閣議後記者会見概要

H16.04.16(金)9:23~9:37 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議におきましては、法務大臣から無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律の施行状況及び破壊活動防止法による団体規制の状況に関する国会報告についての報告がございました。同じく国家公安委員会の委員長から無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する行為の施行状況に関する報告についてございました。それから外務大臣からはイラクにおける邦人人質の解放についての報告がございました。同じく在イラク邦人人質事件に関します警察の取り組みについて、国家公安委員会委員長から発言がございました。

閣議後懇談会について

大臣:
閣僚懇談会におきましては、これからの教育を語る懇談会につきまして、文部科学大臣から発言があった。以上でございます。

質疑

記者:
最初に昨日イラクで人質の3人が解放されましたけれども、これについてコメントいただけますか。
大臣:
そうですね、突然に3人の日本の方が人質になって、一方において犯人側から自衛隊の引き上げ等についての要求があり、そうした中で非常に難しい中であったというふうに思いますけれども、これは外務省はじめ皆さん方が大変な努力をされた、また各国に非常に大きな努力をしていただいた結果によって、3人の救出が可能になった。伝えられるところによりますと、イラクの宗教者の皆さん方にも大変努力をしていただいたということでございます。まずは一件落着、大変喜ばしいことであったというふうに思っております。今後、こういうことが起こってはいけないわけでございますが、しかしまた新しく2人、よくまだ確実に把握されておりませんけれども、行方不明になった人がいるということでございます。この人達につきましても、同様に早く救出できるように各省庁努力をしなければいけないというふうに思っているところでございます。
記者:
中医協の収賄事件なんですが、診療側と支払側と本来立場が対立する両者が、裏で実は手を握っていたと、たぶん国民の目から見て茶番にも見えると思うのですが、こういう事件が起きた背景というのは大臣はどういうところにあるとお考えですか。
大臣:
背景というのはなかなかわかりにくいんですが、私も中医協という審議会、この状況をふだんから拝見しておりまして、支払側とそして医療側というのは絶えず対立関係にございまして、むしろ険悪な関係がずっと続くというなことがあったわけでありまして、もう少し冷静にもう少し論理的に話し合いをしていただくことが出来ればというふうに思うことも再三あったわけであります。その中でこういうことが起こっていたということは全く想像もつかない事でございまして、本当に大きな驚きでありましたし、大きなショックを受けたわけでございます。今年の医療制度改革におきましても、星野会長以下この中医協の皆さん方にご信頼を申し上げて、とにかく中医協の中で議論を尽くして決定をしていただきたい、その決定につきましては最大限私は従うつもりでございますと、中医協に出てご挨拶を申し上げ、そして会長以下大変なご努力をいただいたというふうに思っております。そういうことがありましただけに、大変残念に思っているところでございます。こういうことが起こりました原因は一体何なのか、冷静に判断をしなければならないというふうに思っております。これは委員としての個人の問題なのか、それとも組織としての問題なのかといったことをよく見極めなければならないというふうに思っております。もしこれが組織の問題であり、長く続いておりますから制度疲労を起こしているということになるのであれば、これは組織の見直しということも行わなければならないというふうに思いますけれども、まずはそれは個人的な問題なのかどうか、そこのところの見極めが大事だというふうに思っております。しっかりとそこを見ながら冷静に判断をしたいというふうに思っているところでございます。
記者:
今おっしゃった組織の問題なのか、委員個人の問題なのかという、その判断する根拠と言うのでしょうか、議事録のチェックなどもなさるようですけれど、特にどこら辺を見るのかという部分なのですけれども。
大臣:
発言は私は様々で、発言の内容だけからすることは出来得ない。支払側と医療側とからいろいろな意見が出て、その中間で調整役をやっていただいているのが公益委員の皆さんで、私は一度会長にもよくお話を聞きたいというふうに思っておりますが、そうした議論の過程においてその調整機能をしていただく公益委員の立場から見て、一体現在の状況がどういうことなのか、公益委員が手薄なのか、それとも公益委員は手薄ではなくて、何がもっと大事なことなのかといったようなことも、一度会長さんともよくご相談と申しますか、現状をよくお聞きをして今後のあり方というものについて検討したいというふうに思っております。
記者:
具体的に会長さんとの面談の日程等お考えでいらっしゃいますでしょうか。
大臣:
まだお願いしておりません。近いうちに一度お会いをさせていただきたいというふうに思っております。
記者:
今、初診料の話がされておりますけれども、仮に初診料に実際手心を加えたということで、14年の改定が行われていた場合、今後それを改めて差し戻すということはあり得るのですか。
大臣:
それはないでしょう、中医協で決定されたことでありますから。初診料の問題は平成12年に決められていたことでございます。その決められておりました条件をどうするか、いろいろの難しい条件がついていて、それに対してどうするか。例えば、これは初診料の時に、いわゆる患者さんに対する情報開示の問題だったわけでございまして、より詳しく患者さんに情報を開示をするということが大事だということで、平成12年からずっと続いてきたわけであります。その12年の改正の時に、例えば口腔内写真を撮りますとか、歯形を取って、そしてそれを患者さんに見せて、あなたの場合はこうなっておりますということをちゃんと説明をした場合には初診料が取れる、こういうことになっていたわけであります。しかし、必要でない人にも口腔内写真を撮らなければならないということになったり、あるいは歯形を取る必要がなくても歯形を取るというようなことになったりといったようなことまでしなくていいのではないかという話が出た。それでそこまで行かなくても、いろいろのケースの写真を患者さんにお見せをして、あなたの場合にはこれに近い状況であるとか、あるいはまた歯形の模型をいろいろお見せをして、あなたの場合はこういうふうなことになっているものであるというようなことを説明したいと、そうしたことでいいということになったのが平成14年の改定であったというふうに聞いております。したがいまして、いわゆるかかりつけ医に対します初診料の分が含められたのは、平成12年の話でありまして、その条件をどこまで厳しくするかということが議論されたのが14年の改正であるということでございます。情報開示をするということによって、それに対して評価をするという行き方は決して間違った行き方ではないというふうに私は思っております。そこの情報開示の仕方についていろいろの議論が行われたという、これは速記録に全て出ているとおりでございまして、その速記録にありますような議論が交わされた、こういうふうに理解をしております。
記者:
もともと中医協の、今回の事件が起こる前から、中医協のメンバーの構成自体がある団体にどうしても特定されてしまって、患者側の意見が反映されにくいという指摘があったわけですけれども、今後メンバーの見直しですとか、あと同じ人は何度も繰り返さないような仕組みづくりですとか、この辺りを見直すというお考えはどうなのでしょうか。
大臣:
ですからそこは中医協の組織のあり方の問題だと思うのです。今回の事件がそういう組織のあり方の問題なのか、それとも委員の個人の問題なのかというところの見定めをしなければならないということは、そこを私は申し上げているわけでありまして、その見定めをした上で関係者の皆さん方のご意見も聞きながら、今後ひとつどうするかということの対応をしたい、こういうふうに思っております。

(了)