閣議後記者会見概要

H14.06.28(金)9:12~9:22 参議院議員食堂

広報室

会見の詳細

閣議について

大臣:
今日の閣議の大臣発言からでございますが、まず総務大臣から労働力調査結果、消費者物価指数及び家計調査結果につきましての発表がございました。5月の完全失業率は季節調整値で5.4%となりまして、前月に比べて0.2ポイントの上昇となりました。就業者数は6、356万人と前年同月に比べまして117万人減少いたしております。14か月連続で前年同月の水準を下回っております。完全失業者数は375万人と、前年同月に比べまして27万人増加をいたしまして、14か月連続で前年同月の水準を上回っております。私の方から平成14年5月の有効求人倍率につきまして報告をいたしました。これは季節調整値で0.53倍と前月の0.52倍を0.01ポイント上回りました。有効求人、季節調整値でございますが、前月に比べまして1.2%の増加となり、有効求職者季節調整値は0.5%の増加となりました。求人、求職の動向、あるいはまた先程の総務省からの報告のありました労働力調査結果を見ますと、現下の雇用失業情勢は依然として厳しい状況にあるという認識をいたしております。その他法務大臣から社会を明るくする運動についての発言があり、外務大臣から日本NGO支援無償資金協力制度の導入につきましてご発言がありました。また外務大臣からイランにおける地震災害に対する緊急援助につきまして発言がございました。以上でございます。

その他

大臣:
もうひとつ付け加えさせていただきますと、有効求人倍率の方でございますが、これは完全失業率とは少しクロスする形になりまして、こちらの方は0.01ポイント好転したわけでございますが、内容は先程申しましたように依然として厳しいと、もう少し産業別におきます新規求人数等を見てみますと、製造業では依然として前年同月比でマイナスでございますが、マイナスの幅はしだいに小さくなってきております。電気機械器具製造業、ここのところは11.9%昨年に比べまして増になっております。運輸・通信の方は依然としてまだ黒三角、昨年に比べまして低い値でございますけれども、ここも次第にその数値は小さくなってきております。5.0、先月が12.5の黒三角でございました。それから販売・小売、それからサービス業、とりわけその中で情報サービス業等のところは昨年同月期に比べまして数字は良くなってきております。良くなる幅も大きくなってきております。情報サービス業等につきましては、4月は7.4%昨年同月比増でございましたが、5月は9.7%の増になっております。そういうところでございまして、まだら模様と申しますか、好転をしているかに見えるところがあります反面、全体としての数字で厳しい数字も出ているわけでございます。気を引き締めてこの雇用対策というものを継続しなければならないというふうに考えております。
それからもう一つはアスベストの問題がございまして、アスベストほとんどのものは禁止をいたしてまいりましたが、白アスベストと言われておりますものにつきましては今まで発ガン性はありますけれども、いわゆる青石綿とか茶石綿と比較をいたしますと相対的には危険性が低い、優れた耐熱性がありますとか、耐腐食性等の性能を有しておりまして他の物質への代替が困難であるとか、こういうことで今まで使用の禁止まで行わず呼吸用具の保護具ですね、そういうことを扱う人につきましては、保護具の使用等のいわゆる曝露防止対策等によります管理の徹底を図ってまいりました。しかし近年白石綿の代替品の開発が進んでまいりましたことも踏まえまして、白石綿につきましても国民の安全、社会経済にとりまして石綿製品の使用がやむを得ないものを除き、原則として使用等を禁止する方針で検討を進めているということでございます。やむを得ないものという中には、例えば化学プラントなどの時にこれに代わるべき良いものがないといったようなこともあって、全部とは言っておりませんけれども、しかし原則としてこれも使用等を禁止する方針で検討を進めてまいりたいというふうに思っております。アスベストの話は中村敦夫議員から提出をされておりましたアスベスト禁止措置に関する質問趣意書に答弁をいたしました。以上ご報告を申し上げたいと思います。

質疑

記者:
有効求人倍率は良くなってきているけれども、失業率はまた悪化したと、雇用情勢が良くなりつつあるのか、そこはまあ判断は難しいと思うんですけれども、大臣としてはどのように。
大臣:
現在集まってまいります数値を見ますとこれで良くなってきているというふうに判断をすることは出来ないというふうに思います。やはりまだ数字は月々多少上がったり下がったりいたしますけれども、まずは横ばいの状況を続けているというふうに考えた方がよろしいのではないかというふうに思っております。もう少し推移を見ないとこれが本当に回復をしてくるものなのか、それとも鍋底を這うような形でまだもう少し続いていくのかといったことの結論というのは少し理解しにくいというふうに思っております。したがって雇用対策は今まで以上に一つがんばっていかないといけないというふうに思っています。
記者:
今進めている雇用対策に関して十分だと大臣はお考えですか。
大臣:
今行っております雇用対策、かなり効果の出てきているところもございます。
しかし例えば高校生の卒業者のまだ就職をしてお見えにならない方がかなりあるといったようなこともございますので、そうしたところを集中的に各都道府県のハローワークにおきまして高校に出向いたり等もいたしまして、そうしてその対策をとることにいたしております。かなり重点的にやらなければならない点もあるというふうに思っています。
記者:
アスベストの関係ですけれども、これはいつ頃までに、法改正を行うんですか。
大臣:
政令改正ですね。これはWTOへの通告等を行わなければなりませんので3か月程度かかる。
記者:
聞こえなかったんですけれども、なんと。
大臣:
WTOへの通報をしなければならないものですから、それまで3か月くらいかかります。

(了)