閣議後記者会見概要

H19.12.28(金)10:37~10:55 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議については、特別にご説明することはございませんけれども、経済情勢について、有効求人倍率が1.0を下回って0.99となりましたので、少し求人が減少しているということがこの数字ですので、ハローワーク等を通じて緊急にこの求人の開拓をやるというふうに思います。おそらく、原油高、これで経営が圧迫されている。従って、経費の削減、人件費の削減というようなことからどうしても求人が減ると私も分析していますけど、そういうことについて少し閣議でご報告を申し上げた程度であります。
それから、今年最後の記者会見になりますので、就任して約四ヶ月、いろんなことがありました。皆さん方にいろいろご迷惑をおかけし、またご協力を賜りまして本当にありがとうございます。
肝炎の問題は、最後、画竜点睛というところが残っていますけれども、一応、年明けには良い形で決着すると思います。
それから、年金の問題、これも蓋を開けてみるといろんな問題が出てきましたけれども、引き続き着実に一つ一つやっていって解決して1億人の皆さん方の年金について一つ一つ点検していってできるだけ早い時期にきちんと年金、そして政府、国家に対する信頼を取り戻す作業を地道に引き続きやって参りたいと思います。そして、これは関係の閣僚会議もございますので、政府全体として取り組んでいく。そして、また一月ごとに状況をご説明申し上げますので、その度に新しい問題が起こればそれにどう対応していくかということも考えていきたいと思います。
それから、医師不足の問題については、これも予算も計上して、緊急な対策を取って参りますが、ただやはり長期的にお医者さんの数をどれくらいにしたらいいのかとか、長期ビジョンということも考えますので、年明け早々に私の下に医療に関する長期ビジョンの研究会を設ける。そして、様々な専門家、歴史や人文系の方々のお話も聞く。そしてもちろん専門の方々に聞くとともに現場を歩いてみたいと思っています。そして、三ヶ月後になるか六ヶ月後になるか、ちょっとまだそこまでは正確に決めていませんけれども、一つの報告書を出して長期ビジョンをやはり医療について打ち立てないといけない。ある意味で医療体制の革命的な変革が必要だというような感じがしておりますので、それを前向きな話として一つやりたいと思っております。
それから労働の分野ですけれども、今、求人倍率の話をいたしましたけれども、やはり格差の問題、それから派遣労働者の問題、様々な問題がここで浮かび上がってきています。フリーターの問題もそうです。そういう問題について、これも予算措置を取りまして、例えば、フリーターについて手当をする、そういうこともやりますが、長期的にはやはり働き方の改革、革命というか、それで人生85年ビジョンというのをもう既に先般始めまして、この中で長期的にいろんな問題について取り扱いたいと思っています。その場でも申し上げましたけれども、独立行政法人改革にしても結局天下りという問題がある。じゃあ天下りという問題について皆総論賛成だけど、各論は反対だ。そういうことを考えればやはりこれはどういう働き方をするのか、人生85年時代の趣味と生活と仕事、ワークとライフのバランスをどうするかということもそこに入りますので、迂遠なようであるけれども現下の課題である独立行政法人改革もこういう問題に関わってきて、フランスとかイタリアのように定年退職後皆働かないということになれば天下りなんてことは問題としてあり得ないわけですから、こういうことも含めて議論をしていきたいと思います。
今年はこれまでの問題、現下の問題に直面してその対応に全力を注いできましたし、来年もまたそのようにいきますけれども、少し長期的なビジョン、人生85年ビジョン、それから医療の長期ビジョン。こういう将来像を描きながら更に厚生労働行政をきちんとやっていき、そして、しかるべき改革をやっていきたいという思いで今年を閉じ、そして、新しい年を迎えたいと思いますのでまた皆さん方にもいろいろご指導、ご協力を賜りたいと思います。

質疑

記者:
肝炎問題の救済法案の前文に、大臣は以前から何度も言われているのは、反省と謝罪を盛り込むべきだとおっしゃっていましたけれども、拡大を防止できなかった責任を盛り込むことになりましたが、そのことについてのお考えと、薬事行政、厚生労働行政への影響があるのかどうかということをお聞かせ下さい。
大臣:
これはいろんな議論があって、与党のPTの皆さん方がご苦労しておまとめになったわけですし、その過程で原告の皆さん方ともきちんと協議を何度もなさったと聞いていますから、そういう形でまとまったということはそれは率直に評価し、それを受け入れたいと思います。そして、私が申し上げているように、やはり再び薬害が発生したということをきちんと反省して、そういうことについてこれは省全体で反省し、立て直さないといけないと思っています。一方、これはまさに25日に参議院の厚生労働委員会での議論で、お医者さんである議員さんが3人続けて質問に立たれました。民主党の足立委員も自民党の西島委員も、この薬の副作用をどう考えるかということについて率直な議論をなさいましたので、是非これは皆さん議事録をお読みになって国民にご紹介できるならご紹介していただきたいと思います。例えば、足立委員も薬というのはどうしても副作用があるものだと、しかし、それを乗り越えて新しい薬を開発しないと難しい病気も治っていかない、そして、自分はお医者さんの立場で非常に悩む。西島委員もお医者さんでしたけど、目の前の命を救うためにどうするか、後で多少副作用があってもこれはやらないといけないというような思いで医者としてやっているのだということをおっしゃられました。そういう意味で遅れた責任という、与党PTと原告側が相談してなさったのはそういうことも念頭にあって、やはり新しい薬も開発していかないといけない、お医者さんが目の前で亡くなろうとしている命を救う時にリスクがありますから、そのリスクを全くかけられないということになるとお医者さんも萎縮してしまう、新しい薬もできない。そういうことについてもこれは25日の参議院の厚生労働委員会できっちり議論がありましたので、そういうことも踏まえた上での今の表現だと思います。一方、肝炎総合基本対策も与党と民主党が案を出していますが、この2つもそういう方向で収束するように調整をなさっているということですので、私が前から申し上げていた肝炎基本対策法案、そして、この訴訟を終わらせるということ、そして更に350万人に上る肝炎の患者の方々をこのインターフェロン治療をきちんとやっていただいて、7年後には貧しいからそれはできないということは無くすという三位一体がなんとか年明けには成立できる。ですから、その三位一体全体で一つのパッケージでいろんなところに手当ができるということで本当に与党の皆さん方のご尽力の賜物で最終的に私が望んでいたような三位一体の改革ができるということを、展望が開けましたので大変嬉しく思っております。
記者:
今日、一部報道で、グロブリンという血液製剤からもC型肝炎ウイルスが見つかったというものがあったのですが、これについて何か大臣の方から厚生労働省に指示とかそういうものは。
大臣:
これはその研究者の方に、厚生労働省の方から、どういうご研究をなさったのか、少し詳細をつまびらかにしていただきたいということで、これはまだ研究者の方からご回答を賜っておりません。それで、やはりいろいろな研究方法があると思いますけれども、きちんといろいろな他の研究者の方々から見ても信頼できる研究法でなければいけないと思いますので、今、その確認を行っているところで、まだお答えをいただいておりません。その結果に基づいて、また判断をいたしたいと思っております。
記者:
昨日の大阪の方で、またたらい回しと言いますか、29の病院に受け入れを断られた89歳の女性が亡くなるということがあったのですが、その受け止めと、大臣はその背景には一番何が問題だと考えていらっしゃるのか、ご認識を伺いたいのですが。
大臣:
緊急医療体制をきちんとしないといけない。次から次とこういう問題が起こってきますので、5月に緊急医療対策を政府、与党で緊急医療をどうするか対策を立てましたけれども、その後、私が大臣になっても、そういういろいろな手を打ってきた、予算措置も打ってきました。ただ、その背景はいろいろなことがありまして、やはり医師不足ということがありますのと、それから、やはり訴訟リスクですね、これがある。それから、特に産婦人科、小児科、外科、今、いろいろな意味で、先生の数、ドクターの数が減っている。それと、地域のネットワークが十分機能していない。一次、二次、三次と、つまり、近くのホームドクター、それで手が付けられなければ次の段階、そして、さらには高度の医療技術を持っているセンターにという、それが上手に連携できている所はいいのですが、そうではない所がある。今、一つ一つ、例えば、消防との連携と、こういうこともやっていますので、どれが一つの原因ということはないと思いますから、そういうのを総合的に勘案して、これはもう先に進めていかないといけない。しかし、やはり最終的にはお医者さんの不足ということなので、先程申し上げた長期ビジョンをなるべく早く打ち立てた上で、10年計画で養成しないといけないので、これもしっかりやっていきたいと思います。そして、もう一つは、やはり訴訟リスクということもあります。これも今度のC型肝炎の問題で議論したように、訴訟のリスク、そういうことも一つありますので、総合的な対策が必要だと思っています。それともう一つは、前の奈良の妊産婦の件ですけれども、検診を受けていない方々がおられる。こういうことも、なるべく無料で検診できるような、5回まで、今、無料でできるようになりましたので、こういうことも進めていかないといけないし、様々な要因があると思いますけれども、引き続きこの問題も取り組んでいきたいと思います。
記者:
長期ビジョンというのは、医師不足対策のためというイメージなのか、もう少し医療を取り巻く諸々の総体を見直すというふうなイメージ。
大臣:
そうです、全体的に。例えば、ヨーロッパではどうなっているかというのは、ちょっと海外の例でやってみる。それから、例えば、アメリカはまた違いますね。そして、例えば、江戸の日本人の知恵はそこでもどういうものがあったかと。今、一所懸命、メタボリックを含めて予防ということをやっていますけれども、治療より予防というのは、貝原益軒の『養生訓』に書いてあることでありまして、そういう意味で、歴史学者、人文学者、そういうことの議論もする、しかし、現場を見てなので。医師不足だけではありません。医療体制から、全て医療に関わる問題ということです。
記者:
医師不足もその一つと。
大臣:
そうです、はい。
記者:
年金記録問題なのですが、5,000万件の記録について、今後、統合を大体、全部というわけにはいかないでしょうけれども、大体どれぐらい、いつまでにやるというような来年に向けて意気込みがあれば伺いたいのですが。
大臣:
基本的には、いつも申し上げているように、7月5日の政府、与党の行程表に従ってやりますので、今、ねんきん特別便が発送されている。その中で、また国民の皆さん方のご意見をいただいて、改善していくところは改善していく。二次名寄せをやっていきますので。一つ一つ積み上げていく。それと、例えば、一つの会社に勤めていて、ずーっと年金の記録もしっかりしていて何の問題もない方々がおられます。つまり、今回の名寄せで引っかからない方々、この方々には10月までに、総体約1億人ですけれども、国民の皆さんが普通皆さん受け取るという、ねんきん特別便を受け取りますので、そうすると、相当、国民の皆さんの協力もいただいてチェックをしますから、全体像というのはそれぐらいの段階でわかると思います。だから、着実にやっていく。そして、必要な改善は加えていくと、そういう思いで、これは引き続き全力を挙げて取り組みたいと思います。
記者:
改めてなのですが、今年、大臣にとっては参院選や安倍政権での初入閣等、たくさんいろいろあったと思うのですが、どのように改めて一年を振り返られるでしょうか。
大臣:
参議院選挙は自民党の敗北という形で終わりました。そして、その後を受けて、安倍、福田内閣で厚生労働大臣を拝命いたしましたので、私は就任する時は、第一はもちろん年金問題と、それから、C型肝炎問題も、安倍総理が、6月でしたかね、従来の延長線ではない解決策を模索するとおっしゃっていて、これは何とかやらないといけないと、この二つをずっと念頭にとりあえずは置いていましたし、それから、医療の問題は自分の個人的な体験もあって、産婦人科の問題をずーっと追っておりましたので、その延長線上にというか、緊急医療体制の不備ということもありました。そういうことで、全力投球でやってきたつもりで、その日その日、いかに誠心誠意この問題に取り組んでいくかということで、一所懸命やってきましたけれども、いろいろな形で国民の皆さんにご迷惑をかけたり、説明が不十分であったり、いろいろなことがあったと思いますけれども、それはまた一つ一つ改善して、さらに来年もまた誠心誠意問題について、全力を挙げて取り組んでいきたいと、そういう思いです。
記者:
来年、大臣は年男になるかと思うのですが、年男として特別な抱負とかがあればお聞かせいただきませんでしょうか。
大臣:
もう60歳になるのかなと思いましたけれども、しかし、片一方で、人生85年時代と言っているので、平均寿命からいくと、あと25年は働かないといけないので、ここでへばってはだめですから、年男でもありますので、まさにねずみのように細々とあらゆる問題に対応していきたいと思いますので、そういうこともありますので、なお全力を挙げたいと思っています。なんか、高橋春男さんが私をねずみ男と言って、この前ゲゲゲの鬼太郎の鳥取の境港から、私は若い時は、髪の毛が長い時は、あだ名がゲゲゲの鬼太郎だったのです、そして、だんだん髪の毛がなくなったら、ねずみ男になってしまって、それは冗談ですけれども、境港は私は非常に大好きな、水木さんを含めて、町なので、ねずみとして一所懸命、ねずみは富をもたらすという話もありますので、是非日本の皆さんが豊かになるようにがんばりたいと思っています。

(了)