閣議後記者会見概要

H15.05.20(火)9:25~9:40 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
閣議における大臣発言からご紹介申し上げますと、官房長官から勲章の授与基準につきましての報告がございました。それから経済産業大臣から平成15年度中小企業者に対する特定補助金等の交付の方針について、いわゆる中小企業に対する研究開発のための特定補助金について30億円増やして280億円にすると、こういう話でございます。それから金融危機に対するための措置の必要性の認定に関する報告を国会に提出することについて金融担当大臣竹中大臣から発言ございました。それからWTO新ラウンド交渉の現状につきまして、外務大臣、経済産業大臣、それから農林水産大臣、それぞれございました。それからさらに農林水産大臣から平成14年度食料・農業・農林白書について発言がございました。財務大臣からサミット財務大臣会合について出席したことについての発言、今日は以上でございます。

その他

大臣:
これは今日の閣議ではございませんけれども、先日来の台湾人の医師が我が国旅行後に台湾でSARSと認定されました件につきまして、今後のこともございますし、これは台湾だけではなくて諸外国との問題もございますので、今まで言ったことではございますけれども、改めてもう一度整理をして申し上げておきたいというふうに思いますが、今回の件は直前までSARS患者又は疑いがある者と接触をする機会をもっていたにも関わらず、その後10日間を待たずに不要不急の目的で我が国を訪れたものでございます。さらに入国時の検疫の段階で発熱等の症状が出た場合には保健所等に連絡するように指示してあるわけでありますが、これを無視をして我が国に滞在中、発熱後も保健所等に連絡することもなく旅行を継続している。こうした一連の行為というのは、医師という職業をかえりみますと誠に遺憾であるというふうに思う次第でございます。今回のことを踏まえまして、厚生労働省といたしましては検疫体制の一層の強化を図ることにいたしておりますが、SARSの疑いのある者と10日以内に接触があると考えられる場合には、SARS伝播確認地域から我が国への来訪を控えられるように強く要請をしたいというふうに思っております。特に医療関係者にはSARSの疑いのある者と接触する機会が多いと考えられますので、我が国への来訪の必要性を改めて検討し、極力来訪を控えられるよう対応されることを強く望むものである。以上台湾の医師の件に関連をいたしましてこうした考え方をまとめたところでございます。以上私の方からの報告は終わりでございます。

質疑

記者:
新型肺炎に関連して、中国や台湾からの旅行客の宿泊を断る動きがホテルや旅館に広がっている様ですけれども、厚生労働省としてこれについて何か対応をお考えでしょうか。
大臣:
ホテルでの問題は、これは個人的な交渉でございますから我々とやかく言う立場にはございませんけれども、問題は来訪者が健康な人であるかどうかということにかかっているわけでございます。したがいまして、ほとんどの方は飛行機を利用してお見えになるわけでございますから、お乗りになる時の検査、それからいわゆる機内におきます問診票、あるいはまた体の状況等に対する申し出、それから空港に着陸をされてから後の我々のチェック、そうしたことを万全にしていかないといけないというふうに思っている次第でございます。こうしたことを万全にすれば、旅行者を受け入れるということは可能になるわけでございますし、そうしたことを我々としてはより徹底して行っていかなければならないというふうに思っているところでございます。
記者:
SARSの関連で、立ち回り先を公表に踏み切ったのですが、その公表に踏み切った理由と、公表に踏み切ったということで営業に被害が出ているというというような声もあるのですが、そういう業者やホテルなどに補償等を今後していくようなお考えはありますでしょうか。
大臣:
発表するにあたりましては、それぞれのホテルやあるいは業者の皆さん方のご了解を得たうえでやったというふうにお聞きをいたしております。なぜ発表したかと言いますと、発表しないことには台湾の旅行者がどういう経路を辿って旅行したのか、そしてまたその当時、日本国内から旅行してお見えになる方も多くいたわけでございますから、関係があるのかないのかと言ったことについての判断がなかなかできないということでございます。したがいまして念には念を入れて多くの皆さん方に健康をチェックしていただくということが必要でございますから、その経路を発表しないと皆さん方にそれが理解をしていただけない、あるいはまた、自分がその時に居合わせたかどうかということの判断がしていただきにくいということがございまして、発表になったところでございます。もちろんホテルでありますとか、飲食をされました場所でありますとか、あるいはまた土産物を買った等のお店もあるかもしれません。そうしたところはかなり名前を公表することによって影響を受けられるということは当然考えられるわけでございまして、この皆さん方には大変ご迷惑をかけたというふうに思っております。また、そういうこともよく理解をした上でこの名前を出すということに同意をしていただいたことに感謝を申し上げたいというふうに思っております。今後、そのホテルはじめ様々な業界の皆さん方が、今後どういうふうなことになっていくのかということにつきましては、予断を許さないところでございますので、今後の状況をよく見極めさせていただいて、他の省庁とも連携を密にしながら対応を考えていきたいというふうに思っているところでございます。
記者:
いずれ安全宣言というような区切りを大臣はお考えになっておりますでしょうか。
大臣:
一応10日間が経過をすれば一応安全だというふうに思っておりますから、日本を離れられましたのが13日でございましたか、それ以後10日あるいは12、3日、その辺が経過をすれば、そして日本の国内に疑われるような人が存在しなければ、もう安全宣言を出させていただいていいのではないかというふうに思っております。まだしかしそれを言うのは早見に過ぎますので、もうしばらく徹底的な注意をしていきたい。また予防と申しますか、その後皆さん方の健康管理、あるいは様々な情報に注意をしていきたい、こういうふうに思っているところでございます。
記者:
情報の伝達のことなんですけども、情報が入ったのが本来言われているよりも前の、前日の木曜日に関西空港に大阪の医師の方から連絡が入っていたという話があるんですけれども、それについて。
大臣:
様々な情報がこのごろは入っておりまして、その情報がいかなる情報であるのか、的確な情報であるかどうかということの見定めが大事になってきております。今回の場合に、的確の情報であった、それに対しての対応が十分であったかどうかということが問われているのであろうと思いますが、その時期のおきます情報といたしましては、まだ完全な十分な情報ではございませんでした。しかし、そういう情報を入れていただいたということが、ひとつのきっかけになって情報を早く手に入れるということに、大きな貢献をしたというふうに思っているわけでございます。今後も様々な、最近こういう時期でございますから、様々な情報がございますけれども、出来るだけそれに極力敏感に対応していくように職員にも指示しているところでございます。
記者:
情報伝達全体の今回の流れについて、改めて検証なり整理をされるお考えはありますでしょうか。
大臣:
まだ途中でございますから、現在まだ全てを検証するところまでは至っておりませんが、いずれにいたしましても初動態勢というのが大変大事でございますから、それが今後も問われるだろうというふうに思っております。今回の場合には、台湾の医師がすでに日本を離れて、そして台湾に戻って入院をされたということでございますので、その後の処理でございましたから、いかにその旅行された後を追跡するということが中心であるというふうに思っております。初めてのことでございますけれども、各自治体ともによくやっていただいたというふうに思っておりますが、今後やはり国と地方自治体との連携をどう密にしていくかということ、そしてどういう情報であったといたしましても、それをいかに早く厚生労働省なら厚生労働省の中心にそれを報告するかといったようなことが大事になろうというふうに思っております。
記者:
今回の患者は台湾人だったから、比較的旅行の行程とか公表しやすかったと思うのですが、今後もし日本人から出た場合もこういうふうに旅行行程とか立ち回り先を公表するというふうに考えているのでしょうか。
大臣:
日本の場合であっても同じことだと思います。日本の方で、もし発病してそしてその方が様々な場所を移動されたということになれば、移動先も含めて全て点検をする、そして接触のあった人については、健康のチェックをしていただくということは内外を問わず、同じようにやらなければならないというふうに思っております。

(了)