閣議後記者会見概要

H21.05.1(金)09:46~10:06ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議関係ですが、雇用関係、経済情勢の数字が出ました。3月の有効求人倍率は、0.52倍で前月の0.59倍を0.07ポイント下回りました。有効求人は前月に比べ7.9%の減少、有効求職者は4.6%の増加となりました。こういう数字を見ただけで、非常に深刻だということですが、失業率は4.8%となっており、2月の4.4%から0.4%上昇しております。失業者数は、実数で335万人となって、前年同月からの増加幅67万人というのは、99年2月と並び、過去最大となっているということで、大変雇用情勢が厳しさを増しているという認識でありますので、それを報告致しました。次に、新型インフルエンザですが、今、国立感染症研究所で検体の検査を行っていますが、この時点でまだ、正確な決定はでておりません。判定が出次第また会見を開くなどして、お知らせをしたいと思っております。昨日からの一連の流れについて、対策本部が閣議の後に開かれたので、私の方から報告をしておきました。昨日の一連の中での反省点を考えると、これは、我々中央の政府だけでは駄目なので、国民全体が協力をすることが必要です。特に地方自治体がしっかりしてもらわないと困ります。私の会見が遅れた理由として、第二段階のPCRが解析不能という答えが返ってきて、それから問い合わせをしたら電話が通じないというのは、組織として危機管理の体を成しておりません。具体的な状況をつまびらかにしていただきたいと思いますが、少なくとも横浜市長、神奈川県知事にこの情報が上がっていたのかどうなのか。神奈川県民であれ、横浜市民であれば、その生命を守る最終の責任者は市長ですね。もし情報が上がってなければ、組織としての危機管理体制が成っていないということです。私はやっぱり、こういう時は、上に立つ者がきちんとリーダーシップを発揮して危機管理をやらなければならないと思いますので、是非これは、神奈川県、横浜市に対して、組織として危機管理に問題があれば、是非これは見直していただきたいし、改善をお願いしたい。それから総務大臣にもお願いしましたが、やはり昨日のような場合にホットラインを作っておく必要があります。役所にかけても電話は繋がりません。また、個人的な友達でもなければ、全国1、800の首長さんの個人の携帯番号を私は知って持っているわけではありません。だから、こういう危機的な状況に、我が政府としても反省しなくてはならないのは、ホットラインを全首長と結んでおくということが必要なので、こういう改善を直ちにやるということを今日対策本部でも申し上げましたし、我々も総務大臣と協力して、着手をしていきたいと思います。それから、国土交通大臣に対しては、航空会社の対応が遅く、乗客名簿を出してくれといってもすぐに出さないのです。例えば、あの高校生が乗っていたJALの便も一刻も早く出してもらわないと、周辺に乗っていた乗客はどうするのですか、それから、そもそも、10日前に遡って追跡するといった時に、やはりJALから乗客名簿がすぐに出てこなかったのです。これは国土交通大臣にしっかり指揮、監督してもらって、全国民の生命に関わることですから、航空会社の社会的責任としてきちんとやってもらわないといけないと思います。それから、ゴールデンウィークで海外に出られた方が帰ってくる入国ラッシュの時の検疫体制が非常に大事ですから、検疫官を増やさざるを得ません。私の傘下にある厚生労働省関係の医療機関に総動員をかけていますが、それでも足りませんので、文部科学大臣の傘下にあります国立大学からの支援の要請をしたところであります。あと、国民の皆さん方にお願いをしたいのは、ゴールデンウィークに行かれるにあたって、マスクの着用とか、海外での情報の入手、手洗いの励行、自らの身は自ら守るんだということで、情報収集をしながら本当に注意していただきたい。それから、日本に帰って来られたら、ひょっとしてウィルスに感染している場合がありますから、自分の体を良くチェックして、10日間何も出なければ安全ですから、是非そういう注意をしていただきたいと思います。それから、国民の皆さんに、発熱、咳、鼻水、いわゆる風邪というかインフルエンザの症状があった場合には、病院に行かないで下さい。これが大事です。病院に行かないで、保健所とか、発熱相談センターに電話をしていただければ、「あなたの住所の最寄りのところはこういう病院が担当ですからそこに行って下さい」ということになります。これは、新型インフルエンザに罹った場合にも、封じ込めということに通じていきますので、是非病院に行かないで、保健所や発熱相談センターにまず電話で相談していただきたい。そして、どうしても近くに医療機関が無いような場合は、お医者さんをこちらから自宅に差し向けますので、自宅でじっとしているというのが一番外にウィルスを拡散させない手段です。そして、一刻も早くちょっとでも熱があったり咳があったら、気にしないでどんどん相談して下さい。早く発見して早く治療すれば、タミフルやリレンザが効きますので治ります。自分の体を守る為にも正直に一刻も早く申告すると、それは迅速性が求められているので、どうか国民の皆さんよろしくお願いいたします。まだ横浜のケースは白黒わかりませんが、やはり人混みに出るときはマスクを着用するとか、外から戻ってきたらうがいや手洗いを励行するということで、自分の体を清潔に保つという努力をしてもらうのが一番だと思いますし、機会がありましたら、私の方から訴えかけます。横浜の高校生の場合も普通に病院に行ってしまったのですが、是非、報道なさる皆さん方の協力も得て、病院に行かないで、まず保健所や発熱相談センターに電話で相談して、指示を仰いでいただきたいということです。以上、私の方から国民の皆さんへのお願いも含めて、申し上げました。昨日のように緊急事態があった場合には私の判断で、何時であれ、真夜中であれ、国民に一刻も早く正確な情報を伝えたいと思います。報道機関の皆さん方にも是非協力をお願いします。そして、国民の皆さんには正確な情報を私がお知らせしますので、冷静に行動をしていただきたい。きちんと早期に発見して治療すれば治りますから、ご安心いただいて、どうか政府を信頼していただいてやっていただきたい。昨日のように、一つ一つのケースで反省すべき点があれば、これは自治体との連携体制を含めて、危機管理体制を水も漏らさぬものにするために、一つ一つ実際にやった時に問題があれば改善をしていくことが必要なので、全力を挙げて危機管理に望みたいと思っております。みんなで協力をすれば、報道機関も皆さんも色々な新聞やテレビ等でマスクの着用の仕方や、情報の取り方とか、保健所行ってくださいといったことをおしゃっていただいて大変助かっています。国民が一丸となって協力をすれば、この目に見えない敵であるウィルスとの戦いに必ず勝てると思っていますので、是非オールジャパンで、全員の力を合わせてウィルスと戦いたいと思っています。

質疑

記者:
感染の疑いのある高校生の最終的な結果というのはいつ位に出そうでしょうか。
大臣:
まだ正確にはわかっていません。今段階ではまだ出ていないということは国立感染症研究所からいただいていますので、出次第すぐ公表する形で、会見や何かを皆さん方にご協力をお願いしたいと思います。
記者:
連絡の取れなかった横浜の方には、その後連絡を取られたのでしょうか。
大臣:
まだ、私もずっと対策本部の準備をやっていましたので、まだ取れていません。時間的にもおそらく9時からしか始動しないでしょうから。今から、官邸、内閣官房、官房長官や総理に申し上げて、「こういうことであってはいかん」ということで、私が直接言うか、官邸から言うかを含めて。ただ組織としては、危機管理をしっかりしてくれと総務大臣から通達が行くと思います。
記者:
先程の対策会合ではどういう意見やお話があったのでしょうか。
大臣:
一応私からの報告で、あとはそれぞれ今行っていることについて、例えば総務大臣は自治体に対してしっかりと指示をしたりというようなことも含めてありました。対処方針が決まりました。これは官邸のほうでブリーフをやっていると思います。前は国内感染ということを前提に置いておりませんでしたから、国内で患者が発生した場合にはということを加えて、ウィルスの特徴、感染拡大の恐れに応じて、弾力的、機動的に以下の措置を講ずるということです。まず第一が積極的な疫学調査の徹底、二番目は患者や濃厚接触者が活動している地域内における感染拡大防止措置の徹底、まず外出にあたってはマスクの着用、うがい、手洗い、せきエチケットの徹底等の呼びかけ、不要不急の外出自粛の要請、時差出勤や自転車等による通勤の要請、集会・スポーツ大会等の開催自粛の要請、必要に応じ、学校、保育施設等の臨時休業の要請、事業者に対し、不要不急の事業の縮小の要請、ということが実際に国内で発生した場合には施策として動いていくということを第一回での基本方針に付け加えました。したがって、基本的な方向としては、水際作戦もしっかりやる。昨日、それで成田の二十代の女性はそこで、食い止めて、幸いシロでしたから良かったです。横浜の高校生もシロであることを願っていますが、そうでない場合に、水際対策なので、国内にウィルスが入っているという前提で、大きく体制の変更をやらざるを得ないと思っていますので、それは結果が出次第直ちに動ける体制を取っております。
記者:
国内発生早期の引き上げを検討しているということでいいのでしょうか。
大臣:
問題はH5N1の鳥インフルエンザ、強毒性をことを想定した行動対処方針です。ですから本当に弱毒であって、死者の数がメキシコ以外ではさほど拡がっていないということを考えますと、そのままH5N1用の対処方針でいいのかどうなのかというのはあります。やはり、皆様外出したり、お買いものに行ったりしますし、学校も休校しない方がいいわけです。国民の利便性、経済活動もありますし、それと生命も守らないということとのバランスを、ウイルスの特性、国際情勢を見て、全体状況を把握しながら行動したいと思っておりますから、何段階上げるとか、下げるとかいうことではなくて何が一番国民にとっていいのか。
記者:
今回の診断手順で簡易検査というのはあくまでAかBかと判断で、簡易検査の段階で陽性になった場合の情報提供の在り方と、国民に対するメッセージをお願いいたします。
大臣:
これは検疫で昨日のように成田で見つかって、簡易キットでA型だと分かると、その段階で危機管理体制を行いますから、それは昨日の夜お知らせいたしました。それから第二段階の検査を行った時に、これで同じA型でも、A香港型ということが分かりそれはまた情報提供いたしました。やはり、情報は基本的に公開して提供できるものは提供する。もちろん個人のプライバシー等は伏せますが、それが一番の危機管理の基本だと思っております。
記者:
病院に行かないで発熱センターの方に電話をしてくれという話でしたが、保健所や発熱センターの体制の強化はどのように図られているのでしょうか。
大臣:
例えば、厚生労働省のホームページを見ていただくと、各地の保健所の電話番号が書いてありますので、まず、そこに電話していただければ保健所で対応いたしますし、今各自治体も広報を一生懸命行っていただいております。例えば、東京だったら発熱相談センターは何番ですよとあります。保健所や、自治体に設置しております発熱相談センターは全都道府県で設置が終わっておりますので、そこに相談してください。
記者:
連休中の人員は十分確保されているのでしょうか。
大臣:
連休中も不眠不休で行うということで、時間は朝9時から、夜9時とか細かい規定はセンターによって違うと思いますが、そういうことを含めて周知徹底します。後ほど事務方から、そのことにつきまして各地の電話番号ですとか、どこに設置しているか、何時までやっているか、紙にまとめて配布させます。
記者:
政府の行動計画の段階引き上げですが、今回の高校生がクロと判定されても、国内発生早期の第二段階引き上がらずに、改めて検討するという理解でいいのでしょうか。
大臣:
何段階とかいうのが大事ではなくて、国内で発生したという途端に発想を変えないといけません。これが大事です。ですから、私が昨日深夜に会見をしたのは、発想を変えないといけない、「全国民が発想を変えてくださいよ」と言うためです。大幅に変える必要があると思っております。それは水際対策ももちろん行いますが、仮に横浜の高校生がクロであった場合、何日間か横浜を中心に生活して、クラブ活動も行っていたとか、しかも五百人一緒に修学旅行に行っていれば感染する可能性もあります。くしゃみをするだけで百万から二百万のウイルスが飛散するわけですから、感染力は非常に強いと思います。基本的には体制を大きく変える。だから国内で戦う、具体的に言えば医療、初期出動の体制、それでなくても医師不足で困っているのですが、そこに重点的に人を当てます。例えば、昨日の成田の場合であったら、日赤の施設に入っていただきましたが、周りにいた乗客の皆様もある場所に滞留してもらうことを各地で行わないといけません。成田の場合はたまたま私達が持っている建物がありましたから、そこを使うことが可能だったのですが、各地でそれがあるか点検をしないといけません。一番国内体制に切り替わった時に現場の自治体がしっかりしているか、首長がしっかりしているかで全く様相が違います。ですから、ある街に住んでいたら命が助かるのですが、この街に住んでいたら命が助からないということが起こりうるのです。ですから地方自治と口でいうのは簡単ですが、それだけ厳しい重いものなのです。我々は全面的に助けますが、今、私達がここで一生懸命やると言っても、北の網走と南の沖縄へ私が駆けつけて人道支援をするわけにはいきません。那覇の市長、釧路の市長、稚内の市長はどうしているということになるので、まさに、地方自治体の真価が問われます。我々は全面的に協力します。ですが、現場が一番大事です。大変御苦労ですし、自治体の職員の皆様も、首長も大変だと思いますが、ここが正念場ですから第一線ががんばっていただきたいと思います。

(了)