先ほどの御発言の中で全国に応援に行くという発言がありましたが、ポスト麻生として御自身が選挙に出るというお気持ちはないということでしょうか。
大臣:
そういう議論はセンスのない質問です。ですから、戦が始まる、小選挙区なので勝つか負けるしかないのです。勝負というのは勝たないと駄目というあたり前のことです。ですから、そこを考えるということ以外なにも考える必要はありません。
記者:
トップの顔を変えているような時ではないということでしょうか。
大臣:
戦が決まって、そんな余裕があると思いますか。戦が決まった以上は戦わないとしょうがないのです。私は選挙がありませんが、仲間を討ち死にさせるわけにはいかないですから、全力を挙げて支えます。敵をやっつけることはできると思いますから、きちんと正面から堂々と政策論議を行えばこちらの方が遙かに強いですし、実績もあります。戦闘モードです。
記者:
臓器移植法の関係でお伺いしたいのですが、厚生労働委員会の中の質疑でA案が成立した後は、「脳死が人の死になるのか」という大臣に対する問いかけもあったと思うのですが、法律が成立しましたら政府としてどのように解釈されて行く予定なのでしょうか。
大臣:
解釈とかいう問題ではなくて、国権の最高機関が法律を決めたのですから、行政府はその法律に従って、脳死の判定をどうするのか、どういう組織が必要かということを一年間をかけて準備するのが仕事です。そのプロセスにおいて不明なことがあれば法律を作った方々、つまり国会議員、各党の代表、厚生労働委員会の理事達と議論をして行き、この法律をより実効性のあるものにするために国民の議論も欠かせないと思いますので、行政が解釈を独占するということであってはいけないと思います。
記者:
法案提出者が臓器移植法の中で、臓器移植に限って、脳死は人の死なんですという説明を繰り返し言ってましたが、この見解は所管省庁としても同一ということになるのでしょうか。
大臣:
法律をどう解釈するかということで、法律の解釈について疑義があれば内閣法制局、衆参両院の法制局に聞く。法律の解釈について一義的には法制局がもっています。しかし、それでも不明な場合には立法者の立法趣旨を勘案するということで、立法者が死んでいなくなったわけではなくて、まだいらっしゃいますから、そういう方々に聞けばいいので、私は厚生労働省が解釈権を持つとは思わないほうがいいと思います。
記者:
答弁者の中には、民間の医療保険が打ち切られたりする心配がないのかということに対して、不利にならないように関係者の協力を求めて行くとか、今回拒否の意思表示をすることが重要になってくると思うのですが、拒否の意思表示きちんとできるように、しっかりして行きたいということを提案者が言っているのですが、こういった議員立法の答弁内容については、今後は責任をもって臓器移植法を所管する厚生労働省が引き継ぐという形になるのでしょうか。
大臣:
基本的には立法者の意思ということになりますが、民主主義というのはマイノリティの意見をいかに尊重するかということがあります。ですから、附帯決議を付けたりするので、附帯決議はもちろん尊重しますし、その時に議論がマイノリティはどうだったかと、これは一年以内に決めることですから、まだ皆様の記憶にも新しい議事録も残っておりますから,当然そういう議論は行政施策の中に反映されるべきだと思っております。
記者:
新型インフルエンザの関連ですが、WHOがワクチン摂取の優先順位について医療従事者を最優先に接種させるということを盛り込んで勧告を決めたのですが、日本政府として日本国内のワクチン接種の優先順位はどのようにあるべきだとお考えでしょうか。
大臣:
関西でのシンポジウムの時にも申し上げましたが、今月いっぱいくらいに、専門家の方々の御意見を聞いてCDC,WHOの意見も取り入れながらやりたいと思っております。昨日の研究発表ですと、90歳以上には免疫があるけども90歳以下は免疫がないのだということが本当であれば、高齢者を外すわけにはいきません。そういうことを踏まえて、専門家の意見を聞く必要があると思いますので、今月いっぱいまでに決められるようにしたいと思っております。
記者:
昨日の原子爆弾被爆者医療分科会で、積極認定の幅を広げて認定されましたが、今後の解決に向けたお考えをお聞かせください。
大臣:
こういう形で認定ができる方が増えるのは大変結構だと思います。今日はバタバタしているので明日以降どこかで、官房長官と近々に詰めを行いたいと思っておりますが、事務レベルではどういう形での解決策が可能であるかということについて精力的に行っておりますので、近いうちに一定の方向が見いだせればと思っております。相手があることですから、相手の方々の御意見もいただいて、我々の意見も述べて一番良い解決法ができるだけ早く見いだせればと思っており、今、努力をしている最中です。

(了)