閣議後記者会見概要

H16.05.21(金)9:29~9:51 厚生労働省内会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議におきましては、2005年日本国際博覧会、愛知でありますこの博覧会の記念貨幣及び中部国際空港開港記念貨幣の発行につきまして、財務大臣から発言がございました。それから続きまして財務大臣から平成15年末現在の対外の貸借に関する報告書及び平成15年中の国際収支に関する報告書についてご報告がございました。昨年度の対外純資産額は173兆円、一昨年末に比べまして2.5兆円減少しているということです。それから平成16年版国民生活白書につきまして、内閣府特命担当大臣から発言がありました。それから外務大臣からコモロ新政府との関係について。以上でございます。

質疑

記者:
日本歯科医師会から幹部が現金を受け取っていたとされている件なんですけれども、現在までに把握していらっしゃる事実関係とそれから今後の対応について教えて下さい。
大臣:
事実関係はまだわかっておりません。そういう報道がございましたので、もう一度幹部全体についてあたり直すように、昨日事務当局に命じたところでございます。まだ人が特定されているという段階には至っておりません。しかし幹部ということになっていますから、幹部は課長補佐以上ということだそうでございますので、全てあたり直しをしてほしいとこういうふうに今言っているところでございます。
記者:
それから先日の諮問会議でもありましたけれども、社会保険庁の長官に民間の方を投入されるという件についてですが、大臣のお考えと今後の方針等あれば教えて下さい。
大臣:
経済財政諮問会議におきまして、社会保険庁の問題についていろいろとご意見あったわけでございますが、民間議員の方からは食糧庁と同じようにあのぐらい抜本的になくしてしまえというか、そういう議論があったわけですけども、それは少し違うんではないでしょうかと。食糧庁は一応これは任務を終えたところでございます。社会保険庁は半分医療の問題、医療保険をやっているわけですし、これから年金受給者も増えてくるわけでありますから、年金の保険料を受ける、徴収するだけではなくて、今度は年金を出す方もやっているわけであります。仕事量は増大することはあっても減少することはないと、食糧庁と同じように考えてもらう、それは少し乱暴すぎやしないかと私は思っております。それは少し私の考えていることと違いますと。より国民の皆さん方から見ていただいて、透明度の高い、よりよい社会保険庁をどう構築していくかというのが私の課題だというふうに思っております。人事等につきましても、社会保険庁の長官は民間の人も含めて検討をしたいというふうに思っております。それから内部の人事の交流につきましても、それぞれの都道府県に社会保険庁があるわけでありますけれども、優秀な人材があれば中央に登用する、あるいはまた中央の人も地方にいく、そうしたことで人事の交流をもう少し拡大をするというようなことも大事ではないかというふうに思っております。それからもう1つは、データの管理をどういうふうにこれからしていくか。年金を納めておみえになる皆さん方に、いちいちこれからお答えしていかなくてはいけないわけですから、そのお答えが出来るような体制をどう構築するか、そうしたことを改革しなければならない点は多いというふうに思っておりますから、それらのことを改革できるようにどこをどう改善したらいいのか早急に取りまとめたいというふうに思っております。そうお答えを申したところでございます。
記者:
今の社会保険庁の改革についてなんですけども、一連の国会の議論の中でも社会保険庁に対する批判がかなり強く出たと思うんですが、その流れから見て社会保険庁は体質という面からどのあたりで問題があるとお考えなんでしょうか、その点をご披露いただきたいのですが。
大臣:
体質といえばそうですね、過去の例えばグリーンピアの問題だとか何とかいうような問題はそれはありますけれども、これはですね、国会の方にも責任のある話でございます。衆議院におきましても参議院におきましても、3回にわたりまして決議をやってるわけですね。一番最後は58年でございました。全会一致で決議されている。だからその当時の発言、私はその当時から国会におりましたからよく存じておりますけれども、これは与野党問わずそうした福祉還元ということが叫ばれておりまして、そういうその質問等もたくさんあったわけです。そういう時期を経てきておりますから、だからすべて社会保険庁の責任というのは少し酷ではないかと私は思っております。しかし、社会保険庁として改善をしなくてはならない点がたくさんありますことは事実でありまして、いろいろなことを契約するのも随意契約で全てのことをやってきているというのはこれはもう論外でありまして、これは可能な限り競争入札にしなければなりません。それから車の問題だとかあるいは宿舎の問題だとかそうしたことが出ましたけれども、この車や宿舎の問題というのは、これは一般会計でやるか、あるいはこの年金財政の中でみるかという、そういうことでありますから、ここは割り切りの問題であります。経済財政諮問会議においても車どうこうの話が出ましたから、それは一般会計からやっていただくかどうかの話であって、車も要るものは要るんですから、そこをどこから出すかの話ですので、それはそれこそ経済財政諮問会議でちゃんと決めてもらいたいということを申し上げたわけです。体質と申しますが、今までの年金につきまして、負担はしてもらうけれども給付はまだ少ないといった時代、すなわち年金財政にたいへんゆとりのある時代の体質が残っているとすれば、そこは改革しなければならない。その点で潮目が変わったというふうに私は思っております。そこのところはやはりその前の段階の体質が残っていやしないか、そこが一番大事だと思っております。
記者:
本庁のデータ管理の問題で、12日に業務以外の目的で個人の年金の情報を職員が見ることはいけない、というような通知を出したというふうに聞いているのですが、それを改めて出したというのは。
大臣:
それはちょっと私聞いていないですね。出したかどうかということは聞いておりませんが、国民の皆さん方から依頼を受けて、そしてそれを見ると、これは仕事ですからやってもらわなければなりません。しかし、興味半分であちらを見る、こちらを見るというようなことがあってはならないわけでありまして、それはデータを見た人はそれだけのやはり責任を持って見ていただかないといけない。国民の側から見れば、個人情報が全て出回るのではないかという恐怖がつきまとうということでありますから、そこの仕切りというものは明確にしてやってもらわなければいけないというふうに思っております。
記者:
公務員としては、それは当たり前のことだと思うのですが、そういう当たり前のことを改めて大臣の口から何度も言われるというような事態という、そういう社会保険庁の体質についてはどのようにお考えですか。
大臣:
ですから、そこが一番問題でありまして、事実それがどこまで事実なのかどうなのか分からない点もありますけれども、しかし江角さんの件にいたしましても何人もの人がアクセスをしているということだけは間違いのない事実であります。ですから、あの人の件について調べて欲しいというふうに言って調べるというのなら、それはそれでご本人からの要請があったということであればよろしいし、あるいはまたポスターに出ていただいたわけですから、モデルになっていただいたわけですから、そうした意味でご本人の了解を得てこちらで見させてもらうということ、それは仕事ですからいいですけれども、そういうことではなしにあちらからもこちらからもそれを見るというようなことはもってのほかである、私はそう思っております。
記者:
今、大臣は何人もの人がアクセスしていることが分かったとおっしゃられたのですが、そうなると誰がそれにアクセスして情報を漏らしたかということを調べたいというふうにおっしゃられたのですが、それは極めて難しいということになりますでしょうか。例えば何十人というアクセスした人が出てきた場合にですね。
大臣:
どこからアクセスしているかは全て分かります。
記者:
どこからアクセスしているかというのは、どこの事務所のどの端末でということから分かるということでしょうか。
大臣:
そうですね。
記者:
それが個人に対して特定が出来ないというのはどうしてでしょうか。
大臣:
だからしようと思えば出来ることです。
記者:
確認ですが、何人もの人がアクセスしているのは、これは間違いない事実なのですね。恐らく業務に必要のないアクセスがあったということは。
大臣:
そこはあったか、なかったのかということをきちんと決めなければいけませんけれども、そんなに多くの人がそれに関わるという必要はなかった。
記者:
恐らく業務以外でアクセスした人が、社会保険庁の中にいたということでよろしいですね。
大臣:
だからそこを今調べてます。
記者:
大臣、先ほど何人もの人がということを。
大臣:
アクセスをした人がいることは事実であります。
記者:
何人くらいいらっしゃったのですか。
大臣:
そこまでは言えない。
記者:
早急に改革案を取りまとめるということでしたけれども、これはいつ頃を念頭にされているのですか。国民の側としてはかなり問題が。
大臣:
やはり今国会中にきちんとしなければいけないと思っております。ですからもうそんなに日があるわけではありません。
記者:
そうするとそれは先ほど大臣がおっしゃられたような内部の人事交流の話とかデータ管理の話などを含む改革案という。
大臣:
もう少し全体を見て、他に改革をしなければならないところはするということも含めてやらなければいけないと思っております。
記者:
江角さんだけではなくて、他の国会議員の方の漏洩したということも指摘されているのですけれども、そういったことについてのきちんとした調査報告みたいなものは出されるという理解でよろしいのでしょうか。
大臣:
私がそこまでするというか、それは事務当局である程度やってもらわなければいけない。しかし国会議員だけやっているというのもどうかなという気がしますから、そこは国民の皆さん全体に対して、それはどういうことになっているのかということをちゃんとしないといけない。国会議員だけの話ではないというふうに思います。
記者:
仮に漏洩が発覚した場合は、それはきちんとした処分をされるということでよろしいでしょうか。
大臣:
そこ、明確になれば。
記者:
処分をなさるのですか。
大臣:
そこはやってみないと分からない。
記者:
内部の人事交流という話なのですけれども、今までは社会保険庁の本庁で採用された人と、都道府県で採用された人の人事交流があまりなかったということで、それで全国の意志疎通が出来ていなかったという。
大臣:
そういうことにもなると私は思います。
記者:
興味本位の閲覧防止策というのは具体的には何かやり方というのは、検討に上がっているのはありますか。
大臣:
これからそれはやらなければいけません。まだ、出来てません。

経済財政諮問会議における議論について

大臣:
諮問会議の話で、どこの新聞社さんだったかちょっと忘れましたが、中期目標というものを設定するように、そこで決まったというお話がございまして、ちょっと申し上げておかないといけないのですが、中期目標を設定するということが決まったわけではございません。潜在的国民負担率の話が出まして、国民負担率を50%以内に収めなければならないとか、そういう話でございます。上にもう一つ潜在的がつきまして、いわゆる赤字国債の方も含めて、パーセントを抑えるという話になってきているわけです。そうしたことは何かの目標をつくってやっていくということは、それは私も分からないではないわけで、全体として日本の国の財政をどういうふうにしていくかという、一つの国民負担というものの、そこに目標を掲げなければならないことは、それはその通りというふうに思いますが、この現在言っております国民負担率のやり方でいきますと、消費税はその中に入ってこないのです。これからの将来のことを考えました時に、消費税というものが大きな課題になってくる。そのことを正しく把握を出来ないような物差しでもってやるということはいかがなものかと、私は問題点を指摘させていただきました。かなり反発がございまして、かなりお怒りでございましたけれども、しかし私はそこは税も込みで議論をしないといけないというふうに思っております。保険料の問題だけで、これをどれだけにするというのは間違いで、保険料と税を全体で見て、その税の中には消費税を正確に把握されるということを前提にして、やはりやっていかないといけないというふうに思っております。そうした意味でかなりの議論があったことは事実でございます。ただしそれは税も含めてやって下さいということを申し上げた。税というのは消費税も入っています、という意味でございます。ですからそういう意味で申し上げたわけでありまして、例えば社会保障なら社会保障の何か一つの目標を決めて、それをこれだけでやれということを決めたということでは決してありません。もう少し広い意味での、日本の国の財政全体での話を申し上げたということでございます。

質疑

記者:
ちょっと別枠なのですけれども、先日中川経済産業大臣が閣議後会見の方で、北海道のじん肺訴訟について和解方針を明らかにされたのですけれども、筑豊の例もあるのですが、訴訟関係者以外の患者というのがかなり広くいるかと思うのですけれども、いわゆる訴訟とは別のその後の救済策について、これは経済産業省とも協議が進んでいるかと思うのですが、現時点ではどういうようなお考えなのかをお聞かせいただけますか。
大臣:
今、まとめてお答えの出来るほど、まとまっておりませんけれども、これは各地におみえになることは事実でございますし、現在はもう炭坑もほとんどなくなっておりますけれども、しかしその時代のじん肺になられた方というのはかなり多いわけで、現在もなおじん肺は発生してきております。過去のそうした経緯もあって現在も新しく発生しているということもございます。ですから、それをどのようにしていくかということは、どこで区切りをつけるかということも関係がありまして、これは少し整理をしないといけませんので、整理をしたいというふうに思っております。整理いたしましたら、ご報告を申し上げます。

(了)