閣議後記者会見概要

H19.09.07(金)10:09~10:28 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
おはようございます。閣議案件は、外務省関係の、大使の信任状であるとか、それから、武力紛争に関する文化財の保護に関する条約の批准、それから、それに関連する議定書への加入と。こういうことへの署名。それから、組合等登記令の一部を改正する政令ということで、特段大きな問題は、ございません。以上、閣議の報告です。

質疑

記者:
C型肝炎対策で、与党PTの方で、来年度予算に公的助成を盛り込むべきだと打ち出していますが、大臣のお考えは、いかがでしょうか。
大臣:
これは、少し、与党PTとしっかり検討を重ねて、それで、支援策をどうするかということは、政府と与党と検討した上で、しっかりと考えていきたい。基本的なのは、従来のラインに沿った形での支援策ではなくて、その枠を超えた形での支援策を考えたい。これは、政府の方針です。その具体策はどうするかというのは、与党PTと緊密に連絡を取りながら、決定したいと思います。
記者:
それに関連してなんですけれども、今日、仙台地裁判決が出るかと。
大臣:
今日、出る予定ですから、出た上で、どう対応するか。私自身判決文をきちっと読んでやりたいと思います。出た上での対応ということで、お待ち下さい。
記者:
例えば、結果次第では、和解とか、控訴取り下げとか、訴訟を止める方向での検討というのも一つの選択肢としては、考えていらっしゃるのでしょうか。
大臣:
それも含めて検討しますけど、ただ、ここで私が申し上げたいことは、今まで4回敗訴している。今回5回目の判決になるのですが、私が全部精査した限りにおいては、勝訴するにしろ、敗訴するにしろ、特に国が敗訴した場合、一部敗訴だったり、敗訴の度合いがどうだったりというのが全部違うのです。理由も全部違うのです。これは、製薬会社と国の責任を問うているわけですけど。ですから、法理論的に、もう少し細かく固めないと。全部敗訴の理由が違うのに、例えば、何回目を控訴取り下げして、じゃあこっちはどうなの、理由が違うからしないのですか、ということになるので、少し緻密な議論をしませんかということなのです。そうしないと、何でも控訴を取り下げればいい、何でも控訴をやればいいというものではなくて。やはり法理論的に、そして国民から見て納得できる取り下げ、納得できる控訴ということでないといけないので。皆さん、ただ控訴取り下げるかどうかと言われますが、敗訴の原因は、主文の判決が出て、その理由がどうなのですか。製薬会社に責任があるのですか、国なのですか。全部違うのです。ですから、そういうきちんとした理解の上に立ってやらないと、軽々に取り下げるとか、続けますとかいうのは、かえって無責任になるので。これは、皆さんも是非協力していただいて、いろんなご意見を賜りたいと思いますけども、まずそれが一つ。それをしっかりやった上でないと、できません。ハンセン病の場合は、一つ判決が出て、しかもこれは、国が強制的に隔離していたわけで、とてもじゃないけど人道的にひどいよということであって、もう控訴しないと結論した。今回はそうではなくて、今控訴してて、国にしても、これだけ一所懸命やったんですよと。しかし、製薬会社から何も報告こないのを前提にやったのでは、悪いのは、製薬会社ですよ、といった言い方もできるわけです。そうすると、国が全部悪いって言って、それは、報告しなかった製薬会社が悪いんじゃないかっていう意見が正しかった場合に、控訴しないで文句言わないのですかと、今度国民から批判されるということになりますから。是非、皆で、今日で5つ目ですけども、5つ目の全部の判決文を、是非報道の皆さん方も一緒に精査して、一緒にどういうふうにすればいいかということをきちんと法理論的に組み立てたいというのが一つ。それで、それはそれでやりますが、しかし、目の前に困った方がおられる。医療費の負担にしても非常に大変だと。インターフェロンという治療法があるけど、これはやはりお金がかかりますから。これを国民の皆さんの合意を頂いて、やっぱり助けましょうかと。裁判の進行と助けるということは、別だということをここではっきり申し上げておきたいので、裁判が続けていようがどうしようが、目の前で困っている方々を助けることは、やらないといけないと思いますから、それを、与党PTもそういう観点からおっしゃっているのだと思います。私は、訴訟と目の前の困っている人を助けることは、別にやれると。これが、最大の私が申し上げたいポイントです。
記者:
原告団が、大臣への面会をずっと求めているわけですけれども、面会されるお考えは、おありでしょうか。
大臣:
私がやるべきことは、具体的な政策の形で、これとこれと対策をやりますということをやるべきことが、私の仕事であって、そういうことのためにちょっと時間を下さいということです。そして、いろんな意見を賜ることは、私でなくてもできます。私が聞かなくてもできます。私が聞いてもできますけど、私のやるべきことは、いやしくも行政の長が出てきて、そういう困った方にお会いする時に、「はあ、聞きました。じゃあ、さよなら。」で良いですかということです。私は、そういう態度を取りたくない。きちんと答えが出るということがなくて、それは、ものすごい失望はしますよ。せっかく大臣に会ったのに、何の答えも出ないじゃないかと。それは、行政のトップのやることではないというのが、私の政治的な信念ですから。お会いする時には、きちんとした答えが出る時にしかお会いしない。それは、冷たく言っているわけではありません。なるべく早く、それと、もう一つは、やはりきちんと今言った、法理論とか、ものすごい勢いで今なんとか助けたいと思ってやっています。その時に、本当に国民の方、つまり、他の難病の方は、どうするのですか。他の医療費がかかっている方は、どうするのですか。大臣は、C型肝炎ばかりやっているのか、この難病だけやっているのか、北海道なんか難病扱いしていますから、じゃあ、うちの難病は、どうしてくれるのだという方々は、やはり不満があると思うのです。そうすると、大臣が会って、面会した方々の病気だけを大臣は、助けてという不満もあり得るので、そういうことを総合的に考えて。冷たくて会わないと言っているのではないのです。山ほど難病があり、山ほど困っている方がおられます。一つ、一つ解決していく。解決の目途をきちんとつけてからお会いしたいということです。ですから、その真意を是非お分かり頂きたいと思います。
記者:
具体的に、支援策をもう、具体的にどうするかということを検討し始めているということでよろしいんですね。
大臣:
これは、検討し始めているのは、与党PTです。議院内閣制ですから、最終的には、政治決断です。政治家の決断です。従って、厚生労働省が云々する問題ではなくて、主導権は。そういうことをおっしゃるのであれば、官僚が全部やればいいと。何のために国会議員がトップに座っているかということなのです。だから私は、厚生労働大臣であるとともに、自民党の参議院議員ですから。党と、もちろん公明党もおられるので、与党としっかり連携を組んで、そして決めるということです。つまり、実効あって、必ず皆さんの力になることをやるために、勝手に厚生労働省がこう決めて良いって言ったって、議院内閣制ですから。だから、一日も早く良い政策を実現するために、緊密に与党と連絡を取りながらやっているということです。
記者:
支援策は、要は、財源をどうするのかと、そこが一番大きな問題になると思うのですが、シーリングの枠内でやっていくのか、もしくは、新たな財源、どういう方法があるかわかりませんけれども、検討していくのか、そこらへんは大臣どういうふうに。
大臣:
まず一つ、財源だけの支援策でいいのかどうなのか、他の支援策はないのかどうなのか。基本的には、国民の皆さんが、こんなに自分の責任ではなくてですよ、肝炎にかかってしまったと、それでこんなに医療費もかかって苦しんでいる、何とか助けてくださいといって、声を上げておられる方々に対して、本当に共感を持って、そうだなあと、みんなで助けてあげましょうという気持ちを持つことが、まず第一なのですよ。そういう気持ちを持っていただかなければ、最終的に、財政負担は税金ですから。だから、先ほど言ったように、200万人も300万人も患者の数が増えている人が強くて、200人しかいない難病の人たちはほっといていいのですかということに対して、どう皆さんはお答えしますかということなのですね。できればみんな救ってあげたい、みんなに援助してあげたい、そうすると、これは消費税20%にしても、30%にしても足りなくなりますよ。だから、しかしやはり、どうか皆さん、みんなで助けましょうという観点で、私はそれを国民に説得して、かくかくしかじかのお金がいります、だけどこんなに困っているのですから、どうか皆さんよろしくといって、納得できるものであれば、それは国民が払った税金ですから、そこはあと知恵の出し方で何とかしようというように思っています。本当はもう全ての難病と、全ての困っている人を助けたい、その気持ちは変わりないのですが、そういう制約の中で、財源の制限、今おっしゃったとおりなので、なんとかやりたいと、そういう気持ちであります。だから、仮に、全部の、今、困っている方々に2兆5,000億円あれば、みんな助けられるよということになれば、ああそうか、みんなじゃあ助けようと、消費税1%上げれば済むのです。だけど、そう言ってくださいますかというのは、ちょっと待てよと、うちの村のこれをやってくれるのが先じゃないかとかいうような意見もあるので、政策の優先順位を決めるのは政治の仕事ですから、それは政治決断です。総理と官房長官とよく相談して、そして、もちろん、与党とよく相談した上で、最終的には政治決断をすると、政策の優先順位。そして、その前提は、国民の理解であるということを重ねて申し上げますので、是非みなさん、困っている方々を国民の皆さんも一緒になって助けてあげてくださいということを申し上げたいと思います。
記者:
昨日、厚生労働省から肝炎に関しては、総理に報告がいったそうですけれども、それを受けて、総理から何かしらの、大臣に指示なり、お話なりというのは。
大臣:
ありません。はい。
記者:
企業年金連合会の未払い問題なのですが、厚生労働省は、連合会も10年以上前から概数をつかんでいたと、未払いの概数をつかんでいたと、厚生労働省にも報告をずっと上げていたと、よく存じているはずだと言っていて、私、厚生労働省にも取材したけれども、少なくとも、問題が定性的に存在することは、要するに、70年代から知っていたというふうに言っているのですが、厚生労働省の監督責任についてはどういうふうにお考えでしょうか。
大臣:
いや、これは、企業の年金は勝手に企業がやるものであって、そんなものは、そこまでお上にやれと言うのかというのは、今日、確定拠出年金また8万人ぐらい、掛け金放置しているという報道がありましたけれども、まさに401Kなんて、もっと自己責任でやるものなのですね。ですから、しかし、年金をしっかり守ってあげないといけないという立場から、報告を義務化しようかなと、もう少し緊密に報告してほしいなということなのですが、少なくともきちんとした形で、報告書というのはきちんとした形で、こういう形であって、何万人の人が何月何日にもらっていなくて、その原因がどうである、だから、転職したりする、その時にきちんとやはりやってもらわないといけないし、企業がやっていることですから、そこまでお上におんぶにだっこで、それで小さな政府なんて言うなということなのですよ。そうでしょ。だから、どんどんどんどん税金がかかる。じゃあ、そんなことを言うのだったら、監督しなさい、じゃあ監督するのにもう一人役人を雇わないといけないですよ。皆さんの税金が増える。自分のところでやっていることぐらい、お上の世話にならないでやれっていうのですよ。それもやれないでやるなと、そういうことは。だけど、国民の年金の一部ですから、私は、これからは関与を強めていって、監督を強化しようとしていますけれども、そっちばかり出て、私が一番言いたいのは、お前のところでやっているのは自分でちゃんと面倒を見ろということですよ。そうでしょ。
記者:
ただ、要するに、厚生年金基金というのは、単なる企業年金ではなくて、要するに、大臣もご存知のように、厚生年金の支払いを代行している部分もあるわけですよね。つまり、公的な性格が非常に強いわけですよね。だから、私も確定拠出年金の問題とかは、やはり自己責任の側面が大きいと思いますけれども、やはり、これは、この基金の問題というのは、それとは相当性格が違うものというふうに思っていまして、だからこそ、やはり厚生労働省の監督責任というのは重いというふうに思っているのですが、その点はいかがでしょうか。
大臣:
だから、そういう観点から見れば、何も責任がないということは言えないと思いますけれども、しかし、あくまで企業年金ですから、1階建て、2階建て、3階建てで、その部分が連動している。だから、そこまで厳しく、こっちが立ち入って行って、お前ちゃんとやっていないじゃないかというところまで言うかといったら、その前提は報告なのですよ。だから、立ち入り検査しますかということ。
記者:
ただ、報告という点で言うと、ずっと上げてきたわけですよね。
大臣:
それは聞いていません。私は聞いていません。正確な報告書をもらっていない。私の前任者がどうか、着任したばかりですから、それは、あなたが言うことが正しいかどうか、精査してまたお答えします。それが前提ですから。
記者:
前九州厚生局長の件ですけれども、その後、調査はいかがでしょうか。
大臣:
その後は、特段進展しているということはありません。ですから、本人に引き続き、本当に金品をもらったのか、年10万なら何年もらったんだ、もっと細かいことをやろうとしております。それで、今の目安は、大体、前厚生局長に対する聞き取りを含めて、来週の前半部分、前半ぐらいには対応、どういう処分含めてまでできるかなと、本当は今日中にやろうと思ってやっていたのですけれども、ご承知のように、本人の聞き取りも時間がかかるし、それから、送った方の人に対しても聞き取り要請をしている。しているのですが、まだ返事が来ないのですね、送った方からは。だから、今日中にやれと言っているのですが、まだ来ません。それと、あとは、補助金の業務をやっていた担当者、実際内示というのが出た段階で、全部もう決まるので、内示の時に前局長が関与してない、職務権限がないことは確かなので、じゃあ、内示して実際に決めた時に、仕事をしていた連中に、前局長がはたらきかけをやったかは、これも今、9人そういう補助金担当者がいるのですけれども、今、聞き取りを行いつつありまして、これは何とか今週中にまとめたいというように思います。それで、それをまとめた上で、来週の前半にきちんとした対応を決めるということでやっております。
記者:
C型肝炎訴訟の仙台判決なのですが、一報段階で、国の賠償は認めずに、原告一人に限って、製薬会社の賠償を認めたと、そういう判決の内容だというのが入ってきました。これについて。
大臣:
ちょっと、だから、実際私が細かいのを見ていないので、これはちょっと時間をいただいて、判決内容をよく精査した上で、その結果どうするかを含めて、お答えしたいと思います。
記者:
今の段階では、他の訴訟だとか、あるいは、原告との面談についても、先ほどおっしゃった内容で変わりはないということでよろしいですか。
大臣:
今の、この、今あなたが報告してくださったことが正しいとした上でですけれども、それでもまだ基本的な線は変わりません。何よりも、だから、先ほど申し上げたのは、訴訟ということと支援策というのは別ですよということがポイントであって、そして、お会いする時には、きちんとした対応ができるような形でしか、行政の長としては会わないということです。そして、これは判決の主文を含めてきちんと、今、理由書を読んでいるはずですね、判決。主文だけを先にやりますから。それをきちんと取り寄せて、精査した上で、またお答えしたいというように思います。

(了)