閣議後記者会見概要

H20.09.26(金)10:27~11:09 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今閣議が終わりましたが、特段ご報告することはございません。

質疑

記者:
閣議後に官房長官と何かお話されていたようなのですが、それは何でしょう。
大臣:
一つは原爆症訴訟の対応についてどうするか、それから後期高齢者の問題。今時間調整をしておりますが、できれば午前中の内に官房長官とそれらの点についてお話をしたいと思いますので、官房長官のお時間と私の時間を調整して午前中に一度お会いすることになると、今時間調整中です。
記者:
具体的な話はどういう内容なのですか。
大臣:
今から話をすること、要するに今日お話をしようということの話をしてきました。この後午前中どこか官房長官と私の時間が合うところで会って今のような問題について、特に原爆症訴訟の対応について今の段階で考えられることを考えていこうということです。
記者:
昨日、小泉元首相が辞意を表明しましたが大臣のお受け止めは。
大臣:
本当にびっくりしました。おそらく小泉さん流の一つの哲学とか、小泉さん流の美学というか、総理をおやりになる、そして、その次にある選挙に出るかでないかというのは一つの政治家のポリシーですので、おそらくそういうところで自分の流儀を全うされたのかなという感じがしております。それはご本人に直接お伺いしたわけではございませんので、まずはびっくりしたと。しかし、それはそれぞれの政治家が出所進退を含めておやりになることですから、そういうふうに受け止めています。
記者:
まもなく行われる副大臣の人事ですが、鴨下副大臣は以前から辞任の意向を示しておられますが、大臣はご存じでしょうか。
大臣:
今は大臣も、副大臣も、政務官も、総理がお決めになるというか、事実上私が副大臣、政務官を選ぶのではなくて、内閣全体で選ぶ訳ですから、それはご本人の希望があればお辞めになったりということもあるでしょうし、後任の人選もまた内閣全体でおやりになることなので、それはそう決まればその通りにやります。鴨下さんは福田内閣の下で大臣経験者として大変力のある方で、私はいつもこの厚生労働省は3人大臣が必要なくらい大変だと申しあげておりますので、特に年金記録問題が大変ですから、そういうところでがんばっていただくということでいらしていただいたので、福田内閣が終わりましたのでおそらく鴨下副大臣としてもそういうことも勘案されて辞意をご表明なさったということだと思います。直接お会いして聞いておりません。辞意を表明なさっているということは聞いております。そして、また次にどなたがなるかということもこれも官邸の方に決定権がありますから、お任せしております。その結果についてはまだ何も聞いておりません。
記者:
後期高齢者医療制度について少し前の話になってしまいますが、麻生首相が舛添大臣に渡す閣僚の指示書の内容が制度を抜本的に見直すということが、必要な改革を実施すると表記に土壇場で直ったという話なのですがその経緯と、その言葉のニュアンスについて大臣はどう受け止められているかということをお聞かせください。
大臣:
質問がありましたから、私が最初に言ったのは一つのテレビ局だったものですから、他の局に方に良く通じていなかったりなどがありますので、少しお時間をいただいて、正確なところをお話しておきたいと思います。まず、後期高齢者医療制度には大変良い面があるし、相当改善をしました。例えば、10月15日から470万人の方が天引きのストップになり、無料になる訳です。こういうことはありますが、やはり、ご高齢の方がなんで75歳で線引きするのとか、天引きは嫌だよという声があって不満があります。だから、いかに論理的に良くても国民感情がある訳ですから、国民が嫌だというものは変えるというのは政治家の義務ですから。こういうことをずっと議論してきましたし、私は現場の担当者としてそのことを一番良く知っております。それで、いろいろな政治家と話をする。麻生太郎さんという人は私と故郷が同じですから、中選挙区の時は私の家は麻生さんの選挙区の中にありました。それから、お互い政治家になる前から30年以上のつきあいで、一緒に船に乗ったりだとか、そういうことを含めていろいろなことをやっております。しょっちゅう喧嘩もする、言葉が悪いですからね九州の川筋ですから、馬鹿野郎と言って喧嘩しあうこともあります。それは町村さんも同じことで喧嘩しあっても40年来の友達、こちらも同じようなものです。非常に長いつきあいの中でいろいろな議論があります。総裁選の前だってそういう議論をしておりました。その中でやはり、良い面がたくさんありますし、相当改善したんですがどうも国民の不満があるよねと。それで、大臣はどうだと言われるから私もやはりそれは感じていますよと、だから、これを良い方向に改善した方がいいし改革したほうがいいし、必要な見直しをやった方がいいということで総裁選中も電話で話をしたり、一緒に食事をしたりといろいろなことをやっています。他の候補とも同じようなことをやっております。それで一番大切なことは、麻生内閣総理大臣がどういうお考えを持って、どういう発言をなさって、どういう方向で進もうとなさっているのかということが一番大事なのです。ですから、私は内閣の一員としては麻生さんに任命されたのですから、総理大臣と一緒になって、総理のおやりになりたいことをやるのが私の務めです。それで、日曜日に麻生さんがいろいろなテレビに出ておられました。例えば、NHK「日曜討論」。総理の言葉は一番重いですからそのまま引用します。「抜本的に見直すことは必要だと思います。」とおっしゃっています。それから「悪いということでこれだけ国民の反発が出るような話、納得していただけないということであれば非を改めるというふうに、長く時間を掛けたのではなくて、駄目だと分かったならさっさと。僕はそんなに悪い制度だとは思っていない。ただ、説明は難しいのですよ。説明は導入した時から、ましてや、市町村でやるような話をしていたのが、広域連合なんとかですることになって、誰が説明するのかよく分からなくなって、ある日突然に、ということになったのがこの前。」。司会者の方の質問は「麻生さんの個人的な考えではなくて、政権を取られた政府・与党の方針としてきちんとするのですね」と。「見直す。私はそう思っておりますよ」と総理はおっしゃっている。テレビ朝日「サンデープロジェクト」も同じような内容です。次にフジテレビ「報道2001」。私も全部見ておりましたから、麻生総理が何を言っているのかというと「私は基本的にはこの問題に関しては75歳だからと言って年齢制限などというのは付けない。だってどう考えても石破さんより俺の方が元気そうだもん」とおっしゃっておりますね。それから、司会者が「後期高齢者医療制度を廃止するべきだと考えますか」と言ったら、「高齢者制度は全面的に見直すべきだと思います」とおっしゃってます。それから、そこから先は大事なので読みますが、「見直し方はいろいろあると思いますよ。だけど今、後期で分けるということによって非常に私は、古希高齢者というならばともかく、後期高齢者という名前からしていかがなものかということは最初から申しあげていたことなので、僕はそれが1点」これが第1ですね、つまり、75歳を線引きしないことをおっしゃっている。2番目「それから、天引きというのはこれは制度として間違っていないのだろうし、組合員費だって全部給料から天引きになっているんですから、そういった天引きは悪くないと思うけれども、天引きを強制した形になっているのがいかがなものかということを申しあげているのが2点。後は世代間でなんとなくということが起こっていることがいかがなものか。この三つだけは見直した方がいいのではないですか。」。これは麻生総理の言葉ですよ。それから次に、質問は「これが麻生内閣でもう一回医療制度改革をやるのか」ということを聞かれて、「抜本的に見直すべきだと私は思いますけど。」とおっしゃっている。それからさらに、「じゃ75歳で切らないで、別の保険制度を作る、それでいいですか」と言ったら「これはそういった単純にやる話ではなくて、詳しいことは私も病院を経営しているから分かる。だから、結構病院の現場には詳しいのですよ。そういった意味で今申しあげたいのはこういったものを考える時に、これだけぐちゃぐちゃになっていますから、部分的に修正してもですね、たぶん粗を探せばいくらでも出てきますから、僕はそういった意味で皆が納得できるためにはもう一回きちんとこの制度を抜本的に見直す、時間を掛けてやらないとおかしいでしょう」という言葉にすべてが尽きております。したがって総理と私は先ほど言いましたように昔からの何十年もの付き合いがあり、いろいろ議論をしてきた。それで、私はその総理の考えを同じことを申しあげただけで、これが総理のお考えです。したがって、閣僚は当たり前の事ですが、政府・与党も総理がこれが自分の施策でおやりになりたいということをしっかりと支えて実現して行くことが責務であるべきですね。少なくとも自由民主党は麻生さんを自分たちの総裁に選んだのですから、その総裁がおやりになりたいということを実現させるのが私たちの責務だと思っております。それから先ほどの、総理の執務室でどういうことがあったとか、与党のPTの会議でどういうことがあったということは話をしないことになってますし、私はそういう約束をきちんと守る政治家ですから、そういうことは話をいたしません。しかしながら、原文に総理の言葉で、総理が指示する訳ですから、党が指示する訳ではないでしょ、抜本的な改革と書いてあったのは必要な改革に修正されたのをいただきましたということは、修正は知っております。どういう経路で誰がどういうふうに修正したかということは言わないことになってますから、いろいろな報道がありますが私は申しあげません。しかし、先ほど私が読んだのは麻生さんの肉声ですから、このことを実現する責務がある訳です。必要な改革、いいじゃないですか、私は抜本的な改革でも必要な改革でもなんでもいいので、改革をやるのです。言ったように三つの点を総理がおっしゃっているのですから、「75歳で切られるから嫌だ」と言ったらそれを直さないといけないでしょう。「天引きの強制が嫌だ」、直さないといけないでしょう。世代間の争うのは駄目だと三点総理がおしゃっているじゃないですか。それをきちんとやるのが私の仕事でありますし、与党の仕事でもあるという思いで断固としてその改革を成し遂げるつもりでおります。
記者:
私の認識で合っているか分からないですが、抜本的ということが、必要なというニュアンスはポイントが割と集約されていると思いますが。
大臣:
皆さん言葉尻を捉えて、今ここにいる方は全部分かると思いますよ。すぐトーンダウンしたとか。昨日朝日新聞の記者ですか、今日はおられないですが、説明しましたでしょう、どういうことかと。総理のおっしゃった三つのことを改革するにはどうするか。75歳で切られるのは嫌だというのはそうでない制度に変えた時に、運用でやろうが、制度の改革であろうがなんであってもそれの答えが出ればいいのですよ。天引きの一方的な押しつけを弱める答えは半分くらい出てますけど、すでにやってますが、それが出ればいい話であってそれがポイントなのです。そこをこうでもない、ああでもないということではなくて前に進めるしかない。私が昨日ここにおられる方も傍聴されたと思いますが、「第1回高齢者医療制度に関する検討会」がありました。あそこでもまさにほとんどいい解決案を皆さんおっしゃいました。私が昨日、就任後初の会見で「広域連合に入るのを前期も入れるような広がり方はどうか」と高知県の例も出して言ったのを覚えているでしょう。ほとんどの方が昨日の有識者の懇談会だと、「広域連合は無責任だ。都道府県に変えた方がいい。」皆が賛成なのだからこれなんかは改革が出来る訳です。私もそう思っています。そうすると、広域連合をきちんと都道府県の責任に変えたら、抜本的な改革なのですか、制度の根幹的な改革なのですか、そんなことはどうでもいいのです。変わることになって良くなればいいのです。ですから、いろいろ案がすでに一回会議をやっただけでいろいろ出てきている。こういうことで議論を積み重ね、関係の諸団体とも、医師会とも議論しようと思っておりますから、我が党は自由な党ですからいろいろな意見が国会議員もおりますからね。だからそれは皆の意見を集約してそこに持って行けばいいので、一番大事なのは麻生内閣総理大臣、麻生自民党総裁がやりたいと言うことを実現させるということが責務です。その根本的なことを忘れてもらっては駄目なのです。私にとっては必要なニュアンスがどうだとか、抜本的な改革はニュアンスがとかどうでもいいです。改革することが必要なのです。それで、私は麻生総理や私が今進めようとしていることは今間違っていないと思うのは、この自由民主党、公明党連立政権合意の中でこう書いてあるじゃないですか。「さらに長寿医療制度については、高齢者の心情に配慮し、法律に規定してある5年後見直しを前倒ししてより良い制度に改善する」と書いてある。まったく私の言っていることと変わっていない。そして、今日読売新聞の朝刊を見てみると、この政権合意について7割の国民が評価しているじゃないですか、約7割ですよ。ですから私は、麻生総理もそうですが、国民の目線でやれと、弱いもののことを配慮しなさい、官僚を使いこなせということを会見でもおっしゃっている訳ですし、私はこの政権合意は立派な合意です。高齢者の心情に配慮してと書いてあるでしょ、高齢者の心情の一番は何かというと75歳で切られることが嫌だと言っている。この心情に配慮してより良い制度に改善する。改善という言葉がいいか改革という言葉がいいか、抜本的か、そんな言葉の遊びをするような暇はありません。一刻も早く良いものを作るということでやって行きますので、誰が国民の方を向いて仕事をしているかということを国民が良く知っています。国民がきちんと支持をするという思いで断固としてこの自公両党の政権合意に基づいて新内閣として麻生内閣の厚生労働大臣として職責をきちんと果たして行くということに尽きます。
記者:
後期高齢者医療制度で、昨日で与党PTでの説明があったと思うのですけれども、大臣から「制度の根幹を変えるつもりは無い。」という発言があったという報道も一部であるのですけれども、その事実関係について教えていただけますでしょうか。
大臣:
まず、あの場の議論は口外しないということになっています。そういう政治家の基本的な約束が守れないというのは極めて遺憾である。まずそれが第一。それから、報道なさる方も、そういうことをそこに参加した人が言うのならば、私の所に来てちゃんとウラを取ってから報道をすべきであると思います。今質問が出ましたから申し上げますけれども、それは約束ですから中身は言いません。あれは与党のPTであって、私は呼ばれたから行った。舛添厚生労働大臣がああいう抜本的な見直しをやるなんていう発言をしたことの経過を説明しろといったから先程皆さんにご説明したように麻生さんとこういう議論をし、こういう問題点があるということでお話をしたということを言ったのみであって、これは与党の話ですし、私は政府の代表ですから、私がそこでこれが良い、あれが良いと言える立場にありません。したがって、そういうことは、つまり、何を話したか言ってはいけないことになっておりますけれども、少なくとも、そういう報道について正しいのですか、正しくないのですかというと、私は先程、記者のご質問に対して答えたとおり、それ以上のことはありません。昨日は経過説明をしろと言ったので経過説明をしたということであります。それ以上でも以下でもありません。
記者:
報道各社の世論調査で麻生内閣の支持率が5割前後という結果が出ましたけれども、これの受け止めをお願いします。
大臣:
確か福田内閣の発足時が57%近く、6割近くあったと思いますから、それにくらべれば1割近く低いわけなので、それは厳しく受け止めないといけないと思っております。しかし、その中ではっきりとこの政策を掲げて国民のために仕事をするんだということを出していけば自然とそれは国民の評価も集まると思います。しかし、出だしの数字としては、やはりこれは5割超えているところもありますが、5割前後、50%前後という数字は、発足した内閣としては、非常に謙虚に受け止めてそういう国民のご批判に対してどう応えるか、仕事で応えるしかないと思います。私も麻生内閣の一員としてこの数字を厳しく受け止めて全力を挙げて麻生内閣の政策を実現していきたいと思っております。
記者:
FNNの世論調査で最も期待できる閣僚NO.1に大臣が選ばれたのですけれども。
大臣:
そうですか。それは知りませんでしたけれども、やはりこの厚生労働行政というのは、皆さんの一番身近にあるところで、例えば、外務省とか防衛省に比べれば、食の安全にしても、家族が病気になればもろにこれは厚生労働省の管轄になります。それから、今フリーターの方とか労働の問題もありますから、そういう意味で、身近な、皆自分の毎日の生活に関わっているところですから、当然それは関心が高いので、そういうことがそれに反映していると思います。それだけにやはり身を引き締めて、国民のためということも、右顧左眄することなくどうすれば国民の皆さんが幸せになるか、その一点のみを掲げて仕事していく。それを邪魔する者がいれば全力を挙げて戦う。そして、総理は、「官僚機構を掌握しろ。」ということを言っておりますので、今は少なくとも私は、私の命に反するような役人がいれば直ちに首を切る。国民のために仕事をしない。誰の方を向いて仕事をするのか。なぜここまで厚生労働省が悪くなったのか。それは、職員皆が反省してやらないといけない。そのためにこの一年間改革を続けてきたのです。この改革をやめては駄目です。一部の議員の方を向いて仕事をして良いのか。国民全体の方を向いて仕事をしないからC型肝炎の問題だってずっと解決しなかった。お医者さんの不足の問題だってそういうことだったわけですから。私は、謙虚に国民の声を聞いて、国民の希望を叶える道がどうあるか。だから、その国民の支持ということしか武器がないのです。ここまでこれだけ困難な問題の中で曲がりなりにも仕事ができたというのは、国民の皆さんの強力な支持があってだと思いますので、そのご期待とご支持に応えられるだけの仕事を更に続けていきたいと思っております。
記者:
身近な生活な所にも関係するのですけれども、先日、名ばかり管理職の適用範囲の通達が出ましたが、大臣の思いというも会見で語られて非常に共感するものだったのですけれども、ところがもの凄く評判が悪いのです、あの通達が。どこがというと、店長の労働時間を残業時間含めて割り戻して、最低賃金以下であったら名ばかり管理職ではないと、そんな例が用いられているのです。それに対して現役の店長とか労働組合からもの凄い反発の声、要するに、名ばかり店長という範囲を凄く低くするものだという批判があるのですけれども、この声にはどうお考えでしょうか。
大臣:
私もその全ての分野の全ての声をお聞きするゆとりがないので、ありがとうございました。そういうご指摘をいただいたので、そういう声をもう少し謙虚に聞いて、それがむしろ名ばかり管理職の給与水準を下げるような方向であれば、私の意図したところと違いますから、これは早速通達を見直すなり、基準を見直すなり。要するに、正当に働いている人に正当な賃金を与えないためのエクスキューズというようなことに使われては駄目だというのが私の基本であるので、それは、今言った声があるとご指摘いただきましたので、ただちにこれは対応して、然るべき処置をとり、どういう処置をとったかというのをまたご報告したいと思います。ありがとうございました。
記者:
原爆症ですけれども、これからまさにお話しをされに行くのだと思うのですが、現時点で、札幌地裁の判決を控える中で、大臣どのように対応されていくのかを。
大臣:
まず、これは今から相談しますが、特に法務省との相談がまだ終わっておりません。これは、国家賠償が絡んでいますから、法務大臣とまず議論をしてその方向を決めないといけないです。それから、過去の地裁の判決とのバランスを考える。しかし、いつも申し上げているように、やはりどんどん高齢化なさっている方々をどうしたら早く救えるのかという観点でいってきていますから、例えば、総合認定という形で、甲状腺障害ということであがっていない方も、総合認定の形できちんとやっていくということで、今まで認定しなかったケースはございません。そういうことで、官房長官はずっとこの問題にかかってこられた方で一緒にやってきておりますので、どういう知恵を働かせて私達の共通の思いを実現できるか、これを各省ともよく協議をしながら見通しをつけたいと思います。今日の1回の議論だけで終わるかどうか分かりませんが、とりあえず第1ラウンドを官房長官とやりたいという思いです。官房長官も私も本当にご高齢になって、原爆を落とされたというのは本人に何の責任の無い、本当に可哀想な方々なのです。だから、そういう方をどうすれば救えるのかというのをしっかり、それを基本に考えたいと思っております。
記者:
後期高齢者医療制度の関係ですが、大臣が改革したいというお気持ちはよく分かるのですが、なぜ福田内閣ではそのような改革という見直しができなかったのか、柔軟性がなかったのかについてお聞かせいただけますか。
大臣:
それは、福田内閣の下で、法律があり、これは実施するというのが行政の仕事ですからそれをやっていく。そして、4月から実施をしていろんな問題が起こってきました。起こってきて相当片付けました。だから、天引きの問題にしても普通徴収も良いようにしましたし、何よりもそれは、保険料が下がりましたという方がおられるから、これは、3,500円が350円まで落ちています。先程言ったように470万人の方は10月15日から無料になるわけです。こういう改革を行っていって、行っていって、行っていったと。しかし、ここから先は、私の判断であり、麻生新総理の判断ですけれども、これが本当に国民が全幅の支持をしているかというと、まだ不満がある。こういう判断です。そして、私は実施責任者として福田内閣がこれをきちんと定着するというために努力をしてきました。しかし、政治のダイナミズム、何のために政治家がいるかと言ったら、政権が変わる、例えば選挙もそうです、そういう時に大きな政策転換をやるというのは当然のことなのです。したがって、もし福田内閣がこれからずっと半年、一年とずっと平穏無事に続いていくという段階で、例えば今私が同じ判断をすれば、それは、辞表を提出して、「私はこういう思いですから、この制度をそのまま定着させるということについては疑問がありますから。」と言って辞表を提示してやりますでしょう。しかし、今まさにもう福田内閣総理大臣がお辞めになるというのが決まり、総裁選の日程も決まり、そして、あと2、3日で私の任期も切れるというところで、最初から麻生さんがこれをおっしゃるか、私がさきがけとして一石を投ずる方が良いのか、どういう形で発表するのがいいのか、そういうものは全て政治家の政治判断です。麻生総理大臣、麻生さんと私の政治家としての判断ですから。そういうことはありますが、しかし、今申し上げたように、大きな国民の不満が残っているような制度はやはり改善しないといけないです。その良いチャンスですから、政権が変わりますから。そういうことで私は決断をしたということです。
記者:
75歳での年齢区分を変えた方が良いと思い始めたのはいつ頃なのですか。
大臣:
まず、私は参議院の政審会長をやっていました。そのころからいろんな議論を聞いていまして、まさか私が厚生労働大臣になると思わないし、元々、どちらかというと外交防衛の専門家ですし、そういう形でやっていたものですから。しかし、現実に厚生労働大臣になり、この問題が昨年の暮れから年の始めにかけて、ちょうどあの頃は、C型肝炎の解決で大変だった時ですけれども、その頃から国会やメディアで問題になり始めた。しかし、これは、そういう批判については一つ一つ答えがありますからやっていった。ただ、私も一政治家として多くの有権者に全国各地で接します。その時に、やはり75歳以上の方の怨嗟の的というか、年齢で切ったというのが一番大きかったです。そういうことをひしひしと感じて、ただ、これはむしろ75歳以上で切ったことでの良い面もありますので、そういうことをやってきましたけれども、もう論理というか感情的に、これはお年寄りの心情を逆なでして、この点が一番しているのだな、もちろん3方式をやった時からこの分離独立方式の問題はそうだよというのは出ていました、皆さんご承知のように。だけど、これは、まさに国民の声を聞きながらというのが実情です。
記者:
制度が始まる前ですか後ですか。
大臣:
それは、制度がスタートする前から分離独立方式にはこの問題があるというのはよく分かっておりました。しかし、これほどまでに反発があるかという、これほどまでに凄い反発だというのは実施してみてです。私もそれぞれの問題点のプラスマイナスは全部知っておりますし、「75歳分離することが必ず感情的に反発を買う」というのはその中特記されて書いてあるのです。だけど、ここまでひどかったという認識は、実際に現実に大臣として仕事してみてということです。
記者:
その有権者の声を聞いて、辞表を提出してまででも福田内閣で変えようというお気持ちは大臣にはなかったのでしょうか。
大臣:
それはもうそういう政治的な判断で、これは、役人ではありませんから、政治の大きなダイナミズムで変える。幕末明治維新だって、昨日まで尊皇攘夷って言ったのが開国に変わるわけです。だから日本が救われたわけです。それは、その政治のダイナミズムというのを分かってもらわないといけないので、激動の時期ですから、それにふさわしい政治家としての判断をやる。その政治責任は、全て私がとるということでやりますから、それだけの重みのある覚悟でやっているということをご承知いただきたいと思います。

(了)