閣議後記者会見概要

H18.07.07(金)10:37~10:57 省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は厚生労働省に直接関係する案件はございませんでした。特定船舶の入港の禁止に関する特別措置法に基づく特定船舶の入港禁止措置、7月5日の持ち回り閣議で決定したものが提出されました。それから、外務大臣から東ティモールにおける国内避難民に対する緊急無償資金協力についてご発言があり、中川農林水産大臣からWTOの閣僚級会合への出席について、前に二階経済産業大臣からもございましたけれども、今日は中川農林水産大臣からご発言がございました。防衛庁長官、外務大臣の発言を受けて、内閣官房長官から、北朝鮮による弾道ミサイル発射を受けての当面の対応ということで、「今般の北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、我が国の安全保障に直接かかわることであり、極めて憂慮すべきことです。また、本件は、日朝平壌宣言に違反し、かつ、6者会合共同声明と相容れない行為であり、国際社会の平和と安定及び大量破壊兵器の不拡散の観点からも極めて遺憾です。また、拉致問題についても、いまだに誠意ある対応をとっていません。この観点より、北朝鮮に対し、毅然とした厳しい対応をとる必要があり、具体的にはお手元にお配りした紙にあるとおり万景峰92号の入港禁止や人の移動の制限、また北朝鮮の対応を含めた今後の動向を見つつ更なる措置につき検討するなどの措置をとることを決定しました。」ということでご発言がございました。それを受けて、総理の方からも、「この間の日米会談でも、北朝鮮問題についてかなり細かい議論をした。今回の事案を受けても、電話等で連絡をとりながら、きちんとした対応をしていかなければならない。特に、日米間で密接な連携をとりながら、他の国への働きかけを強めていかなければならない。」と、こういうご発言がございました。以上です。

質疑

記者:
昨日発表された社会保険庁の調査の件で、また本人の意思確認がないままの手続きが新たに見つかっています。あれだけ内部調査をかけながら、また新たに出てきたということについてのご所見をお伺いできますか。
大臣:
国会での議論の中で、私自身何回もお答えしているとおりで、残念ながら社会保険庁の現状の組織においては、本庁の命令によってしっかりとした資料を調べて、事実関係を明らかにすることがなかなかできないように思いますと、したがって、まず第一段階として、何回にもわたる自主報告をした。しかし、それではたぶん違うだろうという想定の下で、人を疑いたくない、信用したいけれども、この問題について、私自身が信用することはできない、したがって、本庁からの一件一件の調査に入るということで、今第二段階、言われるとおり、自主申告と本庁からの内部調査に違いが出てしまった。そういう意味では私の国会答弁が、残念ながら当たってしまったということは事実で、誠に遺憾としか言いようがございません。一方で、それでは本庁の調査だけで足りるかというご質問を国会の中でも随分いただきまして、私自身もやはり外部の眼を通す必要があるだろうと。そういう意味で、政治家たる両政務官にお願いをし、そして、組織的には社会保険庁から離れた組織の力も借りながら、民間の皆さん方にも入っていただいて、もう一度その調査の結果を見させてもらう。したがって、昨日、第二段階までまとまりましたので、並行して進めてまいりましたけれども、第三段階、すなわち、検証委員会によることを逐次進めていくということでございます。そういう意味では、当初の予定どおりの行動が行われていると、また、結果も残念ながらそれに近いものが出てきたというのが今日の現状ではないでしょうか、そう思っております。
記者:
調査の中では、本庁職員による関与を指摘する証言も複数あったという話が出てきていますけれども。
大臣:
私はその内容を全く聞いていないのですけれど、どういう事実関係なのか。これはもちろん、私自身始めから物事を決めてかからない、全ての可能性というものを、一からやらせているということですから、それがまとまった段階でモノを言った方がいいのではないかと思います。やはり当初私がこのような見解を述べた時に、野党の皆さんからご批判いただいた。あなたの権限で全部やればやれるはずだと言われるから、実はそういう結果にはならないと思いますよと、やはりしっかりと段階を踏みながら、事実関係を丁寧に洗い出していくということが何より求められている、それを開示した上で、事実を開示した上で、どうするか改めて考えると、こう申し上げております。
記者:
北朝鮮のミサイル発射問題についてなのですが、自民党の中からも、かなり圧力をかけろというような声が強いですけれども、大臣の考えとしては、今後どのような対応策というのが妥当だと思われますか。
大臣:
今日、総理からもお話がございましたように、基本的には、各国と連携をとりながらやらなければならない話だろうと思います。特に、送金の停止という措置に入ったとしましても、諸外国を通して北朝鮮に行く道は残されたままでございますので、実効性という面では、そういう問題があるだろうと、したがって、それ一つ取り上げても、きちんとした連携をとる、諸外国に理解を求めていくというのが一番大事なことだろうと思っております。実は、私が運輸大臣をやっていた時に、テポドンが現実に我が国を越えて宮城県沖に打ち込まれたことがありました。当時、私も担当する大臣として、航空機について、日本に来ることを認めない、取り消しをした。当時松茸か何か送ってくるということで、いろいろ議論があったところでありまして、その当時、野中官房長官の下で、他の、要するに運輸省が講じる施策以外に何か重ねて出来ないものだろうかと随分検討されて、なかなか当時妙案が浮かばないで、他の実効ある行為には移らなかった。その後、議員立法等で、様々な、特に船の問題が議論されて、法律として出来上がってきた。それから、先ほど言いました資金の問題、等々出てきたことは事実ですけれども、実効性あるものにするために、やはり諸外国の連携というものがまず土台になりますので、そこをしっかり固めながら、やる以上は実効性のあるものにしていかなければならないんだろうなと思っております。その当時の経験から見ても、実は航空協定には挙がっていったのですけれども、当時なかなか国連の足並みが揃わない、日米間の考え方にも乖離があったということから、当時まさに日本の国を飛び越えて宮城県沖にテポドンが落ちたわけですから、そういう意味では今の時点と同じですけれども、当時の対応としては、それ以上の対応が取れなかったということは事実です。しかし、二度目ですから、まさにこんなことがあってはならないことでありますので実効性のあるものにしていかなければならないだろうと思っております。
記者:
今日の夕方の臨時閣議で、骨太の方針が決まりますけれども、今回党主導で、歳出の方を決めていったという経緯がありますが、そうした削減の方法のやり方の変化というものについて。諮問会議の役割が変わってきたというような指摘もあるのですが、それについては、どのように感じていますか。
大臣:
というよりも、今までは、こういう過程を踏まえながらやってきたけれども、経済財政諮問会議で物事を決定していくという方向に変えた中で、官邸主導、内閣主導のやり方で、この3~4年間きた。しかし、やはり、党との関係というものをしっかりやりながらやっていこうということでありますので、そういう意味では元に戻ったという表現の方が当たっているかもしれないなという感じがします。しかし一方で、これから概算要求基準、シーリングの問題、また年末の問題、特に数字的に、はっきりした数字にはなっていませんので、我が省の問題を1つ見ましても。これから様々な議論を積み重ねながら12月までいく。その議論というのは、やはり、内閣の中での議論、また党との議論。また、総裁選挙で何がテーマになって議論されるかということも併せて、これから流れていく課題ではなかろうかと思いますので、ある意味では、私ども一段階という形に受け止めさせていただきたいと思っています。
記者:
今、トンネルじん肺訴訟で国の規制権限の不行使を認める。国の賠償を認める判決が今地裁で。
大臣:
ちょっと判決内容をきちんと聞いていませんので、見てからでないとコメント出来ませんけれども。
記者:
社会保険庁の調査なのですが、本庁職員の関与の証言が複数出たということなのですが、今後その本庁職員の調査についてどのような形で進めるお考えがあるのかということについて。
大臣:
先ほども触れたように、すべて予断を持ってやっていません。また、今の表現もどういう意味で関与したということが出たのか出ないのかも私も良く聞いていないし、皆さん方も実態を聞いた話ではないでしょう。やはり、調査中ですから、調査が終わった時点でこの問題について私も発言するし、皆さん方も書いて欲しいなと思います。途中経過ではよく分かりませんから。何をもってそういう表現になっているのかもよく分からないから、どうぞ、そういう意味で受け止めていただきたい。
それから、併せて社会保険庁の関係について申し上げると、去年の暮れでしたでしょうか、私の方から、またその後国会の答弁で、何度も申し上げておりますけれども、国税庁と社会保険庁が一体として歳入庁になるということについては、私自身反対です。理屈もなかなか合いにくい。また、やっている業務が違い過ぎる。特に、年金の給付という仕事を、これは厚生年金も含めてやっている仕事をどうするかという部分になると、集めるサイドの議論ばかりをしていても仕方がないということを申し上げた。また、特に、国税庁が現実、納税に来られる方が350万人というのに対して、私どもは2,000万人という人たちに免除の問題も含めて徴収業務を一人一人の方に丁寧に行っているので、母数が違いすぎるのではないかという話を申し上げました。しかし一方で、国税庁という役所がある意味では内部規律がしっかりし、そして業務的には似たような業務をしていることは事実ですから、そういうところの知恵も借りたい、こう申し上げてきて、今回財務省から、要するに国税庁の方々を2人、こちらに来ていただくことになりました。あとは事務的にやりますけれども。財務省から2人来てもらう。一方で、厚生労働省の方から3人国税庁に勉強に行くという人事交流、これを発表させていただきますので、あとで詳細は配らせていただきます。
記者:
外国人労働者問題について伺いたいのですけれども、今日の骨太の方針でも、専門的・技術的分野以外の外国人労働者の受け入れについても、積極的に検討していくという方針が盛り込まれる予定なのですが、改めて、大臣の外国人労働者受け入れ問題についてお考えをお聞かせいただきたいのですが。
大臣:
これは何回も発言した話で、一つは、全体で有効求人倍率が1を超し、かつ、失業率も4.0まで落ちてきたという、もうすぐ3%台までいくのではないかという中で、老人の雇用、お年寄りの皆さん方の再雇用問題について随分進んでいる。これは、評価したい。経済界もよく受け入れてくれていると思っています。しかし一方で、若者の失業率は相変わらず8.7%くらい。極めて高いところにある。ここを何とかしなければならないという時に、安易に、特に単純労働の外国人労働者に頼るということについては、私は何回も、諮問会議でも申し上げましたけれども、反対でございます。一方で、技術がある方々、EPA交渉で今フィリピンとやっていますし、また、財界から次の課題としてインドネシアとの問題という形で提言されている。したがって、技術のある人たちについては、議論をしていくということについては、これは全く我が国が進める施策として大きな課題であるということで、これははっきり切り分けて申し上げております。財界などから叫ばれ始めているのは、経済が少しよくなってきたから、単純に外国人労働者を入れろという要求が非常に出てきておりますので、私の立場としては絶対反対と申し上げております。これは、政労会見でも出ましてね。政労のトップ会談の記者会見でやっていなかったから、質問が出るかなと思っていて、その時も出ましてね。私の方から少し申し上げて、経済界からも随分外国人労働者を入れて欲しいという要求が強いんですと申し上げたら、総理の方から、これは一部新聞にも載っておりますけれども、基本的には自分もそういうスタンスにない。連合も、総理の姿勢というものを評価する。こういうやりとりがあったところでございますので、今あった本当にどういう表現になっているのかよく分からないけれども、総理自身のスタンスは、新聞報道にあったとおり、政労会見でトップ会談で語られたとおりだと理解しています。財政諮問会議でも一度、それからこの間のトップ会談で。きちんとしたスタンスで総理が示してしていただけたと思っています。
記者:
先ほどの諮問会議の件の関連なのですけれども、今後の諮問会議のあり方として、もう一つの国の中枢の政策を学者や経済人に任せるのはどうかという指摘もずっとされているかと思うのですけれども、それについてはどうお考えになりますでしょうか。
大臣:
一つの惰性できた政治というものを転換させる。財政なり、様々な施策をさせる上で、民間人の皆さん方が今日まで果たされた仕事、これは大きいだろう。これは、小泉内閣でしたことではなくて、橋本行革の中でこの方針が決められたわけです、現実問題。それを小泉内閣がそのシステムをうまく使いながら、構造改革を進めてきたことは事実であろうと思います。仕組みは、これは決められた法律上の仕組み、しかしそれをどううまく利用するかということについては、総理のリーダーシップの下でされてきたのだろうと思っています。したがって、今後については、やはり次の総裁総理がどういう形でこの諮問会議というものの建議というものを受けながら整理を進めることになるのでしょう。したがって、我々が言うべきというよりも、まさに総理総裁になる人に語ってもらったらいいのではないかと思います。
記者:
先ほどのじん肺についてなのですが、今後の対応についてはですね、内容を見て。
大臣:
内容も聞いていないのに質問されたって答えようがないでしょう。

(了)