坂口大臣厚生労働記者会挨拶概要

H14.09.30(月)15:02 ~15:13 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

挨拶

大臣:
それではみなさん、改めましてご挨拶申し上げますけれども、引き続きまして厚生労働大臣を拝命をし、またお世話になることになりました。どうぞひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。総理の方からは1枚のペーパーを頂戴いたしまして、「自助と自律の精神を基本に年金、医療など社会保障制度改革に全力で取り組んでいただきたい。雇用の創出や流動化の促進など雇用の構造改革を進めるとともに、雇用情勢の変化に機動的、弾力的に対応し、国民の雇用不安を払拭していただきたい。三番目に少子化に対応するため保育所待機児童ゼロ作戦などの対策を総合的に推進していただきたい。」こういうペーパーを頂戴をいたしまして、「医療制度改革の前半につきましては大変ご苦労様でした。引き続きまして抜本改革を控えておりますので、どうぞひとつしっかりやって下さい。あわせて今年は年金につきましても国民の皆さん方に青写真を示していただかなければなりませんから、それらもあわせてひとつ頑張ってください。」こういうお話がございまして、「未熟ではございますけれども全力を挙げて取り組まさせていただきます。」そう言ってまいったところでございます。総理からのお話にもありましたように、医療制度の抜本改革の問題もございますし、いよいよ年金問題に火がついてまいりまして、年金問題やらなければなりません。あわせて介護の問題も来年はいろいろやらなければならない。雇用保険もやらなければならないというので、かなり広範囲にこの社会保障の問題をやっていかなければならない。そういう時を迎えているというふうに思っております。ややもいたしますと年金は年金として今後どのようにやっていくか、あるいはまた医療は医療として今後どうやっていくか、介護は介護でどうやっていくか、雇用保険は雇用保険としてどうやっていくかという、それぞれのこの系列化された中でそれらを議論をし、組み立ててきておりますけれども、しかし社会保障全体としてどのようにしていくかという全体像を見失ってはいけないというふうに思っておりますので、今まで以上にこの社会保障全体像をどうするかということを十分に睨みながら、その中で年金、医療、介護あるいはまた雇用の問題等々、それらを考えていきたいというふうに思っております。少子化対策をどうするか、あるいは高齢者の問題をどうするかといいましたときには、年金とか医療とか個々の問題ではなくて、それはトータルの問題でありますだけにトータルとしてどう考えていくかという視点を失いますと、これは国民の皆さん方にご迷惑をかけることになるというふうに思いますので、それらを総合的に考える中で個々の問題をどうしていくかということを考えなければならないというふうに思っております。また、国民の皆さん方にいろいろのご負担をお願いをしなければならない側面もありますけれども、それぞれの分野でお願いをするというふうに言いました時に、出していただきます国民の皆さん方の財布は一つでありますから、皆さん方としてはそれはあちらもこちらもというのは大変だというような意見ももちろん出てくるわけであります。これは税制とも絡む話でございますので、財務省等ともよくご相談を申し上げて、そして国民の皆さん方の全体としてのご負担をどういうふうにお願いをするかという視点に立って、具体的な問題につきましても考えていくといったことが大事ではないかというふうに思っておりますので、厚生労働省の省内で総合的に考えますと同時に、他の省庁との連携も今まで以上に一層密接にして、その中で考えていくようにしなければならないと思っているところでございます。そうしたことでございますので、問題山積でございますからいろいろとまた皆さんのご指導、ご鞭撻をいただきたいと思います。

質疑

記者:
前回の会見で人心の一新、あるいは多少お疲れになったというような本音もありましたが、留任ということで、現在の率直なお気持ちをもう一度お聞かせ願いますでしょうか。
大臣:
かなり全力を挙げて取り組まさせていただいてまいりましたので、総理が人心一新というふうに言っていただくのならば、それは一つの今、時期ではないかというふうに考えて、先日もそう申し上げたわけであります。しかし総理としては今日までの様々な問題の継続性も考えながら、大きな問題を持っているところにつきましては継続をして行い、そしてそこにまたフレッシュな人材もそこに導入をしていくと、こういうお考えで組閣をされたものというふうに私になりにお受けをいたしております。従いまして、今日まで続けてまいりました、継続してまいりました大きな課題、重い課題というものを、やはりしょいながら、指名をいただきました以上、更に重い荷物をしょいながら、ひとつ坂道を上り続けなければならない、こう思っている次第でございます。
記者:
先日、経済財政諮問会議の際に総理から社会保障について今後税を中心に見るのか、どこまで見るのか、あるいは保険料でどこまで見るのかということを一度厚生労働省の方で見直して欲しいというような趣旨のご発言があったそうですが、まさしく今おっしゃった各社会保障全体、総合的に見ていくという点と絡んでくると思うんですが、今のところ大臣の哲学としてどちらに重きを置いて、全体の組み替えを進めていこうということは固まってますでしょうか。
大臣:
まだ固まっているわけではございません。それはベストミックスという言葉がございますけれども、上手い具合に組み合わせていく以外にないんだろうというふうに思っておりますが、医療とか、年金とか、それぞれ立場立場によりまして若干の違いはあるというふうに思います。私は、これは個人の意見でございますけれども、年金というのは少しやはり税からの負担をしていただく必要があるというふうに思っております。かなり年金にお入りにならない方も増えてきているわけでありますし、そうした皆さん方の問題をどうするかという問題もございますので、ここは税による負担をある程度お願いをしなければならないんだろうというふうに思っております。しかし医療等につきましてはどちらかと言えばやはり保険料を中心にしてお願いをしなければならないのではないかと、もちろん高齢者医療につきまして税のご負担もお願いをしなければならないというふうに思いますけれども、しかしやはり保険料が中心であることには間違いが無いというふうに思っております。それらを総合的に見てトータルで一体どういう形にしていくのが良いのかということを、トータルでまさしく問われると思いますから、トータルで税と保険料と、そして自己負担をそれぞれしていただくのと、それらを全体でどのくらいに見ながらやっていくのかということを決定をしていかなければならないというふうに思っている次第でございます。それらの問題、年金の問題も今年の末にはお示しをしなければならないわけでございますから、その年金の問題等をお示しをします時に、それと同時にそうした全体像につきましても、やはり私たちの考え方を明確にする必要があるのではないかというふうに思っております。

(了)