閣議後記者会見概要

H20.06.13(金)09:23~09:35 ぶら下がり

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議については特別に報告することはございません。私から一点、秋葉原の通り魔事件について関連なのですが、犯人が派遣労働者であったということで、いろいろ議論が行われていますけれども、派遣労働者に適正な雇用管理が必要だということで、今日、労働関係法令の遵守について派遣元事業主、派遣先に対して一層の徹底を図ってくれということで、都道府県労働局長に緊急に指示を出します。併せて業界団体に対しても、企業もきちんとこういうことについて法令遵守ということでやってくださいということを徹底させたいと思います。派遣労働そのものが悪いということではなくて、今回の犯人がそういうことでしたので、背景にそういう問題があるとすると、少なくとも法令の遵守はしてもらわければならないということで、緊急に指示を出します。

質疑

記者:
今日後期高齢者医療制度の2度目の天引きということで、あらかじめシステムの改修に間に合わなくて誤徴収があった市区町村が発表されておりますが、2回目の天引きを迎えて、今一度制度の徹底などいかかがお考えでしょうか。
大臣:
昨日政府、与党で見直し案を決めましたので、広報体制をしっかりしてやりたいと思っております。システムが間に合わないところは、あとできちんと手当をするように。それから今回見直しをやりましたけど、さらに今後続けていく課程でまた新たな問題が出てくるかもしれません。それに対しても一歩一歩着実に手を打っていって、このシステムが新しい制度、見直し案を含めてきちんと定着するようにという思いでやりたいと思います。
記者:
まだ制度が始まって2ヶ月で、怒っていらっしゃるというか納得されていないご高齢の方々がたくさんいると思うのですが。
大臣:
一番多いご不満はなぜ75歳で分けるのかということですが、それは分けることによっていいこともあるわけです。それからやはりいつも私が申し上げているように、お金が天から降ってくるわけではありません。福祉のサービスを受けるということは、医療にしろ、介護にしろ、福祉の分野にしろ誰かがどういう形かで負担をしなければいけない。したがって、それは皆で負担しますよという原則が崩れるから駄目だと思います。そのことはしっかり申し上げていかないといけないと思いますので、粘り強く定着していくようにしたいと思います。
記者:
医療事故の大綱案が発表されますが、その中で警察への報告のケースから重大な過失が削除されるというような報道が一部ありますが。
大臣:
これは第三次試案のところまで行きました。私が議員立法するときもそうですが、こういうテーマについて何かやりたいというときに、やはり法律の形に直してみるということが一番わかるのですね。やはり法案として出すのですから、法律の形に直してみないと、こういうことがやりたいということが、すっきりしないので、第一次に試案すると言ったら法律に直したらこうだと、2次案に直したらこうだと、さらに第三次案を法文化したらこうだというのを示して。ただそれは決まったものではないですから、大綱という名前しか使っていない。きちんと決まったものなら要綱なわけです。だから大体大綱でブランクのところもあって、法案に直ったらここはどうすればいいかわからないからブランクであって、法制局の力も借りて、第三次試案に対する法案化したら、こうだというのを大綱と呼んでいるだけでして、あくまでたたき台です。あくまでたたき台ですから、これで行くわけではありません。これをまたパブリックコメントに掛け皆さんのご批判に供して、もっといい案があればということで、第四次試案までまとまると思います。第四次試案を作ったら、また第四次試案に基づく法案というものを作って、そしてこういう問題は党派の対立があってはいけないと思いますから、民主党を含め野党とよく相談をして、皆さん方の納得のいく形のいい案に仕上げて行く。そしてできるだけ早く、もう今国会には間に合いませんから、秋の臨時国会で成立させるという手順を踏みたいと思います。そういう中で、今おっしゃった問題について言うと、重大な過失が何かの判定といのは、いろいろ医学界からも問題はありますから、そこは外しました。これはもっといい文章にした方がいいかもしれません。しかし、やはり重大な過失という方がいいかもしれません。これはまだ議論が煮詰まっていないので、だから重大な過失とはどういう意味か、人が死んだら重大なのか、そうではないのです。あくまで医学界の常識から言ったら、例えば、一日に一錠飲ませなさいと言ったときに、一日十錠飲ましていたと、これは絶対に重大な過失ですね誰が見ても、これが原因で死に繋がったら。今三重県で起こっていますが、点滴液を前の週末に作りおいて月曜日に体に入れたら細菌が入ったりしますよね。こういうことはやはりやってはいけない。そういうことについて、重大な過失ということなのですが重大な過失といったときに、人は患者さんが死ぬかどうかで重大と解釈されると困るという意見があるから、それを落としてある。しかし、片一方で、重大な過失という表現がなかったら、何をもって判断するのですか。つまりすべてに賛否両論があるので、どちらが正しいといのは判断できない。いろいろなご意見をいただいて、今国会に間に合いませんでしたから、第三次案を法案化したものを皆様にお示しをして、それでさらにたたき台としてもっと問題点が明らかになるわけですから、それに基づいていろいろな意見を野党の皆さんから、一番批判的な皆さんからいただいて、もっといいものにしていく。国民のコンセンサスが得られるような第四次試案をまとめて、これを臨時国会に出すと。そうすると、聞くところによると民主党の皆さん方も法案をお作りになっているようなので、それで両方も相当の接点があります。8割、9割ほとんど同じようなものなので、最後の1割、2割のところをよく与野党で話しをして、そして現場の皆さんの声も聞いて、必ず早期に臨時国会で成立すると思いますのでそういう方向でやりたいと思います。
記者:
派遣の関連なのですけれども、派遣法の改正案、臨時国会に出される意向を先日示されました。ただ、労使間、与野党間、相当隔たりがあるわけなのですけれども、どういった姿勢で臨まれていこうとお考えになられていますか。
大臣:
私は、やはり基本的に専門的な職種、一番分かりやすいのは、同時通訳さん、この前の新潟のG8労働大臣会合みたいな、ああいう方々は、その度に行かれるので、これはもう派遣されるのが当たり前みたいな職種です。そうではなくて、普通のメーカーさん等でやっている派遣というのは尋常かというと、私は、常用雇用が普通だと思います。そして、常に言うように、恒産なければ恒心なしで、しっかり職をもって。だから結婚できないのです、職が不安定だということで。だから、基本的には、日雇い派遣というのは私はいかがなものかと思っております。決して好ましいと思っていないですけど、日雇い派遣については、議論しないといけないですが、気持ちから言えば、かなり厳しく、原則的にこれはもう止めるような方向でやるべきではないかと思っております。しかし、それは、労使の意見も聞かないといけないです。だから、働き方の柔軟性、例えば、女性で家庭と仕事と両立させるために派遣のような形が良いという方はおられます。しかし、少なくとも日雇い派遣はあまりに問題が多いですから、そこにどうメスを入れるか。そして、派遣でも派遣元企業で常用化されてきちんとそこの正規の労働者としてやっている方はある意味で問題ない。しかし、登録しててその度に日雇いでどこかで働くというのは、やはり考えないといけない。私の姿勢は、労働者の権利を守るべきだと。そして、ワークライフバランスということで男女共同参画ということを言ってる観点から見て、つまり、厚生労働省の基本的な施策から見て、これは相容れませんよというのはあります。考えてみれば、少子化対策やろうと言っているのに、結婚もしないのに子どもつくるどころではないでしょ。そういうところの施策はやはり改めないといけない。一方では、家庭と両立させる、女性がたくさん仕事に行きたいという時に派遣のような形でやる方がいい場合もあるのです。そういうことを考えて、特に日雇い派遣についてはかなり厳しい形で私は考え直すべきだと思っております。労使、皆さん方の意見も聞いた上で秋には法律の形できちんと対応したいと思っております。
記者:
関連してなのですけれども、今日職業安定局長の通知で通達を出すと。今回の事件でしたけれども、何が問題でどこをどうするという通達になるのでしょうか。
大臣:
今回の問題の背景はそうですが、ただここの所ずっと派遣を巡る様々な問題が起こっておりますから、そういう意味で、要するに、法令を遵守してくださいよと、一般的にそういうことをびっしり。派遣自体が悪いということ言っているわけではないし、今回、派遣があったから、派遣労働者だから問題があるという認識ではありません。しかし、問題の背景に派遣労働というのはあるという認識を私は持っておりますから、それについて今やれることはきちんと法令遵守をしてくださいという思いです。
記者:
今日、また外国人研修生の問題で新しい裁判が始まっているのですけれども、熊本で。聞くところによりますと、厚生労働省の方も改革に向けて登録制にするという話もあるようですけれども、実際問題、これ5省庁にくらいにまたがる問題ですが、その辺どういうふうに調整していくとお考えなのでしょうか。改革につきまして。
大臣:
ポイントは簡単で、安かろう悪かろうではいけない。それから、この研修制度が、企業が安い労働力を外から入れるための隠れ蓑に使っているということではいけませんから。研修をやっているのですよ。例えば、中国から来られれば、日本のためにも中国のためにもなる。そして、一番は、その中国の若い人達のためになるんだよという方針でやります。その調整も含めて、大方針はそういうことなのできちんとやっていきたいと思っております。
記者:
一部新聞にある外国人労働者受入ということについてはまだちょっとそこまでいっていないということですね。
大臣:
だから、移民を人口の1割までしようという方々もおられますけれども、いつかも言ったと思いますけれども、私は、ずっとヨーロッパで生活してきたので、ヨーロッパの移民問題の大変さというのは目の当たりにしていますから、そう簡単な話ではないと思います。その問題と直接に結びつける気はありません。単純労働者ではありません。これはきちんと研修させるということで、技能を身につけるということが目的なので、それはあたかもこれを利用して安い労働力を手に入れるということであってはいけないと思いますから、厳しく企業の方も指導したいと思っております。

(了)