閣議後記者会見概要

H19.10.12(金)09:23~09:36 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議の案件は、特別大きなことはございません。温泉法の一部を改正する法律案とか気象業務法の一部を改正、電気用品安全法の一部を改正する法律案等の法律案、それから政令、人事。特に特記するものはございません。それで、後細かくは、官房長官の午前中の会見で行われると思いますけど、年金記録問題に関する関係閣僚会議を開催するということが閣議で決定されました。以上です。

質疑

記者:
大崎市の今日のご予定と、あとその他の自治体の告発に向けた見通しについて。
大臣:
大崎市の件は、今日の午後、告発の手続きを地元の宮城県社会保険事務局から所轄の警察署に対して行います。それから、市町村が告発をしない他の案件についても全く同じように社会保険庁の方でそれぞれの所轄の事務局から所管の警察署に対して告発の手続きを取ります。
記者:
改めてなのですが、今日告発される理由について教えて下さい。
大臣:
私が就任した時に、これは、年金問題の解決は国民的な課題であって、政府や国家に対する国民の信頼を回復する基本的な大問題であるということを申し上げてきました。そのためには、一つ一つ問題を着実に解決していくと共に、現状をきちんと分析して全ての膿を出し切るという約束をしてきましたので。国民の皆さんの不信感があるわけです。窓口に市町村であれ、社会保険庁のセンターであれ、窓口にお金を持っていって払ったのにそれが横領されるということは、一つの大きな不信感の原因であり、そのため、総務省の下に、あえて厚生労働省とは違う省の下にいろんな各種の委員会を置いて検証作業を行ってきたわけです。その結果出てきた不正事案に対してきちんと対応するということが信頼回復の第一歩ですから、もうこういうふうに年金の掛け金を横領するような役人はいませんよという状況にしてしまわないと年金に対する国民の信頼を回復できませんから、いろんなことをやっていますけど、その一つとしてこれをやりました。それから、社会保険庁に関しては、もう窓口での現金の授受をやめるという方向で今検討を進めてます。全部の皆さん方の年金の掛け金の支払方法のうち、わずか1.7%しか現金で窓口というのはないのです。後は皆さん銀行の引き落としとかコンビニでやったりなさっているので、こういうふうにすれば、もう現金で持って行けないよということにすれば現金横領が無くなるわけですから、これで少なくとも横領問題については対応ができると思っています。そういうふうにして、一つ一つ積み重ねていきたいと思います。まず膿を全部出す。なぜ国民が年金に対して不信を持っているのか、この横領事案もそうです。だからその対策を取っているということです。もちろんだから、5000万件をやらないでこういうことをやってというのは全くの言いがかりでありまして、5000万件は、皆さんご承知のように全力を挙げてやっているわけです。名寄せを含めて。それから、あらゆる昔の台帳も探し出したりとかいろんなことをやっているわけですから、着実に一つ一つ不信感の元を取り除いていくという意味での一連の作業の一つです。
記者:
社会保険庁の窓口での現金の授受を止めるというような話を今されましたけれども、時期的にはいつくらいを目途に考えて。
大臣:
できるだけ早く。ですから、例えば、途中でというわけにはいかないでしょうから、来年の1月1日とか4月1日とか今早急に検討させています。問題は、窓口だけではなくて、支払わない人に督促に行って、じゃあ今なら払うって言ったらやはりもらっちゃうケースもあるのです。ただその時に、きちんとした領収書を出させるとか、二重三重にチェックする。残念ながらそれだけ日本の役人のモラルも落ちているので、こういう場合には性悪説に立たざるを得ないのです。一万人に一人しか悪い人がいないにしても、要するに、性悪説に立って、制度上担保するしかないのです。だから窓口で現金を出さなければ悪い人でもできないことになるわけですから、そこまでやらないと残念ながらできなくなったので。今のことは、強制徴収に行った人が受け取る時もなんとか不正がないように、とにかく皆さんが払った掛け金を絶対に役人に不正横領させませんよと、これを確立するということです。
記者:
肝炎訴訟ですけれども、大阪高裁で和解に向けた協議をするかどうかの回答が15日となっていますが、それについての対応をお願いします。
大臣:
昨日、国会でも申し上げましたように、これは私一人で決められるわけではありませんし、関係各省庁と、今、協議を進めて、どういうような対応を政府全体としてやるかということを今やっているところで、15日までに回答を、どうするかをまとめたいと思っています。
記者:
大臣、以前、訴訟についてもできるだけ早く、できれば年内の解決ということをおっしゃっていましたが、そうしますと、今回、和解のテーブルに乗らないという選択肢はないんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょう。
大臣:
いえいえ、そこは、今、検討中であってですね、つまり、ご承知のように、5つの判決が全部違いますね。最後の判決は国が勝っていますね。そうすると、原告団からしても、国からしても、若干複雑になったことは確かですね。これで、裁判を止めてしまえば、国が勝ったということになってしまいますね。だから、全部、仮に5つ負けていれば、ある意味で、もっと単純かもしれない。しかし、国が負けている4つの判決も全部理由が違うのですね。それから、製薬メーカーも入っている。だから、そういうことで、総合的に判断をして、結論を出したい。ただ、国会でも申し上げましたように、一日も早く命を救うことが一番大事なので、訴訟でみんながエネルギーを使って、命を助ける方が、それでおろそかになるようなことはあってはいけないなと、個人的に思っていますから、そういう観点から努力は重ねています。
記者:
関係閣僚会議は、いつ開くのかというのは、大体見通しはついているのですか。
大臣:
いや、閣僚会議を正式に発足させるということで、まだちょっと事務方の作業を、今、やらせているところで、まだ決まっていません。
記者:
一応、月内ぐらいを目途ですか。
大臣:
できるだけ早く、体制が整い次第と思っています。
記者:
参加メンバーの閣僚はもう固まっているのですか。
大臣:
これは、どういう観点からやるかということで、年金に関係ある人たちだけをとりあえずまず集める。ただ、適宜、例えば、訴訟の関係があれば、法務大臣に来てもらうとか、それはその適宜だと思いますけれども、少なくとも、総務大臣は絶対入らないといけないでしょうから、それはもう、今、つめています。
記者:
大臣として、この閣僚会議で、こういうことを検討していきたいという考えはありますか。
大臣:
例えば、第三者委員会の申し立てに対して、1%しか解決していないじゃないかと、だから、例えば、これは、少し人数を増やさないと無理なのですね。そういう問題をどう扱うかということがあります。それから、優先順位を決めないといけないのは、何千億円も何兆円も国会の皆さんが予算をつけてくださって、何十万人も動員していいというなら、あらゆることは即座にできる。そして、何百回サンプル調査をやってもいいです。だけど、そうではありませんね。国民の税金やお金をなるべく使わないで、限られた時間でできるだけ早くというと、やはり仕事の段取りの優先順位をつけざるを得ないのです。その優先順位をどういうふうにつけるかというのは、これは決めないといけないです。ですから、例えば、サンプル調査をして、ランダムに取ったもので数字を取って、全体でこれぐらいのお金になるよと言ったって、私にとってなんの利益もない。私のデータも完璧じゃなかったことがあるので。そうすると、私が何が欲しいかと言ったら、自分の正確なデータ、それが欲しいのであって、自分がお金をもらえることをみんな望んでいるので、全体が何兆円になるなんていうのは、大したことではないのですよ。一人一人の人が確実にもらえることを早くやってくれということなのです。それで、今、一所懸命、そういう優先順位をつけているので、私はそういう観点から、昨日の国会でも申し上げたのは、時間とコストとの関係で、だから、もう国会で、今日、決議して、消費税を1%上げますと、2兆5千億円、全部これ年金問題の予算で使っていいと、そしたら、全部やれますよ。そういうことではないでしょ。だから、限られた予算の中で、限られた人間を使って、やはり物事の優先順位をつけないと、そういうことをね。それから、皆さん、現状をよく知らないのですね。私も完璧に知っているわけではないですけれども、まがりなりに、何週間かやって、現場も歩きやってみるとよくわかるのは、例えば、紙、台帳からパソコンに移し替える時も、私がやっても、100件のうちの100件間違うかといったら、ほぼ正確にやって、ちょっと打ち間違いで1割ぐらいうっかりして間違うかもしれない。もう疲れている時にやって、そうかもしれない。そういうことはあってはいけないのですけれども。そうしますと、100人いて、90人は正確になっていると、ただ、この人の名寄せを早くしないといけない。ひょっとしたら、10人のデータは間違っているかもしれないという時に、その10人のデータを全部正確にしない限りは、作業をしてはいけないと言うのですか、じゃあ、90人、待っている90人が年をとって死んでいくのを待っていていいのですかと、こういうことで優先順位をつけているわけです。だから、その優先順位のつけ方で、いろいろな考え方があっていいけれども、今は私が担当していますから、私はこれが一番いいだろうと優先順位をつけている。だけど、先ほど言った、お金も人員も無尽蔵にあるのなら、それは全部同時にやれますよ。だから、何を優先順位とするのかといった時に、国民一人一人の目線に立ってというのは、あなたの年金大丈夫ですかと、あなたの記録欲しいでしょと、だから、今、一所懸命探しているのですよということであって、総額何兆円になるなんて、そんなこと知ったことであるかということですよ。増えるかもしれない、減るかもしれない、そんなことよりも、そんなことをやる暇があったら、一日も早く私のデータを出してくださいということですから。データを出さないと言っているのではないのですね。もう一つ一つ、紙台帳との突き合わせだってやると言っているのです。だけど、順番がありますよ。こういうことについて、現状をしっかり、政府全体で、閣僚の皆さん方によくわかっていただく。どういう優先順位で仕事をするのですかということなのですね。だから、そういうことを含めて、いろいろ議論をしたいというように思っています。あまりにも、みんな、基本的なことを知らなすぎる、ということです。それで、必ず、閣僚会議をやった時には、こういうテーマで、こういうことをやって、ここまでわかって、こういう方針だということは明らかにしたいというふうに思います。

(了)