閣議後記者会見概要

H14.07.09(火)9:23~9:37 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の大臣発言は、経済産業大臣から平成14年度中小企業者に関する国等の契約の方針につきましてのお話がございました。私の方からは平成14年版の労働経済の分析につきまして、いわゆる労働経済の分析、労働経済白書につきまして申し上げたところでございます。それから外務大臣からは災害・紛争地域における難民及び被災民等を支援するためのジャパン・プラットホームに対して行う資金拠出につきましてお話がございました。それから財務大臣からASEMの財務大臣会議にご出席になりました様子につきましての報告がありました。以上が閣議です。

閣議後閣僚懇談会について

大臣:
懇談会のところで総務大臣から独立行政法人の平成13年度業務実績の評価につきましてお話がございました。それから総理大臣から特殊法人等改革の推進等についてお話がありまして、簡素で効率的な政府を実現するためには、昨年12月に閣議決定されました「特殊法人等整理合理化計画」の具体化を一層強力に進めなければならない、こういうお話がございました。それから特殊法人の総裁等で閣議口頭了解を要するものについては、今後、閣議人事検討会議の対象とすることとしたい。さらに総裁等から、改革への取組姿勢、取組状況を内閣に報告することとしていただきたい。必要な場合には私に直接報告していただくこともあり得るので、これを肝に銘じて改革に取り組んでいただきたい。こういう内容でございました。以上私の方からご報告を申し上げることでございます。

質疑

記者:
今日この後、労働経済白書が公表になるわけなのですけれども、ご感想はいかがでしょうか。あるいは閣議でどんなことを言われたのでしょうか。
大臣:
そうですね、三点ございまして、それで一つは我が国の失業率は欧米諸国の失業率が低下傾向にあるなかで上昇を続けている。特に若年者と男性高齢者の失業率が高くなっている、これが一つ。第二は長期失業者がいったん増加すると、それを減らすことが困難になり、失業率が高止まりする可能性がある。また個々人で言えば一度長期化をしてしまうと、その人が失業状態から抜けきることが非常に難しくなってしまう。そういう意味ではやはり早く再就職をしていただけるようにご本人も努力をしていただかなきゃならないけれども、支援の方もそういうことを考えないといけないのではないかということでございます。三番目には90年代には雇用は主としてサービス業において創出されてきましたが、最近では雇用創出率が低下している。サービス業につきましても90年代ほどではなくなってきているという状況でございます。主な特徴、今回調べました特徴はこの三点でございまして、こうしたことに対する対応というものが迫られるということを書いておりまして、なるほど納得の出来る点だというふうに私も思っております。ですから失業が長期化してまいりました人に対して、やはり少し懇切丁寧にその人に対するお話を聞く、あるいはその人に対する様々な雇用のご紹介を申し上げる。何がその人にとって一番いいのかということのご相談等、もう少しきめ細かくやっていかないといけないのではないかというふうに思っております。そういう意味で今年キャリアカウンセラーを1万人増やしますので、特に長くなってきている皆さん方に対してどうするかといったところで、そうした人の活躍を期待したいというふうに思っております。
記者:
原爆症の認定の申請が今日70人くらい、全国から出されるんですけれども、それについてのご所見を。
大臣:
被爆者問題につきましては、今までから継続してやってきたことでございますから、申請をしていただきましたらそれに対して速やかに対応するということにしていかないといけないというふうに思っています。一つは基準が非常に厳しいのではないかというご意見もあるようでございまして、かなり具体的に特殊ないろいろの考え方によってやっておりますから、なかなか我々ちょっと聞きましても、一体どういう基準で進んでいるのかということが、いささか分かりにくい面も率直に言ってございますけれども、そうしたことにつきましても、ご指摘になるのがそれが事実なのか、それとも現実、今対応しております認定の尺度というものが納得出来る正しいものなのか、そうしたことにつきましても、もう少し私自身も内容を見ていきたいというふうに思っております。
大臣:
やらなければならないことが多すぎるものですから、なかなか手が回りませんで、国会の方ももう少しゆとりをいただくと出来るんですが、それもなかなかままにならず、よその委員会まで、よその委員会というと失礼でございますけれども、厚生労働委員会以外のところにも出張させていただかなければならないこともございますから、様々な問題がたまってまいりますのを処理するのは段々大変になってまいりますね。
記者:
次期年金制度改正に向けて超党派で勉強会を作って、与野党が取り組んでいこうという動きがあるようですが、大臣はどのように評価されていますか。
大臣:
前々からございますね。これは諸外国でもやっているようでございますし、自民党の津島先生、あるいは民主党の今井先生あたり、熱心にお取り組みになっているということは前々から聞いておりますし、知っております。来年、再来年には年金改革やらなければならないわけでありますから、与野党合わせていろいろのご議論をしていただくのも大変結構なことではないかというふうに思っております。政府の方は政府の方としてこの年金問題、粛々と進めていかなければならない。政府の方は早く考え方を整理をして、国民の皆さん方あるいはまた専門家の皆さん方にいくつかの選択肢をお示しを申し上げて、それをご議論をいただくということをしなければならないんだろうというふうに思っておりますから、再来年国会に提出をさせていただくということになれば、大体今年中に骨格をまとめて、そして来年になりましたらその選択肢をお示しを申し上げて、来年1年間で国民の皆さん方からもどういうふうにしていったらいいかということのご意見を伺うといったスケジュールになるのではないかというふうに思っております。
記者:
この与野党の勉強会も実現すれば何か考え方なり案をまとめると思うんですけれども、その取り扱いといいますか、厚生労働省なり政府としてはどのような扱い方をされると。
大臣:
それはちょっとまとまってからの話でございますから、どんなことがまとまるのかということによってそれをどうするかということは違って来るというふうに思いますけれども、いろいろご議論をいただきましたことは、それはまた多分そのことにつきましては国会でもご議論をいただくんだと思いますし、政府の方が示します選択肢の中の一つになるのかもしれませんし、ご議論をいただきましたことは十分私たちも聞かせていただきたいというふうに思っております。
記者:
原爆症に戻るんですが、今日集団申請される方は求めが却下されることも予想して、却下された上で認定制度を変えるために裁判を起こされる予定だと聞いているんですけれども、その提訴されるということについて大臣の受け止め方をお聞かせいただけますか。
大臣:
却下されることを前提にして申請される人は僕はないと思うんですね。やはり自分は認定されたいと、こういうふうに思ってやはり申請していただくんだろうと思うんですね。もちろん原爆の、どういう方が被爆を受けられたかということは、それは客観的に評価の出来ることでありますから、客観的なデータを基にしながら評価をするということに尽きるわけです。
記者:
現時点では特に評価基準等について見直しの必要性は。
大臣:
そう思っておりません。

(了)