閣議後記者会見概要

H18.05.23(火)09:16~09:25 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
今日は、直接厚生労働省に関係する事案はございませんでした。「平成17年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況」及び「平成18年度交通安全施策に関する計画」についてということで、担当大臣からご報告がございました。国土交通大臣から、公共工事の入札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針の一部変更について、一般競争方式の拡大と総合評価方式の拡充を進めるとともに、入札ボンド等そのために必要となる条件整備を進めるということで、ご発言がございました。それから、天皇皇后両陛下がシンガポール、タイをご訪問されるというご報告がございました。以上でございます。

質疑

記者:
社会保険庁の関係ですけれども、国民年金保険料を無断で免除したり、納付を猶予したりということが、昨日大阪で発表になりましたが、大阪以外にもいくつかあるとの指摘があるのですが、大臣はどう把握していらっしゃるのですか。
大臣:
何カ所かありますね。前々大臣、前大臣が、社会保険庁の様々な膿と言いますか、要は個人情報を盗み見てしまったり、いろいろな意味での不祥事を処分されながら、膿を出しながらやってきたけれども、まだ決められたとおりに仕事をしない、応用動作で仕事をしてしまうようなことが今回明るみに出たということです。特に、年金の問題については、3分の1を国が負担する、すなわち、免除を受けるといっても、国が3分の1のお金を出すわけで、そこには、税を使うわけですから、そういった意味では、きちんとした対応が求められているのに、このような問題が起きたということで、わかった時点でなるべく外に出して、膿を出せという指示をいたしております。社会保険庁改革について、様々なご議論がありますけれども、やはり解体的な出直しをしなければならない。この組織を手直しをしながら、社会保険庁を残しながらやったらどうかというご議論も一部にあったけれども、今回の医療制度改革法案、その後、社会保険庁改革法案の中で、やり直す、一人一人の職員が自動的に異動するわけではないということを入れてある、極めて厳しい内容となって、これからどういうご意見がでるか分かりませんが、やはり今回の法案に示されたように、一人一人の問題を詰めていかなければならないという認識を新たにしたところです。
記者:
最後におっしゃっていた部分に関わると思いますが、関係者の処分についてはどのようにお考えですか。
大臣:
相当きつくなると思うんですよ、当然。ルール通りやれと言うのにルール通りやらないんだから。それも、何回もこういうことを繰り返してやってきているわけですからね。周りでそういうことをした人たちが処分されてきているのを横目で見ながら、またしたわけですから。それは、より厳しい処置にならざるを得ない。
記者:
今回の件は、保険料の未納率を低く見せるために行われたのではないかという指摘があるのですが、大臣もそのようなご認識ですか。
大臣:
その人たちに、そんな意図はなかったんじゃないかな。要するに業務でこういうマニュアルできちんとやらなければならない。しかしながら、なかなか回答が得られない。ある意味では、結果として年金の3分の1を放棄してしまうことになる。やってやった方がいいんだという、自分の独りよがりの論法でこんなことをしてしまったというふうに思います。そういう意味では、まさに公務員の最大の基本、きちんとしたマニュアルを守らないで独りよがりの判断をした、これにつきますね。
記者:
その件に関して、未納率がなかなか下がらないことについて、もっと下げるようにという現場へのプレッシャーがかなり強かったという声もありました。その辺が原因とか。
大臣:
それは、その業務として当然の話でしょう。大学生の人たちは、所得が少なければ納めなくてもいいという、その周知徹底をきちんと図って、そして、一人一人の被保険者が理解をしてその制度をとりなさいということをやらせるのは当たり前。また、厚生年金、本来かけるべき人が、事業所等で厚生年金をとっていないので、4分の3以上働いているのに入っていない。そういうところは、やはりきちんと徹底しなさい。これはもう、徹底してやらせています。払うべき人には払ってもらいなさい。もし、払えない人がいるならば、そこはそういう形できちんと対応しなさいというのは、業務を1つ1つやっていく。今までのようなぬるま湯の社会保険庁では駄目だよと言っているんだから、仕事に対するノルマがきついという表現が出るのは当たり前ですね、今までが甘かったわけだから。結果として、それを独りよがりの判断をしてそのような行為をしたことについては厳しい処分をせざるを得ないと考えております。
記者:
今の関係ですけれども、こういう形のいわゆる分母を消すというやり方です。これが、いくつかのところで出ているわけですが、社会保険庁全体として、組織的に行われていたのかのではないかという疑問があるんですが、それについて、どのようにお考えなんでしょうか。
大臣:
その辺は、私は聞いていない。聞いていないし、現実問題そんな独りよがりに決められたルールを守らないでやりなさいという話がどこにありますか、公務員として。民間なら、いろんなその場の対応というのがあるかもしれない、民間ならば。しかし、公務員は決められたルール以外何ものもないじゃないですか。そんな甘えは許されない。
記者:
いくつかが発覚しているわけですが、それ以外にあるというご報告は。
大臣:
何件か、全部出していると思いますよ。オープンにしていると思いますよ。皆さん方がどこまで知っているか知らないけれども、オープンにしていると思う。
記者:
大阪で発覚した件数が何万件という大きな数で、その一人一人ということではなくて、事務所の方で組織的にこういう形で行われていたということなんですが、それについてはどういうふうにお考えになりますでしょうか。
大臣:
それが一人一人の担当者の独りよがりなのか、所長等の独りよがりだったのか、そこは今からきちんと詰めます。しかし、そこは先ほど言ったように、公務員がルール違反をして、それが上の命令だなんて、そんなことあり得ない。正直申し上げて。
記者:
3月に京都で初めてこういう不適切な例が発見されて、その時に調査された時は全国で回答がそういうことはやっていませんという回答が一連あったようなんですが、今回、いろんなところからの情報で再調査した結果判明したということを聞いておるんですが、今回発見された東京、大阪、長崎以外にもそういうところがあるのではないかということが考えられると思うんですが。
大臣:
そうでしょうね。全く可能性がないとは言えない。
記者:
その点について、再調査を行うと。
大臣:
再調査というより、人事異動が少し遅れていますので、人事異動をある時点できちんとして、まさに前任者がやったことを根っこから全部調べ直すという対応をしていく以外ないんだろうと思っています、組織論としては。要するに、間違ったことをしていて、本庁の方から調査をしたときに、またそれを隠すという体質が、今回あったということは間違いない。したがって、そこは人事異動等を含めてきちんとこういうものをはっきり調べるためには、人事異動等を噛み合わせないと出来ない、このように思っています。

(了)