大臣記者会見概要

H19.12.20(木)09:40~09:56 省内会見場

広報室

会見の詳細

C型肝炎訴訟について

大臣:
大阪高等裁判所から12月13日に示されましたC型肝炎訴訟についての和解骨子案について、これを受け入れること及び新たな提案を、本日、大阪高等裁判所にお伝えすることにいたしました。まず、再び薬害を発生させたことを反省し、被害者に心からお詫びをいたしたいと思います。和解骨子案の提示後、輸血等による別の原因による感染者を除いて、本件の薬害被害者を救済する必要があると考え、検討してまいりました。しかしながら、大阪高裁の和解骨子案と矛盾する内容での和解をすることはできないと考えております。そのような前提の上に、最大限皆様を救済する案を考え、原告側は原告総数1,000人程度、内訳は、既に提訴をなさっている方々が約200人、新たに提訴される見込みの方々が約800人程度と述べていらっしゃることを考慮いたしまして、その全てを対象とする案として、うち7割は大阪高裁和解骨子案の基準のとおり、直接の支払いを受け、その他の約3割は大阪高裁和解骨子案に言う財団、この中身でございますが、骨子案の8億円を30億円に増額いたします。これを通じて、間接的な救済を受ける案を提案することにいたしました。これにより直接または間接に、事実上全員救済するもので、大阪高裁の和解骨子案の目指す解決につながるものであると考えております。政府といたしましては、13日の和解骨子案を踏まえて、これに矛盾しない形で引き続き和解協議に誠実に対応してまいります。この訴訟は多くの感染者、患者の方々が長年にわたり、心身共にご苦労された裁判でありまして、一日も早く解決できるよう今後とも全力を挙げて努力をしてまいります。以上でございます。

質疑

記者:
これはいわゆる一律救済という形になるというふうなお考えなのでしょうか。
大臣:
先ほどご説明しましたように、裁判というプロセスを通じているわけですから、原告の方々と被告、国ですけれども、相対で話して決めるというシステムではございません。これはそういうルールですので。それで、大阪高裁の裁判長のリーダーシップの下に和解協議を進めている段階であります。そして、骨子案にもこの案を拒否することなく、いろいろな提案をして努力してくださいと書いてありますので、原告の方々も大変努力をなさいました。そういうことを踏まえて、私はこの和解骨子案を踏まえて、そして、全員を救済すると、こういうためにさっきのさっきまで努力を続けてまいりまして、今、お話しをしたとおりでございますから、方法は限られた方法論をとりました。それは今申し上げた、踏まえて、ということがありますから。ただ、全員救済ということを私は申し上げたいというように思います。
記者:
30億円というのは名目は一緒なのですか、その8億円と。何という名目。
大臣:
和解を目指して、その30億円は、これは皆さんを救済するために、これは原告の皆さん方のご裁量で皆さんをお救いする、救済するということでお使いいただくということでございます。
記者:
何という名目で出されるということで。
大臣:
ちょっとまだ名目、今、まとめてきたところなので。名前うんぬんということよりも、事実上、今申し上げた、皆さん方を救済し、皆さん方の福祉のためにお使いいただきたいと、そういうように思います。まだネーミングをどうするとかいうのは。
記者:
損害賠償とかそういう意味合いのものではないということですか。
大臣:
私が先ほどゆっくりお話ししたことに全て尽くされていると思います。
記者:
7割というのは、確認ですが、大阪高裁の骨子案が示した東京地裁の判決の基準に入る原告と被害者7割にということですか。その7割の方にというのはどういう基準で7割と。
大臣:
それは原告の皆さん方が7割、3割という数字をおっしゃっていて、ピラミッドになっていて、全体を見ても、7割が東京地裁の判決の範囲に入って、残りの3割で。それで、皆さんをお救いするというのを、どれだけの数というのを、昨日お出しいただきましたから、その時にも、ずっとご説明で。7割、3割というのはそういう意味です。ですから、地裁の判決に入る方もあそこに書いてあった金額どおりお支払いするということです。事実上、全員救済になると思います。
記者:
全員救済はこの財団案でできるかもしれませんが、あわせて原告側が求めていた全員の一律救済ということは叶わないのではないかと思うのですが。
大臣:
それは原告の皆さん方のご裁量にお任せして、原告の皆さん方も2,000万を1,500万にとかいろいろなことで大変ご努力願いました。私自身は、やはり薬害の被害者ですから、それは私は薬事行政が完璧だと思っておりません。二度とこういうことを起こさないために全力を挙げてこの日本の薬事行政を立て直さないといけないと思います。それで、本当にこれは皆様に心からお詫びをしたいと、そうい気持ちであります。
記者:
8億を30億に積み増したと、その心は何ですか。8億から30億にした。
大臣:
全員救済です。
記者:
つまり、8億の場合はどれぐらいの対象を考えていらっしゃって、30億の場合はどれぐらいの対象、そこをちょっと明確にして。
大臣:
ですから、先程全部ご説明いたしました。原告の皆さん方が数字をお示しになって、これだけいるから、これを救う方法はということで、その数字です。
記者:
1,000人を前提にしたら30億になると、そういうことでよろしいですか。
大臣:
要するに、原告の皆さん方の、数字を出されてこれだけお救いしたいという、もう本当に切なる願いでございますから、私はこれは絶対叶えたいということで、そういう決定でございます。
記者:
原告の方々はそもそも基金案にはのれないというふうにはっきりとおっしゃっているのですが、その辺については。
大臣:
基金案とか何案とかいうとこではなくて、要するに、大阪高裁の場で行っております。大阪高裁の裁判長が全力を挙げて、一つの案を出されました。それを基にして、それぞれこれを拒否することなく、もっといい提案があれば、修正案があれば、出してくださいということなので、原告の皆さん方も大変ご努力なさってお出しくださった。私どももきちんとそれにお応えする形で出しました。ですから、全員を救済すると私は常に申し上げて、謝罪すべきは謝罪し、償うべきは償うべきであると、そして、国民の皆様方のご支援を賜れる、そういう案を作りたいと。それはずっと一貫して申し上げて、そのために、大阪高裁の場で和解をするのだという前提を踏まえた時に、ではどういう手段でこれを救うことができるかと。それでやってきて、ですから、何案がどうとかいうことよりも、私は本当に心からこの薬事行政をお詫びしないといけないという。もちろん、今日、メーカーの話はしていませんけれども、そういう薬を作ったメーカーが一番、それは第一義的に責任があります。ですから、是非メーカーの皆さんにもご協力願いたいというように思います、問題解決のために。そして、そういう中で、全員救済する、ちゃんと薬事行政を反省して、全員救済をする、そのための手だてはいろいろな案がありますから。ただ、大阪高裁の案があって、それを踏まえた上でやるという、非常にそういう前提というか、限られた中で、知恵を絞ってというか、そういうことですから、全員救済につながるために一所懸命知恵を絞りましたということをご理解賜ればというふうに思います。
記者:
大阪高裁に修正案を出して原告の方々が政治決断がなければ、和解の協議の場には行かないと言っているのですが、この案を出して大阪高裁に原告の方も和解協議をこれからも続けましょうと呼びかけを政府側等がしているということですか。
大臣:
今日の案が政治決断の案でございます。あえて今の言葉を使わせていただけるのであれば。何度も申し上げていますように原告と被告が直接行っているわけではありません。ずっと5年も色々なところで訴訟を続けておりますから訴訟の枠内で行っている。大阪高裁がこれでまた控訴してまた裁判を行うのですか、そうではなくて和解に努力しましょうということで、やってくださったわけですから、これはまた大阪高裁の裁判長のリーダーシップにご期待を申し上げて、何とか解決をと思っております。
記者:
大臣は具体的にどの部分が政治決断だとお考えですか。
大臣:
先程、お話しした全部。総体です。
記者:
確認ですが、国が責任を認めるのは東京地裁に合致する7割の原告の方だけという見解は変わっていないのですか。
大臣:
大阪高裁の和解骨子案をふまえて、矛盾しない形でこの問題の解決を図るということであります。その前提は薬害を再び起こしてしまったということを深く反省して、私はきちんと薬事行政を立て直さないといけないと思いますので、今後、全力を挙げます。そして原告の皆さん方は具体的な数字をお示しくださいましたので全員を救済する。先程お話しした全体が政府の決定ということであります。
記者:
原告は金額の上積みではなくて、線引き自体がもう全員救済ではないということを求めていてそれは何度も説明していると思うのですが、その原告側が求める全員救済はもう出来ないという意思表示だと考えてよろしいですか。
大臣:
これはもう全体を見てください。そういう意味で申し上げたかどうかというのは、先程、全部ゆっくりお話しました。全体で総合判断を賜りたいと思います。
記者:
30億円が何のための何という名前で、どういう責任に対し、理由に基づくお金だということをご説明いただかないと、ちょっと理解が難しい。
大臣:
それはですから全員を救済すると。そこから先は原告の皆様方がそれは救済するためにどういう使い方をするというのはご裁量にお任せしますということであります。今後は大阪高裁の裁判長のリーダーシップのもとにまた双方の案が出ているわけですから高裁のリーダーシップで今後とも和解の実現に向かって努力をしていく。それが政府の立場でございます。
記者:
原告がこれまで訴えてきた全員一律救済という考え方について大臣はどのようにお考えですか。
大臣:
先程申し上げたとおりでございまして、薬害を再び起こしたことを反省し、そして皆様をお救いするということで、私の思いはもうそこに全て込められてます。
記者:
線引きについては譲歩して欲しいということですか。
大臣:
最終的に原告にどうしてほしい、ああしてほしいというのではなくて、こちらはこのような案でございますというのを大阪高裁にお示しする。大阪高裁の裁判長はそれを見て大阪高裁が今度は原告側にこうですよ、というプロセスですからそこはご理解賜りたいと思います。

(了)