事前大臣協議(2)後記者会見概要

H17.12.18(日)14:21~14:40 省内会見場

広報室

会見の詳細

事前大臣協議について

大臣:
先程の診療報酬改定の決着に引き続いて、財務大臣と事前の大臣協議をしてまいりましたのでご報告を申し上げます。第1点目は、財務大臣の方からでございますけれども、年金事務費の国庫負担です。この中で、事務費に、従来通り保険料財源を充てるということでというご発言がございました。ご承知のように、社会保険庁改革で来年法案を出します。その時には、恒久処置をしたいと考えておりますけれども、来年につきましては、財政上の特例措置ということで引き続き継続することはやむを得ないということで回答を致しました。なお、職員人件費を除く保険事業運営に直接関わる経費については保険料負担として、受益と負担の明確化を図る。一方で、国会でも随分昨年議論がありました宿舎や公用車等との内部管理事務費、これについては国庫負担とするということで、お互いに了解を致しましたのでサインを交わしたところでございます。それから、2番目の方は、今度こちらからのお願いで、遺族に対する特別給付金は200万円ということで支給されていますが、今年は、戦傷病者等である夫の日常生活の介助及び看護、家庭の維持等のための努力されてきた奥様方の精神的痛苦に対して慰藉を行うということで、戦傷病者等の妻に対する特別給付金の額面を100万円として継続することをお願いしたいということでご了解をいただきました。それから、介護報酬でございますけれども、これは施設については既に10月から実施を致しております。4%近くをやっておりますので、これについて据え置く。在宅については、全体で0.5%、在宅で1%ということになります。その中で、軽度者に対する給付については効率化・適正化で平均5%を引き下げる。しかし、重点化するということで、中・重度者に対しては4%を上げる。両方を合わせて1%の引き下げという考え方で、これもご了解をいただきました。その後、総務大臣を加えての国保の問題の話に入るわけですけれども、少し時間がございましたので、私が大臣に就任してから約40日~45日くらいたつんでしょうか。医療改革、また年金の問題、様々な問題を議論してきて、来年は法案を出して、これを通して、特に医療改革ですと平成20年から本格的に動き出していこうということになる。そういう意味では、去年の年金の議論から始まりまして様々な問題、特にこれは国民の痛みも感じる問題もかなりやってきたところでございますので、来年は少し社会保障制度を落ち着かせて国民の理解を得ながら進めていかなければならないので、これ以上厳しいことは1つご理解をいただきたいということで、優しさを持って厚生労働行政、社会保障制度を見守っていただきたいというお願いを致してきたところでございます。それから、国保制度について、都道府県単位での保険運営を推進する一方で、財政の安定化、保険料の平準化を促進するという観点から、今まで国保財政基盤の強化のために財務省、総務省にご負担をお願いしてきたけれども、国、地方に負担をお願いしてきたけれども、引き続きご理解を得たいということで、国・地方で半々ずつになりますでしょうか、国保財政健全化のために資金を出していただくということで、これもご了解をいただきました。いずれにしましても、医療制度改革は、これから法案を作って来年議論をいただき、議論の経過の中で国民の理解もいただいていくという中で、国保につきましても、先程言いましたように都道府県単位にという考え方が強く出てきておりますし、また後期高齢者医療、これはもう国保の中の80%がそこに向かうことになるんでしょうか、そういう変化の中で医療改革を着実に進めていかなければならないという課題がございますので、国・地方のご協力を重ねてお願いをいたしておきました。以上でございます。

質疑

記者:
先程の診療報酬改定の影響額と、併せて介護報酬の方の影響額を教えていただけますでしょうか。
大臣:
正確にまだ計算していないので、概算要求ベースからまだちょっと動いているものですから、後で整理をしてご報告します。まあ、だいたいなら計算したら分かるんじゃないでしょうか。
記者:
先程、来年から優しさを持ってというのは、あれは谷垣さんとの議論ですか。
大臣:
そう。厳しくやられたからね、今年はね。
記者:
回答は。
大臣:
我々の財政もなかなか厳しいという話をしてました。来年は、歳入と歳出の一体の改革というのがあるんじゃないですか。まあ、それもありますからとは言ってたけれど。
記者:
年金事務費の取扱いについて、こういう形で特例措置を継続するということが決まったんですけれども、かなりこの事務費については国民世論が厳しいものがあったと思うんですが、こういう形での決着というので理解を得られるというふうにお考えになられますでしょうか。
大臣:
私は正直言って、その他の保険の分野もやはり負担というものと責任というものがあるわけで、そういう意味では、昨年いろんな議論があったものを私も横で見ていた一人ですけれども、少しはっきり言って言い過ぎじゃないかなという感じを受けていました。やはり、費用を誰が負担をするか、誰かがしていかないといけないわけで、全部税でやるべきか、保険料でやるべきかという議論の中で、基本的に人件費と言われるものについては、国が責任を持つという意味で負担をする。しかし、徴収するのに直接関わる費用については、これはやはり保険料の中に入れていくのが私は理屈上は正しいと思います。ただ、財政が厳しいから、勘弁して下さいという主張もあるかもしれないけれども、やはり理屈に合った方がいいと思いますし、また来年も社会保険庁改革をして新しい組織がスタートをするわけです。そういう意味では、整理をしておいた方がいいかなという感じはします。
記者:
今の続きですが、来年度は特例措置ということですが、再来年度以降は。
大臣:
法案に入れます。
記者:
その部分は保険料から出ていくということになると思うんですけれども、先程の大臣の薬価の言及もありましたけれども、去年の議論の中では、保険料以外には一切投入しないというような政府等及び与党からの発言もあったと思うんですけれども、その辺の整合性というのは、どのように考えていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
法案は恒久化するということで作って、法律を審議いただくわけですから、そこで、最終的にはご理解を得たいと思っています。
記者:
恒久化するという話は、厚生労働省からの提案ということでしょうか。財務省の方から、当初そういう意見があったと思うんですけれども。
大臣:
財務省から要求があって、しかし、来年は法律が3月までには上がらないでしょう。従って、特例措置でお願いをしたいと。再来年以降については、まさにこれから法律を出して国会でご承認いただけばそういう方向になるでしょうし、国会で今みたいな議論の中で駄目だと言われれば、それはまた違う形になるでしょう。そこは、まさに国会という場に出して、ご議論を頂いて決着をいただくことになるのか、それは一番見えやすい形ではないかなと思います。
記者:
それは社保庁の組織改革法の中で入れ込むということでしょうか。
大臣:
そうですね。
記者:
診療報酬改定のことで申し訳ないのですが、今回、中医協改革を受けた後の第1弾の改定結果でしたが、終えられての率直なご感想をお願いしたいのですが。
大臣:
率直なご感想というと、皆さん方がお分かりのとおり従来ならばある程度の道筋がつきながら、皆さん方もこんな土日までに出なくても大体粗々な方向が分かったのだろうけれども、そこは様々な議論があって最終決着を見たということで、感想どうですかと言ったら、一仕事終わったなという感じであります。就任当時からずっとあった話で、医療改革制度とこの診療報酬問題、どうするのか、どうするんですかという形で、当時何パーセントくらいの数字が出ていたのか私の頭の中にないけれども、それこそ皆さん方の方に感想を聞きたいくらいです。1ヶ月半ぐらい前からのいろんな議論と今回の決着をどういうふうにご理解をいただけたか。
記者:
今回の改定作業にあたって、総理のリーダーシップというものを大臣どのように感じましたでしょうか。
大臣:
総理のリーダーシップというのは何て言うんでしょうか、我々自身が大体小泉改革というのはどういう方向に総理が引っ張っていこうとされているんだろうということ。日頃の閣議を通じてなり、様々な分野での議論をしている中で、そして今回の総理の考え方は基本的にはこんなところではないかなと思いながら、財務大臣と私は交渉する。しかし、一方で私は先ほど言いましたように、やはり医療の質、それから持続性というものは担保しなければならない大臣ですから、そういった意味ではそういったものをあわせながら、今日半日議論してきた。より総理のご意向をよくお分かりになる官房長官も最終的にかみ合いながら決着をしたということですから、そろそろみんな慣れてきたんじゃないでしょうか。総理の考え方は、どのくらいのところにあるかなと、そういうものを推測しながら、我々としては、どういう方向へ物事を引っ張っていくべきかということでやってきたということです。
記者:
大臣に直接総理から指示があったというわけではない。
大臣:
今回ありません。いやいや、かなりの部分ないんですよ、皆さん方あった、あったと言って随分書かれているけれど。似たような、まさに皆さん方が聞いたような書き方しているけれども、実際はない場合の方が多いんじゃないですか。
記者:
今回は11月30日の医療制度改革大綱に診療報酬の改定引き下げの方向でということが書き込まれてからほぼ半月以上経過したわけですけれども、当事者の大臣のお立場として調整は最初から割と近い、財務省との交渉は今の水準に近いところで淡々と進まれたのか、あるいはどこかで税制改正の議論等の諸々のこれまでの予算編成に関連した事項の検討の過程で、何か潮目の流れの変わり目というものはあったのか、ご感想を伺えれば。
大臣:
基本的には皆さん方に聞かれる度に答えていたのだけれども、薬価にしたって今度の話にしたって基本的には数字ですよ。やっぱり数字の積み上げの中で政治的にどう判断していかなきゃならないかというところが大事で、そういった意味では大きくお互いの意見が食い違うというのは、数字を積み上げてくれば、私はないと思います。薬価改定だって皆さん方いろんなことを言われていたけれども、それは数字出るまで待ってくださいと、きちっと出るまで。たぶん1ヶ月前40日前の皆さん方薬価自体が違うんじゃないのでしょうか、正直言って。プロと言われる皆さん方でも違う。それは数字出るまでしゃべるものじゃないですよと私は申し上げてきた。今回のも、そういう意味ではかなり数字的なもので、ある程度のものは出させていただいたと思っております。
記者:
中医協改革で診療報酬改定、全体の改定率の仕組みが変わって第1回目の改定だったわけですけれども、今後のルール化のスタートになると思うんですが、今回の改定率のプロセスというのは、今後の2年後4年後に良い影響というか、どういう遺産を残したか。
大臣:
基本的に皆さん方大体お感じになっているように、財務大臣と私が議論して大体の方向は決めていくと。しかし多少先ほどの話のように、また政治的な要素もあるわけですから、その最終調整というのは当然あるわけです。それからもう1つは、医療制度改革大綱というのは今回あったから、そこに載ったものはやはり理解をしてほしいという話をかなり強くしました。逆に言えば、中医協に我々が意見を言わずにそのままあずけるのか。政治としての意見は今回0.3分については言わせてもらったという中で、後は専門家の議論になるということです。そこを皆さん方からの立場から評価してもらえばいいということになります。いや、政治は何も言わん方がいいというご評価をいただくのか。やはりああやって積み上げてきた国民の声というものは、やはり政治家は少しものを言っておくべきじゃないかと。このへんのことだと思うんですけれども。

(了)