閣議後記者会見概要

H17.10.11(火)8:48~9:02 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議等について

大臣:
閣議における大臣発言からご紹介申し上げます。第33回ユネスコ総会への出席等について文部科学大臣から発言がございました。それから、閣僚懇談会に移りまして、パキスタン等における大地震について外務大臣から発言がございました。閣議・閣僚懇談会における大臣発言は以上でございます。

財務大臣との会談について

大臣:
なお、本日は閣僚懇談会終了後に財務大臣にお会いをいたしました。財務大臣からお話がございました。それは、かねて私どもが医療制度改革について試案を出すと言っているので、そしてその案の出し方は、様々な選択肢をお示しして広く議論を進めていただきたいというふうに私がかねてより申し上げておりますので、その様々な選択肢の中に、是非、財務省の考え方も入れておいて欲しいというお話でございます。少し具体的に、どういうことを入れて欲しいということでお話があったかということもご紹介申し上げておきたいと思います。大きく第1に言われましたのは、公的医療保険でカバーする範囲を見直していく必要があるということでございます。具体的には、まず一般病床・療養病床ともに食費・ホテルコストを保険給付の対象外とする、あるいは、薬の話でありますけれども、後発品が存在する先発品については、後発品の薬価の水準までが医療保険給付であって、その後発品と先発品との差額は自己負担とする仕組みを導入するといったようなこと、それからさらに、一定金額までの保険免責性を導入する、あるいは市販薬と類似の医薬品は保険給付の対象外とするといったようなお話がございました。すなわち、今申し上げたように、まず最初に、公的医療保険でカバーする範囲を見直して行く必要がある、ということでございました。続いて大きく2点目でありますけれども、世代間の負担の公平の観点から、高齢者の自己負担を見直す必要がある、ということでございます。これについては、あまりご説明するまでもないと思うんでありますけれども、高齢者を今までは一律に経済的弱者と捉える考え方であったけれども、これを改めて年齢を問わず負担能力に応じて公平に負担していく仕組みに見直していく必要があるだろう、とこういうことでございました。それから、大きく3点目であります。医療提供側にも合理化努力を求める必要がある、ということでございます。これでまず強く言っておられましたのは、医療費の約半分は医師等の人件費である、ということでございます。そして一方、民間準拠により決定される人勧のマイナス幅と比較しても診療報酬本体の改定率というのは大きく乖離しておる。この乖離を是正すべく診療報酬改定について厳しい改定にする必要があると考えているというお話がありました。今日、具体的にこういうものを盛り込んで欲しいというお話があったことのいくつかをご紹介したところでございます。
それに対しまして私から申し上げましたことは、冒頭財務大臣からもお話がありましたように、私どもの試案では様々な選択肢を示した上で、国民の皆さんのご議論をお願いしたい、ということはそのとおりでありまして、試案もそういう形で出させていただきたいということを申し上げました。そして、その基本にある考え方というのは、言うまでもないことでありますが、制度の持続可能性を確保するということ、それからこれは私が言っておることでありますけれども、国民皆保険制度というのは、私どもの宝だと思っておりまして、これだけは堅持していく必要があるという前提で、今度の試案は選択肢を出すということでありますけれども、私どもは基本の考え方はそうしたいと、そうすべきであるというふうに言っているところであるということを改めて申し上げました。その上で、今日お話いただきましたいろいろなご提案については十分考慮して、私どもの試案の作成を進めてまいりますというふうに申し上げました。そして試案発表後でございますけれども、国民の皆さんのご議論をいただきながら、そしてまた政府・与党の中で検討も進めなければなりませんけれども、年末までには成案を出せるように十分協議をさせてくださいということを申し上げたところでございます。財務大臣との話の中身というのはそういったようなことでございました。今朝私からご報告申し上げることは以上でございます。

質疑

記者:
2025年に国民所得比で9%の医療費にするというような報道が一部ありましたけれども、これについて記事のとおり指示されたのかどうかということと、国民所得比で医療を管理するということについての大臣の考えを教えていただけますでしょうか。
大臣:
まず基本的に、これは今までの議論の繰り返しでありますけれども、今も財務省からお話もありましたが、それはそれとして、1つずつの施策を積み上げていって、そして抑制を図るべしというのが私どもの考え方でございます。従って経済指標を基にして、頭からキャップをかぶせて医療費を管理するという考え方には立っておりません。従って今のような経済指標で頭からという考え方はございません。考え方がないわけでありますから、指示することもございません。
記者:
今日財務大臣からこういうお願いがあったわけで、それはなぜ今このタイミングで、おそらく事務方でも事務レベルでもいろいろ話が進んでいると思うんですが、わざわざ財務大臣が閣僚懇の場でこういったことを。
大臣:
閣僚懇ではございません。閣僚懇談会が終了した後に、2人で話をしたということであります。
記者:
このタイミングで財務大臣が今こういう形で大臣同士の話になったというのは、どのように解釈すればよろしいのでしょうか。
大臣:
財務省も強い関心を示しておられるということだと思います。それからまたかねての総理のご指示等もありますから、そうしたことも踏まえてというふうに理解をいたしております。
記者:
大臣は国民皆保険制度を堅持していく必要があるということを大前提としておっしゃったのですが、これは今つまり財務省の方も「限られた財源の中である程度公的保険の範囲を見直さないと皆保険というのは維持できなくなるんじゃないですか」という問いかけをしていると思うんですけれども、それは大臣としてもそれについては同じような考え方というふうなことなのでしょうか。
大臣:
国民皆保険を堅持するということについては、私はかねて申し上げておるとおりであります。そして当然財務省もそうお考えだというふうに思います。ただその議論を詰めていったときに、今日も財務省からは免責制の話なども出てまいりましたけれども、そうしたことを議論するとき、あるいは皆保険とは何ぞやというような議論は出てくるのかなと思っております。
記者:
免責制度を設けるという考えに対してどのように思ってらっしゃいますか。
大臣:
これからのご議論でありますから、そしてまた今日財務省からもお話があったところでありますので、今日私の考え方を述べることは差し控えておきたいと思います。
記者:
財務省のいろいろな要望を受けて、さらに試案の作成に時間がかかるということはあるんですか。
大臣:
かねて中旬と申し上げておりますので、中旬がいつまでかということもありますけれども、大きく中旬には試案を出すというスケジュールに変化はありません。
記者:
大きく3点あったと思うんですが、これを全部入れられるのかどうかという点については今どうお考えですか。
大臣:
これはこれから検討いたします。ただ申し上げておりますように、私どもの試案はこれですというふうに出すつもりはありませんので、いろんな選択肢を並べるつもりでありますから、選択肢の中に入れるかどうかということでの検討になるわけであります。
記者:
そうするとまだ選択肢の中に入れるかどうかはこれから考えるということですか。
大臣:
はい。
記者:
大臣としては選択肢の中に入れることについてはやぶさかではないというような思いですか。
大臣:
まさに選択肢ですから国民のご議論をいただくという中で、財務省の考えておられるようなこと、当然入れてご議論いただければいいと思っております。基本的にはそういうふうに思っております。広くご議論いただくべきですし、広く選択肢も示すべきだと基本的にはそう思っております。
記者:
大臣としては今試案の発表はどういうふうにどういった場で行われるかどうかというのもだいたい考えはまとまっていらっしゃいますでしょうか。
大臣:
公表の形ですね。
記者:
形です。
大臣:
まだ決めておりません。

(了)