閣議後記者会見概要

H14.08.07(水)13:40~13:59 厚生労働省記者会見場

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
それでは閣議における発言等をご紹介を申し上げたいと思いますが、内閣官房長官から栄典制度の改革につきましての発言がございました。栄典制度の在り方に関する懇談会の報告を踏まえまして、具体的な検討を進めてきたところでございますが、この度、その結果を取りまとめて決定するものであります。それから平成15年度予算の概算要求に当たっての基本的な考え方につきまして財務大臣から発言がございました。今まで実施したものを改めてまたご発言になったということでございます。それから平成15年度予算の概算要求につきまして、経済財政政策担当大臣から発言がありまして、平成15年度予算の概算要求に当たって、6月25日の閣議決定されました経済財政運営と構造改革に関する基本方針2002と総理のご指示を踏まえまして、平成15年度の予算の全体像を取りまとめたという発言でございます。それから総務大臣から平成15年度における機構及び定員の要求についての発言がございました。もう一つ総務大臣から平成15年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針につきまして、これは地方財政につきましての発言がございました。それから石原行政改革担当大臣から特殊法人等改革と平成15年度予算の概算要求についての発言がございました。内閣総理大臣から平成15年度予算の概算要求についての基本的な方針につきまして発言がありまして、平成15年度予算編成は、小泉内閣の取り組む二度目の予算編成であり、聖域なき構造改革を新たな局面に押し進めていくための大変重要な過程となります。国民の目から見て、真に負担に値する質の高い小さな政府を実現していくためには、歳出改革と行政改革を大胆に推進し、歳出に対する国民の信頼を確保することが不可欠であります。こういうご発言です。外務大臣からASEAN+3外相会議、ASEAN地域フォーラム等出席並びにシンガポール及びミャンマー訪問についてのご報告がございました。以上でございます。

質疑

記者:
8月15日が近づいていますが、靖国神社への参拝の問題、閣僚の参拝の問題がですね、毎年問題になると思いますけれども、大臣ご自身はどのように考えておいでか、お聞かせいただけませんでしょうか。
大臣:
8月15日、毎年閣僚の参拝の問題が問題になりますけれども、いつも申し上げておりますように、個人的な立場でご参加をなさることは、私は個々の自由だというふうに思っております。しかし、公の立場でやはり参拝されるということには、私は問題があると考えております。いつも申し上げているとおりでございます。
記者:
それに関連して、大臣は15日に参拝されるのかどうかということと、参拝、去年はされないというお話だったのですが、参拝されないとすればその理由、それから今政府の中で靖国神社に替わる国立の平和記念施設を作ろうというような構想が動いていますけれども、それらについて3点どういうふうにお考えかというのをお聞かせ願いますでしょうか。
大臣:
昨年も申し上げましたし、同じ事を申し上げなければならないわけでございますが、私自身は私の信念に基づいてこれは参拝はしないと、こういうことでございます。それから靖国神社に替わるべき墓苑の話につきましては、これは官房長官の下で取りまとめが進められているというふうに聞いておりますし、かなりお話し合いは煮詰まっているものというふうに思います。その結論をお待ちをしたいというふうに思っております。
記者:
そういう替わりの墓苑を作ること自体については、大臣としてはご賛成、ご反対どちらかとお考えになるでしょうか。
大臣:
これはそこで結論を出していただきたいというふうに思っておりますが、千鳥ヶ淵の墓苑もあるということでございますし、それらの問題を総合的にどうするかということだというふうに思います。全く新しいものを作るということが適切かどうか、千鳥ヶ淵を更に拡充をし、国民的なものにするという考えもございましょう。そうしたことを含めてご議論になっているというふうに思っております。
記者:
総理が15日の参拝を見送ると思われますけれども、そのことについてのご所見を。
大臣:
それは総理が考えられることで、私がとやかく言うことではない。
記者:
今日シーリングが閣議了解されたわけですけれども、社会保障費は昨年1兆円の伸びというのを3000億圧縮を求められて、7000億までにとどめるということがあったと思うのですけれど、今年度も圧縮幅は昨年より小さいながらも6900億程度まで義務的経費の社会保障分を押さえようと、物価スライドのところがまだ幅が決着しておりませんけれども、そういうシーリングを求められていまして、今回のシーリングについては、そういう大きな制度改正が無い中でどういうふうに評価されてますでしょうか。ある程度厚生労働省の主張も通ったというような受け止めでしょうか。
大臣:
6900億に加えまして、その物価スライドの分の850億くらいは、これは確実につくものというふうに私は思っております。そうしないとこれは話が通りませんから。したがいまして、全体としますと7800億くらいの予算は確保できたというふうに思っているところでございます。3年間、毎年毎年、特例法を国会に提出をいたしまして、そしてご審議をいただいて、そして各党のご賛同を得て、これは法律を通しているわけでありますから、それを3年間遡って全部無しにするというようなことは、そんな無謀なことは出来るわけがありませんので、いかに財務省とはいえ、そんな無謀なことは出来ない、私はそう思っております。したがいまして、それはあり得ない話であるというふうに思っておりますので、そこは安心をいたしておりますが、それにいたしましても、全体といたしましては9000億前後、全体としての自然的な伸びがあるわけでございますが、その自然の伸びの大きさをどこでどう短縮するかということだろうというふうに思っております。年金生活者に対しましては、これは過去の分はこれはもう絶対に認められませんけれども、もう3年間これ連続をしてこの物価の減少分をそのまま反映させるということは止めてきたわけでございますので、今年は加えまして、民間の所得がかなり下がってきております。したがいまして、現在の若い皆さん方の所得が下がるということになってまいりますと、やはり保険料ご負担をいただいているわけでございますから、高齢者の皆様方にとりましても、その他の問題につきましてはご理解をいただかなければならない、今年はご理解をいただかなければならないのではないかというふうに思っているところでございます。しかし全体として弱いところにあまりしわ寄せがいかないようにどうするかと、切るところは強いところを切ってくれと、こう今言っておりますので、これから年末に向けまして具体策に取り組んでいきたいと思っております。
記者:
昨年は医療制度改革という大きな歳出抑制の材料があったわけですけれども、今年はそういうものがない中で、さらに歳出を抑えるということで雇用保険の見直しですとか、生活保護の見直しというようなことも言われているんですけれども、そこら辺については、これはこういう情勢の中でやむを得ないというお考えでしょうか。
大臣:
伸びは伸びるわけでありますから、その伸び方をいかに抑制できるのかどうかということだというふうに思っております。雇用保険の問題につきましても、雇用保険のあり方、給付のあり方をどうするかということをまず考えなければいけません。ここを固めた上で一体どれだけ足りないのかということになるんだろうというふうに思います。この分野が大きくなればなるほど、国からの支援の部分も大きくなりますけれども、しかし保険料の方も大きくなるわけでございますので、そうしたことも十分に勘案をして、これは決定をしていかなければならないわけでありますから、伸びはこういう状況でございますからやむを得ないというふうに思っております。現在大体4,500億くらいでございますから、それに上乗せをしなければならないことは当然でございますけれども、上乗せ額をどのくらいで抑えることが出来るかという問題だというふうに思っております。他の分野につきましては、出来るだけ弱いところにしわ寄せがいかないようにどうするかという配慮をこれからしていかなければならないというふうに思います。生活保護等につきましても本当に生活保護そのものに切り込むということの無いようにしていきたいというふうに思っている次第でございます。
記者:
人事院勧告が明日出る予定で、かなり厳しい内容になるんじゃないかと言われていますが、この内容というのが、先程おっしゃっていた物価スライドの今後の引き下げ幅の議論に影響してくるでしょうか。そこはどういう受け止め方ですか。
大臣:
物価がこれから後半どういうふうに進むかということが非常に大きな問題だというふうに思いますけれども、民間の賃金ベースに合わせて人事院の勧告の話がどの程度になるかといったことも、これは影響無しとは思いません。やはり若干これは影響するんだろう、その影響するというのは、今0.6というふうに物価の下げ幅が言われておりますけれども、0.5にするのか0.7にするのかという今後の議論、そうしたものに影響は与えるだろうというふうに思っております。
記者:
それはあくまで単年度実施という考え方には変わらないと。
大臣:
そうですね、はい。
記者:
人事院勧告がこんなに下がったんだから、年金の方も単年度の引き下げじゃなくて。
大臣:
そういうことじゃありません。
記者:
そういうことには影響しないと。
大臣:
はい。
記者:
今のお話だと、物価スライドだけが要素ではなくて、そういう公務員の賃金動向もプラスアルファー加味して、最終的に単年度分だけにしても決まるというお考えでよろしいですか。
大臣:
それは物価動向が一番中心でございますけれども、その議論にはいろいろの影響を与えるだろうということを申し上げているわけです。今まで物価は下がって来ましたが、民間の賃金もそんなには今まで下がってこなかったわけで、去年の後半あたりから下がり始めたということだというふうに思います。一昨々年あたりは物価は下がっておりますけれども、賃金までは下がっていなかった。それが去年の後半ぐらいから賃金も下がり始めたということでございますので、そういう意味からいたしますと、今年は最初から賃金の下落が続いているといったことでありますので、今までの物価が下がるということの意味合いと、今年とは少し違ってきているというふうに思っております。
記者:
物価スライドですが、年金以外の規定のある児童扶養手当などに対する適用ということについては。
大臣:
法律で決まっているものがあるわけですね。児童扶養手当等もそうですが、いくつかのものは物価の変動によって決まる、物価スライドするということに法律上決まっているものがあるわけです。そうしたものを一体どうするかという問題があるというふうに思いますが、中でも児童扶養手当は内容を少し変えたところでもございますし、そうしたところにつきまして少し考えなければいけないというふうに思っております。どういうふうにするかは今後決めたいというふうに思っておりますが、検討したいと思っております。
記者:
年金の物価スライドの凍結を解除したことで、自動的に他の方にも適用されるという理解ではないんでしょうか。
大臣:
必ずしもそういうことではないというふうに思いますが、しかし法律で決まっておりますものは、そのままにしておきますと法律通りにやらなければいけないということでございますので、そういう時には法律の特例法を出して改正をするということだろうというふうに思います。
記者:
物価スライドでもう一度確認なんですが、以前マイナス改定から上がった時には、プラス改定の時にその分を相殺してということがあったんですが、過去3年分についてはどのような取り扱いをするとお考えになっているでしょうか。
大臣:
過去3年分につきましてはこれはその時にも申しましたけれども、これはこれからの年金の保険料をどう決めるかという、これは来年、正式には再来年でございますけれども、来年には決定しなければならないというふうに思います。その分は保険料にオンにされていくということだというふうに思います。
記者:
日本医師会と、自民党の麻生政調会長の間で、主に診療報酬、あるいは3割負担についての確認書というものを取り交わしていたということがありましたが、その中でも中医協の事項である診療報酬改定について盛り込まれていますが、自民党と日本医師会の間でそういう確認書を取り交わしているというその手法について、大臣はどう思われるのか。
大臣:
改正すること無しにそのままお通しをいただいたわけでありまして、私はそのことに感謝を申し上げているわけであります。しかし、運用上には若干の幅のあることでございますし、審議の中でも私からも答弁をした部分もございます。診療報酬の部分はいわゆる健保法の問題とは少し内容が違うわけでありまして、健保法が始まりますまでに、もう既に決定をされたものでございます。したがいまして、診療報酬の問題につきましては4月から6月までの3か月間の様子を見させていただくということをずっと言い続けてまいりましたので、9月になりますとこの全体像が明らかになるというふうに思いますから、その時にはその結果というものを中医協の中でご審議をいただくことになるだろうというふうに思っております。

(了)